次期学習指導要領 全教科まとめ【合本】高校
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の全教科で1冊に

高校全教科まとめ【合本】

校種ガイド+全13教科等の冊子を、この1冊にまるごと

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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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次期学習指導要領 校種別ガイド高校
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審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けに

高校の先生のための次期学習指導要領ガイド

単位の数え方を細かくし、学校が科目を組み立てる自由を広げる案です。

たとえると

たとえるなら、千円札でしか払えなかったお店で、五百円玉も使えるようになるようなものです。1単位を35コマから17コマに細かくし、半年ごとの学びも単位にしやすくします。たとえ話で、制度はまだ案の段階です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
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高校の大きな変化

1単位を17コマに(新単位)

いまは35コマで1単位なので、半年だけの学びは単位にしにくい仕組みです。次期は1単位を細かくし、50分の授業17コマを1単位の標準にする案です(新単位)。半期の学びでも単位を認めやすくなります。卒業に必要な単位は148新単位とすることが適当とされました。2学期制への移行を前提にしたものではないとされています。 P42P46

いままで50分×35コマで1単位、卒業には74単位が必要です。
→
これから(方向)50分×17コマを1単位の標準にし、卒業は148新単位とする案です。

科目を学校で組み替えられる

内容が重なっていても、別々の科目として学ぶ必要がある、という課題が指摘されました。次期は、科目の目標の趣旨を損なわないなど3つの要件のもと、学校の判断で科目の内容を移したりまとめたりできる案です。必履修科目も対象です。既存の科目の内容だけで作った「組替え後科目」は、単位数の上限を設けない方向です。 P42P43P44P45

いままで原則として、科目の間で内容を移したり入れ替えたりはできません。
→
これから(方向)一定の要件のもと、学校の判断で必履修科目も含めて組み替えられる方向です。

減単(単位を減らす)の見直し

減単とは、標準より少ない単位で科目を学ぶことです。いまの必履修科目は、原則として減単できません。次期は、生徒の実態などに照らして必要な場合、一定の限度の下で認める考え方に改める案です。たとえば今は減らせない2単位の必履修科目(4新単位)も、1新単位の範囲で減らせます。ただし教科の合計が3新単位以下になる減単はできません。 P47

いままで必履修科目の減単は「原則不可」で、2単位の科目は減らせません。
→
これから(方向)「一定の限度の下で可」を基本とし、2単位の科目も減らせる方向です。

英語・数学の履修免除

すでに十分な力がある生徒のための仕組みの案です。社会的に信頼された外部試験の合格など、3つの要件をすべて満たす場合に、必履修科目の履修を免除し、ほかの科目に振り替えられます。まずは外国語と数学からです。英語ではCEFRのB2レベル相当以上が考えられるとされています。学校が必ず実施しなければならない仕組みではありません。 P42P48P49

いままで高い力がある生徒も、必履修科目を初めから履修する必要があります。
→
これから(方向)要件を満たせば、学校の判断で履修を免除し、上位の科目などに振り替えられる方向です。

週30コマの標準をなくす

週30コマが標準とされているため、3年間で90単位以上を履修するのが一般的です。これは卒業に必要な単位を大きく超えています。次期は、週当たりの授業時数の標準を示さない案です。卒業に必要な単位を修得できる範囲で、各学校が週の時間割を柔軟に組めるようになります。 P42P51

いままで週30コマが標準で、3年間で90単位以上の履修が一般的です。
→
これから(方向)週30コマの標準は示さず、学校ごとに週の時間割を組める方向です。

学校独自の科目を広げる

学校独自の教科・科目(学校設定教科・科目)を、卒業単位にもっと多く入れられるようにする案です。普通科では、卒業単位の4割程度にあたる28単位(56新単位)までとすべきとされました。地域社会学科などの「その他普通教育を主とする学科」では、必履修以外の全て(70新単位)まで認める方向です。 P45P50

いままで普通教育を主とする学科では、学校設定教科・科目を卒業単位に入れられるのは20単位までです(専門学科は今も上限なし)。
→
これから(方向)普通科は56新単位、「その他普通教育を主とする学科」は70新単位まで広げる案です。

英語・国語・数学の科目が変わる

英語の科目名は、「英語コミュニケーション(総合)(仮称)」と「英語コミュニケーション(発信)(仮称)」に変わる方向です。単位数は今と同じです。数学Ⅰには「数学ガイダンス」「社会を読み解く数学」が加わり、最大8新単位程度に増える案です。数学A・B・Cは一つの選択科目にまとめます。国語は選択科目を組み直します。 P80P81P82

いままで英語は英語コミュニケーションと論理・表現、数学はⅠ〜ⅢとA・B・Cです。
→
これから(方向)3教科で科目名や構成が変わり、ほかの教科は現行どおりの方向です。

情報Ⅰ・Ⅱの充実

高校の情報科は、中学校までの積み上げが十分でないため、基礎に時間が割かれていると指摘されました。次期は、情報Ⅰ・Ⅱの内容を充実させ、データサイエンスやAIに関する内容を強める方向です。大学に進まない生徒も含め、高校卒業生全員に力を育てるとしています。数理・データサイエンス・AIを、日常や仕事で使いこなせる力(リテラシーレベル)です。 P72P74

いままで情報Ⅰ(必履修)・情報Ⅱがあるものの、基礎に時間がかかっています。
→
これから(方向)データサイエンスやAIの内容を強め、全員にリテラシーレベルの力を育てる方向です。

変わらないこと

多くの教科の科目名・単位数

科目の再編や名前の変更が示されたのは、外国語・国語・数学の3教科です。それ以外の教科の科目は、名前も単位数も現行と同様とされています。国語の必履修科目の構成と単位数、英語の単位数も今のままです。 P80

年間35週の授業週数

小・中学校は「年間40週を標準」に改める方向ですが、高校の全日制は事情が違います。標準と実態に大きなずれはないとして、年間35週を標準とする今の決まりを維持することが適当とされました。 P51

3つの力の柱で育てる

知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16

「総合的な探究の時間」

高校の「総合的な探究の時間」という名前はそのままです。小・中学校のほうが、高校と同じ名前にそろえる方向です。小学校から高校まで、一貫して「探究」を大切にする形になります。 P77

先生の毎日はどう変わりそう?

授業では、単元を通して身に付けたい理解や力から計画を立てる形が求められる方向です。評価では、態度のABCをやめ、所見欄での一人一人の伸びの評価(個人内評価)と、思考・判断・表現の評価に「◯」を書き添えることを組み合わせる案です。評定を学年末だけにまとめてもよいと明確に示すべきとされています。時間割は、週30コマの標準がなくなり、半期ごとの科目選びもしやすくなる方向です。ICTは、デジタル学習基盤を常に使える前提で考えます。

全教科10秒早見表(高校)

教科等高校で変わること(10秒)
国語必履修は現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ。選択は現代の国語Ⅱ・言語文化Ⅱと発展4科目に再編
話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ
地理歴史・公民科目名は現行どおり。地理総合に導入単元を新設、「公共」の事柄・課題は13→10に精選
覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ
数学数学Ⅰに「社会を読み解く数学」等を加え最大8新単位程度に。数A・B・Cは1科目に統合する案
小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる
理科「科学と人間生活(8新単位)」1科目で必履修を満たす道を新設。各基礎科目に科学ガイダンス
小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる
理数理数探究基礎・理数探究は現行どおり。文理横断(STEAM)の課題も充実し、全校で指導
理系だけでなく文理をこえたテーマで、全校で探究を
芸術Ⅰの科目で芸術の全体像や学ぶ意味を考える機会を設ける。書道は字形等を〔共通事項〕に
思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに
家庭ホームプロジェクト等を各領域の「生活の課題と実践」に。家庭総合に新F領域を追加
領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に
情報情報Ⅰ・Ⅱの構成は維持。AI・データサイエンスを加え、両科目の最後にPBL(課題解決学習)
小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実
保健体育専門教科「体育」を「スポーツ」に改称。保健は健康・安全の「概念」と「原則」を軸に
身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に
外国語(英語)英語コミュニケーション→同(総合)、論理・表現→英語コミュニケーション(発信)に改称
AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ
専門教科(産業教育)全専門教科でAI・データ活用と経営の学びを充実。課題研究は履修学年を示さない
専門高校の学びを、AI・データと産業界との協働で強める
総合的な探究の時間名称は現行どおり。自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を自分で進められる姿を目指す
小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向
特別活動ホームルーム活動(小中は学級活動)を「学級経営の要」に。キャリア・パスポート例示資料は廃止
子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

いつから?(改訂スケジュール)

高校の学習指導要領の改訂(告示)は2027年度末(令和9年度末)の予定です。実施は2032年度(令和14年度)の入学生から学年ごとに進む見込みです。単位制の見直しは、2029年度か2030年度(令和11年度か12年度)に先に始める方向です。どれも予定で、変わることがあります。
年度202620272028202920302031203220332034
幼稚園等審議・答申周知全面実施
小学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施全面実施
小学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
中学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施先行実施全面実施
中学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
高等学校審議・答申告示(年度末)周知先行実施先行実施先行実施入学生から2年生まで全学年
高校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始(学年ごと)

文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)より。

よくある質問

新単位になると、学習量は減りますか?

単位の数え方を細かくする案で、今の1単位はおおむね2新単位にあたります。卒業に必要な単位も74単位から148新単位になります。必履修科目全体の学習時間は、今の1330コマから1326コマと、わずかに減る計算が示されています。 P46P81

外部試験で基準を満たした生徒は、必ず免除しないといけませんか?

いいえ。要件を満たす生徒がいても、必ず免除しなければならない仕組みではありません。時間割が合わない、希望者が少ないといった事情もあるためです。学校として実施できる場合に選べる仕組みとされています。振替先の科目などは、今後解説等で具体的に定めるとされています。 P48P49

2学期制にしないといけませんか?

いいえ。新しい単位の数え方は、2学期制への移行を前提にしたものではないとされています。2学期制の学校は、前期・後期で単位を認めやすくなる利点があります。3学期制でも、新単位の数を2の倍数にすれば、これまでと同じように運用できるとされています。 P46

単位制の見直しは、いつから使えますか?

2029年度か2030年度(令和11年度か12年度)に先に始める方向です。具体の年度は、都道府県教育委員会などの検討状況を見て決まります。その前の2028年度からは「高校版サキドリ研究校」を指定し、事例づくりを進める方向です。 P51

数学Ⅰの時間は増えますか?

数学Ⅰに「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を加え、最大8新単位程度とすることが適当とされました。今の3単位(6新単位)より増える案です。そのぶん数学Ⅱを6新単位(3単位)に減らすなど、数学全体の学習量が増えないよう調整する方向です。 P80P81

情報Ⅰの指導が不安です。支えはありますか?

国が、授業でそのまま使える授業動画を含む教材を作り、少なくとも1年に1度は新しくする方向です。高校情報科の免許を持つ先生を増やすため、全国規模の免許法認定講習なども進めるとされています。AIの利活用に関するガイドラインも改定される方向です。 P75P89

全教科の先生の準備チェックリスト

  • 単元づくりの出発点が「教科書のどこまで進むか」から「どんな資質・能力をつけたいか(統合的な理解・総合的な発揮)」に変わる。今から、単元を通した本質的な問いや論述・レポートなどの課題を考える練習ができる。国は教科等ごとの単元構想の参考イメージを示す。 P13P22P28
  • 「統合的な理解・総合的な発揮」だけを取り出して評価規準を作る必要はない。ただし「A:十分満足」の判断などで踏まえるので、評価と無関係ではない。 P15P68
  • 「主体的に学習に取り組む態度」のABC評価のために、ノート提出回数などの材料を集める作業はなくなる方向。学びに向かう力は総合所見での個人内評価と、思・判・表への「◯」の付記に変わる。単元ごとの◯付けは求められない。 P62P63P65
  • 各学校で「内容のまとまりごとの評価規準」を作る作業は不要になる方向で、単元の目標をそのまま評価規準にできる。評定へのまとめは学年末だけでもよいことが明確にされ、学期中は形成的評価(途中でのフィードバック)に力を注げる。 P69P70
  • 思考・判断・表現の評価は、ペーパーテストや業者の単元テストに偏らず、論述・レポート・口頭試問・プレゼン・作品制作などを核にする方向。AIに頼った成果物への対策として、口頭試問やブラウザ閲覧を制限するソフトの活用例も示されている。 P26P63P64
  • 1単位17コマの新単位、科目の組替え、必履修科目の減単拡大、週30コマ標準の廃止などが提案されており、実現すれば学校独自の教育課程の幅が大きく広がる。先行実施は令和11年度か12年度(具体の年度は今後決定)、令和10年度から高校版サキドリ研究校。活用状況はカリキュラム・ポリシーの一環としてウェブで公表する。 P42P46P47P51P52
  • 英語と数学の外部試験で十分な力がある生徒について、学校が実施可能な場合に必履修科目を免除して上位科目等に振り替えられる仕組みが提案された。英語はCEFR B2相当以上が基準として考えられるとされ、対象の試験や数学の級などは今後解説等で決める。必ず免除しなければならない仕組みではない。 P48P49
  • 数学Ⅰの学習内容に「社会を読み解く数学」「数学ガイダンス」を加えて最大8新単位程度とし、数学A・B・Cは一つの新選択科目にする案。国語・英語も科目名や構成が変わる方向(新しい科目名はいずれも仮称)。 P80P81P82
  • 学習の自己調整や学習方略の指導が重視され、一律の宿題から、子供が家庭学習の内容を自分で決められるよう段階的に指導する方向が示された。国が具体的な指導資料を出して支える。 P10P28
  • 特別活動では、校則を含む学校生活の課題を話し合い、納得解・暫定解をつくる活動や、児童会・生徒会の提案・意見表明、学校行事の企画・運営を子供が担うことが位置付けられる。キャリア・パスポートは例示資料が廃止され、学校による引継ぎは求められない。 P10P11P61
  • 総合では、テーマ探究とマイ探究をバランスよく組み合わせ、研究系・行動系に加え創作系の探究も認められる。小中の名称は「総合的な探究の時間」に。外部に協力を求めるときの留意事項も国が示す。 P11P77
  • カリキュラム・マネジメントは単元配列表づくりが目的ではなく、「ねらいの明確化→編成・実施・調整→評価・改善」の3ステップ。形骸化した取組を見直すことも重視され、そのための協議時間に裁量的な時間を使うこともできる。 P83P84P85
  • 道徳は一つの教材を複数コマで扱う教科書構成や、チームで行う道徳授業の推進が打ち出されている。読み物教材の数は精選され「深める教材」が展開される。 P11P61
  • 教科書は精選され、教科書「を」全部教える前提が見直される。調整授業時数で時数を減らしても内容をおおむね扱える分量を目指し、指導書でも問いや評価課題、学習過程の構造が示される方向。 P22P58P89
次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.01
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審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

国語次期学習指導要領で、どう変わる?

話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ

10秒でいうと

必履修は現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ。選択は現代の国語Ⅱ・言語文化Ⅱと発展4科目に再編

やさしく言うと

高校の国語は、必履修の2科目の枠組みと単位数を保つ方向です。名前は「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」(いずれも仮称)とする案です。選択科目は、標準の2科目と発展の4科目に組み替える案です。理系で「論理国語」だけ、といった学びの偏りをなくすことがねらいです。古典は、文法と口語訳に偏った指導の見直しが示されています。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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国語の3行要約(全校種)

  1. 話や文章が社会で果たす役割(「話や文章の機能」(仮称))を軸に、話す・聞く、書く、読むの学習を関連付けて計画できるよう内容を整理し直す方向。
  2. 「知識及び技能」は「運用しながら深める」面と「教養として深める」面の2つに分け、漢字などの事項もまとめ直して精選する案。
  3. 高校は必履修2科目の枠組みと単位数を保ったまま、選択科目を標準2科目(各8新単位)と発展4科目(各4新単位)に組み替える案(科目名は仮称)。

※高校の新科目名(現代の国語Ⅰ・Ⅱ、言語文化Ⅰ・Ⅱ、論説と批評ほか発展4科目)と「話や文章の機能」は仮称。

国語のポイント4つ

必履修は「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」

必履修は今の枠組みと単位数を保つ方向です。論理的に考える力や伝え合う力を中心に育てる「現代の国語Ⅰ」(仮称)を置きます。感性や情緒を理解し、豊かに想像し表現する力を育てる「言語文化Ⅰ」(仮称)も置きます。この2科目を必履修とする案です。 P80P137

授業では、たとえば今の「現代の国語」「言語文化」の年間計画を、科目のねらいに合う教材と活動か点検しておく。それが準備の一例です。

選択科目は「標準2科目+発展4科目」に

今の選択4科目(各4単位)を組み替える案です。標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」(各8新単位、仮称)を、大多数の生徒が学ぶことを想定して置きます。その上に「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(各4新単位、仮称)を置きます。 P80P137

授業では、たとえば理系クラスの国語の履修を点検し、標準2科目を置いた場合の教育課程の案を教科会で試しに作る。そんな準備が考えられます。

教材は「科目のねらい」で選ぶ

教材は、その科目で主に育てる力に合うかで判断する整理です。論理的な力を育てる科目でも、ねらいに合えば文学作品を扱えるとしています。感性を育てる科目でも、論説文や批評文を扱えるとしています。実用文は報道文や広告などを中心に扱うと明記する方向です。 P138

授業では、たとえば論理の科目で、小説の一場面について書かれた批評文を読み、根拠の示し方を分析する。そうした組み合わせが考えられます。

古典を身近に、文法偏重を見直す

高校の古典は、身近で親しみのあるものと捉え、関心をもつことを重視する方向です。小中との学びの接続を強めるとしています。文語文法と口語訳に偏った指導を見直すことも示されています。言語文化への理解を深める学習の充実もあげられています。 P136

授業では、たとえば口語訳の確認に時間をかけすぎず、古典の表現が今の言葉や文化にどうつながるかを話し合う時間をとる。そんな授業が一例です。

主な変更点8項目

「話や文章の機能」(仮称)で3つの領域の学習をつなぐ

これまでは「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の学習がばらばらに意識されがちでした。次期は、話や文章が社会の中で果たす主な役割を「話や文章の機能」として整理し、その機能ごとに指導事項を並べる方向です。機能は「事実や知識の整理と理解」「考えや主張の理由付けと吟味」「思いや経験の表出と想像」「協働による考えの深化や合意」(いずれも仮称)などです。たとえば「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」を、同じ「考えや主張の理由付けと吟味」の学習としてつないだ年間計画が立てやすくなります。 P131P134P139

高高校の国語科目の組み替え(選択科目を標準+発展に)

審議まとめの案では、必履修は「現代の国語Ⅰ」(仮称)と「言語文化Ⅰ」(仮称)の2科目で、今の枠組みと単位数は変えないとしています。選択科目は今の4科目(各4単位)から、標準的な内容を集めた「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」(各8新単位、どちらも仮称)と、発展的な4科目「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(各4新単位、仮称)に組み替える案です。理系で「論理国語」だけ、などの学びの偏りをなくすことがねらいです。教材は科目のねらいに合うかで判断し、論理の科目でも趣旨に合えば文学作品を扱えるとしています。 P129P137P138P80P82

「思考力、判断力、表現力等」の示し方を、文章の種類と考える要素の「ひとまとまり」に

今は学習過程ごとに細かく分けた事項と、話や文章の種類ごとの言語活動例が別々に書かれています。次期は「話や文章の機能」を軸に、扱う文章の種類と、そこで働かせる考え方をまとめて一つの事項として示す方向です。例として「書くこと」では、「意見を述べる文章」と「主張を明確にする」「根拠を検討する」などを一括りにします。学習過程も簡単になり、話す・書くは「考えの形成/表現・推敲」、聞く・読むは「構造と内容の理解・解釈/考えの形成」にそろえる方向です。 P134P138

「知識及び技能」を「運用しながら深める」と「教養として深める」の2つに整理

言葉の知識を、使う場面がはっきりするよう2つの面に分ける案です。(1)運用しながら深める事項は、文章の構造や表現の仕方など、話す・書く・読む中で使って身に付けるものです。(2)教養として深める事項は、言葉のきまり、古典、書写、読書などを、その意味や価値と結び付けて理解するものです。事項は「事項のまとまり」に分けて示し、たとえば今は別々の「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」を一つにまとめるとしています。 P131P135P138

評価のやり方の整理(形成的評価を重く、まとめの評価は後で)

短い単元ごとに最終評価まで行おうとして、途中の見取りや声かけがしにくい、単元後に知識だけのペーパーテストで評価する、といった実態が課題とされています。次期は、学習の途中では形成的評価(学習の改善に生かす評価)を行い、単元の成果として力が総合的に発揮されているかで総括的評価をする、という考え方を示します。運用しながら深める知識は複数の単元を経てから、教養として深める知識は単元末や学期末などにまとめて評価することが考えられるとしています。 P129P142

生成AIの使い方とローマ字入力の扱い

生成AIを含むICTは、授業のねらいに合うときに使うのが原則で、AIが出した答えも比べて吟味する対象とします。要約する、最初の考えを書く、文章の構成を考えるなど、その単元で育てたい力に直結する場面では、AIを不用意に使わないよう慎重になるべきだとしています。評価では、集めた情報の信頼性や妥当性を確かめて自分で考え表現できているかを、より重視します。ローマ字の学習は今どおり小学校3年の国語で行い、ローマ字入力のタイピングは「総合的な学習の時間・情報の領域」が中心に担う方向です。 P129P140

教科書の教材を「基幹教材」と「関連教材」に分ける

教科書の中で、力を育てる中心になる「基幹教材」と、学校や子どもの状況に合わせて使い方を変えられる「関連教材」をはっきりさせることが考えられています。同じ「話や文章の機能」に関わる教材をまとめて扱い、重なりを減らして教科書の内容を精選することが考えられています。調整授業時数で時数を増減する場合や高校で単位数を増減する場合は、必要な内容を保障したうえで関連教材の使い方を調整することで対応できるとしています。 P139

情報の扱い方・語彙・読書・古典の学習をさらに改善

情報の扱い方は、「情報どうしの関係を整理する力」と「情報の信頼性や妥当性を見極める力」という性質の違う2つの力を、学年に応じて系統的に示す方向です。語彙は、文脈の中で言葉を使って語感を磨く学習と、言葉の意味や関係を理解して語彙を増やす学習を両方進めます。読書は、きっかけづくりと、自分から読む読書へ移るための学習を充実させ、学校図書館との連携も進めます。高校の古典は、文語文法と口語訳に偏った指導を見直し、小中との接続や言語文化への理解を深める学習を重視するとしています。 P136

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
国語の「見方・考え方」「言葉による見方・考え方」として、対象と言葉、言葉と言葉との関係を、言葉の意味・働き・使い方などに着目して捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高めること。「様々な事象を表す自他の言葉を」、その意味や働き、使い方に着目して吟味し、「多様な立場や考えを理解して、よりよく伝え合おうとすること」と、より短く示す(案)。 P132
「思考力、判断力、表現力等」の学習過程領域ごとに学習過程が違い、細かく分かれている(例:「読むこと」は「構造と内容の把握」「精査・解釈」「考えの形成」「共有」など)。領域どうしでそろえる。話す・書く=「考えの形成/表現・推敲」、聞く・読む=「構造と内容の理解・解釈/考えの形成」、話し合う=「考えの形成」。 P129P134
言語活動例・指導事項の示し方学習過程ごとに細分化した事項と、3領域別・話や文章の種類別の言語活動例を別々に示している。「話や文章の機能」(仮称)を軸に、扱う話や文章の種類と、思考・判断・表現の要素を一体にした「一括りの事項」として示す。 P129P134P138
「知識及び技能」の示し方個々の事項が独立して並ぶ(例:「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」が別の内容)。どの知識を活用重視にし、どれを取り立てて学ぶのかが明確でない。「(1)運用しながら深める事項」と「(2)教養として深める事項」に分け、「事項のまとまり」で構造的に示す。漢字の読み書きと漢字の構成などは一つの事項に統合。 P129P135P138
高校の必履修科目「現代の国語」2単位、「言語文化」2単位。「現代の国語Ⅰ」(仮称)4新単位、「言語文化Ⅰ」(仮称)4新単位。枠組みと単位数は変えず、科目の特質を目標で明確に示す案。 P80P82P137
高校の選択科目「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」(全て4単位)。単位数が多く時間割上の制約が大きい。進学校で「国語表現」が選ばれにくい、理系で「論理国語」中心の履修にとどまるなど偏りがある。標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」(各8新単位)を大多数の生徒向けに新設する案で、その履修を前提に発展科目「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(各4新単位)を新設する案。科目名はすべて仮称。 P129P137P82
高校の古典学習本文は、文語文法と口語訳に指導が偏っていることを見直すべき点として挙げている。古典を身近に感じ主体的に関心をもつことを重視し、小中との接続の強化、文語文法・口語訳への偏りの見直し、言語文化への理解を深める学習の充実の3つを進める。 P136

高校の科目と単位

審議まとめの案(P82「構成(案)」)では、必履修科目は現行の枠組みを維持し「現代の国語Ⅰ」(仮称、4新単位)と「言語文化Ⅰ」(仮称、4新単位)の2科目。選択科目は現行の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」(各4単位)を再編し、標準科目として「現代の国語Ⅱ」(仮称、8新単位:3領域を偏りなく学び論理的思考力やコミュニケーション能力を育成)と「言語文化Ⅱ」(仮称、8新単位:古典と近代以降の文章を言語文化として学ぶ)を新設、その履修を前提とする発展科目として「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(いずれも仮称、各4新単位)を新設。必履修科目を1・2年次で分けて履修する場合、2年次に必履修科目と標準科目を同時に履修できるようにする(標準科目と発展科目の関係も同様)。

授業時数

小中の国語の標準授業時数の具体的な数字は示されていない。総論では、新教科・領域の時数を確保するため、小学校3年以上で現在35コマ以下のものを除く教科等から一律3〜4%程度を「広く薄く」減らす考え方が示され、実数は今後検討とされている(P79)。国語の節でも内容の充実は「総授業時数を増加させないことが前提」(P134)。高校は必履修の単位数等に変化なし(現代の国語2単位→現代の国語Ⅰ4新単位、言語文化2単位→言語文化Ⅰ4新単位)。選択科目は現行各4単位から、標準科目各8新単位・発展科目各4新単位へ(P80・P82)。新単位は1単位の学習量を17コマとしたもの。

生成AI・ICTとの付き合い方6項目

生成AI時代に「人間ならではの言葉の力」を

AIが言葉を大量につくり、SNSで簡単に発信できる時代だからこそ、言葉の意味を理解し、自分の考えを形にして表現し、他の人の経験や気持ちを理解する「人間ならではの言語能力」を育てるとされています。 P128P130P140資料編(1)P46資料編(1)P139

AI要約をコピペする実態への対応

検索結果の一番上に出るAIの要約を、よく考えずにそのままコピーする実態が見られます。集めた情報が信頼できるか、妥当かを確かめたうえで、自分で考え・判断し・表現できるように指導することが重要とされています。 P129

生成AIを使う原則:ねらいに合うときに、出力も比べて吟味する

生成AIを含むICTは、発達段階をふまえ、授業のねらいに合うときに使うのが原則です。AIの出力も比べて吟味する対象であること、自分で考えた内容を自分の言葉で説明し責任を持つことを基本にします。 P140

AIの使用に特に慎重であるべき場面

文章の全体をつかむための要約、最初の考えを文章にする活動、書くための構成を考えたり情報を選んだりする活動など、その単元で育てたい力に直結する場面では、AIを不用意に使うことに慎重であるべきだとされています。子供自身が行うべき考える・判断する・表現する過程がAIに置きかわらないよう特に注意します。 P140

評価は「情報を確かめて自分で考えたか」を重視

評価では、集めた情報の信頼性や妥当性を確かめたうえで、それを使って自分で考え・判断し・表現できているかという観点を、当面の基本的な考え方としてより重視するとされています。技術の進展による変化にも対応が必要とされています。 P140

語彙:AIの時代こそ実感のある言葉を

生成AIが発展する中、人間ならではの実感を伴った理解・思考・表現を支える語感を磨き、語彙を豊かにする学習を充実させるとされています。 P136

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ今の年間指導計画の単元を、「話や文章の機能」(仮称)の4つ(事実や知識の整理と理解/考えや主張の理由付けと吟味/思いや経験の表出と想像/協働による考えの深化や合意)で色分けし、領域をまたいでつなげられる単元の組(例:論説を読む・意見文を書く・提案のスピーチをする)を1組見つけて、続けて教えてみます。 P131P134P139
  • 今すぐ要約する、最初の考えを書く、文章の構成を考えるなど、その単元で育てたい力に直結する場面では生成AIを使わせない、といった「使う場面・使わない場面」を教科会で話し合い、学年でそろえておきます。 P140
  • 今すぐ単元計画に、途中で学習状況を見取って声をかける場面(形成的評価)を書き込み、単元末の知識だけのペーパーテストで評価を済ませていないかを点検します。 P129P142
  • 告示まで「知識及び技能」を、話す・書く・読む中で使って深めるもの(文章の構成、表現の仕方など)と、教養として深めるもの(言葉のきまり、古典、書写、読書など)に仕分け、前者は複数の単元を経てから、後者は単元末や学期末にまとめて評価する計画を1学期分試します。 P131P135P142
  • 告示まで司書教諭・学校司書と相談し、読書のきっかけづくり(ブックトーク、読書会、ビブリオバトルなど)と、自分から読む読書へ移るための学習を年間計画に位置付けます。 P129P136P141
  • 告示まで書写で評価する「文字を整えて書く力」と、ほかの学習で表現の手段として書く文字とを分けて評価の対象を確かめ、書字に困難のある子供にはデジタルの活用や代わりの方法を用意しておきます。 P141
  • 先行実施まで高校では、今の選択科目(論理国語・文学国語・国語表現・古典探究)の履修の偏りを点検し、標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」と発展4科目(いずれも仮称)を置く場合の教育課程の案を検討し始めます。 P129P137
  • 全面実施まで教科書の「基幹教材」と「関連教材」の区別を見越し、同じ「話や文章の機能」の教材を束ねて、時数に応じて関連教材の扱いを増減できる単元計画の型を校内で作っておきます。 P139

