今日の見出しから
空港への攻撃も、山あいの洪水も、発電所への攻撃も、見出しでは同じ hit の一語で片づけられています。中身はまったく違う出来事なのに、なぜ同じ動詞で書けるのか。まずは並べて眺めてみましょう。
同じ hit が、別々の出来事を伝えた見出し
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Riyadh airport hit by fresh Houthi strike day after deadly attack
The Japan Times
is hit by の is が省かれた受け身。「空港が攻撃を受けた」と読みます。後ろの strike は名詞で「攻撃」。
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Saudi airport hit again day after deadly strike killed 13
CBS News
hit again で「再び攻撃された」。こちらも be 動詞が省かれた受け身です。
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Saudi Arabia vows resilience as Houthi strikes hit Riyadh airport
Al Jazeera
今度は strikes hit と能動態。名詞の strike(攻撃)が主語、hit が動詞です。
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Five people missing as fresh flash floods hit central Nepal
France 24
自然災害にも hit。「洪水が襲った」の意味で、人の意思がなくても使えます。
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Russia hits Ukraine power plants despite Trump energy ceasefire claim
Japan Today
hits の三単現の s は、見出しでは「〜した」と過去の出来事として読みます。
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Hurricane Simon lashes Mexico's Pacific coast, pounds resorts and towns
CBS News
hit の代わりに lashes と pounds。嵐の激しさまで動詞で描き分けています。
なぜこの語なのか
hit のいちばん根っこの意味は「ぶつかる・当たる」です。ボールがバットに当たるのも、拳が相手に当たるのも hit。そこから「何かが外から来て、ドンとぶつかる」イメージが広がり、ミサイルにも、台風にも、不況にも使えるようになりました。
見出しで hit が好まれるのは、3文字と短く、主語が人でも自然現象でも同じ形で書けるからです。attack は「意思を持った攻撃」なので洪水には使えませんが、hit なら洪水も不況も「襲った」と言えます。万能なぶん、中身は前後の名詞で判断します。
押さえどころ
hit は「当たる」が出発点。 攻撃なら「攻撃した」、災害なら「襲った」、経済なら「打撃を与えた」と、主語に合わせて訳し分けます。hit の過去形・過去分詞も hit なので、時制は前後から決めましょう。
使い分け
| 語 | 語感 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| hit | 当たる・襲う。いちばん中立で万能 | 攻撃、地震・台風、不況、値上げの打撃 |
| strike | 狙って打つ。少しかたい | 軍事攻撃(airstrike、drone strike)、地震・落雷 |
| pound | 何度もドンドンたたく | 砲撃が続く、嵐や大雨が長く居すわる |
| lash | むちで打つように激しく | 暴風雨・高波が沿岸を襲う |
見出しはこう読む
- 1be 動詞が消えた受け身
Airport hit by strikeは Airport is hit by strike の is が省かれた形。名詞+過去分詞+by を見たら「〜に〜された」と読みます。 - 2現在形は「〜した」
Floods hit Nepalの hit は、見出しの約束で「最近起きたこと」。日本語では「襲った」と過去形で訳すのが自然です。 - 3名詞の strike に注意
Houthi strikes hit ...のように、strike が名詞(攻撃)で hit が動詞の組み合わせもあります。どれが主語かを最初に決めましょう。 - 4-hit で形容詞に
flood-hit areas(洪水の被災地)のように、ハイフンでつなぐと「〜に襲われた」という形容詞になります。flood-hit や drought-hit は辞書にもあります。
使ってみる
hit とその仲間を使った例文
A strong typhoon hit the island overnight.
強い台風が夜のうちにその島を襲った。
The town was hit by heavy rain for three days in a row.
その町は3日続けて大雨に見舞われた。
Small businesses were hit hard by the rise in energy prices.
小さな会社は、エネルギー価格の上昇で大きな打撃を受けた。
hit hard で「大きな打撃を受ける」。経済ニュースの定番です。
Big waves pounded the coast all night.
大きな波が一晩中、海岸に打ちつけた。
Volunteers brought food and water to flood-hit areas.
ボランティアが、洪水の被災地に食料と水を届けた。
My phone bill hit a record high this month.
今月のスマホ代は過去最高になった。
hit a record high は「過去最高に達する」。ぶつかる先が数字の「天井」というイメージです。
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今日の1問
Q1In the headline "Small towns hit by flash floods," what does "hit" mean?
見出し「Small towns hit by flash floods」の hit はどういう意味?
名詞+過去分詞+by は be 動詞が省かれた受け身の見出しです。「小さな町が鉄砲水に襲われた」と読みます。
今日の一言
見出しの hit を見たら、まず主語が「ぶつかってきたもの」か「ぶつかられたもの」かを確かめましょう。by があれば受け身、無ければ主語が襲った側です。