今日の見出しから
投票の結果は、どちらの側から書くかで動詞が変わります。「独立に向かう案を退けた」と書けば reject、「カナダに残ることを選んだ」と書けば vote to remain。今朝の見出しは、同じ投票をこの2つの書き方で伝えています。
同じ住民投票を別々の動詞で伝えた見出し
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Alberta rejects separation referendum: What’s next for Canadian province?
Al Jazeera
reject は「退ける」。コロンの後ろの What’s next for …? は「〜はこれからどうなる?」という解説記事の定番の形です。
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Alberta voters reject move to separate from Canada
ABC News (Australia)
こちらは主語が voters(有権者)。move は動詞ではなく名詞で「動き、試み」です。
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Alberta votes to remain part of Canada
Japan Today
同じ結果を「残る」側から書いた形。vote to 動詞 で「投票して〜することを選ぶ」。
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Alberta Voted to Stay in Canada. That Doesn’t Quite Settle the Separatist Debate
TIME
remain の代わりに、より口語的な stay。後半の settle は「(議論に)決着をつける」です。
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Alberta voters reject a move toward independence in referendum backing Canadian unity
NPR
reject と back(支持する)を1本に両方入れた見出し。backing は referendum を後ろから説明しています。
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Alberta rejects independence referendum plan, but separatists vow to keep fighting
Euronews
but の後ろで話が続きます。vow to は「〜すると誓う」で、to 以下はこれからのことです。
なぜこの語なのか
reject は、ラテン語の re-(後ろへ)と jacere(投げる)から来た語です。差し出されたものを「投げ返す」イメージで、提案・申し出・案を「受け入れない、退ける」という意味になります。project(前に投げる=計画、映し出す)や inject(中に投げる=注射する)と同じ仲間です。
住民投票の見出しでは、主語に州名や voters が来て、目的語に「退けた中身」が来ます。今朝なら separation referendum、move to separate、independence referendum plan。目的語を見れば「何が否決されたか」が分かり、逆に vote to remain なら「何が選ばれたか」が分かる、というわけです。
押さえどころ
reject + 退けた案 と vote to remain + 選んだ側 は、同じ結果の裏表です。見出しの動詞がちがっても、内容が食いちがっているわけではありません。どちらの側から書いた文なのかを、まず目的語でつかみましょう。
使い分け
| 語 | 語感 | 使う場面 |
|---|---|---|
| reject | (案・申し出を)退ける | 住民投票、提案、申請、和平案など。目的語は「退けたもの」 |
| vote to remain / stay | 投票で「残る」ほうを選ぶ | 結果を、選ばれた側から書くとき。remain は硬め、stay は口語的 |
| vote down | 投票で否決する | 議会や委員会で法案・議案を否決するとき。句動詞で、受け身は be voted down |
| back | 支持する、後押しする | 候補者や案を支持するとき。見出しでは support より短い back が好まれる |
見出しはこう読む
- 1現在形でも「〜した」
Alberta rejects …は、ふつうの文なら rejected。見出しでは、終わったばかりの出来事も現在形で書いて、ニュースの新しさを出します。 - 2州名=州の有権者
Alberta votes to remainの Alberta は、実際には州の有権者のこと。見出しでは国名や州名で、その住民や政府を表すことがよくあります。 - 3move は名詞のことも
reject move to separateの move は「動き、試み」という名詞。reject の目的語になっているので、動詞ではないと分かります。 - 4-ing で後ろから説明
referendum backing Canadian unityは「カナダの一体性を支持する(結果になった)住民投票」。名詞の後ろの -ing は、その名詞を説明しています。
使ってみる
投票と結果を表す例文
The committee rejected the proposal by a wide margin.
委員会はその提案を大差で退けた。
My application was rejected, but I'm going to try again.
申し込みは通らなかったけれど、もう一度挑戦するつもりだ。
Most students voted to keep the old school uniform.
多くの生徒が、今の制服を続けることに票を投じた。
The residents voted to remain an independent town instead of merging with the city.
住民は、市と合併せずに独立した町のままでいることを投票で選んだ。
The city council voted down the plan for a new stadium.
市議会は新しい競技場の計画を否決した。
The new rule was backed by most of the club members.
新しいルールは、部員の大半に支持された。
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今日の1問
Q1Which sentence has the same meaning as "Alberta votes to remain part of Canada"?
「Alberta votes to remain part of Canada」と同じ意味の文はどれ?
vote to remain(残ることを選ぶ)と reject a move to separate(分離の動きを退ける)は、同じ結果を逆の側から書いた言い方です。reject の後ろに何が来ているかを見れば、見分けられます。
今日の一言
投票の見出しは、まず動詞の後ろを見ること。reject なら「退けた案」、vote to なら「選んだ道」が続きます。どちらから書いてあっても、同じ結果を指していることがあるのです。