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(言語文化)1単位時間(50分)

古典の「ものの見方」を今の暮らしに移す

口語訳で終わらせず、作者のものの見方を借りて現代を書くと、古典が自分の言葉になります。

手順・ワークシート

ねらい

随筆の一段について、作者が何に目を向け、どう価値づけているかを本文の語句を根拠に捉え、その見方を現代の身近な場面に当てはめて表現することを通して、古典のものの見方が今も生きていることを説明できる。

流れ

  1. 5分中学校で読んだ古典の一覧を見せ、「覚えている場面は?」と聞きます。今日も「昔の人のものの見方」を借りる練習だと伝えます。
  2. 10分ペアで本文を音読し、前時の口語訳を確かめたうえで、作者が「何に目を向け」「どう価値づけているか」をワークシートに書きます。文法事項の確認は、意味を取るのに必要な箇所だけにとどめます。
  3. 10分4人班で「作者のレンズ」を言葉にします。「この作者は、〜を…と見る人だ」という一文にまとめ、根拠となる本文の語句に線を引きます。
  4. 15分一人で、作者のレンズを現代の場面(端末で撮る写真、部活動の大会、季節の行事など)に当てはめ、200字程度の短い随筆を書きます。最後に「この見方を借りて気付いたこと」を1文添えます。
  5. 7分班で読み合い、「元の章段のどの見方を受け継いでいるか」を本文の語句を指しながら伝え合います。
  6. 3分振り返りとして、「古典を読むことで、今の自分の見方がどう広がったか」を書きます。

評価

【思考・判断・表現(読むこと)】作者の見方を本文の語句を根拠に捉え、自分の文章に生かしているかを、ワークシートと随筆で見取ります。【知識・技能(教養として深める側面)】古典の見方を現代に当てはめることで、古典を読む意義や価値を自分の言葉で説明しているかを振り返りで見ます。随筆の出来ばえより、元の章段との対応を説明できているかを重く見ます。

指導案(試案)1本

高等学校第1学年現代の国語全6時間(本時は第2時)

根拠を確かめて提案しよう ~文化祭のごみを減らす意見文を書く~

中央教育審議会教育課程部会の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、話や文章が社会で果たす主な機能を「話や文章の機能」(仮称)として整理し、読む・書く・話すの学習を関連付ける方向性と、必履修科目を「現代の国語Ⅰ」(仮称)とし、実社会で必要な論理的思考力やコミュニケーション能力を中心に育成する方…

指導案の全文

本時のねらい

同じテーマで立場の異なる2つの意見文を読み比べて、主張と根拠の関係や論理の展開を捉え、根拠の確かさを観点に沿って吟味することができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 単元のゴール(生徒会への提案文とスピーチ)と、前時に書いた最初の考えを振り返る。本時のめあてを確かめる。
  2. 12分展開 【構造と内容の理解・解釈】意見文A(基幹教材)を読み、主張に赤、根拠に青、理由付け(その根拠がなぜ主張を支えるのか)に緑の線を引く。段落ごとの役割を書き込み、構成図(主張→根拠→反論への応答→結論)に整理する。ペアで確かめる。
  3. 10分展開 意見文B(関連教材)を同じ方法で整理し、Aと構成を比べる。Bは体験談から始まり、主張が最後に来ることに気付く。
  4. 13分展開 【考えの形成】4人グループで、A・Bの根拠を4つの観点(①出典は明らかか ②数や範囲は十分か ③いつの情報か ④主張と理由付けでつながっているか)でチェックし、「確かな根拠」と「確かめが必要な根拠」に分ける。グループの判断を全体で共有する。
  5. 6分展開 【考えの形成】自分の仮の立場を決め、A・Bから使えそうな根拠と、まだ足りない情報(次時に調べること)を書き出す。
  6. 4分まとめ 振り返りシートに、根拠を確かめる4つの観点のうち自分が見落としやすいものと、次時に調べることを書く。次時の情報収集(聞き取り・資料調べ)の予告を聞く。

PDF版:shidoan-ko1-gendai-iken-konkyo.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.02
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

地理歴史・公民次期学習指導要領で、どう変わる?

覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ

10秒でいうと

科目名は現行どおり。地理総合に導入単元を新設、「公共」の事柄・課題は13→10に精選

やさしく言うと

高校の地理歴史科・公民科は、科目名と単位数は今と同じとされています。そのうえで、探究的な学びを進める見直しが示されています。地理総合には導入単元「地理と私たち」(仮称)を設ける方向です。「公共」の事柄や課題は13から10にしぼる案です。調べる技能では、情報の妥当性を吟味する視点をより重視する方向です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

社会・地理歴史・公民の3行要約(全校種)

  1. 中学校社会に、地理・歴史・公民をつなぐ「分野横断」の単元として、A・Bを新たに設け、現行のまとめに当たるCを位置付け直す案。地域調査などの地域学習は単元B「私たちと社会(仮称)」でまとめて扱う方向。
  2. 学ぶ内容は増やさず、重なる事項や教科書の用語をしぼり込む方向。教科書「を」教えるから、教科書「で」教える授業への転換をめざす。
  3. ネットやAIの情報が正しいかを確かめる「情報の妥当性の確認」の技能を新たに位置付け、模擬選挙などの主権者教育や外部機関との連携を強める方向。

※中学校の単元A「社会へのまなざし」・B「私たちと社会」・C「よりよい社会を目指して」、地理総合の導入単元「地理と私たち」は仮称。

地理歴史・公民のポイント4つ

地理総合に導入単元

地理総合の大項目Aを再編し、導入単元「地理と私たち」(仮称)とする方向です。地理を学ぶ意味に気付き、科目の見通しをもつための単元です。景観観察で集めた情報をGIS(地図に情報を重ねる仕組み)で見える形にすることが示されています。 P151

授業では、たとえば学校周辺の景観を撮影し、GISの地図上に並べて気付いたことを話し合う。そこから1年間の学びを見通す授業が考えられます。

歴史は生徒の「問い」を生かす

歴史の3科目では、生徒が課題意識を問いとして表すことを明記する方向です。教師はその問いを後の学習で生かします。教科書の歴史用語は、網羅的に載せない編集が大事だと周知するとしています。その方向は「教科書等における用語の精選方針(仮称)」で示すとしています。 P152P155

授業では、たとえば単元の初めに生徒が出した問いを掲示し、単元のまとめで「自分の問いにどう答えるか」を書かせる。そんな流れが一例です。

「公共」は13の事柄・課題を10に

公共では、主題を設定しやすくするため、13の事柄や課題を10にしぼる案です。たとえば「職業選択」と「雇用と労働問題」を一つにまとめる例が示されています。協働して追究する活動では、細かな制度の解説より基本的な原理に焦点を当てるとしています。 P152P154

授業では、たとえば「働き方」をテーマに、職業選択と労働問題をまとめて扱い、原理をもとに意見を比べる。そんな授業が考えられます。

妥当性を吟味し、主権者として行動へ

高校では、批判的に情報を扱う視点をより重視し、「その妥当性を吟味しながら」調べまとめる方向です。主権者教育では、現実の政治的な事象も扱う方向が示されています。選挙管理委員会などとの連携を進めます。政治的中立性の確保が重要とされています。 P148P157P158

授業では、たとえば同じ政策について立場の違う資料を読み比べ、出典と根拠を確かめてから模擬投票をする。そんな学習が一例です。

主な変更点7項目

学習内容をしぼり込む(具体例が示された)

全体として学習内容は増やさず、重なっている事項などを整理する方向です。小学校4年「県内の特色ある地域の様子」は、3つの地域を同じように扱うのをやめ、2つを選ぶ方向です。中学校地理「日本の諸地域」は、考察の仕方が重なる2地域を関連させて扱い、地域の数を減らすとしています。中学校歴史は文化・政治・外交・社会を一体的に扱って時代の特色をつかむ形に整理し、高校「日本史探究」は近現代の項目を、より上位の考え方でまとめる方向です。 P153P154

高高校地理歴史:導入単元の新設と探究的な学びへの見直し

審議まとめでは、地理総合は大項目Aを、地理を学ぶ意味に気付き見通しをもつ導入単元「地理と私たち(仮称)」に作り直し、景観観察で集めた情報をGIS(地図で情報を見える化する仕組み)で示す活動を入れる案です。地理探究はB(2)「現代世界の諸地域」を「現代世界の地誌的考察と課題の研究(仮称)」に作り直し、世界をくまなく扱うのではなく、テーマで区切った地域で課題を考える案です。歴史総合・日本史探究・世界史探究では、生徒が自分の疑問を「問い」として表し、教師がそれを後の学習で生かすことを明記する方向です。さらに日本史探究・世界史探究では、各単元のまとめで探究的に学習した結果を表現することを明記するとしています。 P151P152

高高校公民:「公共」の事柄・課題を13から10へ

「公共」のBとCで扱う事柄や課題を13から10にしぼる案で、主題を立てやすくします。例として「職業選択」と「雇用と労働問題」を「雇用と労働問題(職業選択を含む)」にまとめます。話し合いの活動では、細かい制度の説明ではなく基本的な原理に焦点を当てるよう示します。「倫理」と「政治・経済」は、「公共」との関係がよりわかるように示し、探究で扱う課題を社会の情勢に合わせて見直します。 P152P154

「調べまとめる技能」に情報の正しさを確かめる力を加える

ネットなどで集めた情報の真偽や意図、背景をつかむことがより大切になったため、情報の信ぴょう性を確かめる新しい技能(「情報の妥当性の確認」に関する技能)を位置付ける方向です。目標では、小中学校は「確かな」情報に基づき「適切かつ」効果的に調べまとめる技能、高校は「その妥当性を吟味しながら」調べまとめる技能を身に付ける方向です。図書や新聞を使うことも大事だと注意されています。 P148P159

AIに頼った成果物が通用しない評価を工夫する

AIの要約をそのままコピーする児童生徒への指導が十分でない、という課題が示されました。最終的には児童生徒が自分で考え、自分の言葉で説明し、責任を持つという考え方を当面の基本とします。評価の例として、口頭試問の要素を入れることや、端末のテストモードでブラウザが使えない状態で根拠をもって記述させることが挙げられています。 P146P159

主権者教育を「深める」「広げる」

主権者教育を学校の年間指導計画に位置付ける方向です。模擬選挙・模擬投票・模擬議会・模擬請願など、子供が主体となって実感をもてる活動を重視し、形だけで終わらず合意形成を図る活動にするとしています。選挙管理委員会や議会事務局、NPO法人などとの連携や、特別活動・総合的な学習(探究)の時間との連携を強める方向です。政治的中立性の確保と、国の通知に沿った指導が重要とされています。 P157P158

社会の変化をふまえて扱う内容を充実する

国際情勢、自然災害・防災、海洋を含む環境、生成AIの影響、食料安全保障、金融経済、自衛隊、領土、経済安全保障、拉致問題、アイヌに関する理解などの視点で必要な見直しを行う方向です。こども基本法・障害者差別解消法・理解増進法などをふまえた人権の内容や、旧優生保護法やハンセン病の歴史と被害の実態も扱うとしています。研修などで教師の指導力を高めることも必要とされています。 P156

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
教科目標の柱書「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者」に必要な資質・能力の育成。骨格は小中高共通のまま、地域・国・世界を含めたよりよい社会の形成をふまえて「グローバル化する国際社会」の記載を見直す。「主体的に生きる」も、多様な他者と「協働的に」生きることをふまえて見直す。 P144P148
調べまとめる技能小中学校は「確かな」情報に基づき「適切かつ」効果的に調べまとめる技能、高校は「その妥当性を吟味しながら」調べまとめる技能。情報の信ぴょう性を確かめる「情報の妥当性の確認」に関する技能を新たに位置付ける。 P148P159
高校「公共」のB・Cで扱う事柄や課題13の事柄や課題。「職業選択」と「雇用と労働問題」は別の事柄・課題。10の事柄や課題にしぼる案。「雇用と労働問題(職業選択を含む)」にまとめる案。 P152P154
高校地理の単元地理総合は大項目Aから始まる。地理探究にはB(2)「現代世界の諸地域」がある(解説に「世界全体を隈なく取り上げるものではない」との記述)。地理総合の大項目Aを導入単元「地理と私たち(仮称)」に作り直し、GISで景観観察の情報を見える化。地理探究B(2)は「現代世界の地誌的考察と課題の研究(仮称)」に作り直し、テーマで区切った地域で課題を探究。 P151P152
高校の地理歴史・公民の科目と標準単位数地理総合2、地理探究3、歴史総合2、日本史探究3、世界史探究3、公共2、倫理2、政治・経済2(単位)。構成(案)では科目名は同じ。新単位で地理総合4、地理探究6、歴史総合4、日本史探究6、世界史探究6、公共4、倫理4、政治・経済4。 P81P82

高校の科目と単位

地理歴史(地理総合・地理探究・歴史総合・日本史探究・世界史探究)と公民(公共・倫理・政治・経済)の科目名・構成は現行のままとする案(P82の「構成(案)」の表)。科目内では、地理総合の導入単元「地理と私たち(仮称)」、地理探究の「現代世界の地誌的考察と課題の研究(仮称)」への再編、公共の事柄・課題を13から10へ精選などの見直しが示されている(P151〜152)。

授業時数

小・中学校の社会の標準授業時数を変えるという記述は、この教科の節にはない。高校は標準単位数が新単位で示され、地理総合4・地理探究6・歴史総合4・日本史探究6・世界史探究6・公共4・倫理4・政治・経済4新単位(現行の2・3単位を新単位に直した値。現行1単位=新2単位、P81〜82)。内容の精選では調整授業時数制度で標準を下回る場合も考慮する(P153)。学年区分は示しつつ学年をこえた前倒し・後ろ倒しを認め、配当時数の目安の示し方は告示文で検討。高校は単位の細分化や増単・減単の仕組みの下で示し方を検討(P161)。

生成AI・ICTとの付き合い方7項目

生成AIやSNSの時代に、情報の真偽を見極める力

生成AIやSNSで大量の情報が簡単に手に入る一方、その真偽や信頼性を判断する力が求められています。資料や情報の真偽・意図・背景をつかみ、信ぴょう性を確かめ、根拠に基づいて自分の考えをつくる力を育てます。 P147

新しい技能「情報の妥当性の確認」

「社会的事象等について調べまとめる技能」の中に、集めた・読み取った・まとめた情報の信ぴょう性を確かめる新しい技能として「情報の妥当性の確認」を位置付ける方向です。総合の「情報の領域」などでの学習と関連させます。図書や新聞の活用も大切とされています。 P159

社会科のAI活用の基本的な考え方

最終的には子供が自分で考え、判断し、成果物の内容を自分の言葉で説明し、責任を持つという考え方のもとで、課題を追究・解決する学習とその評価方法を改善することが当面の基本とされています。 P159

AIに頼った成果物が通用しない評価

AI要約をそのままコピーする子供への指導が足りていない実態があり、最後の評価で自分で考えていない成果物が通用しない工夫が急ぎの課題とされています。例として、口頭試問の要素を入れる、端末のアンケートソフトのテストモードでブラウザを使えない状態にして、根拠を示して自分の考えを書かせる、が挙がっています。 P146P159

ICTを課題追究の学習の基盤に

社会科の教師の端末活用は「資料を大きく映す」「ネットで自由に調べる」が中心で、道具的な使い方にとどまっています。課題把握(統計資料の検索など)、課題追究(根拠資料・原典資料の収集・分析や共有)、課題解決(レポート作成・発表)の各場面で、学習の質を高める基盤としてICTを位置付け直すとされています。 P146P159

内容:生成AIが社会にもたらす意義や影響

内容を見直す視点の一つとして「生成AIをはじめとするデジタル技術の進展が社会にもたらす意義や影響」が挙げられています。高校の科目の内容例にも「生成AIなどデジタル技術の発展が進む社会」が示されています。 P156資料編(1)P173

主権者教育:SNSや生成AIが判断に影響

社会参加にあたっては、SNSの影響や生成AIの普及が選択・判断に影響することをふまえる必要があり、情報モラルやメディアリテラシーの重要性がますます高まっているとされています。 P145

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ調べ学習の手順に「情報の妥当性の確認」(だれが・いつ・何をもとに出した情報か、ほかの資料と合うか)を入れたチェック表を作り、ネットだけでなく図書・新聞・統計も使って確かめる習慣をつけます。 P148P159
  • 今すぐ単元末の評価に、口頭試問の要素や、端末のテストモードでブラウザを使えない状態で根拠を示して書かせる問題を1つ入れ、AIに頼って自分で考えていない成果物が通用しない評価を試します。 P146P159
  • 今すぐ地域学習で協力してもらった地域の方・施設や、博物館・資料館のデジタルコンテンツの情報を校内で一覧にし、人事異動があっても引き継げるようにします。 P146P160
  • 告示まで単元ごとに学習上の課題(問い)を1つ立て、その問いの解決に必要な用語にしぼって教える計画を試し、教科書「を」教える授業から教科書「で」教える授業への切りかえを始めます。 P147P151P155
  • 告示まで主権者教育を年間指導計画に位置付け、模擬選挙・模擬議会などの活動を選挙管理委員会や議会事務局と事前に打ち合わせて計画します。政治的中立性に関する国の通知を、連携先とも共有しておきます。 P157P158
  • 先行実施まで高校の歴史総合・日本史探究・世界史探究では、生徒が資料から見つけた疑問を「問い」として書き留め、後の授業や単元のまとめで生かす仕組みを作ります。地理総合では、景観観察で集めた情報をGISで見える化する導入を試します。 P151P152
  • 全面実施まで「統合的な理解・総合的な発揮」を使った単元づくりに備え、校内研修で1つの単元について「覚えさせたい個別の用語」と「到達させたい概念」を書き分ける練習をします。 P148P150

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(公共)1単位時間(50分)

アルバイトのトラブルを「原理」で考える

細かい制度を覚える前に、どんな原理がぶつかっているかを見つけ、利益を比べて判断します。

手順・ワークシート

ねらい

アルバイトをめぐる事例について、契約の自由と働く人の保護などの原理がどのように対立しているかを捉え、立場の異なる人々の利益を比べて、働くことに関するルールが必要な理由を説明できる。

流れ

  1. 5分「アルバイトを選ぶとき、何を見る?」と問い、2つの募集カードを比べて、働く前に確かめるべき条件(時給だけでなく、勤務時間・仕事内容・条件の書き方)を出し合います。
  2. 8分事例カード②を読み、一人で「何が問題か」を書きます。続けて、この場面でぶつかっている原理を原理カードから2つ以上選びます。
  3. 15分4人班で役割(高校生・店長・同じ店で働く人・保護者)に分かれ、立場ごとの利益・事情カードも参考にして、利益衡量シートにそれぞれの利益と、守られないと何が起きるかを書きます。そのうえで、原理カードの原理を手掛かりに「だれのどの利益を、どこまで優先すべきか」を班で話し合います。
  4. 10分資料で、労働条件をはっきり示すことや労働時間などのきまりがあることを確かめ、「契約は自由なのに、なぜ法律で最低限のきまりを置くのか」を班で説明します。働く人と雇う側の交渉力の差に着目させます。
  5. 9分全体で共有します。いくつかの班の結論を比べ、先生は「契約の自由」と「働く人の保護」の関係を図で整理します。職業選択の場面で条件を確かめることが、トラブルを防ぐことにもつながる点を確認します。
  6. 3分振り返りとして、「自分がアルバイトや就職をするときに確かめたいこと」を、今日の原理の言葉を使って書きます。

評価

【知識・技能】契約の自由と働く人の保護の関係を、交渉力の差という考え方を使って説明しているかを見取ります。【思考・判断・表現】立場の異なる人々の利益を比べ、根拠をもって優先の度合いを判断しているかを、利益衡量シートで見ます。制度の名前を覚えているかではなく、原理を使って説明できるかを重く見ます。単元末には、端末のテストモードでブラウザを使えない状態で、別の事例について根拠を示して書かせる問題も考えられます(P159)。

指導案(試案)1本

高等学校第1学年公共全6時間(本時は第3時)

アルバイトから考える「働くルール」 ~雇用と労働問題(職業選択を含む)を基本的な原理から考える~

中央教育審議会教育課程部会の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、「公共」のBとCで扱う事柄や課題を13から10に精選し、「職業選択」と「雇用と労働問題」を「雇用と労働問題(職業選択を含む)」にまとめる案と、他者と協働して主題を追究する活動では詳細な制度の解説ではなく基本的な原理に焦点化する…

指導案の全文

本時のねらい

高校生のアルバイトをめぐる情報の真偽を公的な資料で確かめ、本人が納得した約束でも無効になる場合がある理由を、契約自由の原則と労働者保護の考え方を用いて説明することができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 高校生のアルバイトをめぐるSNS風の投稿(自作)4つを読み、それぞれ「正しい/誤り/分からない」を直感で選ぶ。
  2. 10分展開 【情報を確かめる】4人グループで投稿を1人1つ担当し、厚生労働省や都道府県労働局などの公的機関のウェブページ、教科書・資料集で確かめる。情報カードに、確かめた内容、表題、発信者、更新日を記録する。
  3. 12分展開 【共有】グループ内で担当した投稿の真偽と根拠を説明し合い、4つの結果を表にまとめる。全体で確かめる(ア:条件を満たせばアルバイトにも年次有給休暇がある/イ:6時間を超えて働く場合は少なくとも45分の休憩が必要/ウ:18歳未満は原則として午後10時から午前5時まで働かせてはならない/エ:本人が納得しても、地域の最低賃金を下回る時給の約束はその部分が無効)(根拠:労働基準法第39条・第34条・第61条、最低賃金法第4条。授業の前に厚生労働省の最新の資料で確かめておく)。
  4. 13分展開 【基本的な原理から考える】A「公共の扉」で学んだ「契約は当事者の合意によって成り立つ」(契約自由の原則)を振り返り、「本人が納得しているのに、なぜ無効になるのか」をグループで考える。使用者と働く人の交渉力の差に気付き、法が労働条件の最低基準を定めて働く人を守っていることを捉える。続けて、店の事情(人手不足・人件費)と働く高校生の事情(健康・学業・安全)を比べ、ルールが何と何のバランスをとっているかを話し合う。
  5. 10分まとめ 端末を閉じ、本時の問いへの答えを、情報カードの根拠を一つ以上挙げて紙に書く(5〜6行)。数人が発表する。次時(労働問題と働く人の権利、専門家への質問づくり)の予告を聞く。

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現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.03
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

数学次期学習指導要領で、どう変わる?

小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる

10秒でいうと

数学Ⅰに「社会を読み解く数学」等を加え最大8新単位程度に。数A・B・Cは1科目に統合する案

やさしく言うと

高校の数学は、科目の組み立てが変わる案です。必履修の数学Ⅰに「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を新しく入れる方向です。そのため数学Ⅰは最大8新単位程度とし、数学Ⅱは6新単位に減らす案です。数学A・B・Cは一つの新しい選択科目にまとめる案です。新科目の名前は「数理活用」などが例としてあげられ、まだ決まっていません。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

算数・数学の3行要約(全校種)

  1. 小・中・高で教科の目標と「見方・考え方」の言葉をそろえ、学習内容を共通の6つの「分野」で整理する方向です。批判的に考える力や、証明などの論理的な学習を重視するとしています。
  2. 中学校と高校に、数学の全体像や社会・仕事とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス」を新しく設ける方向。高校では必履修の数学Ⅰに「社会を読み解く数学」を加え、数学A・B・Cを1つの新科目にまとめる案です。
  3. 割合・比・分数のつまずき対策、教科書内容の精選、学年をこえた学び直しなど、だれもが「わかる」「できる」と感じられるための工夫を進めるとしています。

※数学A・B・Cを統合した新選択科目の名称は「数理活用(仮称)」などの案で検討中。「数学ガイダンス」は仮称。いずれも2026年10月の審議まとめ段階の案で、今後変わり得る。

数学のポイント4つ

数学Ⅰに「社会を読み解く数学」

数学Ⅰだけで卒業する生徒にも大切な内容として、「社会を読み解く数学」を新設する案です。実社会の場面をもとに、場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列の基礎を学びます。数学ガイダンスも数学Ⅰに置き、単位数は最大8新単位程度とする案です。 P80P81P167P172

授業では、たとえばスマートフォンの料金プランやくじの期待値など、身近な場面を数理モデルで比べる授業。そんな学びが方向に沿う例として考えられます。

数学A・B・Cを一つの新科目に

数学A・B・Cの区分をなくし、内容を選べる一つの新しい選択科目にまとめる案です(2〜12新単位)。内容は場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列、幾何ベクトル、複素数と複素数平面に整理します。名前は「数理活用」などが例とされています。 P80P167P172

授業では、たとえば文系志望の生徒にも統計と行列を選ばせるなど、進路に合わせて内容を組み合わせた履修モデルを校内で試しに作る。そんな準備が考えられます。

数学Ⅱは減らして総量はそのまま

数学Ⅰが増える分、数学全体の学習量が増えないよう調整する方向です。選択科目の内容を他の科目へ移したり、しぼったりします。数学Ⅱは6新単位(今の3単位分)に減らす案です。数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの順序は今どおり維持するとされています。 P80P81P171P172

授業では、たとえば数学Ⅱの年間計画で、他科目へ移る可能性のある単元に印をつけ、時間配分を見直す準備をしておく。そんな対応が一例です。

外部試験で数学Ⅰの免除も

信頼できる外部試験で、数学Ⅰより上の級(数学Ⅱ・B相当など)に合格した生徒が対象です。学校などの判断で数学Ⅰの履修を免除できる方向です。代わりに発展的な学校設定科目などを学びます。入試対策の早修に濫用するのは極めて不適切とされています。 P175P176

授業では、たとえば才能のある生徒のために、数学Ⅰの時間に発展的な課題研究を行う学校設定科目の案を考えておく。そんな検討が考えられます。

主な変更点9項目

高高校の数学A・B・Cを1つの新科目に統合する案

これまで別々の科目(教科書も評価も別)だった数学A・B・Cを、1つの新しい選択科目にまとめる案です。中身は「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」「幾何ベクトル」「複素数と複素数平面」の6つに整理し、生徒が進路や興味に合わせて必要な内容を選びやすくなります。科目名は「数理活用」などの案が検討中で、表では「数理活用(仮称)」2〜12新単位とされています。学校単独で開設が難しい場合は、県内の複数校で遠隔授業を分担する工夫も例示されています。 P166P171P172P80P82

高数学Ⅰに「社会を読み解く数学」を新設する案、単位数は数学Ⅰ増・数学Ⅱ減

全員が学ぶ数学Ⅰに、実社会の場面をもとに「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」の基礎を学ぶ「社会を読み解く数学」を新設する案です(例:数理モデル、等比数列と漸化式、確率と期待値など)。これと「数学ガイダンス」の追加で、数学Ⅰは現行3単位から最大8新単位程度に増える見込みです。数学全体の量が増えないよう、数学Ⅱ(現4単位)は6新単位(3単位)に減らし、内容の移行や精選を行う案です。新科目で4つの内容をすべて選んで学ぶなど条件を満たす場合は、数学Ⅰの相当分を減らせる案です。 P166P172P81P82

中高中学校・高校に「数学ガイダンス」を新設する方向

学習内容どうしのつながりや、数学と社会・仕事の関係が見えにくいという課題から、数学全体の「見取り図」と社会・職業とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス」を中学校と高校(数学Ⅰの中)に新しく設ける方向です。中学校では小学校からの接続や数学が日常生活・社会を支えること、高校では中学校からの接続や数学が職業生活を支えることなどを扱うとしています。総授業時数を増やさないことが前提で、入学時の「数学開き」の実践も参考にし、体験的な活動で楽しさや好奇心を引き出す内容を検討します。 P167P171

証明・論理的な説明の学習を小中高で強化(「論証」分野)

変化が激しい社会では、筋道立てて批判的に考える力(クリティカル・シンキング)が欠かせないとして、中学・高校で数学的推論や証明に関する学習を充実する方向です。小学校でも、中・高の証明につながる「論理的に説明する活動」を各単元で充実するとしています。資料編では、これまで「数と式」「図形」に散らばっていた内容を「論証」という1つの分野として独立させると説明されています。 P164P165P167P171

