高校の大きな変化
減単(単位を減らす)の見直し
減単とは、標準より少ない単位で科目を学ぶことです。いまの必履修科目は、原則として減単できません。次期は、生徒の実態などに照らして必要な場合、一定の限度の下で認める考え方に改める案です。たとえば今は減らせない2単位の必履修科目(4新単位)も、1新単位の範囲で減らせます。ただし教科の合計が3新単位以下になる減単はできません。 P47
変わらないこと
多くの教科の科目名・単位数
科目の再編や名前の変更が示されたのは、外国語・国語・数学の3教科です。それ以外の教科の科目は、名前も単位数も現行と同様とされています。国語の必履修科目の構成と単位数、英語の単位数も今のままです。 P80
年間35週の授業週数
小・中学校は「年間40週を標準」に改める方向ですが、高校の全日制は事情が違います。標準と実態に大きなずれはないとして、年間35週を標準とする今の決まりを維持することが適当とされました。 P51
3つの力の柱で育てる
知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16
「総合的な探究の時間」
高校の「総合的な探究の時間」という名前はそのままです。小・中学校のほうが、高校と同じ名前にそろえる方向です。小学校から高校まで、一貫して「探究」を大切にする形になります。 P77
先生の毎日はどう変わりそう?
授業では、単元を通して身に付けたい理解や力から計画を立てる形が求められる方向です。評価では、態度のABCをやめ、所見欄での一人一人の伸びの評価(個人内評価)と、思考・判断・表現の評価に「◯」を書き添えることを組み合わせる案です。評定を学年末だけにまとめてもよいと明確に示すべきとされています。時間割は、週30コマの標準がなくなり、半期ごとの科目選びもしやすくなる方向です。ICTは、デジタル学習基盤を常に使える前提で考えます。
全教科10秒早見表(高校)
| 教科等 | 高校で変わること(10秒) |
|---|---|
| 国語 | 必履修は現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ。選択は現代の国語Ⅱ・言語文化Ⅱと発展4科目に再編 話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ |
| 地理歴史・公民 | 科目名は現行どおり。地理総合に導入単元を新設、「公共」の事柄・課題は13→10に精選 覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ |
| 数学 | 数学Ⅰに「社会を読み解く数学」等を加え最大8新単位程度に。数A・B・Cは1科目に統合する案 小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる |
| 理科 | 「科学と人間生活(8新単位)」1科目で必履修を満たす道を新設。各基礎科目に科学ガイダンス 小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる |
| 理数 | 理数探究基礎・理数探究は現行どおり。文理横断(STEAM)の課題も充実し、全校で指導 理系だけでなく文理をこえたテーマで、全校で探究を |
| 芸術 | Ⅰの科目で芸術の全体像や学ぶ意味を考える機会を設ける。書道は字形等を〔共通事項〕に 思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに |
| 家庭 | ホームプロジェクト等を各領域の「生活の課題と実践」に。家庭総合に新F領域を追加 領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に |
| 情報 | 情報Ⅰ・Ⅱの構成は維持。AI・データサイエンスを加え、両科目の最後にPBL(課題解決学習) 小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実 |
| 保健体育 | 専門教科「体育」を「スポーツ」に改称。保健は健康・安全の「概念」と「原則」を軸に 身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に |
| 外国語(英語) | 英語コミュニケーション→同(総合)、論理・表現→英語コミュニケーション(発信)に改称 AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ |
| 専門教科(産業教育) | 全専門教科でAI・データ活用と経営の学びを充実。課題研究は履修学年を示さない 専門高校の学びを、AI・データと産業界との協働で強める |
| 総合的な探究の時間 | 名称は現行どおり。自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を自分で進められる姿を目指す 小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向 |
| 特別活動 | ホームルーム活動(小中は学級活動)を「学級経営の要」に。キャリア・パスポート例示資料は廃止 子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ |
いつから?(改訂スケジュール)
| 年度 | 2026 | 2027 | 2028 | 2029 | 2030 | 2031 | 2032 | 2033 | 2034 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 幼稚園等 | 審議・答申 | 周知 | 全面実施 | ||||||
| 小学校 | 審議・答申・告示 | 周知 | 先行実施 | 先行実施 | 全面実施 | ||||
| 小学校の教科書 | 著作・編集 | 検定 | 採択・供給 | 使用開始 | |||||
| 中学校 | 審議・答申・告示 | 周知 | 先行実施 | 先行実施 | 先行実施 | 全面実施 | |||
| 中学校の教科書 | 著作・編集 | 検定 | 採択・供給 | 使用開始 | |||||
| 高等学校 | 審議・答申 | 告示(年度末) | 周知 | 先行実施 | 先行実施 | 先行実施 | 入学生から | 2年生まで | 全学年 |
| 高校の教科書 | 著作・編集 | 検定 | 採択・供給 | 使用開始(学年ごと) |
文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)より。
よくある質問
単位の数え方を細かくする案で、今の1単位はおおむね2新単位にあたります。卒業に必要な単位も74単位から148新単位になります。必履修科目全体の学習時間は、今の1330コマから1326コマと、わずかに減る計算が示されています。 P46P81
いいえ。要件を満たす生徒がいても、必ず免除しなければならない仕組みではありません。時間割が合わない、希望者が少ないといった事情もあるためです。学校として実施できる場合に選べる仕組みとされています。振替先の科目などは、今後解説等で具体的に定めるとされています。 P48P49
いいえ。新しい単位の数え方は、2学期制への移行を前提にしたものではないとされています。2学期制の学校は、前期・後期で単位を認めやすくなる利点があります。3学期制でも、新単位の数を2の倍数にすれば、これまでと同じように運用できるとされています。 P46
2029年度か2030年度(令和11年度か12年度)に先に始める方向です。具体の年度は、都道府県教育委員会などの検討状況を見て決まります。その前の2028年度からは「高校版サキドリ研究校」を指定し、事例づくりを進める方向です。 P51













