今日の見出しから
今朝は、同じ出来事を伝える見出しが、媒体ごとに違う動詞を選んでいました。ここでは経緯や評価には触れず、「引き揚げる」という英語の形だけに注目します。
「撤退」の言い方が分かれた見出し
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U.S. withdraws forces in Iraq as balance of power shifts to Iran
The Washington Post
withdraws forces。withdraw は「部隊を」を目的語に取る他動詞としても使えます。主語は国(U.S.)です。
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U.S. forces exit Iraq, emboldening Iran’s proxies and Islamic State
The Japan Times
exit Iraq。exit は「出口」の名詞でおなじみですが、ここでは動詞。from なしで場所をそのまま置けます。
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Last UK and US troops leave Iraq as anti-Islamic State mission ends
BBC News
troops leave Iraq。いちばん基本の leave。軍事の色がない、ふつうの「去る」です。
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Why is the US withdrawing its troops from Iraq?
France 24
withdrawing its troops from Iraq。withdraw A from B(AをBから引き揚げる)の形がそろって見えます。
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Baghdad celebrates, Kurds concerned as US completes Iraq withdrawal
ABC News (Australia)
Iraq withdrawal。名詞の withdrawal の前に地名を置いて「イラクからの撤退」。コンマは and の代わりです。
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US forces to leave last bases in Iraq despite fears Iran will exploit withdrawal
Sky News
to leave は「これから去る」。後半には名詞の withdrawal も出て、動詞と名詞が1本にそろっています。
なぜこの語なのか
withdraw は with と draw(引く)が合わさった語で、この with はもともと「後ろへ・離れて」という意味でした。つまり「後ろへ引く」。銀行でお金を引き出すのも withdraw、発言を撤回するのも withdraw で、どれも「出していたものを引っ込める」イメージでつながっています。
一方の exit は「外へ出る」、leave は「その場を離れる」。どちらも軍事専用の言葉ではありません。withdraw には「計画して、段階を踏んで引き揚げる」という公式な響きがあり、exit や leave は「出ていく」という結果だけを短く伝えます。見出しでは、この長さと響きの差で動詞が選ばれます。
ここを押さえる
withdraw from +場所(〜から撤退する)と leave +場所(〜を去る)で、from の有無が違います。「イラクを去る」の意味では leave from Iraq とはせず、leave Iraq と言います。名詞は troop withdrawal(部隊の撤退)で、withdrawal の綴りは l で終わる点にも注意しましょう。
使い分け
| 言い方 | 語感 | よく出る場面 |
|---|---|---|
| withdraw | 計画的・公式な「引き揚げ」。改まった響き | withdraw troops from、withdraw from a treaty など、軍・外交・条約 |
| exit / leave | 「出ていく」という結果だけを短く言う | forces exit Iraq、troops leave のように見出しで短く言いたいとき |
| pull out | くだけた句動詞。「手を引く」感じ | pull out of a deal、pull out troops など、会話や見出し |
| drawdown | すぐに全部ではなく、規模を減らしていくこと | troop drawdown のように、段階的な削減を言うとき |
見出しはこう読む
- 1現在形は「〜した」
troops leave Iraqは現在形ですが、見出しでは起きたばかりのことを現在形で書くのが決まりです。「部隊がイラクを去った」と過去のこととして読みます。 - 2to 不定詞は「これから」
US forces to leave last basesのto leaveは「去る予定だ」。be 動詞の is や are を省いた形で、まだ起きていないことを表します。 - 3地名+名詞で「〜からの」
Iraq withdrawalはwithdrawal from Iraqを短くした形。見出しでは前置詞を省いて、地名を形容詞のように前に置くことがよくあります。 - 4as は「〜するなか」
as anti-Islamic State mission endsの as は「〜と同時に・〜するなかで」。2つの出来事が並んで起きていることを示す、見出しの定番のつなぎです。
使ってみる
「引き揚げる」を言う
The government decided to withdraw its troops.
政府は部隊を撤退させることを決めた。
withdraw +目的語で「〜を引き揚げる」。
The company withdrew from the Russian market.
その会社はロシア市場から撤退した。
目的語なしで from を続ける形。ビジネスでもよく使います。
The last soldiers left the base on Tuesday.
最後の兵士たちが火曜日に基地を去った。
leave は from なしで場所を置きます。
Several sponsors pulled out of the event.
いくつかのスポンサーがそのイベントから手を引いた。
The withdrawal will take place in stages.
撤退は段階的に行われる予定だ。
I need to withdraw some cash before we go.
出かける前に、現金を少し引き出さないと。
日常ではお金を「引き出す」の意味でいちばんよく使います。
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今日の1問
Q1Which is correct? 'The troops will ___ the country next month.'
正しいのはどれですか。「部隊は来月その国を去る予定だ」
leave は「〜を去る」の意味で、場所を from なしで直接置けます。withdraw と retreat は withdraw from the country のように from が必要で、pull なら pull out of the country と out of が要ります。
今日の一言
見出しで withdraw・exit・leave のどれを見ても、中身は「引き揚げる」。違いは響きと文の形です。withdraw には from、leave と exit には from なしと覚えておけば、見出しも自分の英文もすっきり読み書きできます。