目標・見方・考え方を小中高で統一し、学習内容を6つの「分野」で整理

小・中・高で教科の目標の言葉をそろえ、「見方・考え方」も統一する方向です。新しい見方・考え方は「事象や言説を数理の視点から捉え、論理的、統合的・発展的、批判的に考察すること」で、ニュースや意見などの「言説」と「批判的」(建設的な意味で)が加わる案です。小学校の算数から高校の数学Ⅰまでの内容を「数と式」「図形」「変化と関係」「データと確からしさ」「論証」「社会を読み解く数学」の6分野で整理し、各分野を1〜2の「区分」に分けて「統合的な理解・総合的な発揮」を示すとしています。教科名の統一は引き続き検討ですが、算数の英語表記は「Arithmetic」から「Mathematics」に改める案です。 P166P167P168P169P170

学年の区切りをこえた柔軟な指導と学び直し(調整授業時数の活用例も)

学年区分は示しつつ、学校の判断で指導時期を前倒し・後ろ倒しできるようにし、まとまった時間をつくって定着に課題のある単元の学び直しや、興味を引き出す探究的な学習に使えるようにする方向です。新しい調整授業時数の「裁量的な時間」では、下の学年の未習得事項を学び直すプログラムや、算数の単元構想の研究・研修などが例に挙がっています。ただし系統性が強い教科なので、安易な時数の調整で定着に影響が出ないよう注意が必要とされています。高校では科目の組み替えの仕組みで、いわゆる「理転」の壁を下げる効果も期待されています。 P174P175

定着を支える指導の工夫(認知心理学の知見・帰納と演繹のバランス・ICT)

基礎的な知識・技能を確実に身につけるため、分散学習・検索練習など認知心理学や学習科学の知見をふまえた指導や、学習前の「レディネス」(既習事項の習得状況)の確認が有効とされています。具体的な事象から考えさせる帰納的な指導と、先に教師が原理を教える演繹的な指導を、子どもの実態に合わせてバランスよく使い分けるとしています。「間違ってもよい」という心理的安全性も重視されます。1人1台端末やクラウドを前提とし、AIドリルは質や教師の指導などの条件のもとで計画的に使えば効果的とされています。 P164P174P177

内容の精選と、教科書で「必ず扱う内容」と「必要に応じて扱う内容」の区別

「統合的な理解・総合的な発揮」に欠かせない内容を中心に並べ、欠かせない内容でないものは精選するとしています。教科書を全部網羅して教える傾向があるとの指摘から、教科書の各内容が必ず扱うべきものか、必要に応じて扱うものかの区別(グラデーション)が分かるよう、教師用指導書での工夫を教科書会社に求めることも検討されています。資料編では、演習問題を基礎・習熟・発展に分ける、コラムなどには時数を配当しないといった例が挙がっています。 P173

高外部試験の上位級合格で数学Ⅰの履修免除を可能にする方向

高校の単位制の柔軟化の一つとして、まず外国語と数学の必履修科目を対象に、信頼性のある外部試験で内容を十分身につけていると判断できる生徒は、一定の要件のもとで履修を免除できるようにする方向です。数学では、対象の級は数学Ⅰ相当より上(数学II・B相当など)とする案で、対象試験は解説で示します。免除した時間には、数学の発展的な学習を行う学校設定科目などを履修することが考えられます。大学入試のための早修に使うのは「極めて不適切」とされています。 P175P176

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
高校数学の選択科目数学A(図形の性質、場合の数と確率、数学と人間の活動)、数学B(数列、統計的な推測、数学と社会生活)、数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、数学的な表現の工夫)の3科目(各2単位)。3科目を1つの新科目に統合する案で、内容を「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」「幾何ベクトル」「複素数と複素数平面」の6つに整理。名称は「数理活用(仮称)」などの案があり、2〜12新単位。 P171P172P80P82
数学Ⅰ(必履修)の内容と単位数数と式、図形と計量、二次関数、データの分析。3単位。これに「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を加える案。単位数は最大8新単位程度(現行の1単位分ほど増)。 P171P172P81P82
数学Ⅱの単位数4単位(数学科で唯一の4単位科目)。内容の他科目への移行や精選を行い、6新単位(3単位)に減らす案。 P172P81P82
学習内容の区分の仕方小学校算数・中学校数学は「領域」、高校数学は「項目」という名前で区分。小学校算数〜高校数学Ⅰまでを、共通の6つの「分野」(数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学)で整理し、さらに「区分」に分ける方向。 P167P170
中学・高校の「数学ガイダンス」数学全体の見取り図と、数学と社会・職業との関係を学ぶ内容を中学校と高校(数学Ⅰ)に新設する方向。総授業時数は増やさないことが前提。 P167P171
数学的活動の位置付けこれまでの学習指導要領で、算数科・数学科の学習過程として位置付けられてきた。「数学的活動」を個々の学習内容として規定するのではなく、教科全体を通じて充実に取り組む旨を規定すべきとされた。 P178
評価規準づくり各学校が、内容のまとまりごとの評価規準、単元の目標、単元の評価規準を作成。「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要にする方向。算数・数学の「内容のまとまり」は「区分」ごと・学年ごとの「内容」とする方向。単元の目標がそのまま単元の評価規準になる考え方。 P179

高校の科目と単位

必履修の数学Ⅰ(「数学ガイダンス」「社会を読み解く数学」を新設する案)、数学Ⅱ・数学Ⅲ(数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの履修順序は維持)に加え、現行の数学A・B・Cを統合した1つの新選択科目を設ける案(名称は「数理活用(仮称)」などの案。内容は場合の数と確率、統計的な推測、行列、数列、幾何ベクトル、複素数と複素数平面)。(P171-172、P80、P82)

授業時数

高校:数学Ⅰは現行3単位→最大8新単位程度、数学Ⅱは現行4単位→6新単位(3単位)、数学Ⅲは6新単位、新選択科目は2〜12新単位(現行は数学A・B・C各2単位)。1新単位は17コマ。「社会を読み解く数学」相当を新科目で学ぶ場合は数学Ⅰから減単可能(P81、P82)。小・中学校の算数・数学の具体的な時数は算数・数学の節には書かれていない(総論では、35コマを超える教科等から一律3-4%程度を「広く薄く」減じる考え方を示し、実数は今後示すとしている:P79)。

生成AI・ICTとの付き合い方5項目

生成AIの時代にこそ数学を学ぶ意味がある

数学の問題解決に生成AIが使われる場面が増え、数学を学ぶ意義を問い直す声もあります。しかし、生成AIで処理した結果が妥当かを確かめるにも、生成AIの仕組みを理解するにも、数学の素養は欠かせません。生成AIに振り回されない批判的思考力のためにも数学的な思考力が必要とされています。 P166

高校:AIを支える数学(行列・微積・確率・統計)を重視

AI技術やデータサイエンスの仕組みを理解し適切に使えるよう、その土台である線型代数学・解析学・確率論・統計学の基礎(行列、微分・積分、確率、統計)を重視するとされています。数学Ⅰに、行列・統計の基礎など、AIやデータサイエンスが進む社会で求められる素養を学ぶ「社会を読み解く数学」を新設する方向です。 P80P167P171資料編(1)P221

クリティカル・シンキングの強化

AI技術やデータサイエンスが急速に進む変化の激しい社会では、論理的・批判的に考え判断する力(クリティカル・シンキング)が一層重要なので、数学的推論や証明などの学習を中・高で充実させます。 P167P171

AIドリルの使い方の条件

AIドリルは、①教材として一定の質がある、②教師の適切な指導助言がある、③子供が自分で学びを調整しながら使える、の3つが前提です。そのうえで計画的に使えば、知識を効率よく身に付けられるとされています。家庭学習が難しい子供にAIドリルを配る自治体の例もあります。 P176P177

ICT活用の例と、AIの扱いの機動的な見直し

効果的なICT活用例として、AIによる自動採点やデジタル教材・AIドリルの活用などが挙がり、国が改訂を待たず広く知らせることが重要とされています。学習科学をふまえたAI学習アプリなど新しい動きにも注目し、算数・数学でのAIの扱いは技術の発展に合わせて機動的に見直すとされています。 P177

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ単元に入る前に、その単元に必要な既習事項(レディネス)を5分ほどの小テストで確かめ、つまずきのある子供への手立てを用意してから始めます。 P164P165P174
  • 今すぐ授業の冒頭や宿題に、前の単元の問題を少し混ぜて思い出させる時間(分散学習・検索練習)を入れ、全員にまったく同じ問題だけを出すやり方を見直します。 P164P174
  • 今すぐ割合や速さで「みはじ」「くもわ」を使っている場合は、数直線や図で意味を説明させる時間を必ず入れ、暗記だけで終わらせないようにします。 P164P171
  • 告示まで小中の先生で、6つの「分野」(数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学)をもとに単元の系統表を作り、学校段階のつながりを確かめます。 P167P170P175
  • 告示まで中学校・高校の入学時や学年初めの「数学開き」を、数学の全体像(見取り図)や、数学が日常生活・社会・職業を支えることを体験的に学ぶ時間として作り直し、「数学ガイダンス」を先取りします。 P167P171
  • 告示まで現行学習指導要領に示された内容を確実に扱うことを前提に、教科書内の練習・補充・発展的な内容の扱い方や時数配分を教科会で点検します。次期課程での「必ず扱う内容/必要に応じて扱う内容」の区分は、告示・解説や教師用指導書が示された後に確認します。 P173
  • 先行実施まで高校では、数学A・B・Cを統合する新科目と数学Ⅰの「社会を読み解く数学」を見越し、確率と期待値・数列と漸化式・行列・統計的な推測を実社会の場面で扱う教材を集め、進路に応じた履修パターンや単位配分の案を検討します。 P167P171P172
  • 全面実施までAIドリルを使う場合は、①教材として一定の質がある ②教師が適切に指導助言する ③子供が自分で学びを調整しながら使う、の3つを満たす使い方を校内で決め、計画的に使います。 P177

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(数学Ⅰ「データの分析」)1単位時間(50分)

20人中15人が「おいしい」は偶然?

コイン投げのシミュレーションで、主張を「偶然」と比べて判断する考え方を体験します。

手順・ワークシート

ねらい

「新商品の方がおいしいと感じる人が多い」という主張について、「味に差はない(半々)」と仮定したときに結果がどのくらい起こりやすいかをシミュレーションで調べ、判断の基準を示して主張を受け入れるかどうかを説明できる。

流れ

  1. 5分場面カードを示し、「15人なら、新しい方がおいしいと言っていい?」と問います。「味に差がなくても、たまたま15人になることはある?」という問いを立てます。
  2. 5分「味に差がないなら、一人一人の答えはコインの表裏と同じ」と仮定することを確かめます(仮説を立てる)。
  3. 10分ペアで実際に硬貨を20回投げ、表の回数を記録します。クラス全体の結果を集めて度数分布表をつくり、「15回以上はどのくらいあったか」を見ます。
  4. 12分表計算のシミュレーション(20回×1000セット)を全員で動かし、表が15回以上になった割合を求めます(およそ2%前後になります)。同じように、14回以上になった割合も求めます(およそ6%前後になります)。
  5. 12分班で「15人なら」「14人なら」それぞれ主張を受け入れるかを話し合います。どのくらい珍しければ「偶然とは考えにくい」と判断するか(基準、たとえば5%)を前もって決めておく必要があること、基準によって結論が変わりうることを全体で整理します。
  6. 6分振り返りとして、広告やニュースの「〇人中〇人が〜」という表現を見たとき、何を確かめるか(人数、選び方、偶然と比べたか)を書きます。

評価

【知識・技能】仮説を立て、シミュレーションの結果から起こりやすさを求めているかを見取ります。【思考・判断・表現】判断の基準をはっきりさせたうえで、主張を受け入れるかどうかを根拠をもって説明しているかを見ます。「15人でも絶対においしいとは言えない」「基準によって結論が変わる」ことに触れているかも確かめます。

指導案(試案)1本

高等学校第1学年数学Ⅰ全6時間(本時は第4時)

データで主張を確かめる ~相関と仮説検定の考え方~

中央教育審議会教育課程部会の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、見方・考え方の対象を「事象や言説」に広げ、論理的、統合的・発展的に加えて「批判的に考察すること」を位置付ける案と、高等学校で確率・統計などの基礎に関する学習を重視する方向を先取りした試案である。次期学習指導要領はまだ告示前であ…

指導案の全文

本時のねらい

「好みに差がない」と仮定したときに結果が起こる程度を実験とシミュレーションで調べ、それを基に主張の妥当性を判断するとともに、その判断で言えることと言えないことを説明することができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 購買の新商品の宣伝(架空)「新メロンパン、20人中15人が『前のよりおいしい』と回答!みんな新しいほうが好き」を提示し、この主張を信じてよいかを直感で答える(挙手)。
  2. 8分展開 【仮定を置く】「本当は好みに差がない(どちらを選ぶ確率も2分の1)」と仮定し、そのとき20人中15人以上が新しいほうを選ぶことがどのくらい起こるかを予想する。その確率が非常に小さければ、仮定が正しくなかったと考える、という仮説検定の考え方の流れを確認する。実験の前に、判断の目安(起こる割合が5%より小さければ、偶然とは考えにくいとする)をクラスで決めておく。
  3. 12分展開 【実験】4人班で、1人がコインを20回投げて表の回数を記録することを2セットずつ行う(表=新しいほうを選ぶ、とみなす)。班の結果をクラウドの共有シートに入力し、クラス全体(約60セット)で表が15回以上だったセットの割合を求める。
  4. 10分展開 【シミュレーション】表計算ソフトで、1人の選択を =IF(RAND()<0.5,1,0) で表し、20人分を1行として1000行(1000セット)作る。各行の合計を求め、合計が15以上の行の数を数えて割合を求める。再計算を数回行い、割合がおよそ2%前後になることを確かめる。さらに「20人中13人以上」の場合の割合(およそ13%)も求めて比べる。
  5. 10分展開 【判断と吟味】実験の前に決めておいた「5%より小さければ、偶然とは考えにくい」という目安を基に、15人の場合と13人の場合の判断を書く。続けて班で、①この結果から言えること・言えないこと ②20人の選び方や質問の仕方など、調査の方法に問題はないか、を話し合い、宣伝の文を正確に言い直す。
  6. 5分まとめ 振り返りシートに、本時の考え方の手順(仮定を置く→起こりやすさを調べる→判断する→言えることと言えないことを確かめる)を自分の言葉でまとめ、身の回りで同じように確かめてみたい主張を一つ書く。

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現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.04
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

理科次期学習指導要領で、どう変わる?

小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる

10秒でいうと

「科学と人間生活(8新単位)」1科目で必履修を満たす道を新設。各基礎科目に科学ガイダンス

やさしく言うと

高校の理科は、「○○基礎」と「○○」という科目の基本的な枠組みを保つ方向です。そのうえで、必履修の満たし方に新しい道を加える案です。「科学と人間生活(8新単位)」1科目だけで満たせるようにします。各基礎科目には「科学ガイダンス」を置く方向です。科目を組み合わせた柔軟な開設も考えられるとしています。暗記に偏らない授業づくりも促されます。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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理科の3行要約(全校種)

  1. 小・中・高で理科の目標と「見方・考え方」の文言を統一し、学習内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理し直す方向。
  2. 中・高に「科学とは何か」や研究倫理を学ぶ「科学ガイダンス」、小学校に分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新しく設けることが適当とされた。
  3. 高校は「科学と人間生活(8新単位)」だけで必履修を満たす道を加える案。学習内容は「統合的な理解・総合的な発揮」に必要なものに精選する方向。

理科のポイント4つ

「科学と人間生活(8新単位)」の道

今は「科学と人間生活」と基礎科目1つ、または基礎科目3つで必履修を満たします。これに加えて「科学と人間生活(8新単位)」を新設する案です。物理・化学・生物・地学の各分野には学習事項が2つずつあり、今はそのうち1つを選んで履修します。これを、両方とも履修できるようにすることが適当とされています。 P184P188

授業では、たとえば理科を4分野すべて学ばずに卒業する生徒向けに、生活と結び付いた幅広い内容で1年間を組む。そんな科目設計が考えられます。

基礎科目に「科学ガイダンス」

科学ガイダンスは高校では各基礎科目に置く方向です。実際には、最初に学ぶ基礎科目の冒頭である程度まとめて学びます。ほかの基礎科目では、内容を重点化して扱うとしています。検証の方法や研究とのつながりは、科目の内容と関連付けて学ぶとされています。 P187

授業では、たとえば物理基礎の最初の数時間で、仮説と検証の考え方や研究倫理を、簡単な実験を通して学ぶ。そんな導入が一例です。

科目を組み合わせた柔軟な開設

高校の教育課程を柔軟にする仕組みが検討されています。たとえば「物理基礎+物理」を5〜6単位で、4つの基礎科目の組合せを6〜8単位で開くことが考えられるとしています。ただし時数を減らしても、知識・技能の定着が疎かにならないよう注意が必要です。 P190

授業では、たとえば4つの基礎科目の共通部分を整理し、分野をまたぐ探究の時間を生み出す年間計画を試しに作る。そんな検討が考えられます。

暗記より原理と魅力を

「統合的な理解」は、高校でもできるだけ平易でシンプルに示すとされています。用語の暗記や計算に偏らず、探究で導かれる原理・法則やその魅力を理解する授業を促すためです。教科書の内容も、必ず扱うものと必要に応じて扱うものを分かるようにすることが考えられています。 P186P189

授業では、たとえば公式を覚える前に、実験データからグラフを描き、自分たちで規則性を見つける時間をとる。そんな授業が方向に沿う例です。

主な変更点9項目

高高校の必履修に「科学と人間生活(8新単位)」だけで履修する道を新設する案

高校理科の必ず学ぶ科目の組み方は、今の2通り(「科学と人間生活」+「○○基礎」1科目、または「○○基礎」3科目)に加えて、「科学と人間生活(8新単位)」1科目だけで満たす3つ目の道を設ける案である(「新設することが適当」とされた)。生徒のいろいろな希望に合わせ、学校がもっと自由に教育課程を組めるようにするためである。一方で「○○基礎」→「○○」の順に学ぶ基本の枠組みは引き続き維持すべきとされた。 P183P188

中高中学校・高校に「科学ガイダンス」を新設する方向

各分野の学習に入る前に、「科学とは何か、科学的とは何か」、理科の全体像と分野どうしの関係、研究倫理、検証の方法、理科と研究・社会とのつながりを学ぶ内容を中・高に新たに設けることが適当とされた。理科を学ぶ意味を実感させ、知的好奇心を引き出す導入であり、知識の暗記を求める指導にしないよう注意されている。高校では各「○○基礎」に位置付け、最初に学ぶ基礎科目の冒頭である程度まとめて扱う案である。総授業時数を増やさないことが前提である。 P183P187

学習内容の見直し・精選で授業時間に「余白」をつくる

理科は実験のやり直しなどで時間を組み替えることが多いため、時間の余白が不可欠とされた。「統合的な理解」「総合的な発揮」に欠かせない内容を中心に並べ、必ずしも必要でない内容や、学年・学校種の間で重なりが大きい内容は整理する方向である。教科書についても、必ず扱う内容か必要に応じて扱う内容かが分かる工夫を教科書会社に求めることが考えられている。 P189

小・中・高の学習内容を4つの「分野」(物理・化学・生物・地学)で統一

学校段階のつながりや学問の筋道を分かりやすくするため、小・中・高で共通して4分野に分けて内容を整理することが適当とされた。さらに各分野を3つ程度の「区分」に分け、区分ごと・学校種ごとに「統合的な理解・総合的な発揮」を示す方向である。小学校の内容が難しくなるわけではないことは、国が丁寧に知らせるとしている。 P183P186

高高校「科学と人間生活」の内容を見直し、両方の項目を学べるように

高校で4分野すべてを学ばずに就職・進学する生徒も含め、理科を学ぶ意味や面白さを感じ、社会で最低限必要な科学の素養を身に付けさせる科目として内容を見直すべきとされた。中学校理科とのつながりを意識し、4分野を広くカバーしつつ生活や社会に結びついた身近な内容にする方向である。今は物理・化学・生物・地学の各項目で「2つのうち1つ」を選んで学ぶが、両方を学べるようにすることが適当とされ、その場合は4単位程度が適当と考えられている。 P183P188

高高校で科目を組み合わせた柔軟な科目開設を可能にする方向

高校全体で検討されている科目の組替えのしくみを使うと、たとえば「物理基礎+物理」を一体にしたり、「○○基礎」4科目を組み合わせたりする科目開設が考えられる。単位を少し減らすこともできるが、時間が減ることで知識・技能の習得がおろそかにならないよう注意が必要とされている。 P190

目標と「見方・考え方」を小中高で統一し、社会の情報も対象に

教科の目標の文言を小・中・高でそろえる方向である。「見方・考え方」は、デマやフェイクニュースが広がる時代を踏まえ、メディアリテラシーや批判的思考を意識したものにし、対象を「自然の事物・現象」から「自然や社会の事象・言説」へ広げる案である。また「科学的な視点」は「自然科学的な視点」と言い換え、人文・社会科学との違いをはっきりさせるとしている。 P183P185

「科学的な探究」の過程を教育課程全体に位置付け、用語もそろえる

今は学校種によって探究の過程の用語などが違い、教科として統一されていないという課題がある。そこで「科学的な探究」の過程を小中高を通して位置付け、解説などで具体的に示すべきとされた。資料編の案では、授業で「課題」を「問い」、「仮説」を「予想」などと言い換えることは妨げないとしている。 P182P183

表形式化は「並列パターン」、「統合的な理解」は平易に示す

理科は知識・技能の積み上がりがはっきりしているので、知識・技能と思考力などを並べて示す「並列パターン」で整理する方向である。「統合的な理解」は、個々の知識をどんな大きな理解に結び付けるかを先生がイメージできるよう、高校も含めできるだけ平易に示すとしている。「総合的な発揮」は、どの区分でも「特徴を見いだして表現する」ことを共通で示し、毎日の授業で科学の考え方を実践できるようにするとしている。 P186

現行と次期の比較(新旧対照)4項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
見方・考え方「(身近な)自然の事物・現象」を「科学的な視点」で捉え、比較したり関係付けたりする方法で考える(小は問題解決、中高は科学的に探究する方法)。「自然や社会の事象・言説」を「自然科学的な視点」から捉え、観察・実験の結果や科学的知見に基づいて客観的・論理的・批判的に考える、と小中高で統一する案。 P183P185
高校の必履修科目の組合せ「科学と人間生活」+「○○基礎」1科目(4単位)、または「○○基礎」3科目(6単位)のどちらか。上の2通りに加え、「科学と人間生活(8新単位)」1科目を新設することが適当とされた。組合せは8新単位・8新単位・12新単位の3通りになる案。 P183P188
「科学と人間生活」の学び方物理・化学・生物・地学に関する各項目で、それぞれ2つのうち1つを選んで学ぶ。両方を学ぶことも可能にすることが適当とされた(その場合は4単位程度=8新単位)。内容も中学校とのつながりと身近さを重視して見直す方向。 P188
高校理科の標準単位数科学と人間生活2、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎 各2、物理・化学・生物・地学 各4(単位)。科学と人間生活「4 or 8」、各「○○基礎」4、各「○○」8(新単位)とする案(P82「構成(案)」)。 P82

高校の科目と単位

物理・化学・生物・地学の分野別に、選択必履修の「○○基礎」と選択科目「○○」を置き、「○○基礎」→「○○」の順に学ぶ枠組みは維持(P188)。分野横断の「科学と人間生活」も続け、内容を見直したうえで4新単位(内容を選ぶ)と8新単位(全内容)の2つの形にする案(P183・P188、資料編m3 P24)。必履修は①「科学と人間生活(8新単位)」【新設】、②「科学と人間生活(4新単位)」+「○○基礎」1科目、③「○○基礎」3科目の3通りとする案。各基礎科目には「科学ガイダンス」を位置付ける方向(P187)。

授業時数

高校:新しい単位計算(1新単位=50分×17コマ、P46)で、科学と人間生活4 or 8、各基礎4、各「○○」8新単位(現行は2・2・4単位、P82)。組替えのしくみで例:物理基礎+物理 現行6単位→5~6単位、基礎4科目 現行8単位→6~8単位(細分化しない場合、P190)。小・中:理科の節に具体的な時数の記載はない。総論では、情報の新教科・領域の時数を生むため、小学校3年以上の教科等(35コマ以下のものを除く)から一律3-4%程度を「広く薄く」減らす考え方を示し、実数は今後示すとしている(P79)。理科は調整授業時数の対象教科でもある(P190)。科学ガイダンスは総授業時数を増やさないことが前提(P187)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

生成AIとデマ・フェイクニュースの時代の科学的な素養

生成AIの発展もあって、非科学的なデマやフェイクニュースがSNSなどで急速に広がっています。だからこそ全ての人に科学的な素養を身に付けさせる理科教育の重要性が高まっており、科学的に探究する従来の「見方・考え方」は引き続き適切だとされています。 P183P185

ICT活用例に「生成AIを適切かつ効果的に利用する」

理科のICT活用は学校や地域で差が大きいので、デジタルとアナログの適切な組み合わせを含む効果的な事例を、国が改訂を待たず広く知らせます。例として、データの記録・蓄積、シミュレーション、センサー、AR/VR、生成AIの適切かつ効果的な利用、ポートフォリオなどが挙がっています。 P191

理数:AIを含むICTの良い使い方と、学びに繋がらない使い方

高校の共通教科「理数」では、探究の学習過程や指導・評価でのICT(AIを含む)の効果的な使い方と、逆に豊かな学びにつながらない使い方を、国が解説などで示す必要があるとされています。特にAIについては、科学的な探究での活用例を示すことも重要とされています。 P196P198

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ小中(または中高)で、探究の過程を表す言葉(問題と課題、予想と仮説、計画、考察、結論など)の使い方の違いを一覧にし、ワークシートや掲示の言葉をそろえる準備をします。 P182P183
  • 今すぐデマや誇大広告、ニュースの中の科学的な主張など、「自然や社会の事象・言説」として授業で検証できる題材を集めておきます。実在の商品や個人を攻撃しない形に作り替えて使います。 P183P185
  • 今すぐ観察・実験の器具や実験計測用センサーの整備状況を点検し、理科教育設備整備費等補助金の対象を確かめて、更新の計画を立てます。 P182P192
  • 告示まで中学校・高校の年度初めの授業を、「科学とは何か」「検証の方法」「研究倫理」などを体験的に考える時間として作り直し、「科学ガイダンス」を先取りします。用語の暗記にならないよう、活動中心にします。 P184P187
  • 告示まで現行の学習指導要領・解説に照らして必須事項を確認したうえで、発展資料や例示の扱いを見直し、再実験などに使える時間の余白を単元計画の中で検討します。次期課程での正式な区分は、告示・解説・教師用指導書の公表後に反映します。 P189
  • 先行実施まで高校では、「科学と人間生活(8新単位)」だけで必履修を満たす新しい組み合わせや、「物理基礎+物理」などの科目の組替えも選択肢に入れて、教育課程の案を検討し始めます。 P184P188P190
  • 全面実施まで小中(または中高)の先生で合同の研究授業や教材研究を行い、学校種をまたいだ学習内容のつながりを確かめます。調整授業時数の「研究・研修等枠」の活用例にもあがっている取組です。 P182P190

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(物理基礎「落体の運動」)1単位時間(50分)

都合の悪いデータ、消していい?

