次期学習指導要領とのつながり

AI・データサイエンスの活用科学的な根拠リスクへの配慮
審議まとめは、職業に関する全ての教科でAIやデータサイエンスなど情報技術を活用した学びを充実させるとしています。そのうえで、AI等は考えを広げたり深めたりできる一方、生徒の思考を止めてかえって深い学びの妨げになる可能性があること、集めた情報は信頼性や妥当性を吟味する必要があること、AIが生成した文章や画像には著作権等の課題が生じる場合があることへの配慮を求めています。また、AI等を使った学習の指導と評価では、生徒が自ら思考・判断・表現できているかという視点で捉えるとしています。この授業は、AIを分析の補助にとどめ、考察は生徒が担う構成です。 P294P298P299
ねらい
架空の店舗の販売データから売上の傾向を読み取り、その要因と改善策を、データにもとづく根拠をもって考える。
準備するもの
- 教師が作成した架空の店舗の販売データ(月別・商品別・天候など)
- AIを使う場合の学校のルールの確認
- 考察シート(自分の予想/AIが示した傾向/元データで確かめた結果/要因の考察/改善策/根拠)
手順
- データの内容を説明します。まずAIを使わずにデータを見て、売上の変化について自分の予想を書きます。5分
- 表計算ソフトでグラフを作り、予想が当たっているかを確かめます。10分
- AIにデータの傾向を説明させ、自分の読み取りと比べます。AIが示した傾向が元データで本当に言えるかを1つずつ確かめます。10分
- 班で売上が変化した要因を考察します。要因はAIに聞かず、自分たちの知識(商品の特徴、季節、地域の行事など)とデータから考え、根拠を書きます。15分
- 改善策を1つ決めて発表し、最後に「AIが役に立ったこと・危なかったこと」を振り返ります。10分
評価(見取り)のポイント
要因の考察と改善策が、データにもとづく根拠で説明できているか、AIの示した内容を元データで確かめているかを見取ります。成果物だけでなく、考察シートに残った作成過程や、発表後の質疑で自分の言葉で説明できるかを合わせて評価します。
AIを使うなら
AIは「データの傾向を説明させる」場面に限って使います。AIの説明は必ず元データで確かめ、要因の考察や改善策の決定はAIに任せません。AIが作った文章や画像を発表資料に使う場合は、著作権などの課題がないかを確認させます。
うまくいくコツ・アレンジ
- データは架空のものにすると、個人情報や企業の秘密を気にせず扱えます。
- AIの説明が元データと食い違う場面があると、吟味の大切さに気付きやすくなります。
- 「AIが役に立ったこと・危なかったこと」の振り返りを毎回残すと、使い方のルールを生徒自身で見直せます。
アレンジ
- 農業科では収量と気温・日照時間、福祉科では架空の利用者記録など、学科に合わせてデータを差し替えます。
- 課題研究で、連携先から提供された実データを扱う発展も考えられます(扱いのルールは連携先と事前に決めます)。生成AIに入力する場合は、個人情報・企業秘密を除去または匿名化し、学校・教育委員会の情報セキュリティ方針とAIサービスの利用規約を確認して、許可された環境以外には入力しません。生徒が直接使う場合は、年齢制限や必要に応じた保護者の同意も確認します。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。