今日の見出しから
同じ「台風や嵐が襲う」でも、見出しごとに選ばれた動詞が違います。どの語を選ぶかで、雨風がどんなふうにぶつかってきたのかが見えてきます。
「襲う」を表す動詞が出た見出し
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Typhoon Champi batters Taiwan
France 24
batters は「何度も打ちつける」。風と雨が休みなく叩きつける様子が1語で伝わります。
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Storm Austen batters France and UK with winds of up to 160 km/h
Euronews
こちらも batters。with 以下で、どんな強さの風だったのかを添えています。
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Thousands evacuated and flights grounded as Typhoon Champi hits eastern China
South China Morning Post
hits は「襲う」のいちばん広い言い方。evacuated と grounded は、are が省かれた受け身です。
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Flash floods swamp southeast Australia as record October rainfall forces school closures
Euronews
swamp は「沼」から来た動詞で「水浸しにする」。洪水の見出しにぴったりの語です。
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Taiwan: Deadly Typhoon Champi brings travel chaos and school closures
Euronews
動詞は brings(もたらす)。travel chaos は交通の大混乱、Deadly は「死者が出た」を1語で示す形容詞です。
なぜこの語なのか
batter は「打つ、たたく」を意味するフランス語の battre につながる語で、「何度もくり返したたく」のがもとのイメージです。同じ仲間には battle(戦い)があり、どちらも「打ち合う」感覚を持っています。
台風や嵐の見出しで batter が好まれるのは、1回ぶつかって終わりではなく、風と雨が何時間も打ちつけ続ける様子を表せるからです。経済やスポーツでも、株価や通貨が売られ続けたり、チームが大差で負けたりしたときに battered(さんざんにやられた)が使われます。
押さえどころ
batter は他動詞なので、The typhoon battered the coast. のように、襲われた場所をすぐ後ろに置きます。受け身の battered by strong winds(強風に打ちつけられた)もよく出ます。
使い分け
| 語 | 語感 | 使う場面 |
|---|---|---|
| hit | 襲う、直撃する(いちばん広い) | 台風・地震・不況・値上がりなど、何かが場所や人に及んだとき全般 |
| batter | 何度もくり返し打ちつける | 強い風雨が長く続いた台風や嵐。大きな被害を連想させる |
| lash / pound | むちのように打つ/どんどん叩く | 激しい雨や大波がたたきつける場面。waves pound the coast など |
| swamp | 水浸しにする、あふれさせる | 洪水や大雨。比喩で「(仕事などに)忙殺される」の意味にもなる |
見出しはこう読む
- 1過去のことも現在形
Typhoon Champi batters Taiwanは、すでに起きたことでも現在形で書くのが見出しの決まりです。「台風が台湾を襲った」と過去で訳して構いません。 - 2過去分詞だけで受け身
Thousands evacuated and flights groundedは、Thousands were evacuated and flights were grounded から were を省いた形。「数千人が避難し、航空便が欠航した」と読みます。 - 3as は「〜するなかで」
as Typhoon Champi hits eastern Chinaは「台風が中国東部を襲うなかで」。見出しの後半で、出来事の背景を添えています。 - 4with で中身を足す
with winds of up to ...は「最大で…の風をともなって」。動詞のあとに with を置き、どれほどの嵐だったかを短く補います。
使ってみる
「襲う」を表す例文
The storm battered the coast all night.
嵐が一晩中、海岸に打ちつけた。
Strong winds battered the small town, knocking down trees and power lines.
強風が小さな町を襲い、木や電線をなぎ倒した。
Heavy rain lashed the city during the morning rush hour.
朝の通勤ラッシュの時間帯に、激しい雨が街に打ちつけた。
Huge waves pounded the sea wall.
大きな波が防潮堤に何度も打ちつけた。
The river overflowed and swamped the nearby fields.
川があふれて、近くの畑が水浸しになった。
I'm swamped with homework this week.
今週は宿題に追われている。
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今日の1問
Q1Which verb best describes strong winds and rain hitting a place again and again?
強い風や雨が、ある場所に何度もくり返し打ちつけることを最もよく表す動詞はどれ?
batter は「何度もくり返したたく」がもとのイメージ。台風や嵐の見出しでは、風雨が長く打ちつけ続けた様子を表します。
今日の一言
hit は「当たった」、batter は「打ちつけ続けた」、swamp は「水浸しにした」。動詞ひとつで、雨風の襲い方の映像が変わります。