「重い球は速く落ちる」というレポートを、全データで検証し直して科学の誠実さを考えます。

手順・ワークシート

ねらい

落下時間の測定データを全数で整理・比較し、一部のデータだけを選ぶと誤った結論になることを示したうえで、質量と落下時間の関係について根拠をもって結論を述べることができる。

流れ

  1. 5分「大きさが同じで重さのちがう球を同時に落とすと、どちらが先に着く?」と予想させます。続けて架空のレポートを配り、「この結論を信じていい?」と問います。
  2. 12分班で、2つの球を1.0mの高さから各3回ずつ落とし、スロー動画で落下時間を測って表に記録します(光電門タイマーがあれば使います)。
  3. 12分全データの表を配り、レポートが使った6回と使わなかった10回を色分けします。全データでそれぞれの平均を求め(重い球およそ0.455秒、軽い球およそ0.456秒)、あわせて最小値と最大値(範囲:重い球0.43〜0.48秒、軽い球0.44〜0.48秒)を書き出し、全測定値を数直線上に点で打って、2つの球の値がどのくらい重なっているかを見ます。そのうえでレポートの結論と比べます。
  4. 10分班で、データを選んで使うことがなぜ問題か、どんな場合ならデータを除いてよいか(例:測定ミスの理由がその場で記録されている場合)を話し合い、「除くなら理由を記録し、除いたことも報告する」などのきまりをまとめます。
  5. 6分自分たちの測定結果と全データをもとに、質量と落下時間の関係について結論を書きます。空気の抵抗の影響が小さい条件で実験したことも考察に入れます。
  6. 5分振り返りとして、「科学の結論を信頼できるものにするために、自分が実験で守りたいこと」を書きます。

評価

【思考・判断・表現】全データを根拠に結論を述べ、データを選ぶと結論がゆがむことを説明しているかを考察で見取ります。【知識・技能】測定を繰り返し、平均とばらつき(最小値・最大値の範囲や数直線上の点の重なり)を使って結果を整理しているかを見ます。【主体的に学習に取り組む態度】データの扱い方のきまりを自分たちの実験に生かそうとしているかを、振り返りで見ます。

指導案(試案)1本

高等学校第1学年化学基礎全7時間(本時は第3時)

物質を分ける・見分ける ~科学的な探究の進め方を身に付けよう~

中央教育審議会教育課程部会の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、見方・考え方の対象を「自然や社会の事象・言説」に広げて批判的に考察する案、「科学的な探究」の過程を教育課程全体で位置付けて用語をそろえる方向、高等学校の各「○○基礎」に「科学ガイダンス」を位置付け、最初に学ぶ基礎科目の冒頭であ…

指導案の全文

本時のねらい

ペーパークロマトグラフィーの実験を通して、調べた水性ペンの黒インクについて、色素の分かれ方から成分の構成を考え、班ごとの結果を比べて、言説に対してどんな条件の実験から何が言えるかを根拠を示して表現することができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 SNS風の言説(自作)「黒いペンのインクは黒い色素1種類でできている。だから、どのメーカーの黒も中身は同じ」を読み、第1時の科学ガイダンスで学んだ「科学的に確かめる」ための観点(客観性・再現可能性)を振り返る。
  2. 6分展開 【課題の設定・仮説の設定】班(4人)で課題を「水性ペンの黒インクは1種類の色素でできているか。メーカーによって違うか」と設定し、理由を添えて仮説を立てる。
  3. 6分展開 【検証計画の立案】変える条件(ペンのメーカー:A社・B社・C社)と、そろえる条件(ろ紙の種類と大きさ、インクを付ける位置と量、展開液の種類と量、時間)を決め、手順をワークシートに書く。
  4. 15分展開 【観察・実験の実施】短冊状のろ紙の下から約1.5cmの原点に3社のペンで小さな点を付け、水を入れたビーカーに立てて約10分間展開する。展開中は色の分かれ方の予想を書き、変化を観察して記録する。展開後、鉛筆で溶媒の先端に印を付け、端末で撮影する。
  5. 8分展開 【結果の処理】撮影した写真をクラスの共有シートに班ごとに貼り、分かれた色の数・順番・移動距離を記録する。同じメーカーのペンの結果を班どうしで比べる。
  6. 7分展開 【考察・結論】仮説と結果を照らし合わせ、調べたペンごとに、複数の色に分かれた場合は「少なくとも複数の色素を含む」と言えること、一つのままだった場合は「この条件では分離を確かめられなかった」としか言えないこと、メーカーによって分かれ方に違いがあったかを、結果を根拠に説明する。色素が分かれる理由を、水への溶けやすさと紙へのくっつきやすさの違いから考え、言説に対する結論を書く。
  7. 3分まとめ 振り返りシートに、本時で使った探究の過程の段階と、次時に確かめたいこと(展開液を変えたらどうなるか等)を書く。

PDF版:shidoan-ko1-kagakukiso-ink-chromatography.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.05
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

理数次期学習指導要領で、どう変わる?

理系だけでなく文理をこえたテーマで、全校で探究を

10秒でいうと

理数探究基礎・理数探究は現行どおり。文理横断(STEAM)の課題も充実し、全校で指導

やさしく言うと

高校の共通教科「理数」(理数探究基礎・理数探究。審議まとめでは「理数科」と表記)は、科目の枠組みと学習内容を大きく変えない方向です。今の内容は、探究に最低限必要なものと考えられているためです。そのうえで、探究のテーマを科学・数学に偏らせず、文理をこえた課題も充実することが望ましいとされています。数学・理科の先生だけでなく、全校で指導する体制が望ましいとされています。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

理数の3行要約(全校種)

  1. 高校の共通教科「理数科」(理数探究基礎・理数探究)は科目名・単位数とも現行どおりとする案で、学習内容の精選も特に示されていません。
  2. 目標を「数理的・科学的に探究する資質・能力」とし、対象を「事象や社会の課題」に広げ、見方・考え方に批判的思考を加える方向です。
  3. 探究テーマを科学・数学に偏らせず文理横断(STEAM)の課題も充実し、数学・理科以外の先生も関わる全校の指導体制が望ましいとされました。

理数のポイント4つ

文理をこえたテーマも

社会の事象や学際的なテーマも本来想定されていますが、現場では選ばれにくいとされています。そこで、探究の対象の例を科学・数学に偏らせず、文理横断・文理融合(STEAM)の課題も充実する方向です。数学的な事象の例の追加も検討するとしています。 P195P196P197

授業では、たとえば地域の交通渋滞を、データ分析と住民へのインタビューの両方から探究する。そんなテーマ設定が、この方向に沿う一例です。

目標と見方・考え方の言葉

目標の「課題を解決するために必要な資質・能力」は、「数理的・科学的に探究する資質・能力」に改める案です。対象は「様々な事象」から「事象や社会の課題」に改めることが望ましいとされています。見方・考え方には、批判的思考(クリティカル・シンキング)の重要性をふまえた記載を入れる方向です。 P197

授業では、たとえば探究の中間発表で、互いの仮説や根拠に「本当にそう言えるか」と質問し合う時間を設ける。そんな場面づくりが考えられます。

全校で指導する体制へ

指導を担当する先生を、数学・理科以外にも広げるべきとの指摘があります。そこで、全校で指導する体制を作ることが望ましいとされています。全ての教員が自主的・協働的に関われる仕掛けづくりが重要で、国による好事例の周知が必要とされています。 P195P196P198

授業では、たとえば社会科や国語科の先生が、テーマに応じて探究グループの相談役を担当する。そんな校内の役割分担が一例として考えられます。

時間の確保と、問い・評価への支援

探究には十分な時間が必要です。理数探究で総合的な探究の時間に代えられる今の仕組みがあります。次期改訂の案として、単位数を細かく分けて増やしたり減らしたりできる仕組みも示されています。これらの活用が有効とされています。問いの立て方や評価は、国が先行事例や参考資料で示していくべきとされています。 P196P198

授業では、たとえば探究の過程をポートフォリオに残し、問いの変化や試行錯誤も評価の材料にする。そんな評価の工夫が考えられます。

主な変更点7項目

高探究テーマを科学・数学に偏らせず、文理横断(STEAM)の課題も

理数科の探究はもともと社会的な事象や複数の分野にまたがるテーマも想定していますが、学校ではそうした課題が選ばれにくいという指摘があります。そこで、探究の対象の例示を科学的・数学的なものに偏らせず、文理横断・文理融合(STEAM)の課題も充実させることが望ましいとされました。数学的な事象も例示に加えることを検討すべきとされています。 P195P196P197

高数学・理科の先生だけでなく、全校で指導する体制へ

指導する教師を数学や理科の担当以外にも広げるべきだという指摘をふまえ、数学・理科担当に限らない全校での指導体制をつくることが望ましいとされました。全ての教員が自分から協力して理数探究に関われる「仕掛けづくり」が大事で、国による好事例の周知が必要だとされました。文理横断の課題を増やすことで、数学・理科以外の先生も関わりやすくなることが期待されています。 P195P196P197P198

高目標の言葉が変わる:「数理的・科学的に探究する資質・能力」

目標のうち「探究の過程を通して」は理数科の本質なので引き続き示すことが適当とされました。一方、「課題を解決するために必要な資質・能力」は、課題解決型ではない探究もあるため「数理的・科学的に探究する資質・能力」に改めることが適当とされました。対象も、社会とのつながりをはっきりさせるため「様々な事象」から「事象や社会の課題」に改めることが望ましいとされています。学びに向かう力には、知的好奇心や問題意識、他者と対話・協働しながら学びを調整することを加え、研究の倫理的な態度や粘り強く探究する態度は引き続き示す方向です。 P197

高見方・考え方に「批判的」な考察を加え、「数理的・科学的」な視点に

社会で批判的思考(クリティカル・シンキング)の重要性が高まっていることをふまえた見方・考え方にすることが適当とされました。扱う対象は「事象や社会の課題、言説」とし、理数科ならではの視点は「数学」「理科」という教科名ではなく「数理的・科学的」と示す方向です。資料編の案では、現行の「数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせる」形から、理数科として1つの見方・考え方を示す形に変わっています。 P197

高探究の時間を確保する仕組みの活用

探究には十分な時間が必要なので、理数探究基礎または理数探究の履修により、総合的な探究の時間と同様の成果が期待できる場合に、その一部または全部に代えることができる今の仕組みや、単位を細かく分けて増やしたり減らしたりできる新しい仕組みを活用できることを、国が積極的に知らせるべきだとされました。入試指導への期待から探究に取り組みにくいという声に対しては、理数科の探究が大学での学びの基礎になることなどを、国が保護者や大学関係者に丁寧に説明する必要があるとされています。 P196P198

高問いの立て方・評価・ICT活用・外部連携への国の支援

教師が困っている「問い」の設定については、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の事例も含め国が参考資料を示す必要があるとされました。評価についても、探究の過程をポートフォリオなどで残すことも含め、参考資料を示す方向です。ICT(AIを含む)の効果的な使い方と豊かな学びにつながらない使い方も解説で示し、情報科との関係も説明する方向です。大学と連携しやすいよう、大学側に高校との連絡窓口を一つにまとめるなどの体制づくりを国が検討することが望ましいとされています。 P196P198

高内容は大きく削らない(「科学ガイダンス」との接続に注意)

理数科は現行の学習指導要領で新しくできた教科・科目で、今の学習内容は数理的・科学的な探究に最低限必要なものと考えられるため、精選は特に示されていません。ただし、理科で検討中の「科学ガイダンス」との内容のつながりには注意が必要とされています。開設・履修を広げるため、国が意義を周知し、開設に必要な費用には高等学校教育改革促進基金やSSH事業の活用が期待されています。 P195P196P197

現行と次期の比較(新旧対照)6項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
目標で示す資質・能力「課題を解決するために必要な資質・能力」「数理的・科学的に探究する資質・能力」(課題解決型以外の探究もあるため) P197
目標で扱う対象「様々な事象」「事象や社会の課題」 P197
見方・考え方数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせる。対象を「事象や社会の課題、言説」とし、「数理的・科学的」な視点から捉え、批判的思考の重要性をふまえて考察する。 P197
学びに向かう力(情意・感性)粘り強く考え行動する態度や倫理的な態度などを規定。倫理的な態度・粘り強く探究する態度は引き続き示しつつ、知的好奇心や問題意識、他者と対話・協働して学びを調整する態度を加える。情意・感性は「数理的・科学的な美しさや不思議さを感じる感性」などで整理。 P197
探究の対象とする事象の例示社会的事象や学際的領域も想定されているが、学校現場では選ばれにくいとの指摘がある。科学的・数学的なものに偏らず、文理横断・文理融合(STEAM)の課題も充実させることが望ましいとされた。数学的事象の例示への追加も検討すべきとされた。 P195P197
指導する教師指導の担当を数学や理科の教師以外にも広げるべきとの指摘がある(課題として記述)。数学・理科担当に限らない全校での指導体制の構築が望ましいとされた。国が仕掛けづくりの好事例を周知し、数学・理科の探究的な学びとの関係を示す必要があるとされた。 P195P196P198

授業時数

本文の理数の節には単位数の変更は書かれていない。総論の高校単位数表では、理数探究基礎は現行1単位→2新単位、理数探究は現行2〜5単位→4〜10新単位(1新単位=17コマとする単位の細分化に伴う表記)。総論では外国語・国語・数学以外の科目は「科目名・単位数ともに現行と同様」とされている(P80、P82)。

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ探究テーマの例を見直し、科学・数学の題材だけでなく、社会の課題や身近な言説を数理的・科学的に扱う文理横断(STEAM)のテーマ例を加えます。 P196P197
  • 今すぐ数学・理科以外の先生が関われる仕掛け(テーマ相談会、得意分野別の相談役の一覧、問いの壁打ち会など)を1つ作り、年間計画に入れます。 P196P198
  • 今すぐ生徒の「問い」を磨くための校内資料(よい問いの条件、問いが変わっていった例)を作ります。国が示す参考資料やSSHの事例が出たら取り入れます。 P196P198
  • 告示まで探究の過程をポートフォリオで残す方法(問いの変化、計画、データ、振り返り)を決め、評価にどう使うかを担当者間でそろえます。 P198
  • 告示まで探究の中でAIを含むICTを使う場面(モデル化・シミュレーション、データの処理など)と、豊かな学びにつながらない使い方の例を校内で集め、国の解説が出たら照らし合わせて見直します。 P196P198
  • 告示まで理科の「科学ガイダンス」で扱う予定の内容(科学とは何か、検証の方法、研究倫理)と理数探究基礎の内容の重なりを確かめ、どちらで何を扱うかを理科の先生と話し合います。 P197
  • 先行実施まで探究の時間を確保するため、理数探究基礎・理数探究の履修で総合的な探究の時間を代替する仕組みや、単位を細かく分けて増減する仕組みを使った教育課程の案を検討します。 P196P198
  • 全面実施まで大学・地域の機関・卒業生などの連携先を一覧にし、学校としての連絡窓口を一本化しておきます。 P198

次期を先取りする授業アイデア2本

高1(理数探究基礎)1単位時間(50分)

「〇〇すると成績が上がる」を問いに変える

よく聞く主張を、測れる・比べられる・確かめられる探究の問いに磨き上げます。

手順・ワークシート

ねらい

社会でよく見聞きする主張を、測る量・比べる対象・データの集め方がはっきりした問いに言い換え、相関と因果のちがいに注意して、探究の問いとして成り立つかを判断できる。

流れ

  1. 5分主張カードを1枚見せ、「この主張、本当?」と問います。「本当かどうかを、どうやって確かめる?」と続け、本時のめあてを示します。
  2. 10分先生が1つ目の主張で、3つのふるいを通すやり方を実演します。「朝ごはん」を「週に何日食べるか」、「成績」を「どの試験の何点か」に決め、生活リズムなどほかの要因が両方に影響している可能性にも触れて、「一緒に増える(相関)」と「原因になる(因果)」は別であることを確かめます。
  3. 15分班で主張カードを1枚選び、ワークシートに沿ってふるいを通し、探究の問いをつくります。社会の話題を選んだ班にも、数や量で確かめる方法を考えさせます。
  4. 10分2つの班で問いを交換し、「ほかの要因はないか」「データの集め方に偏りはないか」「アンケートに答える人への配慮はできているか」を質問し合います。
  5. 7分受けた質問をもとに自分たちの問いを直し、直した理由をワークシートに書きます。
  6. 3分振り返りとして、「主張」と「探究の問い」のちがいを自分の言葉で書きます。

評価

【思考・判断・表現】主張を、測る量・比べる対象・データの集め方がはっきりした問いに言い換えているか、相関と因果を区別してほかの要因に目を向けているかを、ワークシートで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】ほかの班からの質問を受けて、問いを見直そうとしているかを見ます。問いが変わっていく過程はワークシートごとポートフォリオに残し、探究全体の評価に使います。

高2(理数探究)1単位時間(50分)

複数教科の先生と「問いの壁打ち」会

数学・理科以外の先生にも計画を見てもらい、文理横断の視点で探究を深めます。

手順・ワークシート

ねらい

自分たちの探究の問いと計画を、専門の異なる先生に分かりやすく説明し、受けた質問や助言をもとに、数理的・科学的な方法で確かめられる計画へと見直すことができる。

流れ

  1. 5分本時の流れを確かめ、来てくれた先生を紹介します。生徒には「専門外の人に伝わる説明」を目指すこと、先生には答えを教えるのではなく質問で深めてもらうことを伝えます。
  2. 24分ローテーションで壁打ちを行います。各班が1人の先生に3分で計画を説明し、5分で質問と助言を受けます。これを3回繰り返します(先生が席を移動します)。先生の人数が班の数より少ないときは、待機班を設けて回ごとに交代し、待機中は受けた助言の整理や説明の練習をします(その場合、各班が助言を受ける回数は2回程度になります)。生徒は記録シートに質問と助言を書き取ります。
  3. 10分班で記録シートを見ながら、「何度も聞かれたこと」「自分たちが見落としていた視点」を整理し、計画のどこを直すかを決めます。
  4. 8分探究計画1枚シートを書き直し、直した点とその理由を赤で書き込みます。
  5. 3分振り返りとして、「理数以外の視点が、自分たちの探究にどう役立ったか」を書きます。

評価

【思考・判断・表現】受けた質問や助言を、問い・仮説・データの集め方・分析の方法のどこにどう反映させたかを説明しているかを、書き直したシートの赤字で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】他者との対話を通して、自分たちの探究を調整しようとしているかを見ます。記録シートと書き直したシートはポートフォリオに残し、探究の過程の評価に使います。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.06
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

芸術次期学習指導要領で、どう変わる?

思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに

10秒でいうと

Ⅰの科目で芸術の全体像や学ぶ意味を考える機会を設ける。書道は字形等を〔共通事項〕に

やさしく言うと

高校の芸術科は、音楽・美術・工芸・書道から科目を選んで学びます。次期は、どの科目でも「芸術そのもの」について考える機会を設ける方向です。Ⅰを付した科目(選択必履修科目)の最初に芸術の全体像や学ぶ意味を考え、まとめでは探究的な学習を行う例が示されています。書道は、字形などの具体的な指示を〔共通事項〕に整理する方向です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

芸術(音楽・図画工作・美術・書道等)の3行要約(全校種)

  1. 思いをもつ・発想する段階と、工夫して表す段階を切り分けず、一続きの「思考・判断・表現」として育てる形に整理する方向です。
  2. 小学校音楽の「歌唱」と「器楽」が「歌唱・器楽」にまとめる案など、区分の統合や具体的すぎる記述の見直しで、授業の組み立てが柔軟にする方向です。
  3. 高校芸術科では、どの科目を選んでも芸術の全体像や意味を考える時間を設け、評価は複数の題材をまとめて総括することもできると示されました。

芸術のポイント4つ

Ⅰの科目の最初に「芸術とは何か」を考える

高校芸術科は内容が各科目の専門に寄りやすく、教科として目指す「芸術との関わり」が意識されにくいとされました。そこで、Ⅰを付した科目の導入で、芸術の全体像や学ぶ意味を考える機会を設ける方向です。教科書も、芸術そのものと各科目の学びを結び付ける構成が期待されています。 P217P219

授業では、たとえば音楽Ⅰの最初の時間に、身近な広告やゲームの音楽を例に「芸術は生活のどこにあるか」を話し合う、といった導入が考えられます。

科目のまとめに探究的な学習を

科目のまとめの段階などで、芸術分野に関わる探究的な学習を設定する例が示されています。身に付けた力をもとに、芸術の意味や価値を追求するねらいです。自分や社会にとって芸術がどう関わるかを重視し、将来の芸術文化との関わりを自覚できるようにする方向です。 P217

授業では、たとえば美術Ⅰの終わりに、まちの公共空間にあるアートを調べ、「まちにアートがある意味」を発表する探究が考えられます。

書道は〔共通事項〕で柔軟に

書道では、字形や全体の構成などを分野ごとに具体的に示していました。次期は、それらを〔共通事項〕の「書を構成する要素などの働き」として整理し、柔軟に指導できるようにする方向です。線質・字形・構成などが生む「書の表現性」を重視し、鑑賞の技能も明確にします。 P216P219

授業では、たとえば同じ言葉を、線の太さや字形を変えて何通りか書き、印象の違いを話し合ってから作品の構想を決める、といった授業が考えられます。

社会とのつながりと、過程を見る評価

高校芸術科の目標は、作品のメッセージ性や社会への影響力なども意識できるよう改善する方向です。美術では、多様なメディアと関わらせて発想や構想をすることも示されています。評価は、複数の題材をまとめて総括できることや、制作の過程の姿を捉えることが示されています。 P214P216P221

授業では、たとえば映像作品の制作で、途中の構想メモや試作を端末に記録し、完成作品と合わせて評価する、といった進め方が考えられます。

主な変更点9項目

小中高発想・構想から工夫して表すまでを、まるごと「思考・判断・表現」に

これまで図画工作・美術・工芸では、発想や構想は「思考・判断・表現」、材料や用具を使って工夫して表す段階は「技能」と分けていましたが、両者は続いていて違いが分かりにくいという課題がありました。次期では、発想・構想から工夫して表現するまでの流れ全体を「思考・判断・表現」として示す方向です。音楽(習得した技能を生かして工夫して表現する過程全体)や書道(構想・工夫して表現する過程全体)も同じ考え方です。 P212P214P216

評価:題材ごとに全観点を記録しなくてよい。複数題材でまとめて総括も可

短い題材でも3つの観点すべてを記録に残そうとして、総括的な評価ばかりになる実態が指摘されました。そこで、年間指導計画を踏まえ、複数の題材や単元、区分をまとめて総括的評価をしてもよいことが示されました。学習の途中で行う形成的評価(指導に生かす評価)を重視し、「思考・判断・表現」は完成作品だけでなく、歌ったり作ったりする過程の中での姿でとらえます。他者と比べるのではなく、一人一人のよさや成長を肯定的に評価することも重視するとされました。 P221

高高校芸術科:どの科目でも「芸術そのもの」を学ぶ時間を設ける

高校芸術科は音楽・美術・工芸・書道から選んで学びますが、内容が各科目の専門に寄り、教科として目指す「芸術との関わり」が意識されにくいという課題がありました。そこで、Ⅰを付した科目(選択必履修科目)の最初の段階で芸術の全体像や学ぶ意味を考える機会を設け、まとめの段階では芸術分野に関わる探究的な学習を行うなどの改善が示されました。教科書も、芸術そのものについて考えることと各科目の学びを結び付けられる構成が期待されています。 P217P219

小中高図画工作・美術:学びの方向が分かる新しい区分と〔共通事項〕の見直し

活動そのものが目的になり、育てたい力があいまいな指導が見られるため、学びの方向性が分かる区分で整理する方向です。例として、小学校図画工作は「自分と材料や場所」「自分と表したいこと」、中学校美術は「自分と美術」「生活や社会と美術」が挙げられています。〔共通事項〕(表現と鑑賞の両方で働く事項)には、造形の働き、美術の働き、美術文化、工芸の伝統と文化に関する事項を示す方向です。技能は、材料や用具の特徴を生かして使うことや表現方法を追求することとして示す方向です。 P215P216P219

小中高鑑賞にも「技能」を示す(図画工作・美術・工芸・書道)

鑑賞の活動を充実させるため、作品から特徴を見付けたり情報を読み取ったりする「鑑賞の技能」を示す方向です。書道では、作品や書から読み取った情報を精査することなどが鑑賞の技能になります。鑑賞を通して育てる力をはっきりさせ、表現と鑑賞を行き来する学びにつなげるねらいです。 P216P219

小中高音楽:知識と技能を一文で示し、「身体の使い方」を重視

子供が技能の必要性を感じ、実感を伴って理解できるよう、知識と技能の関係をはっきりさせて一文で示す方向です(「自分でやってわかる」ことが前提)。歌唱や器楽では、いろいろな歌い方や楽器に対応できる技能として身体の使い方を重視する方向です。音楽づくり/創作は小・中・高のつながりを明確にし、中・高の鑑賞は内容の取扱いと重なる記述を整理する方向です。 P216P219

高書道:字形などの具体的な指示を〔共通事項〕の「書を構成する要素」に整理

これまで漢字仮名交じりの書・漢字の書・仮名の書と鑑賞のそれぞれで、字形や全体の構成などを具体的に示していました。次期では、それらを〔共通事項〕の「書を構成する要素などの働き・関係」としてまとめ、学校の実態に応じて柔軟に指導できるようにする方向です。「思考・判断・表現」では、線質・字形・構成などが生み出す「書の表現性」を重視し、自分の意図に基づいて創造的に表現することを示す方向です。 P216P219

マンガ・アニメ・ゲーム・映像など、多様な芸術や文化の学びを充実

メディア芸術(映画、漫画、アニメーション、コンピュータ等を使った芸術)や舞台芸術など、多様な芸術や文化に触れる機会を、芸術系教科だけでなく教育課程全体で充実させる方向です。図画工作・美術・工芸では端末を使った漫画・アニメーション・映像などの表現や鑑賞、発表・展示を発達の段階に応じて充実させる方向です。特別なソフトウェアがなくても、端末の撮影・記録や描画・加工といった基本機能で実践できることが望まれています。 P218

生成AIは「ツール」として。表現の過程を安易に任せない

デジタル学習基盤の活用には生成AIも含まれますが、表現する過程を安易に生成AIに任せることは適切でないとされました。人間ならではの感性や身体性を土台にした創造的な表現を大切にし、ツールとして適切に使うことが求められます。また、子供が芸術に関する様々なコンテンツに触れる機会が多いことから、発達の段階に応じて知的財産の保護と活用に関する指導を充実させる方向です。 P221

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
図画工作・美術・工芸の「思考・判断・表現」と「技能」の線引き発想や構想をする段階は「思考・判断・表現」、材料や用具を使い工夫して表す段階は「技能」と位置付けている。発想や構想をし、工夫して表現するまでのつながり全体を「思考・判断・表現」として示す。 P212P214
書道の指導事項の示し方漢字仮名交じりの書・漢字の書・仮名の書と鑑賞のそれぞれの事項で、字形や全体の構成などを具体的に示している。〔共通事項〕で「書を構成する要素などの働き・関係」として整理し、学校の実態に応じて柔軟に指導できるようにする。 P219
高校芸術科で学ぶ内容選択した科目の専門に関する内容が中心で、教科目標の「芸術との関わり」が意識されにくい。Ⅰを付した科目の導入で芸術の全体像や学ぶ意味を考え、まとめの段階で芸術分野の探究的な学習を行うなど、「芸術そのもの」を学ぶ機会を設ける。 P217
学習評価(総括のしかた)短い題材でも3観点すべてを評価しようとして記録に残す評価だけになったり、完成作品だけで技能や思考・判断・表現を評価したりする実態がある。複数の題材・単元・区分でまとめて総括的評価をしてもよい。形成的評価を重視し、思考・判断・表現は学習の過程の中の姿でとらえる。 P221
高校芸術科の標準単位数音楽Ⅰ〜Ⅲ、美術Ⅰ〜Ⅲ、工芸Ⅰ〜Ⅲ、書道Ⅰ〜Ⅲ 各2単位同じ12科目で各4新単位とする案。必履修の芸術(Ⅰの科目)は減単不可とすべきとされた。 P47P80P82

高校の科目と単位

科目構成(音楽・美術・工芸・書道の各Ⅰ〜Ⅲ)は現行のままとし、標準単位数は各2単位→各4新単位とする案(単位の数え方の変更による。P80・P82)。科目ではなく内容面で、Ⅰを付した科目の導入やまとめの段階に「芸術そのもの」を学ぶ機会を設ける方向(P217)。

授業時数

小・中学校の音楽・図画工作・美術の具体的な時数は本文に示されていない(総論では、新教科・領域の時数を確保するため小3以上の教科等から一律3〜4%程度を減じるが、現在35コマ以下の教科等からは減じないとし、具体の数値は今後示すとしている。P79)。高校は各科目4新単位とする案で、必履修教科ごとの合計が3新単位以下になる減単は不可のため、芸術(音楽Ⅰ・美術Ⅰ・工芸Ⅰ・書道Ⅰのいずれか)は減単不可とすべきとされた(P47)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

AIの進化の中での芸術の意義

AIの進化などで正解のない問いに向き合う力が求められる中、人間の本来的な能力として芸術の学びの意義が改めて示されています。 P212

生成AIも使うが、表現する過程を安易に委ねない

デジタル学習基盤の活用には生成AIも含みますが、表現する過程などを安易に生成AIに任せることは適切ではないとされています。発達の段階を考え、人間ならではの感性や身体性をもとにした創造的な表現を大切にし、ツールとして適切に使うことが重要です。 P221

デジタルの効果的な活用

鑑賞での作品比較・意見共有・遠隔交流、表現での試行錯誤や記録・保存などに、デジタル学習基盤を生かします。漫画・アニメーション・映像などのメディアによる表現や鑑賞も充実させ、特別なソフトがなくても撮影・描画・加工などの基本機能で端末を活用することが望まれています。 P216P218P221

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ年間指導計画を見て、短い題材ごとに3観点すべてを記録している所を洗い出し、複数の題材・単元・区分をまとめて総括する組み合わせを検討します。 P221
  • 今すぐ歌ったり作ったりしている途中の姿を写真・録音・録画で残す仕組みをつくり、完成作品だけで技能や思考・判断・表現を評価しない形に近づけます。記録は学校・教育委員会の情報セキュリティ方針に従い、承認済みの学習用フォルダに閲覧者を限って保存し、顔や氏名は必要以上に記録せず、保存期間が過ぎたら削除します。校外に公開する場合は、本人・保護者への説明と同意、著作権・肖像への配慮を経て行います。 P221
  • 告示まで図画工作・美術・書道の鑑賞で、作品から特徴を見付ける・情報を読み取るといった「鑑賞の技能」を、どんな姿で見取るかを教科会で言葉にしておきます。 P216P219
  • 告示まで生成AIの扱いについて「表現する過程を安易に任せない」「使うならツールとして」という線引きを教科内でそろえ、他人の作品やキャラクターを扱うときの知的財産の指導も題材の中に位置付けます。 P221
  • 告示まで地域の文化施設や専門的な人材との連携を見直し、どの資質・能力を育てるための連携かを学校側で明確にしてから、年間計画に位置付けます。 P220
  • 先行実施まで端末の撮影・記録、描画・加工といった基本機能だけでできる漫画・アニメーション・映像の題材を1つ開発し、校内展示やオンラインでの発表の場もあわせて計画します。 P218
  • 全面実施まで高校では、音楽Ⅰ・美術Ⅰ・工芸Ⅰ・書道Ⅰの導入で芸術の全体像や学ぶ意味を考える時間と、科目のまとめで芸術分野の探究的な学習を行う時間を、年間計画の中に試行的に設けます。 P217

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(音楽Ⅰ・美術Ⅰ・工芸Ⅰ・書道Ⅰ)1単位時間(50分)

これも芸術?身の回りから描く「芸術マップ」

駅のサインも和菓子もゲームの背景も。並べて比べて、芸術の広がりと自分との関わりを考えます。

手順・ワークシート

ねらい

身の回りのさまざまな表現を比べて芸術の広がりを捉え、芸術と生活や社会、自分との関わりについて考え、この科目で芸術とどう関わりたいかを言葉にする。

流れ

  1. 5分写真カードを配り、一人一人が「芸術だと思う順」に並べます。正解はないこと、直感でよいことを伝えます。
  2. 12分4人グループで並べ方を見せ合い、「なぜこれを上位にしたか」「なぜ迷ったか」を出し合います。先生は机間指導で「作った人の意図はあるかな」「生活の役に立っているかな」など、判断の観点を言葉にするよう促します。
  3. 13分グループで軸を2本決め(例:「生活の中⇔特別な場」「昔から⇔新しい技術」)、紙や共有ボードにカードを配置して芸術マップをつくります。小・中学校で経験した合唱、版画、書写、鑑賞などもカードに書き足して置きます。
  4. 10分ギャラリーウォークで他グループのマップを見て回り、自分たちになかった軸や配置に付箋でコメントを残します。先生は、選んだ軸の違いから見えてくる芸術の役割(伝える、心を動かす、文化を受け継ぐ、新しい技術と結び付くなど)を全体で整理します。
  5. 10分振り返りシートに、自分の科目(音楽Ⅰなど)とマップのどこがつながっているか、この1年で芸術とどう関わりたいかを書きます。シートは保管し、科目のまとめの段階で読み返すことを伝えます。

評価

導入の時間なので記録に残す評価は行わず、振り返りシートの記述から一人一人の芸術への関心や見方を把握し、以後の題材の指導に生かします。年度末のまとめの探究で同じシートを読み返し、見方の広がりを生徒自身が確かめられるようにします。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.07
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

家庭次期学習指導要領で、どう変わる?

領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に

10秒でいうと

ホームプロジェクト等を各領域の「生活の課題と実践」に。家庭総合に新F領域を追加

やさしく言うと

高校家庭科も、領域を5つ(家庭総合は6つ)に再編する方向です。ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動は、各領域の中の「生活の課題と実践」(仮称)に位置付け直す方向です。家庭総合には、新しいF領域「総合生活実践」(仮称)を設ける案です。家庭基礎と家庭総合の役割の違いもはっきりさせる方向です。家庭総合の履修年次も柔軟にする方向です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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家庭の3行要約(全校種)

  1. 中学校の技術・家庭科は「情報・技術科」と「家庭科」に分ける方向で、家庭科は独立した教科として新しい目標が検討されます。
  2. 小・中・高を通して、領域が「家族・家庭と生涯発達」「生活の経営と消費生活」「食生活」「衣生活」「住生活」(いずれも仮称)の5つに再編する案で、一部の内容は学校段階をまたいで移す方向です。
  3. 高校では、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動が各領域の中の「生活の課題と実践」(仮称)とし、「家庭総合」には領域を貫く「総合生活実践」(仮称)を加える案です。

※5領域の名称、「生活の課題と実践」、家庭総合のF領域「総合生活実践」は仮称。

家庭のポイント4つ

ホームプロジェクトは「生活の課題と実践」に

ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動は、形だけになっているとの声もあるとされました。そこで、独立した領域ではなく、各領域の中に「生活の課題と実践」(仮称)として置く方向です。名前は「個人探究」「協働探究」(いずれも仮称)とし、家庭基礎・家庭総合の両方で行います。 P224P228

授業では、たとえば食生活の学習のあとに、各自が家庭の朝食の課題を選んで改善を試す「個人探究」を組み込む、といった計画が考えられます。

家庭総合に新しいF領域「総合生活実践」

家庭総合には、新しいF領域「総合生活実践」(仮称)を設ける案です。「福祉」「子育て」「防災」「生活文化」「環境」など、5つの領域を貫くテーマの方向性を設定します。ホームルームでテーマを決め、生徒が自ら課題を考えて問題解決的な学習を行う方向です。 P227P232

授業では、たとえば「防災」をテーマに、非常食の調理や家具の固定などを領域をまたいで調べ、地域に提案する学習が考えられます。

家庭基礎と家庭総合の役割を分ける

家庭基礎は、自分の生活を営み、家庭や地域の生活を支える力を育てる科目と整理されています。家庭総合は、それに加えて生活を多面的にとらえ、地域の生活を向上させる力を育てる科目です。食生活では、家庭基礎は調理実習、家庭総合は調理実験を通した科学的な理解で整理する方向です。 P227P231

授業では、たとえば家庭総合で、加熱時間を変えて野菜の色や食感を比べる調理実験を行い、理由を科学的に説明する授業が考えられます。

履修の柔軟化とデジタルの活用

家庭総合を複数の年次に分けて履修させる場合に「連続する2か年」とする今の規定は、柔軟な教育課程の妨げになるとして見直す方向です。住生活では、家庭総合で3Dを使って住まいを計画する内容とします。調理や製作の様子を動画で撮って分析するなど、端末の活用例も示されています。 P224P228P232P233

授業では、たとえば3Dで間取りを作り、高齢の家族も暮らしやすい住まいを計画して、段差や動線について意見を交わす、といった授業が考えられます。

主な変更点9項目

小中高領域をA〜Eの5つに再編(「家庭総合」はFを加えて6つ)

「生活の基盤」に関する領域として「A 家族・家庭と生涯発達(仮称)」(人に関すること)と「B 生活の経営と消費生活(仮称)」(暮らしの営み方=マネジメント)を置く案です。「生活を構成する要素」に関する領域として「C 食生活(仮称)」「D 衣生活(仮称)」「E 住生活(仮称)」を置き、食育の重要性も踏まえて「食・衣・住」の順に並べる案です。生涯の生活設計と消費生活はB領域で関連付けて扱い、消費者教育や金融経済教育もBに明示する方向です。 P225P230P231

小中高内容の移管・統合:住まいの働きや家庭内事故は高校へ、金銭管理は中学校へ

小学校の「住まいの主な働き」と中学校の「家庭内事故の防ぎ方など」は、最も効果的に理解できる高校へ移す方向です。中学校の「金銭の管理と購入」と「消費者の権利と責任」は新しいB領域でまとめ、消費と環境を一体的に学ぶ方向です。高校「家庭総合」にあった「生活の営みに必要な金銭」と「生活時間などの生活資源」は、中学校のB領域「家庭生活と生活資源のマネジメント」に移す方向です。中学校の住生活では、間取り図などで家全体の危険を見付けて対策を考え、家庭で実践する流れを丁寧に行う方向です。 P226P227P232

小中高布を用いた製作・衣服の再利用の扱いを整理

小学校の「生活を豊かにするための布を用いた製作」は新しいD(2)「布を用いた製作の基礎」に、中学校の同じ項目はD(2)「生活を豊かにする布を用いた製作」に整理する案です。布を用いた製作は、小・中・高のつながりを踏まえ、知識・技能を段階的に身に付けて活用する内容とする方向です。中学校の「衣服等の再利用の方法」は、衣服のライフサイクルを意識した選択・活用の一つとして、必要に応じて製作の学習で取り入れる方向です。 P226P232

高高校:ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動が「生活の課題と実践」(仮称)に

独立した領域だった「ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動」は、学習が形骸化しているという声もあり、中学校と同じように各領域の中に置く形に改め、名称を「生活の課題と実践」(仮称)とする案です。中身は「個人探究(ホームプロジェクト)」(仮称)と「協働探究(学校家庭クラブ活動)」(仮称)とし、「家庭基礎」「家庭総合」のどちらでも実施する方向です。どの領域で取り組むかは年間指導計画に位置付け、生徒の興味・関心に応じて他の領域と関連させる方向です。 P223P228

高「家庭総合」に新しいF領域「総合生活実践」(仮称)

「家庭総合」だけに、地域の実情を踏まえた生活上の課題に取り組む新領域を設ける案です。教師が「福祉」「子育て」「防災」「生活文化」「環境」などのテーマの方向性を示し、ホームルームでテーマを決めたうえで、生徒が自分で課題を考える流れです。A〜Eの各領域と関連付けて問題解決的な学習を行い、ほかの生徒の実践も踏まえてテーマを5領域を貫いて考え直し、自分の考えをまとめる場面を重視する方向です。 P227P232

高「家庭基礎」と「家庭総合」の役割をはっきり分ける

今は2科目の目標や内容、教科書の記述に大きな差が見られないという課題がありました。次期では、「家庭基礎」は自分の生活を営み家庭や地域の生活を支える力を育てる科目、「家庭総合」はそれに加えて多面的に生活を捉え、家庭や地域の生活を向上させる力を育てる科目と整理する方向です。例えば食生活では、家庭基礎は調理実習を通した理解、家庭総合は調理実験を通した科学的な理解を深める例が示されています。家庭総合では、地域で他者と協働する実践、被服製作、3Dで住まいを計画する内容なども示されています。 P224P227P231P232

高「家庭総合」の履修年次を柔軟に

「家庭総合」を複数の年次に分けて学ぶ場合の「連続する2か年において履修させること」という規定は、柔軟な教育課程づくりを難しくしているとして見直す方向です。学習が隔年になっても困らないよう、国が指導計画づくりの留意事項を示すとされています。成年年齢の引き下げに伴う「原則として入学年次とその次の年次の2か年のうちに」という規定は、新しいB領域(生活の経営と消費生活)について明記し、「家庭基礎」の履修年次の規定も引き続き明記する方向です。 P224P228

中高社会の変化に合わせて充実する内容(高齢者・健康・お金・生活文化)

地域の高齢者が増えていることを踏まえ、認知機能・身体機能・言語機能の低下や状況に応じた関わり方を中学校・高校で学ぶ方向です。高校のA領域を中心に、青年期から自分の健康状態や生活習慣を整える学習を行い、社会保障や奨学金などの社会制度の活用も高校で扱います。キャッシュレス化への対応やリスク管理を踏まえた家計管理など、自立した消費者を育てる学習も発達の段階に応じて扱う方向です。生活文化の継承の観点をより重視する学習は、食生活では中学校・高校で、衣生活・住生活では高校で扱う方向です。 P225P231P232

評価:「学びに向かう力」は「見取る姿」で個人内評価、「思・判・表」に「○」

「学びに向かう力」については、「初発の思考や行動・好奇心」「学びの主体的な調整」「対話や協働」の3要素からなる「見取る姿」を示す予定です。教師は思考・判断・表現の学習過程の中で、これらの姿が続けて発揮されているかを見取り、見取れた場合は「思・判・表」に「○」を付けて一体的に評価します。この部分は個人内評価(他者と比べない評価)として扱う方向です。 P233

現行と次期の比較(新旧対照)5項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
領域(内容)の構成A 家族・家庭生活/B 衣食住の生活/C 消費生活・環境(高校はさらにD ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動)A 家族・家庭と生涯発達/B 生活の経営と消費生活/C 食生活/D 衣生活/E 住生活(いずれも仮称)。「家庭総合」のみF 総合生活実践(仮称)を加えた6領域。 P230
ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動(高校)独立した領域として位置付けられている。各領域の中に位置付ける「生活の課題と実践」(仮称)とし、「個人探究(ホームプロジェクト)」(仮称)と「協働探究(学校家庭クラブ活動)」(仮称)を家庭基礎・家庭総合のどちらでも実施。 P224P228
「家庭総合」の履修年次複数年次に分けて履修する場合は原則として連続する2か年。内容のCは原則として入学年次とその次の年次の2か年のうちに取り上げる。連続2か年の規定を見直し、隔年での実施なども可能に。2か年のうちに取り上げる規定はB領域(生活の経営と消費生活)として明記。 P224P228
「家庭基礎」と「家庭総合」の違い科目の目標や学習内容に明確な差異が見いだしにくく、教科書の記述にも大きな差がない。家庭基礎=生活を営み家庭や地域の生活を「支える」力、家庭総合=多面的に生活を捉え家庭や地域の生活を「向上させる」力を育てる科目として趣旨を明確化。 P224P227
住まいの働き・家庭内事故の防ぎ方小学校B(6)ア(ア)「住まいの主な働き」、中学校B(6)ア(イ)「家庭内事故の防ぎ方など」で扱う。高校へ移管。家庭内の事故の防ぎ方は高校の「ライフステージに応じた住生活」で重点的に学ぶ。 P227P232

高校の科目と単位

科目は「家庭基礎」「家庭総合」のまま(名称変更なし)とする案。標準単位数は家庭基礎2単位→4新単位、家庭総合4単位→8新単位とする案(単位の数え方の変更による。P80・P82)。「家庭総合」のみ新たにF領域「総合生活実践」(仮称)を設け6領域とする案(P227・P230)。

授業時数

中学校で独立させる方向の家庭科の時数は本文に示されていない(総論では、小3以上の教科等から一律3〜4%程度を減じるが現在35コマ以下の教科等からは減じず、具体の数値は今後示すとしている。P79)。高校の家庭基礎は、必履修教科ごとの合計が3新単位以下となる減単が不可のため減単不可とすべきとされた(P47)。家庭総合は「連続する2か年」の履修規定を見直す方向(P228)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

生成AIなどの特性をふまえた情報収集・活用

集めた情報から考え、根拠を持って自分の考えを他の人に伝えるためには、生成AIなどの特性をふまえた適切で有効な情報収集・活用が求められるとされています。デジタル技術の操作そのものを目的にせず、実践的・体験的な活動を通して力を育てる観点で活用を考えます。 P225

家庭科のAI活用の基本的な考え方

子供が自分で考え、判断し、成果物を自分の言葉で説明し、最終的に自分で責任を持つという考えのもと、教師は問題解決的な学習を展開し、評価方法を改善することが当面の基本的な考え方とされています。 P233

1人1台端末を問題解決的な学習の基盤に

端末を問題解決的な学習に必要な学習基盤として位置付けるとされています。例として、調理や製作の様子を動画で撮って分析する、実践の前後を画像で比べる、3Dで住まいの間取りを計画する、が挙がっています。資料編には、AIを活用した情報の収集・整理や、AIを活用した客観的な評価の例も示されています。 P233資料編(2)P122

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ題材の課題設定が先生主導になっていないか点検し、子供が自分の生活を見つめて問題を見いだし、課題を設定する時間を各題材に入れます。 P223
  • 今すぐ調理や製作の様子を動画で撮って分析する、実践の前後を画像で比べる活動を1つの題材で試し、撮影範囲(手元だけなど)や撮ったデータの扱いのルールもあわせて決めます。 P233
  • 今すぐ生成AIを使う場面を設けるときは、子供が自分で考え判断し、成果物を自分の言葉で説明し、最後は自分で責任を持つことを条件にし、その説明を評価する方法も決めておきます。 P225P233
  • 告示まで今の年間指導計画の題材を、新しい5領域(家族・家庭と生涯発達/生活の経営と消費生活/食生活/衣生活/住生活、いずれも仮称)に振り分け直し、移される内容(小学校の「住まいの主な働き」と中学校の「家庭内事故の防ぎ方など」は高校へ、高校の金銭・生活時間などの生活資源は中学校へ)を確認します。 P225P227P230
  • 先行実施まで高校では、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動を「個人探究」「協働探究」(いずれも仮称)として捉え直し、どの領域で取り組むかを年間指導計画に位置付ける形を試します。 P228
  • 全面実施まで高校「家庭総合」の新しいF領域「総合生活実践」(仮称)に向け、地域の実態に合うテーマの方向性(福祉・子育て・防災・生活文化・環境など)の候補と、協力してもらえそうな地域の人や機関を洗い出しておきます。 P227P232
  • 全面実施まで「学びに向かう力」の見取る姿の3要素(初発の思考や行動・好奇心/学びの主体的な調整/対話や協働)を手掛かりに、思考・判断・表現の過程で姿を記録する方法を試し、「○」を付ける評価に備えます。 P233

次期を先取りする授業アイデア1本

高2(家庭総合)1単位時間(50分)

「防災」を5つの領域で串刺し!総合生活実践の始動

家族・お金・食・衣・住の5つの視点で「防災」を見直し、一人一人が地域で実践する課題を決めます。

手順・ワークシート

ねらい

「防災」というテーマを家族・家庭、生活の経営と消費生活、食生活、衣生活、住生活の5つの視点から捉え、既習の知識を根拠にして、自分が地域や家庭で実践する課題と方法を計画する。

流れ

  1. 5分先生が地域の資料を示し、この単元のテーマの方向性が「防災」であることを伝えます。「この地域で災害が起きたら、家庭の生活の何が困る?」と問い、思い付くことを出させます。
  2. 10分グループで、地域と生活に引き付けた具体的なテーマ案を出し、学級で1つに決めます(例:「電気と水道が止まった1週間を家で乗り切る」)。
  3. 15分グループで5領域マップをつくります。A(乳幼児や高齢者のケア、家族の連絡方法)、B(備蓄の予算、ふだん使いながら備える買い方、保険などの備え)、C(備蓄食の栄養と調理の工夫)、D(寒さ・暑さ・衛生に対応する衣服)、E(家具の配置、避難経路、在宅避難の住空間)に、それぞれ問いを書き出します。
  4. 12分一人一人が、マップから自分が取り組む課題を1つ選び、個人課題計画シートに、関係する領域、根拠にする既習の科学的な知識、家庭や地域でどう実践するかを書きます。先生は課題が大きすぎないか、実践できる場があるかを助言します。
  5. 8分数人の計画を紹介し、ルーブリックで評価の観点を共有します。実践のあとに、ほかの生徒の実践結果も踏まえてテーマを5領域を貫いて考え直し、自分の考えをまとめる時間があることを予告します。

評価

この時間は、計画シートで課題設定の妥当性と、既習の知識を根拠にしているかを形成的に見て助言します。単元の評価は、実践とその振り返り、5領域を貫いてテーマを考え直したまとめで行い、事前に共有したルーブリックで到達度を示します。自分の生活から課題を見いだす姿や、他者の実践を踏まえて考えを捉え直す姿は、見取る姿の手掛かりとして記録します。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.08
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

情報次期学習指導要領で、どう変わる?

小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実

10秒でいうと

情報Ⅰ・Ⅱの構成は維持。AI・データサイエンスを加え、両科目の最後にPBL(課題解決学習)

やさしく言うと

高校の情報科は、情報Ⅰ(必履修)と情報Ⅱ(選択)の構成を維持する方向です。そのうえで、AIやデータサイエンスに関する内容を新たに加えます。情報Ⅰ・Ⅱとも、最後に学んだことを総合的に使うPBL(課題解決型の学習)の項目を置く案です。情報Ⅱは、一定の幅で単位数を柔軟に配当できる方向です。AI時代でも、プログラミングの学習は大切とされています。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

情報・技術、情報の3行要約(全校種)

  1. 中学校の技術・家庭科は「情報・技術科」と「家庭科」に分け、情報・技術科は「情報技術」と「情報を基盤とした生産技術」の2領域とする案が示された。
  2. 小学校の総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、3〜6年で情報技術の使い方・安全な扱い方・仕組みを順序立てて学ぶ方向。
  3. 新しい教科・領域の時数は、総時数を増やさず他教科から広く薄く確保する方向で、現時点の試算では一律3〜4%程度の減少が見込まれる(具体の時数は今後検討)。高校は情報Ⅰ・Ⅱを維持し、AI・データと探究(PBL)を強化する案。

※「情報・技術科」は資料編では仮称で、2領域で構成する案。小・中のコマ数は学習活動を積み上げた「各学年最大」の見込みで、標準授業時数の実数は今後示される。新教科・領域は小学校が令和10年度、中学校が令和11年度から段階的に先行実施。

情報のポイント4つ

科目構成は維持し、AIとデータを加える

情報Ⅰが必履修になったのは前回の改訂で、共通テストへの追加は令和7年度です。安易な変更は現場の混乱を招くとして、情報Ⅰ・Ⅱの構成は維持する方向です。大学などの数理・データサイエンス・AI教育とのつながりをふまえ、AIやデータサイエンスの内容を加えます。 P242

授業では、たとえば身近なデータを集めて簡単な予測モデルを作り、予測が外れる理由もグループで話し合う、といった授業が考えられます。

新しい内容項目の案

情報Ⅰは5項目の案です(仮称)。「情報の仕組みと社会との関わり」「情報デザインとデザイン思考」が入ります。さらに「データ分析とモデル化・シミュレーション」「アルゴリズムとシステム開発」「PBLによる課題解決の実践」です。情報Ⅱには、単独でAIを扱う項目などが加わります。 P242P255

授業では、たとえば学校行事の案内を使う人の立場で作り直し、アンケートの声をもとに改善する、といった情報デザインの授業が考えられます。

PBLで作って、使って、直す

情報Ⅱは、学校の実情に応じて一定の幅で単位数を柔軟に配当できる方向です。差が出るのは主に「PBLによる価値創造の実践」で、作ったものを実際に使い、改善を重ねる過程を学ぶとされています。評価も、課題解決や価値創造の過程を重視する方向です。 P242P256P261

授業では、たとえば学校の困りごとを解決するアプリを作って実際に使ってもらい、意見をもとに何度も改良する、といった授業が考えられます。

AI時代のプログラミングと科目の組み替え

AIでプログラムを作れる時代でも、プログラミングの学習は不要にならないとされています。AIへの指示や、できたコードの妥当性を確かめる力が一層大切だからです。単位の柔軟化で、情報Ⅰと数学Ⅰの一部を一体化した科目などの工夫例も示されています。 P249P259

授業では、たとえば生成AIが書いたプログラムを動かして誤りを見付け、直した経緯を記録して提出する、といった授業が考えられます。

主な変更点6項目

新教科・領域の時数は、他の教科から「広く薄く」減らして生み出す方向

年間の総授業時数は増やさない前提のため、新教科・領域の時数を特定の教科から削るのではなく、小学校3年以上で今35コマを超える教科等から、同じ割合で時数を減らして確保する方向が示された。減らす幅は、現時点の試算で一律3〜4%程度と見込まれている。35コマ以下の教科等は「週1コマ程度は必要」として減らさない。具体的な数字は今後、教育課程企画特別部会で検討して示される。 P78P79

タイピングや端末操作など、各教科で教えていた内容を新教科・領域へ移す方向

これまで各教科でばらばらに教えていたタイピング、映像の操作、グラフの作り方、データ分析の方法などは、新教科・領域で順序立てて学ぶ。プログラミングやデータ活用、産業と情報の関わり、情報機器と健康の関わりなども新教科・領域へ移す方向で、各教科はその分の内容を減らし、教科ならではの学びに時間を使えるようにする。メディアリテラシーはこれまで国語科や社会科でも扱ってきたが、新教科・領域で大きく強化する方向。どの内容を移すかは、教育課程全体を見ながら今後整理する。 P243P257

教員不足への対策:研修・免許講習・遠隔授業など

令和7年度時点で、中学校の技術分野の担当教員のうち臨時免許状の人が543名、免許外で教えている人が1,863名、高校情報科でもそれぞれ47名・97名いて、「危機的な課題」とされている。国は、新課程の研修コンテンツを小学校向けは令和9年度末、中学校向けは令和10年度末までに作り、小・中・高のすべての担当教員に研修を行う。オンラインの免許法認定講習の充実、複数校をまとめて教える・遠隔授業の実証、企業などからの外部講師の活用、免許制度の検討も進める。 P239P261P262

国が授業でそのまま使える動画・教材を作り、年1回以上更新する

先生が過度な負担なく授業できるよう、国が授業動画を含む学習者用教材を作っており、技術の進歩で古くならないよう少なくとも年に1回程度アップデートする。公表時期は前もって学校に伝える。「技術の統合」については、教材だけでなく指導計画の例・参考資料・研修をセットで提供する。3Dプリンターなどの整備状況の見える化や、PC教室の維持・更新に向けた財政措置の整理も進める。 P240P251P254P262

高高校情報科:科目構成は維持し、AI・データサイエンスとPBLを強化する案

情報Ⅰ(共通必履修)と情報Ⅱ(選択)の構成は、情報Ⅰが共通テストに入ったのが令和7年度で混乱を避けるため変えない方向。内容は、大学の数理・データサイエンス・AI教育につながるよう、AIやデータサイエンスを加え、両科目とも最後に「PBL(課題解決型の学習)」の項目を置く案。情報Ⅱは学校の実情に応じて単位数を柔軟に増やせるようにする方向。一部の内容は中学校の情報・技術科へ移すが、全体の学習量は現行を上回らないようにする。 P242P255P256P258

メディアリテラシー・AI・プログラミング的思考を小中高でつなげて育てる

うその情報や偏った情報を見きわめる「メディアリテラシー」、AIを使いこなす力、「プログラミング的思考」を、情報活用能力の中心として小・中・高で系統的に育てる。プログラミング的思考は、AIに指示してプログラムを作らせる場合も含め、出てきたものを論理的・批判的に確かめて直し、責任を持って使うところまでを含む考え方に広げ、中学・高校でも育てる。AIの使い方のポイントは改訂を待たずガイドラインで示し、生成AIのガイドラインは令和8年度中に改定する。 P248P249P262

現行と次期の比較(新旧対照)4項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
情報活用能力のとらえ方「情報及び情報技術を活用する力」として、学習の基盤となる資質・能力に位置付け。情報活用能力は「情報技術の活用」に絞って整理し、「情報の活用」は各教科で育てる。「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」の3要素で小中高を通して整理。 P238P239
高校情報科の科目と単位情報Ⅰ(共通必履修、2単位)と情報Ⅱ(選択、2単位)。情報Ⅰ・情報Ⅱの構成は維持し、標準単位数はともに4新単位(1新単位=17コマ)。情報Ⅱは追加で単位を配当できる例を解説等で示し、柔軟に配当できるようにする案。 P80P82P242P256
高校情報科の内容項目情報Ⅰは「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」の4項目。AIやデータの学習、探究的な学びが十分でなく、仕組みやセキュリティが複数項目に分散。情報Ⅰは「情報の仕組みと社会との関わり」「情報デザインとデザイン思考」「データ分析とモデル化・シミュレーション」「アルゴリズムとシステム開発」「PBLによる課題解決の実践」。情報Ⅱには「社会課題とデータサイエンス」「AI」などを新設する案(すべて仮称)。 P242P255
プログラミング的思考前回改訂で小・中・高を通じたプログラミング教育を充実したが、内容や指導にばらつきがあり、問題解決にプログラミングを使う学習も十分でない。AIへの指示も含め、作ったものを論理的・批判的に評価・改善し、責任を持って使うまでを含む考え方に捉え直し、小学校だけでなく中学・高校でも育てる。 P249

高校の科目と単位

情報Ⅰ(共通必履修)と情報Ⅱ(選択)の2科目構成は維持する案(科目名も同じ)。内容項目は、情報Ⅰ「情報の仕組みと社会との関わり」「情報デザインとデザイン思考」「データ分析とモデル化・シミュレーション」「アルゴリズムとシステム開発」「PBLによる課題解決の実践」、情報Ⅱ「社会課題とデータサイエンス」「コンテンツデザイン」「AI」「先端技術と情報システムデザイン」「PBLによる価値創造の実践」(すべて仮称)。情報Ⅱは単位数を柔軟に配当できる。工夫例として「情報Ⅰと情報Ⅱを一体化した科目」「情報Ⅰと数学Ⅰの一部を一体化した科目」や、情報Ⅰを増単して中学校の内容を学び直す例が示されている(P242, P255, P259)。

授業時数

必要な時数の目安(学習活動の積み上げによる最大値):小学校総合「情報の領域」は3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が各学年最大35コマ程度。中学校「情報・技術科」は1・2年が各学年最大70コマ程度、3年が最大35コマ程度(現行の技術分野の内容を含む時数)。総合の「探究の領域」と「情報の領域」は別々に標準時数を設定。標準総授業時数は現行維持とし、小3以上で現在35コマを超える教科等から一律3〜4%程度を減じて確保する考え方(3〜4%は現時点の試算)。具体の時数は今後精査・検討(P78, P79, P257)。高校は情報Ⅰ・情報Ⅱともに4新単位(現行2単位。1新単位=17コマ)。必履修教科の合計が3新単位以下となる減単は不可(P80, P82, P259)。

生成AI・ICTとの付き合い方7項目

AIの可能性とリスクの両方を学ぶ

AIなどの情報技術は社会のあらゆる活動の基盤になる一方、偽・誤情報の拡散、フィルターバブル、AIが人の認知や判断に与える影響などのリスクもあります。かたより・依存・学習過程の省略(認知的オフロード)などの負の側面を理解し、情報を批判的にとらえて使うメディアリテラシーが不可欠とされています。 P235P236

今の課題:生成AIなど先端技術の内容が明確でない

現行の学習指導要領では、生成AIなどの先端技術に関わる内容がはっきり位置付けられておらず、情報モラルやメディアリテラシーも学校による差が大きいことが課題とされています。 P72P239

AIを使いこなす力の中身

「AIエージェント」や「フィジカルAI」などAIの進展が速く、子供は検索エンジンなどを通じてすでにAIに日常的に触れています。AIを使いこなす力を、単なる操作ではなく、AIを適切かつ効果的に使って問題を解決したり考えをつくったりする力と捉えます。 P248

高校「情報科」:情報Ⅱに単独の「AI」項目

情報Ⅰは、ネットワークやAIなどの共通的な技術を学ぶ項目を立て、すべての内容項目でAIに関わる特性や適切な取扱いを扱う方向です。情報Ⅱには「社会課題とデータサイエンス」「AI」などの項目を新しく立て、AIの仕組みやガバナンス、AIモデルの構築などを深く学ぶ方向です。 P242P255資料編(2)P153資料編(2)P180資料編(2)P181

資料編:校種別の「AI自体を学ぶ」内容の例

小学校では「AIの出力には誤りやかたよりがある」「AIに頼りすぎない」「最後は人間が判断する」など、中学校では「AIの出力には誤りやかたよりがあり人の判断を尊重する」「権利侵害や悪用のリスク」など、高校ではAIの分析結果がデータやモデルの選び方で変わることなどが例として整理されています。 資料編(2)P153

資料編:「AIを活用して学ぶ」考え方

小学校はミニ探究ユニットの中で体験的に使い、中学校はAIを補助的な役割として問題発見や設計・評価改善で使い、高校ではAIの出力を一つの情報として妥当性やかたよりを検討しながら使う、と段階的に整理されています。資質・能力の育成に効果的かどうかを吟味して使うことが前提です。 資料編(2)P154

授業での活用例

情報科の活用例として、生成AIとの対話でヒントを得て解決策を考えてプログラムにしたり、作ったプログラムをクラウドで共有して統合・テストしたりして、試行錯誤の回数を増やすことが挙がっています。 P260

今からできる準備チェックリスト4項目

  • 今すぐ各教科で教えているタイピング、写真・動画の操作、グラフの作り方、スライド作成、データ分析の方法などを学年別に棚卸しし、どの学年で何を教えているかを一覧にします。新教科・領域に移る可能性のある内容と、教科に残す内容を考える材料になります。 P243P257
  • 今すぐ生成AIの利活用に関するガイドラインは、学習指導要領の改訂を待たずに令和8年度中に改定される予定です。改定版が出たら内容を確認し、校内の生成AI利用ルールと授業での使い方を更新します。 P248P262
  • 今すぐ高校の情報Ⅰで、評価の観点を前もって生徒と共有し、端末で課題解決の過程を記録させ、ルーブリックで到達度を示す評価を試します。両科目に、(1)~(4)で学んだ内容を総合的に活用するPBLの内容項目が設けられることへの準備にもなります。 P242P261
  • 先行実施まで国が作る研修コンテンツ(小学校向けは令和9年度末、中学校向けは令和10年度末まで)や授業動画の公表時期を把握し、校内研修で事前に視聴する時間を確保します。新教科・領域は小学校が令和10年度、中学校が令和11年度から段階的に先行実施される予定です。 P79P261P262

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(情報Ⅰ)1単位時間(50分)

同じデータでも答えが変わる?予測モデル比べ

「明日のパンは何個?」気温だけで予測するか、曜日も入れるか。モデルの前提を問い直します。

手順・ワークシート

ねらい

同じデータから、使う要素の選び方によって予測の結果が変わることを表計算での分析を通して理解し、生成AIの分析結果も含めて予測の前提と限界を説明できる。

流れ

  1. 5分「明日、購買のパンを何個仕入れる?」と問い、架空のデータを配ります。予想だけを言わせたあと、「根拠のある予測をしよう」と課題を示します。評価の観点もここで共有します。
  2. 12分半数のグループは、気温と販売数の散布図をつくり、近似直線から明日の気温での予測値を求めます。残りのグループは、曜日や行事の有無ごとに平均を求め、条件別の予測値を出します。
  3. 12分2種類の予測を黒板に並べ、なぜ結果が違うのかを話し合います。先生は「どの要素を入れて、どの要素を入れなかったか」「データにない要素(天気、テスト期間など)は?」と問い、モデルは要素の選び方で変わることを整理します。
  4. 11分先生が示す生成AIの分析結果を読み、どの要素を使った結論か、根拠として足りないものは何か、データにない情報を推測で付け加えていないかを、グループで付箋に書き出して検討します。
  5. 10分一人一人が「仕入れ提案書」に、予測値、使った要素と前提、外れたときのリスクを3〜4行で書きます。数人が発表し、AIの分析を唯一の根拠にしないことの意味を確かめて終わります。

評価

提案書で、予測値の根拠となる要素と前提を明示し、予測の限界やリスクに触れているかを、事前に共有したルーブリックで見取ります(思考・判断・表現)。散布図や条件別の平均を目的に合わせて作れているかは知識・技能として見ます。生成AIの分析を前提や要素の観点から具体的に検討しているかは、付箋と話し合いで形成的に見取ります。

指導案(試案)1本

高等学校第1学年情報Ⅰ全7時間(本時は第4時)

シミュレーションで改善策を試す ~購買の待ち時間を予測しよう~

中央教育審議会教育課程部会の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、情報Ⅰの科目構成を維持しつつ内容項目を「データ分析とモデル化・シミュレーション」などに組み替え、最後に「PBLによる課題解決の実践」を置く方向(いずれも仮称)と、プログラミング的思考を、AIへの指示も含め、生成・作成したものを…

指導案の全文

本時のねらい

購買の待ち時間を表すモデルを要素と仮定を明示して作成し、生成AIが示したモデルの誤りを見つけて直したうえで、条件を変えたシミュレーションの結果を比較して、改善策の効果を根拠を示して説明することができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 前時までに整理した実測データ(平均の到着間隔、支払い方法別の平均会計時間)を振り返り、本時の問いを確かめる。
  2. 8分展開 【モデル化】待ち時間を決める要素(客の到着間隔・会計時間・レジの数)を出し合い、単純化と仮定を決める(レジは1台、客は来た順に並ぶ、到着間隔は実測の範囲の一様な乱数、会計時間は支払い方法ごとに実測の範囲の一様な乱数)。1人目〜3人目の到着・会計開始・会計終了・待ち時間の関係を、紙の上で時刻の線(タイムライン)に表す。
  3. 7分展開 【生成AIのモデルを検証する】教師が事前に生成AIに作らせた表計算モデル(会計開始時刻を到着時刻と同じにしている)を提示し、その結果(待ち時間がいつも0)と、自分たちのタイムラインを比べて誤りを見つける。誤りの箇所と正しい式を、班で説明し合う。
  4. 15分展開 【シミュレーション】表計算ソフトで、列に到着間隔(乱数)・到着時刻・支払い方法・会計開始時刻(1人目は到着時刻、2人目からは=MAX(到着時刻, 前の人の会計終了時刻))・会計時間(支払い方法ごとの実測の範囲の乱数)・会計終了時刻・待ち時間をとり、60人分のモデルを作る。①現金のみ ②半数がキャッシュレス(偶数番目の30人をキャッシュレスに固定)の2条件を同じシートに並べ、到着間隔の列は2条件で共用して、キャッシュレスの割合以外の条件をそろえる。再計算を10回行って、2条件の平均待ち時間を記録して比べる。早く終わった班は、レジを2台にした場合のモデルの作り方を考える。
  5. 10分展開 【比較・検討】班の結果をクラウドの共有シートに入力し、クラス全体の結果を箱ひげ図などで比べる。結果から言える改善策の効果と、モデルの仮定による限界(客の到着は一様ではない、混雑すると買うのをやめる人がいる等)を話し合う。
  6. 5分まとめ 振り返りシートに、本時のモデルの仮定のうち最も見直したいものとその理由、生成AIの出力を確かめるときに大切だと思ったことを書く。

PDF版:shidoan-ko1-joho1-machijikan-simulation.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.09
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

保健体育次期学習指導要領で、どう変わる?

身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に

10秒でいうと

専門教科「体育」を「スポーツ」に改称。保健は健康・安全の「概念」と「原則」を軸に

やさしく言うと

高校は、中3から高3までの「卒業後も運動やスポーツに多様な楽しみ方で関わる時期」に含まれます。高2以上で示す技能は、今の中3〜高1程度を基本とする方向です。専門教科の「体育」は「スポーツ」に名称を変える案です。保健は、個人と社会生活における健康・安全を総合的に学ぶ方向です。体育と保健の関連も一層大切にします。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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体育・保健体育の3行要約(全校種)

  1. 小1〜4は「遊び」の要素を取り入れた学習に整理し、具体的な運動名ではなく身に付けたい「動き」を軸に示す方向。
  2. 公正・協力・責任などの態度は「運動との関わり方」として知識・技能を中心に整理し直し、指導と評価をはっきりさせる方向。
  3. 「体育理論」は「スポーツ理論」に、高校専門学科「体育」は「スポーツ」に名前を変える案。保健は健康・安全の「概念」と「それに関わる原則」を軸にする方向。

保健体育のポイント4つ

技能の水準は高すぎないように

指導内容が積み上がりすぎないよう、高2以上で示す技能は、今の中3〜高1程度を基本とする方向です。そのうえで、生徒の状況に応じて発展的な学習に取り組む余地も分かりやすく示すとされています。仲間とともに楽しさを十分に味わえるようにするねらいです。 P272

授業では、たとえば高2のバレーボールで、技能を高めるだけでなく、チームで楽しめるルールや役割を生徒が考える、といった授業が考えられます。

選択制で、自分に合う楽しみ方を考える

中3からは、興味・関心に応じた選択制を続ける方向です。基本の考え方は3つです。運動やスポーツを主体的に選ぶこと(自己選択)と、生涯スポーツの多様な楽しみ方に触れることです。そして、自分にとっての楽しみ方を考えることです。 P270

授業では、たとえば種目を選ぶ前に、卒業後に続けたい運動との関わり方を考え、選んだ理由を書いてから取り組む、といった授業が考えられます。

専門教科「体育」は「スポーツ」に

専門教科の「体育」は、性格をより正確に表すため「スポーツ」に名称を改める案です。「する」に偏りがちな指導を改め、「みる」「支える」「知る」を含めて学びます。スポーツを通じた社会課題の解決もふまえ、スポーツの推進を担う人を育てることを軸にする方向です。 P265P271

授業では、たとえば地域のスポーツ大会の運営を手伝い、観客や選手が過ごしやすくなる工夫を提案する、といった学習が考えられます。

保健は社会との関わりも含めて総合的に

高校の保健は、ライフステージや社会との関わりを意識し、総合的に学びを深める方向です。体育と保健の関連も大切にします。例として、体育「実生活に生かす運動の計画」と保健「健康に関する環境づくりと社会参加」をつなげることが挙げられています。 P268P271

授業では、たとえば自分の生活に合う運動計画を立て、続けやすい環境を地域の施設や制度から考えてまとめる、といった授業が考えられます。

主な変更点9項目

態度(公正・協力・責任など)は「運動との関わり方」として知識・技能で教える

これまで「学びに向かう力」に入っていた公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全は、「運動との関わり方」という名前で、主に「知識・技能」として整理し直す方向です。「なぜそうするのか」「どうやって行うのか」を理解させることで、形だけの指導や評価にならないようにするのがねらいです。評価では、態度だけを見る評価にならないよう注意しつつ、指導と評価のイメージを今後さらに検討します。また「愛好的な態度」は「運動やスポーツの多様な楽しみ方を目指す態度(仮称)」として「学びに向かう力」に残すとされています。 P268P269P274

各領域は2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本に

体育の各領域の学習は、2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本とし、2年間で学ぶ内容を分かりやすく示す方向です。運動の種類を毎年すべて行うという意味ではないことを明確にするねらいです。毎年同じ時期に入れがちな運動も見直し、生まれた「余白」で学びの質を高める活動をすることが期待されています。年間・複数年の指導計画の立て方を見直す必要があります。 P272P61

小中高求める技能の水準を下げすぎず高すぎず調整(高2以上は現行の中3〜高1程度)

指導内容が積み上がりすぎないよう、高2以上の最終段階で示す技能は、現行で中3〜高1程度として示している程度を置くことを基本に、全体の系統を整理する方向です。小5〜中2は、ルールなどを簡単にした「運動」を通した学びを基本にするとされています。これは技能の水準をただ下げるのではなく、「好き」「楽しい」を育てながら楽しみ方を広げる趣旨だとされています。子どもの状況に応じて発展的な学習に取り組む工夫の余地も示されます。 P270P272

保健は「概念」と「それに関わる原則」を軸に、演習的な学習で深める

保健では、知識をため込むだけでなく、まだ知らない健康課題にも対応できる力を育てるため、健康・安全の「概念」(どんな要素が関わって起きるのか)と「それに関わる原則」(どう働きかければ良い結果になるのか)を整理して示す方向です。小学校は身近な生活を中心に実践的に、中学校は個人生活を中心に科学的に、高校は個人と社会生活について総合的に学ぶ流れに整理し直すとされています。生活習慣や地域の事故情報のデータを使うなど、演習的な学習が例として挙げられています。評価も、暗記ではなく「概念」と「原則」に照らして見ることを充実させる方向です。 P267P268P271P274

中高「体育理論」を「スポーツ理論」に名称変更する案

中学校・高校の体育の領域「体育理論」の名前を「スポーツ理論」に改めるとされています。運動やスポーツの多様な楽しみ方、文化・経済・教育などの面からの見方、安全な行い方などを学ぶ領域で、改正されたスポーツ基本法の趣旨にも気を配って内容を改善する方向です。実際に体を動かす領域や保健と関連付けて学ぶことが期待されています。 P270

体育と保健の関連づけと、重なる内容の見直し

心と体を一体として捉えるため、体育と保健を関連付けた指導を充実させる方向です。例えば高校の体育「実生活に生かす運動の計画」と保健「健康に関する環境づくりと社会参加」のように、関連させやすい内容を整理して示すことも考えられています。一方、体育と保健で重なる内容(例:ストレスへの対処としての運動)や、教科書で何度も繰り返されている内容(例:健康には運動・食事・休養及び睡眠が関係すること)は、扱い方を見直すよう促すとされています。 P271P272

変化する健康課題・安全課題への対応と「生命(いのち)の安全教育」

メンタルヘルスの課題、自然災害、SNSや犯罪による被害、性犯罪・性暴力などを背景に、健康・安全の学習を学校全体で充実させることが求められています。国の教材がある「生命(いのち)の安全教育」は、教材の内容と学習指導要領との関係を分かりやすく示し、活用を進める方向です。一人一人の発達に応じた指導が必要な事柄は、保護者の理解を得て外部の専門家の協力も得ながら個別の指導などで扱い、学習指導要領は現場の指導をためらわせない書き方を検討します。 P265P271

水泳授業・暑さ対策など、授業の実施環境の見直し

水泳授業は、水に親しむ楽しさ、陸上と違う環境での動き、水の事故から身を守る力という意義を整理し、引き続き全員の学習機会を確保するとしています。プールは学校のものだけでなく、地域のプールの活用や民間への管理委託なども考えられるとされ、安全確保につながる指導は小学校だけでなく中学校以降の取組の整理も期待されています。暑さへの対応では、暑さに体を慣らす「暑熱順化」も含めた安全管理、実施内容・場所・時期の工夫、体育館などの計画的な空調整備を基本とします。 P273P274

高高校専門学科「体育」を「スポーツ」に名称変更する案

高校の専門学科の教科「体育」を「スポーツ」に改めるとされています。科目構成は「する」「みる」「支える」「知る」など多方面から学ぶ現行の形を基本にしつつ、スポーツを通じた社会課題の解決という視点から、スポーツを推進・発展させる担い手の育成を軸にする方向です。より高度な運動技能を身に付けさせるだけの指導にならないよう注意が必要とされています。 P265P271

現行と次期の比較(新旧対照)8項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
公正・協力・責任などの態度の位置づけ「学びに向かう力、人間性等」の中に、愛好的な態度と並んで公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全の態度が位置付けられている。これらは「運動との関わり方」として「知識及び技能」を中心に整理し直す方向。愛好的な態度は「運動やスポーツの多様な楽しみ方を目指す態度(仮称)」として「学びに向かう力」に残す。 P268P269
体育の12年間の時期の分け方小1〜4「各種の運動の基礎を培う時期」、小5〜中2「多くの領域の学習を経験する時期」、中3〜高3「卒業後も運動やスポーツに多様な形で関わることができるようにする時期」。4年ごとの区切りは保ちつつ、小5〜中2を「多くの領域の運動を経験しスポーツの基礎に触れる時期」、中3以降を「卒業後も運動やスポーツに多様な楽しみ方で豊かに関わることができるようにする時期」と再整理。小1〜4は「遊び」の要素を取り入れた学習に。 P265P268P270
体育の領域名「体育理論」中学校・高校に「体育理論」の領域がある(中学校:運動やスポーツの多様性など、高校:スポーツの文化的特性や現代のスポーツの発展など)。領域名を「スポーツ理論」に改め、改正スポーツ基本法の趣旨にも留意して内容を改善する案。 P270
高2以上で求める技能の水準学校段階が上がるにつれて技能の内容が積み上がっていく(例:ベースボール型で中3・高校の技能の記述が中1〜2より高度になる)。高2以上(最終段階)で示す技能は、現行の中3〜高1程度を置くことを基本に全体の系統を整理。発展的な学習の余地は示す。 P272
学習指導要領での運動の示し方「○○(運動)では、XXをする」のように、具体的な運動を限定して示していると読み取れる部分があり、教師・子ども双方の負担になる面がある。小4までは具体的な運動のやり方を示すのをやめ、身に付けたい「動き」を軸に示す方向。小5以降も運動や種目の示し方を柔軟にする方向で検討。各領域は2年間のまとまりで計画的に学ぶ。 P272P61
保健の学校段階ごとの学び方小学校「身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容」、中学校「個人生活における健康・安全に関する内容」、高校「個人及び社会生活における健康・安全に関する内容」のスパイラル構造。小学校は「身近な生活を中心とした」内容を実践的に、中学校は「個人生活を中心とした」内容を科学的に、高校は個人及び社会生活の内容を総合的に学ぶ系統に再整理。健康・安全の「概念」と「それに関わる原則」をスパイラルで深める。 P265P268
体育・保健の「見方・考え方」体育は、運動やスポーツを価値や特性に着目し、楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え、「する・みる・支える・知る」の多様な関わり方と関連付けること(92字)。体育は、運動やスポーツを心身の充実に果たす役割や多様な楽しみ方の視点から捉え、自他の豊かな生活と活力あふれる社会づくりにつなげること。全学校種で1つにそろえ、短く分かりやすく示す。 P267
高校専門学科の教科名専門学科の教科名は「体育」。科目はスポーツ概論、スポーツⅠ〜Ⅵ、スポーツ総合演習。実際の指導は「する」に関する実践が多い。教科名を「スポーツ」に改める案。現行の科目構成を基本に、スポーツの推進・発展の担い手の育成を軸にする。 P265P271

高校の科目と単位

共通教科「保健体育」の科目は「体育」「保健」のままで、科目名の変更は示されていない(P82の表)。専門学科の教科「体育」は「スポーツ」に名称変更する案で、科目は現行の構成(スポーツ概論、スポーツⅠ〜Ⅵ、スポーツ総合演習:資料編m3 P208)を基本とする(P271)。体育の領域「体育理論」は「スポーツ理論」に改称する案(P270)。

授業時数

体育・保健体育の節そのものに授業時数の変更の記述はない。高校の標準単位数は、表で現行「体育7〜8単位・保健2単位」が次期「体育14〜16新単位・保健4新単位」と示されている(P82)。これは単位の数え方の変更(1新単位=50分×17コマ。現行の1単位は35コマ)によるもの(P81)。また、調整授業時数制度などを使って体育・保健の学びを深める取組の例が示されている(P274)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

AI時代だからこそ体を通して学ぶ意味

社会の様々な場面でAIの活用が進む今、運動やスポーツで自分の体を通して学び、仲間と楽しさを味わうことは、自分を深く知ることや、体を使いこなして人生を切りひらく「人間ならではの力」を育てるうえで大きな意味があるとされています。 P266資料編(2)P201

ICT(生成AIを含む)で学習を見える化

体育・保健でICT(生成AIを含む)を使うと、学習の状況・考えの過程・感覚などを見える化でき、学ぶ機会や学習活動の充実を支えられる強みがあります。資料編では、生成AIとのやり取りによる対話型の振り返りなどが例に挙がっています。 P273資料編(2)P212

使うときの注意

自分や他人の体・健康・安全に関する情報を適切に取り扱うこと、実際に体を動かしたり仲間と関わったりする活動を支えるという視点を損なわないことに十分注意する必要があるとされています。 P273

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ年間指導計画で毎年同じ時期に入れている運動を洗い出し、各領域を2年間のまとまりで計画する案を作ります。生まれた時間を、学びの質を高める活動に回す使い道も考えておきます。 P272
  • 今すぐ小1〜4の単元のねらいを、運動名ではなく「投げる」「跳ぶ」「回る」など身に付けたい動きで書き直し、子供が思わずやってみたくなる場や用具の工夫を用意します。 P270P272資料編(2)P206
  • 今すぐ公正・協力・責任などは、「なぜそうするのか」(知識)と「どう行うのか」(技能)を教える場面を単元に入れ、態度だけを見る評価になっていないかを見直します。 P268P269P274
  • 今すぐ暑さ対策として、暑熱順化を取り入れた安全管理や、実施内容・場所・時期の工夫を年間計画に反映し、体育館の空調整備の計画も設置者と確認します。 P273
  • 告示まで保健の各単元について、健康・安全の「概念」(どんな要素が関わって起きるか)と「それに関わる原則」(どう働きかければよい結果になるか)を一文ずつ書き出し、暗記ではなく原則に照らして考える評価問題を作っておきます。 P267P268P274
  • 告示まで体育・保健でICTや生成AIを使うときのルール(自他の体・健康・安全に関する情報の扱い方、実際に体を動かす時間を削らないこと)を学年や教科会で決めておきます。 P273
  • 告示まで中学校・高校では、「体育理論」が「スポーツ理論」に変わる方向をふまえ、「する・みる・支える・知る」に「集う」「つながる」も含めた多様な楽しみ方を扱う単元案や、実技・保健と関連付ける計画を考えます。 P267P270
  • 先行実施まで水泳授業について、学校のプールだけでなく地域のプールの活用、民間事業者との連携、管理の委託などの選択肢を設置者と検討し、水の事故から身を守る学習を水に触れる機会の中で行う計画を整えます。 P274

次期を先取りする授業アイデア1本

高1(保健)1単位時間(50分)

事故マップで見つける「起きる理由」と「防ぐ原則」

地域の事故データを地図に落とし、要因の重なりを「概念」に、働きかけ方を「原則」にまとめます。

手順・ワークシート

ねらい

地域の交通事故のデータから、事故は人的要因と環境要因(道路・照明・気象・車両など)が重なって起きるという概念と、要因に個人と社会の両面から働きかけることで事故を減らせるという原則を導き、自分たちの地域に当てはめて対策を提案する。

流れ

  1. 5分地図で事故の多い交差点を示し、「なぜここで事故が多いのだろう?」と問います。通学で通る生徒がいれば、ふだん気付いていることを短く聞きます。
  2. 12分グループで担当地点を1つ選び、資料から時間帯や事故の種類を読み取り、共有地図に書き込みます。考えられる要因を、人的要因(急いでいる、スマートフォンを見ながら歩く等)と環境要因(見通し、照明、道路の形、車両の死角など)に分けて要因分類シートに書きます。資料から確かめられないことは「原因」ではなく「仮説」として書き、追加資料(警察等が公表する発生状況、交通量、信号・照明の状況など)や現地観察で確かめる項目に印を付けます。
  3. 10分各グループの要因を全体で比べ、「事故は一つの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起きる」ことを確かめます。先生は、この考え方を事故の「概念」として一文にまとめて板書します。
  4. 13分「どの要因に、だれが、どう働きかければ減らせるか」をグループで考えます。自分の行動を変えること(個人)と、道路や照明の改善、見守りの仕組みなど社会への働きかけ(環境)を分け、事故を防ぐ「原則」として一文にまとめます。
  5. 10分自分たちの通学路や地域の一地点について、原則を当てはめた提案カードを書き、学校や地域に届ける方法(生徒会を通じて学校に伝えるなど)を話し合います。最後に、資料にない別の場所の事故の様子を1つ示し、今日の概念と原則で説明できるかを個人で書いて確かめます。

評価

知識の暗記ではなく、資料にない新しい事故の場面について、要因の重なり(概念)と働きかけ方(原則)を使って説明できているかで見取ります。提案カードでは、個人の行動と社会への働きかけの両面から、根拠をもって対策を考えているかを思考・判断・表現として見ます。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.10
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

外国語(英語)次期学習指導要領で、どう変わる?

AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ

10秒でいうと

英語コミュニケーション→同(総合)、論理・表現→英語コミュニケーション(発信)に改称

やさしく言うと

高校では、科目の名前を変える案が出ています。「英語コミュニケーション」は「英語コミュニケーション(総合)」になる案です。「論理・表現」は「英語コミュニケーション(発信)」になる案です(どちらも仮称)。発信の科目では、話す・書く活動を中心にした授業へ改める方向です。CEFR B2レベル相当以上の英語力などを条件に、必履修科目の免除・振替を認める案もあります。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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外国語の3行要約(全校種)

  1. 「言語活動」を「コミュニケーション活動」と「それを支える活動」に分け直し、英語の目標は「知・技」「思・判・表」「学びに向かう力」の3つの柱で示す方向。
  2. 国が基盤語彙リストを作り、中学校の文法は使用頻度の高いものに絞り、「社会的な話題」は「身近な社会的な話題」にするなど、難しくなりすぎた内容を適正化する方向。
  3. 高校の科目は「英語コミュニケーション(総合)」「同(発信)」(いずれも仮称)とする案。B2レベル相当以上などの要件を満たす場合の必履修科目の免除・振替や、AIの適切な活用の明記も提案された。

※高校の新科目名「英語コミュニケーション(総合)」「英語コミュニケーション(発信)」は仮称。単位数(学習量)は現行と同じ。外部試験でCEFR B2レベル相当以上の英語力を確認することなどを要件に、英語コミュニケーション(総合)Ⅰの免除・振替を学校の判断で可能とする案。対象試験・振替先・実施条件は今後、解説等で具体化(P48〜49、P284)。

外国語(英語)のポイント4つ

科目名を「総合」と「発信」に変える案

両方の科目名に「英語コミュニケーション」を付け、英語で伝え合うことが中心だと示す案です。「総合」は5つの領域をまとめて扱う科目です。「発信」は、話すこと(やり取り・発表)と書くことで発信力を強める選択科目です。科目名はどちらも仮称です。 P281資料編(3)P22(外㉒)

授業では、たとえばたとえば、総合の科目で読んだ話題を発信の科目の意見文や話し合いでも使うなど、2科目の内容をつなぐ計画が考えられます。

発信の科目は「使う」授業へ

今の「論理・表現」では、授業で英語を使う機会が十分でない実態があると指摘されています。新しい発信の科目では、スピーチやディベートなどに加え、「日常的な会話」も扱う方向です。書くことは、書く過程を大切にする指導を強める考え方です。 P277資料編(3)P23(外㉓)

授業では、たとえばたとえば、相手の話に質問や感想を返して会話を続ける活動を、毎時間のはじめに短く入れることが考えられます。

入学初期に学習状況をつかみ、中学の学びを使う

高校では入学してすぐの時期に、生徒の学習状況をきちんとつかむことが示されています。そのうえで、中学校で学んだことを繰り返し使い、考えて表現する活動を重視します。高校の「社会的な話題」にも、身近なものを含める方向です。 P281資料編(3)P22(外㉒)

授業では、たとえばたとえば最初の単元で、中学校の文法を使う短い発表をさせ、つまずきをつかんでから年間計画を調整することが考えられます。

B2相当以上の力がある生徒の免除・振替

必履修の英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)について、外部試験を使った免除・振替の案が示されています。必要な英語力はCEFR B2レベル相当以上が適切とされています。ただし、B2相当があれば免除できるわけではありません。社会的に信頼された外部試験の合格、振替先の科目で力を発展的に育てられること、本人の実態や希望から振替の方が大きな成果が見込めること、の3つをすべて満たす場合が対象です。そのうえで、学校として実施できる場合に限る仕組みとされています。振替先には、発展的な学習や英語以外の外国語を学ぶ学校設定科目などが考えられています。細かい中身は解説等で定めるとされています。 P48P49P284

授業では、たとえばたとえば英語科で、対象になりそうな生徒がいるかを確かめます。振替先の科目を学校で用意できるかを、早めに話し合うことが考えられます。

主な変更点34項目

高科目名を変える案

「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」は「英語コミュニケーション(総合)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」、「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」は「英語コミュニケーション(発信)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」にする案が示された(いずれも仮称)。両方に「英語コミュニケーション」を置き、英語でのコミュニケーションが中核だと示す。英訳名も趣旨が伝わるよう検討する。 P281資料編(3)P22(外㉒)

高新単位で表すが、標準単位数の位置付けは現行相当

1単位の学習量を35コマから17コマに細分化するため、英コミュ(総合)Ⅰは6新単位(必履修)、Ⅱ・Ⅲは8新単位、英コミュ(発信)Ⅰ~Ⅲは4新単位。外国語科の必履修科目の単位数等に変化はないとされている(1単位当たりの換算が変わるため、コマ数はわずかに減る)。 P80P81P82資料編(3)P24(外㉔)

高英コミュ(総合)は領域統合をいっそう重視

中学校の学習内容の確実な習熟を図りながら、5領域を総合的に扱い、読んだり聞いたりしたことを基に話す・書く領域統合を重視する。教材は、聞く・読む力を育てる教材と、発信に使える言語材料でできた教材の2段階で単元を作る例が示されている。 資料編(3)P23(外㉓)

高英コミュ(発信)は発信力をさらに強化

話すこと[やり取り][発表]、書くことで発信力を強める選択科目。現行のスピーチ・プレゼン・ディベート・ディスカッションに「日常的な会話」を加え、「論理の構成や展開」を充実、書くことはプロセス重視、オンライン上で書いて伝え合うやり取りも位置付ける。 資料編(3)P22(外㉒)資料編(3)P23(外㉓)資料編(3)P46(外㊻)

高論理・表現の「文法解説中心」を改める

論理・表現では文法事項を網羅的に指導するため文法解説と問題演習中心の授業になっている場合がある。新科目では教材をコミュニケーション活動中心の単元構成にし、AIを含むデジタル学習基盤も使ったフィードバックの工夫を解説で示す。 P277資料編(3)P23(外㉓)

高科目間のカリキュラム・マネジメント

英コミュ(総合)と英コミュ(発信)を並行して履修する場合、総合で扱った話題や言語材料を発信でも使うなどのカリマネが重要。教師の努力だけに任せず、教材間の連携を進め、学習指導要領でも工夫をうながす。 資料編(3)P22(外㉒)

高社会的な話題に「身近なもの」を含める

中高の接続から、高校の「社会的な話題」に身近なものも含め、中学校の既習の言語材料を繰り返し使いながら思・判・表を発揮する活動を重視する。 資料編(3)P22(外㉒)資料編(3)P45(外㊺)

高入学初期に学習状況をつかむ

高校では入学初期に生徒の学習状況を適切に把握し、中学校の学習内容の習熟を図りながら、中学校の既習事項を繰り返し使って思・判・表を発揮する活動を重視する。 P281

高B2相当以上などの要件を満たす場合の英コミュ(総合)Ⅰ免除・振替を提案

B2だけで自動的に免除される制度ではなく、3つの要件を満たし、学校が実施できると判断した場合の選択肢。現行の高校の科目はおおむねCEFR A2~B1相当の習得を念頭に置き、今回も大きく変えない。これを大きく上回る水準としてB2レベル相当以上が適切とされた。振替先は、発展的な学習や英語以外の外国語を学ぶ学校設定科目、条件が整えば上位科目や学校外学修(大学の授業、海外のサマースクールなど)。同じ単位数を振替科目で修得する必要がある。 P48P49P284

高目標イメージ:英コミュ(総合)Ⅰ~Ⅲ

思・判・表は、Ⅰ「基本的な構成や論理の展開」、Ⅱ「多様な構成や論理の展開」、Ⅲ「やや複雑で多様な構成や論理の展開」の文章や話から考えを形成し、表現等を工夫して伝える・伝え合う、と段階を付ける。学びに向かう力には「外国語の習得に継続して取り組もうとする態度」が入る。 資料編(3)P10(外⑩)資料編(3)P47(外㊼)

高聞く・読むはテキストの種類も示す

英コミュ(総合)Ⅰの「聞くこと」「読むこと」では、対話、叙述、説明、放送、意見などテキストのバリエーションを示し、必要に応じて支援を活用すれば意図や概要・要点を捉えられる、という形で示すイメージ。 資料編(3)P45(外㊺)

高科目の組替えや重点化の例

単位制の柔軟化の例として、英コミュⅠと論理・表現Ⅰを組み替えた「英語総合Ⅰ」という外国語科の組替え後科目の例や、英語コミュニケーションⅢで「社会的な話題」に重点を置くなど内容を選択的に扱う例が総論で示されている。 P44P45

高専門学科の英語科目も見直し

主として専門学科で開設される英語の科目も、共通教科の改善の方向性を踏まえて必要な改善を行う。 P281資料編(3)P24(外㉔)

高高校学習指導要領の改訂は令和9年度末予定

総論では、高等学校学習指導要領の改訂は令和9年度末を予定と書かれている。 P51

英語の目標を「3つの柱」で示す

現行の英語の目標(高校は科目目標)は「聞くこと」など5つの領域別に書かれていた。次期は外国語の目標と同じように「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で示す。領域ごとの細かい「できること」は「内容」の方へ移す。 P279P280資料編(3)P16(外⑯)

「内容」を学年段階の目安つきの表で示す

領域別の目標の要素を「内容」に移し、話題や活動がだんだん高度になる様子を、「〇学年相当」という目安とともに表形式で示す。学年ではっきり区切るのではなく、柔軟性を残した目安とする。表は「知・技」と「思・判・表」を並べる「並行」パターン。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P18(外⑱)

「言語活動」から「コミュニケーション活動」へ

学習の中心を「コミュニケーション活動」(主に思・判・表を育てる)と「コミュニケーション活動を支える活動」(主に知・技を育てる)に分けて整理し、目標の柱書に書く。単元はコミュニケーション活動を中心にしながら、2つの活動を行き来して力を一体的に育てる。 P279P284資料編(3)P31(外㉛)

「言語の使用場面」「言語の働き」の名前と置き場所が変わる

現行で「内容」にある言語活動・言語の使用場面・言語の働きの例は、「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、「コミュニケーション活動」「コミュニケーションの場面」「コミュニケーションの意図(仮称)」と呼ぶ。「内容」は資質・能力だけに絞る。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P37(外㊲)

「統合的な理解」と「総合的な発揮」

知・技のゴールの姿を「統合的な理解」(英語のきまりを組み合わせて使うと理解や表現の質が高まると分かっている姿)として示す。思・判・表は「総合的な発揮」として、CEFRの分類を参考に「理解する」「表現する」「伝え合う」の3つに分けて書く。5領域をバランスよく育てる授業づくりをうながすねらい。 P280資料編(3)P8(外⑧)資料編(3)P9(外⑨)

外国語の「見方・考え方」を新しく

「外国語及び外国語によるコミュニケーションを、文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え、多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自分の考えを伝え、相互理解を図ること」と整理し直す(現行101字→91字)。AI時代に学ぶ意義と、人間ならではの非言語コミュニケーションも意識した表現。 P279資料編(3)P7(外⑦)

「学びに向かう力」を4つの要素に

①コミュニケーションへの興味・関心と伝えたい考えの形成、②対話・協働で考えを広げ深める態度、③自己イメージを持ち振り返りながら学習を調整する態度、④主体的に他者との相互理解を深めようとする心情、の4つに整理する。目標の文もこれに合わせて書き換える。 P279資料編(3)P4(外④)資料編(3)P5(外⑤)資料編(3)P6(外⑥)

「練習」という言葉を使わない

「練習」という言葉から思い浮かべるイメージが人によって違うことや、本文でこの語を使う教科がごく一部であることから、学習指導要領本文では「練習」を使わずに必要な活動を書く。 P284資料編(3)P27(外㉗)

中高「授業は英語で行うことを基本とする」考え方を維持

現行は「授業は英語で行うことを基本とする。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いる」と定めている。審議まとめでは「授業を生徒の理解に応じた英語で行うこと」を堅持するとされた。そのうえで、国がクラスルームイングリッシュなどの表現集や動画を用意し、教師の補助的な日本語使用や、AI活用も含めた児童生徒の母語使用についての考え方を解説で示す。 P284

国が「基盤語彙リスト」を作る

複数のコーパスなどを参考に、国が語彙選定のための基盤語彙リストを作り、教科書会社にリストの語を使うよう推奨する。語の難しさや使用頻度などから、指導すべき語彙数も精選を含めて見直す。高校の教科書の多様性は守り、リストは研究を続けて更新する。 P283P61資料編(3)P29(外㉙)

自分のこと・地域・日本・自分の意見を伝える

話題や活動の例を見直し、自分のことや日本のことに加えて、自分の意見を言える活動を充実させ、住んでいる地域の話題も明確に位置付ける。AIや学校内外の交流も使い、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281P10資料編(3)P25(外㉕)

CEFRに照らしてレベルを点検

現行では、各校種で想定したCEFRレベル(小~A1程度、中A1~A2程度、高A2~B1程度)より高い内容が書かれている場合がある。今後は「内容」や活動例をCEFRに照らして適切な文言にし、教師の足場かけが前提のものは解説で趣旨を示す。 P283

高高校の科目名を変更する案

「英語コミュニケーション」は「英語コミュニケーション(総合)」、「論理・表現」は「英語コミュニケーション(発信)」に変える案(いずれも仮称)。科目の趣旨は引き継ぎ、趣旨に合った指導が行われるよう内容を充実させる。標準単位数の位置付けは現行相当(新単位で表すため数字は約2倍)。 P281P80資料編(3)P22(外㉒)資料編(3)P24(外㉔)

高「英語コミュニケーション(発信)」の中身を充実

スピーチ、プレゼン、ディベート、ディスカッションに加えて「日常的な会話」を扱い、会話を続けたり発展させたりする力を育てる。「論理の構成や展開」の扱いを充実させ、書くことはプロセス重視の指導を強める。教材はコミュニケーション活動中心の単元構成に改める。 資料編(3)P23(外㉓)資料編(3)P46(外㊻)

高B2レベル相当以上などの要件で必履修科目の免除・振替を提案

外部試験を使った必履修科目の免除・振替の制度運用を始めることが適当とされた。英語では、必要な英語力をCEFRのB2レベル相当以上とするのが適切とされた。ただしB2だけで自動的に免除されるわけではなく、(1)社会的信頼性のある外部試験で知識・技能の習得が確かめられる、(2)振替科目で総合的に代わりになる、(3)振り替えた方が大きく上回る成果が期待できる、の3つの要件をすべて満たす必要がある。具体的な外部試験の種類や級は今後、解説等で定める。免除した時間には発展的な学習や英語以外の外国語を学ぶ学校設定科目などを履修する。学校として実施できる場合の選択肢で、必ず免除しなければならないものではない。 P284P48P49

AIの適切な活用を学習指導要領に明記する方向

オンラインでの人との交流も含むデジタル学習基盤の活用を明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書くべきとされた。目標はあくまで人間同士のコミュニケーションで、AIを使った会話練習などはそのための手段という原則をはっきりさせる。 P278P282P88

科学的知見にもとづく学び方の指導

第二言語習得や認知心理学、学習科学の知見を踏まえ、児童生徒が家庭学習も含めて自分で学習方略を使えるようにする。国が教師の指導や学習者に役立つ動画や資料を、学校の負担にも配慮して作る。 P278P281資料編(3)P15(外⑮)

文化理解と「多様な外国語」

多様性の包摂や多文化共生のための文化理解、母語や自国の文化を見つめ直すための言語の違いの理解を充実させる。帰国生徒や外国につながる生徒の外国語の力を生かす配慮を外国語の解説にも書く。英語以外の外国語については、開設状況の公表やオンライン講座などを検討する。 P282資料編(3)P26(外㉖)資料編(3)P27(外㉗)資料編(3)P28(外㉘)

評価規準の作り方が楽になる

「内容のまとまりごとの評価規準例」は国が示し、学校での作成は不要とする方向。外国語の「内容のまとまり」は5つの領域とする方向。学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにし、「内容」を基に作る。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)

教師を支える国の研修と資料

文部科学省が全国の教師向けに大規模なオンライン研修を行う。国が作る動画や資料は自治体の研修でそのまま使えるように作り、小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。ALTとの連携についての動画・資料も出す。 P285

現行と次期の比較(新旧対照)23項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
目標の柱書(学習の進め方)外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの「言語活動を通して」資質・能力を育成する(高校は「統合的な言語活動」も)。外国語によるコミュニケーションを図る資質・能力を、「コミュニケーション活動及びコミュニケーション活動を支える活動などを通して」育成する。 資料編(3)P1(外①)P279
英語の目標(高校は科目目標)の示し方3つの柱で分けず、5つの領域(聞く・読む・話す[やり取り]・話す[発表]・書く)別にCAN-DO形式で示す。外国語の目標と同じく「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で示す。領域別の要素は「内容」へ。 P276P279P280資料編(3)P16(外⑯)
学年ごとの目標各学校が「学年ごとの目標を適切に定め」ることになっている(小:2学年間、中:3学年間を通じて目標の実現を図る)。学習指導要領が段階的な内容を示すので、学年ごとの目標の一律の作成義務はなくし、必要な場合に任意で作る方向(審議まとめの案)。 P280資料編(3)P19(外⑲)現行現行抜粋P6・P15・P25
見方・考え方外国語で表現し伝え合うため、外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉え、目的や場面、状況等に応じて、情報を整理しながら考えなどを形成し、再構築すること(101字)。外国語及び外国語によるコミュニケーションを、文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え、多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自らの考えを伝え、相互理解を図ること(91字)。 P279資料編(3)P7(外⑦)
学びに向かう力、人間性等(高校の目標)文化に対する理解を深め、聞き手等に配慮しながら、主体的、自律的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度。中学校の内容に加えて「外国語の習得に継続して取り組もうとする態度」を養う。 資料編(3)P6(外⑥)
知識及び技能の目標の書き方外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働きなどを理解し、聞く・読む・話す・書くことによる実際のコミュニケーションで活用できる技能(中)。「外国語の特徴やきまり」を理解し、実際のコミュニケーションで活用できる技能。各言語材料や領域の列挙は目標から省いて短くする。 資料編(3)P2(外②)
目標で扱う話題中・高の目標に「日常的な話題や社会的な話題について」と書く。小学校外国語活動は「身近で簡単な事柄」。目標では中学校「様々な話題」、高校「幅広い話題」とし、具体的な話題は「内容」で示す。小学校外国語活動は「ごく身近な事柄」、外国語は「身近な事柄」。 資料編(3)P3(外③)
高校の話題日常的な話題や社会的な話題。中高の接続を考え、「身近なものを含む社会的な話題」とする。 資料編(3)P22(外㉒)資料編(3)P45(外㊺)
活動の名前言語活動コミュニケーション活動(主に思・判・表を育てる)とコミュニケーション活動を支える活動(主に知・技を育てる) P277P279P284資料編(3)P31(外㉛)
言語の使用場面「内容」の中に「言語の使用場面の例」として示す。「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、「コミュニケーションの場面」として例示する。 P280資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P37(外㊲)
言語の働き「内容」の中に「言語の働きの例」として示す。「コミュニケーションの意図(仮称)」として例示する(例:相手との関係を円滑にする・気持ちを伝える/事実・情報を共有する・相手の行動を促す/考えや意図を共有する)。知・技の指導での扱い方も示す。 P280資料編(3)P37(外㊲)
「内容」に入るもの知・技(言語材料)、思・判・表、言語活動及び言語の働きに関する事項(言語活動・使用場面・働きの例)。「内容」は資質・能力に限る。思・判・表は「総合的な発揮」と領域ごとの「話題・条件・できること」、知・技は「統合的な理解」と英語の特徴やきまりに関する事項。活動の例は「指導計画の作成と内容の取扱い」へ。 資料編(3)P16(外⑯)資料編(3)P44(外㊹)
思考力、判断力、表現力等の示し方5つの領域別の目標と、それを大まかにまとめた「内容」の思・判・表。重なりがあり、深まりが見えにくい。「総合的な発揮」をCEFRの分類(Reception・Production・Interaction)を参考に【理解する】【表現する】【伝え合う】に分け、領域ごとの内容は学年段階の目安つきで示す。 P280資料編(3)P8(外⑧)
高校の科目名英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ/論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ英語コミュニケーション(総合)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(仮称)/英語コミュニケーション(発信)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(仮称) P281P80資料編(3)P24(外㉔)
高校の単位数英コミュⅠ3(必履修、2単位まで減可)、Ⅱ4、Ⅲ4、論理・表現Ⅰ2、Ⅱ2、Ⅲ2。1単位=35コマ。英コミュ(総合)Ⅰ6(必履修)、Ⅱ8、Ⅲ8、英コミュ(発信)Ⅰ4、Ⅱ4、Ⅲ4(新単位)。1新単位を17コマとして細分化するため、表示上の標準単位数は約2倍になる。科目ごとの標準的な学習量は現行とおおむね同程度(1単位35コマの半分は17.5コマだが17コマとするため、コマ数はわずかに減る)。 P80P81P82資料編(3)P24(外㉔)現行標準単位数表
語彙語数の目安だけ(小600~700語、中1,600~1,800語程度の新語、高1,800~2,500語程度、合計4,000~5,000語)。リストはない。国が基盤語彙リストを作り、教科書でリストの語を使うよう推奨。指導すべき語彙数も精選を含めて見直す(合計は「●語程度」とされ未定)。 P283資料編(3)P29(外㉙)現行現行抜粋P11・P21・P3
AIの扱い学習指導要領にAI活用の位置付けがない。デジタル学習基盤の活用を明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用を書く。人間同士のコミュニケーションを充実させるという原則を明確に。 P277P278P282
評価規準の作り方各学校が①内容のまとまりごとの評価規準、②単元の目標、③単元の評価規準を作る。外国語は領域別目標が3つの柱で整理されておらず、作業が煩雑。内容のまとまりごとの評価規準例は国が示し、学校の作成は不要。外国語の「内容のまとまり」は5つの領域とする方向。単元の目標がそのまま評価規準になるようにし、「内容」を基に作る。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)
高校必履修科目の履修免除仕組みなし(外部検定の学修成果を単位認定する制度は36単位まで)。外部試験を使った免除・振替の制度運用を開始することが適当とされた(審議まとめの案)。英語はCEFR B2レベル相当以上が目安とされたが、3つの要件をすべて満たす必要があり、具体的な試験や級は今後解説等で定める。免除対象は英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)。 P48P49P284
授業の言語と母語使用中・高とも「授業は英語で行うことを基本とする。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いる」。「授業を生徒の理解に応じた英語で行うこと」を堅持。表現集・動画を国が提供し、教師の補助的な日本語使用やAI活用も含めた母語使用の考え方を解説で示す。 P284現行現行抜粋P26・P46
「練習」という語本文に「言語材料について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行う」などの記述がある(高校の音声指導も「発音練習など」)。「練習」という文言は使わずに必要な活動を書く(例:音声指導は「コミュニケーション活動を支える活動などを通して」)。 P284資料編(3)P27(外㉗)現行現行抜粋P26
論理・表現(発信)の活動スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション、まとまりのある文章を書くことなど。これらに加えて「日常的な会話」を扱う。「書くこと」にやり取り(オンライン上で書いて伝え合う)を位置付け、論理の構成・展開を充実。 資料編(3)P22(外㉒)資料編(3)P23(外㉓)資料編(3)P46(外㊻)
教材に関する留意事項(文化)多様な考え方への理解、我が国の文化や英語の背景にある文化、国際理解の観点。これらに「多様性の包摂」「多文化共生に対する理解」を加え、話題・活動にも明示する。 P282資料編(3)P25(外㉕)資料編(3)P26(外㉖)資料編(3)P27(外㉗)

目標の新旧(現状→改善イメージ)

資料編の外①(柱書)、外②(知識及び技能)、外③(思考力、判断力、表現力等)、外⑥(学びに向かう力、人間性等)の「現状」と「改善イメージ」の対照表を要約した。いずれも外国語の目標で、「告示や解説を示すにあたり引き続き検討」と注記されている。英語の目標・高校の科目目標のイメージは外㊶~㊽にある。

校種・観点現行次期(改善イメージ)
高等学校
柱書
言語活動及び統合的な言語活動を通して、情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりする資質・能力を育成。中学校と同じ文。段階の違いは3つの柱の目標で示す。 資料編(3)P1(外①)
高等学校
知識及び技能
理解を深め、目的や場面、状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付ける。外国語の特徴やきまりの理解を深め、実際のコミュニケーションで適切に活用できる技能を身に付ける。 資料編(3)P2(外②)
高等学校
思考力、判断力、表現力等
日常的な話題や社会的な話題について、概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図などを的確に理解し、適切に表現したり伝え合ったりする力。幅広い話題について、情報や考えなどを的確に理解し、適切に表現したり伝え合ったりする力。 資料編(3)P3(外③)
高等学校
学びに向かう力、人間性等
文化への理解を深め、聞き手等に配慮しながら主体的、自律的にコミュニケーションを図ろうとする態度。中学校の内容に加え、他者との相互理解を深め、外国語の習得に継続して取り組もうとする態度。 資料編(3)P6(外⑥)

語彙(単語の数)はどうなる?

現行の語数の目安

  • 高(英コミュⅠ):小中で学習した語に400~600語程度の新語
  • 高(英コミュⅡ):英コミュⅠの語に700~950語程度の新語
  • 高(英コミュⅢ):英コミュⅡの語に700~950語程度の新語
  • 高(合計):1,800~2,500語
  • 小中高合計:4,000~5,000語(リストなし)

次期:国が「基盤語彙リスト」を作る方向

国が複数のコーパスを参照するなどして「基盤語彙リスト」を作り、教科書会社にリストの語を教科書で使うよう推奨する。語の難しさ(CEFRレベル等)や使用頻度にもとづく重要度(カタカナ語との対応なども含む)を考えて優先順位を付け、小・中・高への振り分けを検討する。その際、他のアジア諸国の状況も参考にする。指導すべき語彙数は、精選も含めて見直す(改善イメージでは合計「●語程度」とされ、数はまだ決まっていない)。ねらいは、教科書の語彙の難しさと選び方をならし、負担を適正にして、使用頻度の高い重要な語彙を様々な場面で繰り返し扱って身に付けさせること。高校は生徒の実態がさまざまなので教科書の多様性を守り、小中も難しくなりすぎないようにしながら多様な話題を扱えるよう配慮する。リストは必要に応じて更新できるよう継続的に調査研究する。入試や調査の作問に役立つよう、各教科書の新出語彙リストは電子データで提供されるべきとされた。

CEFRレベルの目安

高:A2~B1程度(同上)。現行の高校の科目はおおむねA2~B1レベル相当の習得を念頭に設定し、今回も大きく変えない。R6調査でA2レベル相当以上は51.6%(H25は31.0%) P283P284P49P276

高(履修免除):必履修科目の免除に必要な英語力はB2レベル相当以上とするのが適切とされた(ほかの要件もすべて満たす必要があり、B2だけで免除されるわけではない) P49P284

高校の科目と単位(現行→次期)

現行
英語コミュニケーションⅠ 【必履修】3単位2単位まで減可
英語コミュニケーションⅡ4単位
英語コミュニケーションⅢ4単位
論理・表現Ⅰ2単位
論理・表現Ⅱ2単位
論理・表現Ⅲ2単位
次期(案・仮称)
英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称) 【必履修】6新単位5領域を総合的に扱い、領域統合を一層強化
英語コミュニケーション(総合)Ⅱ(仮称)8新単位
英語コミュニケーション(総合)Ⅲ(仮称)8新単位
英語コミュニケーション(発信)Ⅰ(仮称)4新単位論理・表現の趣旨を維持しつつ発信力を一層強化
英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)4新単位
英語コミュニケーション(発信)Ⅲ(仮称)4新単位

次期は1単位の学習量を35コマから17コマに細分化した「新単位」で表す。外国語科は「必履修科目の単位数等に変化なし」「単位数は現行と同様」とされている(3単位→6新単位)。高校全体の必履修単位は38単位(76新単位)から最大78新単位になるが、学習コマ数は1330コマ→1326コマとわずかに減る。

必履修科目の履修免除(B2相当以上)

高校の必履修科目について、外部試験を使った免除・振替の制度運用をまず外国語と数学で始めることが提案された(審議まとめ段階)。要件は、(1)社会的信頼性のある外部試験の合格で免除科目の知識・技能がおおむね習得されていると判断できる、(2)振替科目の履修で教科の目標に向けて発展的に育成でき総合的な代替性がある、(3)その生徒にとって振り替えた方が資質・能力の育成で大きく上回る成果が期待できる、の3つすべて。外国語では、現行の高校の科目がおおむねCEFR A2~B1レベル相当の習得を念頭に置いており今回も大きく変えないため、それを大きく上回るB2レベル相当以上が必要とされた(それを証する社会的信頼性のある外部試験が対象)。免除の対象は英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)。振替先は、その時間に置く発展的な学習や英語以外の外国語の学校設定科目、条件が整えば上位科目(英コミュ(総合)Ⅱ・Ⅲ(仮称))や学校外学修(大学の授業、各言語の専門機関の講座、海外のサマースクール等)。免除科目と同じ単位数を振替科目で修得する必要がある。学校として実施できる場合の選択肢であり、要件を満たす生徒がいても必ず免除しなければならないものではない。外部試験の種類や必要な級などは解説等で具体的に定める。

評価はどう変わる?

評価規準例は国が示し、学校での作成は不要にする方向

現行は各学校が①内容のまとまりごとの評価規準、②単元の目標、③単元の評価規準を作っている。審議まとめでは「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示し、学校の作成は不要にする方向が示された。 P285

外国語の「内容のまとまり」は5つの領域

外国語の特質から引き続き5つの領域(聞く・読む・話す[やり取り]・話す[発表]・書く)で評価することが重要とされ、国の評価規準例の「内容のまとまり」は「内容」に示す5つの領域とする方向で検討する。 P285資料編(3)P39(外㊴)

単元の目標=評価規準

学校が作る単元の目標はそのまま評価規準となるようにする。作るときは外国語の目標・英語の目標(高校は科目目標)を踏まえつつ「内容」を基にする。 P285資料編(3)P38(外㊳)

評価が煩雑だった理由が解消される

現行は領域別の目標が3つの柱で整理されておらず、「内容」も領域別でないため評価の手順が煩雑だったが、今回の構造化で改善されると考えられている。多くの教科と同じように「内容」から評価規準を作れるようになる。 P280P285

「統合的な理解」「総合的な発揮」は当面直接評価しない

当面は「統合的な理解」「総合的な発揮」の育成状況そのものを一律に直接評価することは求めず、単元構想を含む指導・評価の計画の質を支える役割とする。 資料編(3)P40(外㊵)

知・技と思・判・表を同じテストで評価できる

知・技と思・判・表を同じパフォーマンステストなどで評価することも引き続き可能(具体は評価参考資料の作成時に検討)。単元例でも同一のパフォーマンステストで評価する例が示されている。 資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P40(外㊵)

総括は頻度を抑え、形成的評価を充実

学習成果の観点別評価・評定への総括は、学年末に絞るなど頻度を抑え、学習途中で差分を見取ってフィードバックする形成的評価を充実する(全教科共通の再整理案)。 資料編(3)P38(外㊳)

学びに向かう力は「見取る姿」で長い期間に

学びに向かう力の「見取る姿」は単元ごとではなく、学年・学期などの長い期間を通じて見取る。「見取る姿」や運用方法は小中について令和10年度末までに周知するとされている。 資料編(3)P13(外⑬)P65

MEXCBTとAIパフォーマンステスト

各学校の定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させ、AIを使ったパフォーマンステストツールの可能性を検討する。 P285

全国学力・学習状況調査の作問

今後の全国学力・学習状況調査は、CEFRレベルを勘案しつつ、個別の資質・能力に基づいて作問する。 P283

デジタル学習指導要領で評価規準例を一括確認

資料編の単元づくりのイメージでは、デジタル学習指導要領で解説の記述や評価規準例、小学校を含む前後の学習内容も確認できる姿が描かれている。 資料編(3)P12(外⑫)

国が用意するもの(支援)

学習方略の動画・資料

第二言語習得・認知心理学・学習科学の知見を踏まえ、教師の指導や学習者の参考になる動画・資料を国が提供する。学校の負担軽減に留意し、教師の指導や自治体の研修でも使えるように作る。 P281

AI活用の留意点・動画・資料

適切でない使い方も含めた留意点、動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に応じて更新する。外国語でのAI活用の考え方や実践事例も示す。 P282P88

クラスルームイングリッシュ等の表現集・動画

生徒の理解に応じた英語で指導する際に使える表現集(クラスルームイングリッシュ等)や動画を提供する。 P284

全国の教師向け大規模オンライン研修

改訂で重視する点を伝え、英語力・指導力の向上と継続的な授業改善を図るため、文部科学省が大規模なオンライン研修を行う。 P285

研修にそのまま使える動画・資料

国が作る動画・資料は自治体の教員研修でそのまま使えるようにし、教職課程でも使われることを念頭に作る。小学校向けは学級担任と専科教員それぞれのニーズに配慮する。 P285

ALT等との連携の動画・資料

ALT等との効果的な連携のあり方について参考となる動画や資料を提供する。 P285

英語資格・検定試験の特別受験制度の周知

検定団体が教師や教職課程の学生向けに受験料を減額するなどの特別受験制度について、学生の活用が進むよう一層周知する。 P285

教員養成のコアカリキュラム改善

教員免許制度の見直しを踏まえた外国語(英語)コアカリキュラムの改善で、科学的知見や学習方略の指導方法を学べるようにする。 P285

MEXCBTの問題充実

定期テストやパフォーマンステストに使えるよう、MEXCBTにCEFRを参照した問題を充実させる。 P285

国の評価規準例

「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が評価の参考資料で示す。 P285

基盤語彙リストと新出語彙リストの電子データ

国が基盤語彙リストを作る。各教科書の新出語彙リストは入試や調査の作問に役立つよう電子データで提供されるべきとされた。 P283資料編(3)P29(外㉙)

Let's Try!の見直し

国が作成・配布している外国語活動教材Let's Try!を、身近で楽しい内容、5・6年につながる段階的な活動に見直す。 資料編(3)P17(外⑰)

教育課程特例校の実践事例の提供

教育課程特例校1,915校(令和7年4月時点)のうち1,483校が外国語に関する内容。制度が調整授業時数制度に統合されることを踏まえ、参照できる実践事例を教育委員会等に積極的に提供する。 P284P36

多様な外国語の学びの支援

各校の開設状況の公表と共有、教師の指導力向上・学習者同士の交流・オンライン講座の開設などの可能性の検討、大学が公表している教材などの資料の収集・公表を行う。 P282

外国語を使う機会の充実

英語キャンプ、英語での探究、海外校との交流、海外留学、ALT等の配置拡充など、先行事例の成果を共有し各地方の取組を推進する。 P285資料編(3)P15(外⑮)

デジタル学習指導要領

資料編のイメージでは、デジタル学習指導要領で解説や評価規準例、他教科や小学校を含む前後の学習内容を確認できる。 資料編(3)P12(外⑫)

生成AI・ICTとの付き合い方13項目

AI活用を学習指導要領に明記

オンラインでの人との交流などを含むデジタル学習基盤の活用を外国語の学習指導要領等に明記し、その一つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も書く。指導の参考となる考え方や実践事例も具体的に示す。 P278P282P88

原則:目標は人間同士のコミュニケーション

最終目標は外国語による人間同士のコミュニケーションを図る資質・能力で、AIを使った会話練習などはそのための手段。児童生徒の学びを深め、人間同士のコミュニケーションの充実につなげるという原則をはっきりさせる。 P282

AIの出力を鵜呑みにさせない

自分の興味・関心に応じた例文をAIで作るなどは有効と考えられる。ただし、児童生徒がAIの生成物を鵜呑みにせず、出力を吟味しながら自分の学習に生かせるよう教師が支援することが重要。 P282

家庭学習の出し方に注意

単純な英作文など、単にAI翻訳を提出すれば済むような家庭学習の課題を出さないなどの注意が必要とされた。 P282

国が留意点・動画・資料を示し更新する

諸外国の例も参考に、授業内外でのAIの効果的な使い方について、適切でない使い方を含む留意点や動画・資料を国が具体的に示し、技術の発展に合わせて更新する。 P282

話す量を増やす道具として

AIの活用で、恥ずかしがらずに話すことなどの練習量を大幅に増やす。家庭学習と連携して発話時間を確保する。 資料編(3)P15(外⑮)

言いたいことを英語にする活動

AIで自分が言いたいこと(母語)を英語にする活動を強化することが、英語で伝えたい内容を整理・発信する活動の充実策の一つとして挙げられている。 資料編(3)P15(外⑮)

交流の機会をつくる

児童生徒が英語で伝えたいことのイメージを持てるよう、AIや学校内外での交流機会を使いながら、自分が伝えたいことを伝える活動を強める。 P281

母語使用の考え方にAIも含めて示す

教師の補助的な日本語使用や、発達の段階に応じたAIの活用も含めた児童生徒の母語使用について、参考となる考え方を解説で示す。 P284

発信科目のフィードバックにAI

英コミュ(発信)(仮称)では、個別のフィードバックが物理的に難しいという課題に対し、AIを含むデジタル学習基盤の活用も含めたフィードバックの工夫を解説等で示す。 資料編(3)P23(外㉓)

AIを使ったパフォーマンステストの検討

AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を検討すべきとされた。 P285

AI時代でも相応の英語力は必要

AIで手軽に翻訳・通訳できる中でも、出力の正確さ・適切さを批判的に検討したり、ツールも使いながらリアルなコミュニケーションをしたりするには相応の英語力が必要という視点、AIを効果的に使う力が必要という視点が示されている。 資料編(3)P14(外⑭)

AI時代の教師の役割

授業デザイン、児童生徒の学ぶ意欲の向上、自律的な学習者を育てる学び方の指導などがより重要になる。人間同士のリアルなコミュニケーションが大切になることも踏まえる。 P285

今からできる準備チェックリスト20項目

  • 今すぐ自分の単元を、「コミュニケーション活動」(目的・場面・状況に応じて理解・表現・伝え合う)と「それを支える活動」(語彙や文法を理解し使う)に分けて見直し、両者を行き来する流れになっているか確かめる。 P284資料編(3)P31(外㉛)資料編(3)P34(外㉞)
  • 今すぐ単元の初めに「コミュニケーションを行う目的・場面・状況」を具体的に設定して生徒と共有する(例:日本に来たことがない海外の生徒に、住んでいる町の食べ物を紹介する)。 資料編(3)P12(外⑫)資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P31(外㉛)
  • 今すぐ同じ表現でも場面によって意図が変わることを意識させる(例:Can you ~? が質問にも依頼にも誘いにもなる)。似た意味の既習表現を整理して使えるようにする。 資料編(3)P37(外㊲)
  • 今すぐ導入したばかりの語彙や文法をすぐ話せる・書けることを求めず、聞く・読むで理解する段階から話す・書く段階へ進める計画にする。 資料編(3)P34(外㉞)資料編(3)P35(外㉟)資料編(3)P36(外㊱)
  • 今すぐ自分のこと・地域のこと・日本のこと・自分の意見を伝える活動を単元に入れる(例:地域のおすすめの場所を留学生に紹介、校則について意見を発表)。 P281資料編(3)P25(外㉕)
  • 今すぐ家庭学習の課題を見直し、単純な英作文などAI翻訳を出せば済むような課題になっていないか確かめる。 P282
  • 今すぐ授業でAIを使う場合は、例文の生成などに使っても出力を鵜呑みにさせず吟味させ、最後は人間同士のやり取りにつなげる設計にする。使う前に、学校・教育委員会が認めた環境かどうか、利用規約・年齢制限・必要な保護者の同意を確かめ、氏名や写真などの個人情報は入力させない。 P282
  • 今すぐ英語の学び方(学習方略)を授業で指導し、生徒が家庭学習でも自分で学習を調整できるようにする。高3の6割が学習方法が分からないという調査結果がある。 P281資料編(3)P15(外⑮)
  • 今すぐ授業は生徒の理解に応じた英語で行うことを続ける。補助的な日本語使用や母語使用の考え方は今後の解説で示されるので、それを確認する。 P284
  • 今すぐ入学初期に生徒の学習状況を把握し、中学校の既習事項を繰り返し使いながら思考・判断・表現を発揮する活動を組む。 P281
  • 今すぐ論理・表現の授業が文法解説と問題演習中心になっていないか見直し、スピーチ・ディベート等で英語を使う機会を増やす。 P277資料編(3)P23(外㉓)
  • 今すぐ英コミュで読んだ・聞いた話題や言語材料を、論理・表現でも使うよう、担当者同士で年間計画をすり合わせる(科目間のカリキュラム・マネジメント)。 資料編(3)P22(外㉒)
  • 今すぐ英コミュで、読んだり聞いたりしたことを基に話す・書く領域統合の活動を増やす。 資料編(3)P23(外㉓)
  • 全面実施まで英コミュ(発信)(仮称)に向けて、日常的な会話を続ける・発展させる指導、書くことのプロセス重視の指導、論理の構成・展開の指導を準備する。 資料編(3)P23(外㉓)資料編(3)P46(外㊻)
  • 解説等の公表後履修免除(B2レベル相当以上などの要件)の対象外部試験や必要な級、振替科目は解説等で定まるので、公表されたら確認してから校内で実施できるか検討する。実施は学校の判断による選択肢。 P48P49P284
  • 全面実施まで評価は5つの領域を「内容のまとまり」とし、単元の目標をそのまま評価規準にする形に移る方向なので、国の評価規準例が出たら単元計画の作り方を合わせる。 P285資料編(3)P38(外㊳)資料編(3)P39(外㊴)
  • 今すぐパフォーマンステストで知・技と思・判・表を同じ課題で見取る形を試す(引き続き可能とされている)。 資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P40(外㊵)
  • 今すぐALTやオンラインでの海外校との交流など、人間同士のリアルなコミュニケーションの機会を単元に組み込む。 P285資料編(3)P13(外⑬)資料編(3)P15(外⑮)
  • 今すぐ帰国生徒や外国につながる児童生徒の外国語の力を、授業で生かせるよう配慮する。 P282
  • 全面実施まで国が行う大規模オンライン研修や、動画・資料、表現集が出たら活用する。 P284P285

次期を先取りする授業アイデア13本

高1(4〜5月)英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)1単位時間(50分)

中学の英語で十分伝わる!自己紹介アップデート

高1の4月、中学校の既習事項を使い倒して自分を語り直し、学習状況もつかみます。

手順・ワークシート

ねらい

中学校で学んだ表現を組み合わせて、相手に興味をもってもらえるように自分のことを話したり書いたりすることができる。

流れ

  1. 5分先生が、中学校の文法を意図的に入れた自己紹介をします。生徒は聞いて、知っている文法をいくつ見つけられるかを数えます。
  2. 5分見つけた文法(現在完了、関係代名詞の省略、過去形、比較など)を全体で確かめ、すべて中学校の英語でできていることを伝えます。
  3. 12分材料リストを見て、自己紹介に使う文を4〜5文準備します。少なくとも3種類の文法を使うことを目標にします。
  4. 15分相手を替えて3回、自己紹介と質問のやり取りを行います(各3分)。聞き手は質問カードを参考に、少なくとも2つ追加の質問をします。先生は巡回しながら、教師用メモに学習状況を記録します。
  5. 10分やり取りで受けた質問への答えも加え、自己紹介を80語程度で書きます。
  6. 3分「中学校の英語で言えたこと」「言えなかったこと」を振り返り、高校での英語学習の目標を一文で書きます。

評価

【知識・技能】中学校の既習の文法を正しく使っているかを、書いた自己紹介で見取ります。この時期は評定よりも、つまずきの把握と指導の調整に重点を置きます。【思考・判断・表現】相手の質問を受けて内容を付け足しているかを、やり取りの観察で見取ります。

高1 英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)2単位時間(50分×2)

読んで終わりにしない!読む→話す→書く

読んだ内容を基に、話して考えを深め、書いてまとめる。領域統合の基本の型です。

手順・ワークシート

ねらい

身近なものを含む社会的な話題の文章から要点を捉え、それを基に自分の考えを形成して、友達と伝え合い、まとまりのある文章で書くことができる。

流れ

  1. 10分【1時間目】話題に関する写真を見せ、生徒の経験を聞きます。
  2. 20分本文を読み、概要から要点へと順に捉えます。要点整理シートに「問題」「原因」「取り組み」を英語の語句でまとめ、ペアで確認します。
  3. 20分要点整理シートのキーワードだけを見ながら、本文の内容を自分の言葉で相手に説明します(リテリング)。聞き手は内容が正しいかを確かめ、足りない点を補います。
  4. 20分【2時間目】4人班で「自分たちの家庭や学校でできることは何か」を話し合います。役割カードを使い、全員が意見と理由を言うようにします。
  5. 20分話し合いを踏まえ、本文の要点と自分の考えを含む文章(100語程度)を書きます。本文の表現を引用したり言い換えたりして使ってよいことにします。
  6. 10分ペアで読み合い、「本文の要点が正しく入っているか」「自分の考えと理由がはっきりしているか」をチェックし、振り返ります。

評価

【思考・判断・表現】本文の要点を捉え、それを基に自分の考えを形成して、理由とともに書いているかを、最後の文章で見取ります。【知識・技能】本文の語句や表現を、自分の考えを伝えるために適切に使っているかを、同じ文章やリテリングで見取ります。

高1・2 英語コミュニケーション(発信)Ⅰ(仮称)20分(帯活動)

会話が止まらない!聞き返し・つなぎ方トレーニング

聞き返す・確かめる・広げる。会話を続ける方略を、毎時間の帯活動で身に付けます。

手順・ワークシート

ねらい

日常的な話題について、聞き返す・確かめる・話を広げるなどの方略を使い、相手とのやり取りを続けたり発展させたりすることができる。

流れ

  1. 3分先生とALT(または生徒)で、会話が途中で止まる例と、方略を使って続く例を見せ、違いを考えさせます。
  2. 3分今日使う方略を2つ(例:確かめる、広げる)に絞り、全体で言い方と言うタイミングを確かめます。
  3. 6分ペアで話題カードを引き、2分間の会話を2回行います。その日の方略を少なくとも2回使うことを目標にし、端末で録音します。
  4. 5分録音を聞き返し、方略を使えた場面と、沈黙してしまった場面を見つけます。「その場面でどの方略が使えたか」をペアで考えます。
  5. 3分相手を替えて同じ話題でもう一度会話し、改善を試します。最後に振り返りシートに記録します。

評価

【思考・判断・表現】方略を使って相手の発話を確かめたり話を広げたりしながら、やり取りを続けているかを、録音や観察で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】録音を聞いて自分の課題を見つけ、次の会話で改善しようとしている姿を、振り返りシートで学期を通して見取ります。

高2 英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)2単位時間(50分×2)

わたしたちの町、どうする?地域課題ミニディベート

地域の課題を論題に、根拠を集めて主張し、相手の主張に応じます。

手順・ワークシート

ねらい

地域の課題について、読んだり聞いたりして得た情報を根拠に主張を述べ、相手の主張を受け止めて反論したり応じたりすることができる。

流れ

  1. 10分【1時間目】論題を示し、自分たちの生活とどう関わるかを話し合います。
  2. 25分肯定側・否定側の班に分かれ、資料カードを読んで根拠を集めます。主張→理由→根拠→まとめの構成で、立論メモを作ります。
  3. 15分予想される反論とその答えを準備し、班の中で立論を声に出して試します。聞き手を見ること、主張のあとに間をとること、強調したい語の言い方も確かめます。
  4. 30分【2時間目】ミニディベートを行います(立論各2分→作戦タイム1分→反論各2分→まとめ各1分)。聞き手はフローシートに双方の要点を記録します。
  5. 15分聞き手が、どちらの主張に説得力があったかを、理由とともに英語で発表します。
  6. 5分「相手の主張を受け止めて応じられた場面」と「次に工夫したいこと」を振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】資料から得た情報を根拠に、構成を工夫して主張を述べ、相手の主張に応じて反論しているかを、ディベートとフローシートで見取ります。【知識・技能】主張や反論、論理の展開を示す表現を適切に使っているかを、同じ活動の中で見取ります。

高2 英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)2単位時間(50分×2)

AIの添削、採用する?しない?意見文の書き直し

まず自分で書き、AIの提案を理由付きで取捨選択し、最後は仲間に読んでもらいます。

手順・ワークシート

ねらい

自分で書いた意見文に対するAIの提案を吟味し、理由をもって取捨選択しながら、構成や表現を工夫して書き直すことができる。

流れ

  1. 30分【1時間目】構成メモ(主張・理由2つ・例・結論)を作り、AIを使わずに自分で初稿(120語程度)を書きます。初稿は必ず保存し、提出します。
  2. 20分先生がAIへの依頼文の例を示します(例:「この英文の文法の誤りを指摘して、理由を説明してください。書き直した全文は出さないでください」)。生徒は初稿を入力して提案を受け取ります。入力に個人情報を入れないことを確認します。
  3. 25分【2時間目】記録表に、AIの提案を一つずつ書き出し、「採用する/しない」とその理由を書きます(例:意味が変わってしまう、自分の言いたいことと違う、習った文法で正しく書けている)。判断に迷う提案は、辞書や文法書で確かめます。
  4. 15分書き直した第2稿をペアで読み合い、「主張がはっきりしているか」「理由と例が合っているか」など、内容面を中心に人の目でコメントし合います。
  5. 10分コメントを踏まえて最終稿を仕上げ、初稿と最終稿を比べて「自分で直せるようになりたい誤り」を一つ書きます。

評価

【思考・判断・表現】主張・理由・例を整理し、構成や表現を工夫して意見を書いているかを、最終稿で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】AIの提案を理由をもって取捨選択し、自分の課題を見つけて次に生かそうとする姿を、記録表と振り返りで見取ります。AIが整えた部分を生徒の力と取り違えないよう、初稿から最終稿までの過程を合わせて見ます。

高1・23単位時間(準備2時間+交流1時間)

画面の向こうの高校生と、地域の「ふつう」を比べよう

オンライン交流で地域の暮らしを紹介し合い、共通点と違いから話を広げます。

手順・ワークシート

ねらい

地域の暮らしの特徴を相手に分かりやすく紹介し、相手の話との共通点や違いに着目して質問したり感想を伝えたりすることができる。

流れ

  1. 30分【1時間目】「自分たちの地域では当たり前のこと」を出し合い、海外の高校生に紹介したいものを班で選びます(例:通学方法、祭り、地元の食べ物、天気)。
  2. 20分写真を中心にしたスライドを作り、1班2分の紹介を準備します。原稿を読むのではなく、キーワードだけを見て話せるようにします。
  3. 30分【2時間目】リハーサルをし、聞き手の班が「声の大きさ」「カメラへの視線」「間の取り方」「表情」についてフィードバックします。相手の地域について事前に調べ、質問を3つ準備します。
  4. 20分聞き取れなかったときの聞き返し方(Could you say that again? / Do you mean 〜?)や、共通点・違いを伝える表現(We have something similar. / We don't have that in our town. / Things are different in our town.)を確かめます。
  5. 40分【3時間目】交流本番です。紹介し合ったあと、準備した質問やその場で思いついた質問で、やり取りを広げます。
  6. 10分交流後、「伝わったこと」「伝わらなかったこと」「次に伝えたいこと」を振り返り、相手校へのお礼のメッセージを英語で書きます。

評価

【思考・判断・表現】相手の紹介との共通点や違いに着目して質問や感想を伝え、やり取りを広げているかを、交流の様子(録画する場合は相手校の同意を得たうえで)や振り返りで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】伝わらなかった場面で言い換えたり身振りを交えたりして、粘り強く伝えようとする姿を見取ります。

高2・31単位時間(50分)

AI翻訳で消える「気持ち」を探せ

日本語のあいまいさや気配りがAI翻訳でどう変わるかを比べ、自分で英文を書き直します。

手順・ワークシート

ねらい

日本語のメッセージとAI翻訳の英文を比べ、相手との関係や場面に合っているかを判断し、意図が伝わるよう自分で英文を書き直すことができる。

流れ

  1. 5分「その日はちょっと…」という日本語を見せ、本当は何を言いたいのかを全員で確かめます。言葉にしていない部分(断り、相手への気配り、次への期待)に気付かせます。
  2. 12分翻訳ツールの英文を読み、ペアで「伝わっていること」「伝わっていないこと・誤解されそうなこと」を比較シートに書きます。英語の話者がこの英文を受け取ったらどう感じるかを考えます。
  3. 8分ALTがいる場合は、AI翻訳の英文を読んだ印象を聞きます(いない場合は、先生が英語の受け手の立場から説明します)。
  4. 15分相手との関係や場面に合わせて、意図が伝わる英文を自分たちで書き直します(例:断ることははっきり伝えつつ、感謝と次への期待を添える)。班で書いた案を比べ、どれが相手にとって分かりやすく失礼でないかを話し合います。
  5. 10分「日本語で当たり前にしていること」と「英語で伝えるときに必要な工夫」を全体でまとめ、振り返りを書きます。

評価

【思考・判断・表現】場面や相手との関係を踏まえてAI翻訳の適切さを判断し、意図が伝わるように英文を書き直しているかを、比較シートと書き直した英文で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】日本語と英語の伝え方の違いに気付き、自分の表現を見直そうとする姿を振り返りで見取ります。

高1〜31単位時間(50分)+学期ごとの振り返り

卒業後も伸び続ける!わたしの英語学習デザイン

「英語を使う自分」を思い描き、目標・方法・振り返りを自分で設計します。

手順・ワークシート

ねらい

英語を使う将来の自分を思い描いて目標を立て、目標に合った学習方法を選んで計画し、定期的に振り返って調整することができる。

流れ

  1. 8分先生が「英語を使っている自分」の具体的な場面を語ります。続いて、生徒も5年後に英語を使っていそうな場面を思い描き、ペアで話します。
  2. 7分その場面に必要な力(聞く・読む・話す・書くのどれか)を考え、今学期の目標を一つ、具体的な行動の形で書きます(例:英語のニュースを毎日1本聞き、要点を1文でメモする)。
  3. 12分学習方法カードを班で読み、自分の目標に合う方法を2つ選びます。選んだ理由をペアに英語で説明します。
  4. 10分学習デザインシートに、いつ・どこで・どのくらい行うか、つまずいたときにどうするか(例:疲れた日は5分だけ音読する)を書きます。
  5. 8分班で計画を見せ合い、「続けられそうか」「目標に合っているか」をアドバイスし合います。
  6. 5分2週間後と学期末の振り返りの日を決め、記録の付け方を確かめます。振り返りの日には、うまくいったこと・変えることを書き、計画を修正します。

評価

【主体的に学習に取り組む態度】自己イメージに基づいて目標を立て、学習方法を選び、振り返りを基に計画を修正しようとしている姿を、学習デザインシートの記述で学期・学年を通して見取ります。学習時間の長さそのものは評価しません。

高1 英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)1単位時間(50分)生成AIの使い方つき

考えは日本語で深く、伝えるのは自分の英語で

まず日本語で意見をしっかり言語化し、英語にしにくい1〜2文だけAIに候補を出させ、自分の言葉にしてディスカッションします。

手順・ワークシート

ねらい

身近な話題について自分の意見と理由を整理し、既習の表現に言い換えながら、ディスカッションで意見を伝えたり、相手の意見に応じたりすることができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】論題を示し、紙の本派・電子書籍派で手を挙げさせます。先生が自分の読書習慣を英語で短く話します。
  2. 10分【AIを使わない】日本語で意見マップをじっくり書きます。「なぜそう思うのか」「自分の経験では」「反対の人は何と言いそうか」まで掘り下げます。ここでは英語を気にせず、考えを深めることに集中させます。
  3. 10分【AIを使う】マップの中から「英語で言いにくい1〜2文」だけを選び、AIに頼み方の例のとおり入力します。出てきた3通りの中から自分が言えるものを選び、さらに知っている語に直します。マップ全体の翻訳はしません。入力に個人情報を入れないことを確認します。
  4. 5分全体で、AIの候補をどう直したかを何人かに紹介してもらいます(例:「目が疲れにくい」→ AI案 It causes less eye strain. → 自分の英語 My eyes don't get tired.)。「長い一文を二つに分ける」「知っている動詞で言う」などのコツを共有します。
  5. 15分【AIを使わない】4人グループでディスカッションします。手元に置くのは英語のキーワードだけにし、表現カードを使って質問したり、相手の意見を確かめたりします。司会役は全員が話せるように声をかけます。
  6. 5分日本語で考えたことのうち、英語で伝えられたこと・伝えられなかったことを振り返り、伝えられなかったことをどう言えばよかったかを書きます。

評価

【思考・判断・表現】自分の意見と理由を整理し、相手の意見に応じながら伝えているかを、ディスカッションの観察で見取ります。【知識・技能】言い換えた英文で、語彙や文構造を正しく使っているかをワークシートで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】AIの候補を自分が言える英語に調整しようとしている姿を見取ります。

高2 英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)1単位時間(50分)生成AIの使い方つき

AIを反論役に!ディベート前の想定問答づくり

AIに反対側の主張を出させて強さを吟味し、応答は自分たちの言葉で作り、最後は人どうしでミニディベートします。

手順・ワークシート

ねらい

相手側の主張の強さを根拠に基づいて判断し、それに対する応答を論理的に構成して、ディベートで伝えることができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】肯定側・否定側の班を確認し、家庭学習で書いてきた主張を班で共有します。
  2. 12分【AIを使う】AIに、自分たちと反対の立場の主張を3つ出させます。チェック表で一つずつ★を付け、最も強い反論と、最も弱い反論を選びます。弱い理由(論題とずれている、根拠がない、決めつけている など)も書きます。
  3. 10分【AIを使わない】最も強い反論への応答を、自分たちの言葉で作ります。応答の型(That may be true, but 〜. / Actually, 〜. / Even if 〜, 〜.)を使い、根拠を一つ入れます。AIに応答を作らせないことを確認します。
  4. 5分全体で、AIの反論の中で「強かったもの」「弱かったもの」を何班かに紹介してもらい、AIの主張にも根拠のないものや一般化しすぎたものがあることを確かめます。
  5. 15分【AIを使わない】肯定側と否定側の班でミニディベートをします(立論2分→質疑1分→反論2分×両チーム)。準備した応答を使いつつ、相手の実際の発言を聞いて応じます。
  6. 3分AIの予想した反論と、人が実際に言った反論の違いを振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】相手の主張の強さを根拠に基づいて判断し、それに対する応答を論理的に構成して伝えているかを、チェック表とミニディベートの観察で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】予想していなかった相手の発言にも応じようとしている姿を見取ります。

高2 英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)1単位時間(50分)生成AIの使い方つき

相手が変われば言い方も変わる!AIで比べる、ていねいさの調整

同じお願いを相手に合わせて書き分けたAIの例を比べて特徴を見つけ、自分の本当のお願いを書いて、対面でも頼んでみます。

手順・ワークシート

ねらい

相手や場面に応じて、依頼の表し方やていねいさを工夫しながら、メッセージを書いたり、対面で頼んだりすることができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】先生が Check my essay. と Could you check my essay when you have time? の2つを言って聞かせ、受け取る側としてどう感じるかを話し合います。
  2. 10分【AIで作った教材を読む】先生が「同じお願いを、相手に合わせて書き分けるよう生成AIに頼み、先生が確かめたもの」と伝え、3つの版を読み比べます。違いに線を引き、観点表に書き込みます。
  3. 8分全体で違いを整理します(Can you 〜? → Could you 〜? → I was wondering if 〜、理由や所要時間を添える、あいさつと結び)。あわせて、AIが最初に出した「ていねいすぎて友達には不自然な版」を先生が見せ、「ていねいなほどよい」わけではないことを確かめます。
  4. 12分【AIを使わない】自分の本当のお願い(ALTにスピーチ原稿を見てもらう、部活動の練習試合の相手校に連絡する場面を想定する など)を一つ選び、相手に合わせてメッセージを書きます。実在の人の名前や連絡先は書かず、名前は Ms. ___ などの空欄にします。
  5. 10分【AIを使わない】ペアで対面のお願いのロールプレイをします。目線、間の取り方、表情なども意識します。ALTには、生徒が選んだ場面の相手役としてロールプレイしてもらい、何組かはALTに「頼まれてどう感じたか」を聞きます。
  6. 5分書くときと対面で頼むときで、工夫したことの違いを振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】相手や場面に応じて、依頼の表し方やていねいさを工夫してメッセージを書いているかをワークシートで見取ります。また、対面のお願いで、言葉に加えて目線や間などを工夫しているかを観察で見取ります。【知識・技能】依頼の表現を場面に応じて正しく使っているかを見取ります。

高1 英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)1単位時間(50分)生成AIの使い方つき

AIの要約は何を落とした?読んで、比べて、自分の言葉で伝える

まず自分で要約し、先生が用意したAIの要約と比べて落ちた情報や言い過ぎを見つけ、最後は口頭で要約と意見を伝えます。

手順・ワークシート

ねらい

英文の概要や要点を捉えて要約し、要約の正確さを本文と照らして判断したうえで、要約と自分の意見を相手に伝えることができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】廃校になった学校の写真を見せ、その建物がどう使われているかを予想させます。
  2. 12分【AIを使わない】本文を読み、内容理解の質問(Why did the school close? / How is the building used now? / What has the hotel brought back to the town?)に答えます。
  3. 8分【AIを使わない】自分で3文の要約を書きます。「筆者がいちばん伝えたいこと」を必ず入れるように指示します。
  4. 10分【AIの出力を吟味する】先生が「同じ本文を生成AIに要約させた例」として要約A・Bを示し、ペアで本文と照らして観点表に書き込みます。Aは本文と逆のこと(makes a lot of money)を言っていること、Bは町に人が集まるようになったという要点が落ちていることに気付かせ、自分の要約とも比べます。
  5. 12分【AIを使わない】ペアで、要約と自分の意見(このホテルに泊まってみたいか、自分の町の空き家や空き校舎をどう使いたいか)を、メモを見ずに口頭で伝えます。聞き手は質問を一つします。相手を替えて2回行います。
  6. 3分AIの要約を読むときに気を付けたいことを、一文で振り返りに書きます。

評価

【思考・判断・表現】本文の概要や要点を捉えて要約しているかをワークシートで見取ります。また、要約と自分の意見を相手に伝えているかを観察で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】AIの要約の正確さを本文に照らして確かめようとしている姿を、観点表と振り返りで見取ります。

高1 英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)1単位時間(50分)生成AIの使い方つき

AIとどう付き合う?英語で話し合って、クラスのAIルールをつくる

英語学習でのAIの使い方の場面カードを、OK・NG・場合による、に分けて英語で話し合い、自分たちのルールをつくります。

手順・ワークシート

ねらい

英語学習でのAIの使い方について、自分の考えを理由とともに伝え、班の意見をまとめてルールとして提案することができる。

流れ

  1. 5分【AIを使わない】先生が「英語の学習にAIを使ったことがある人」と尋ね、どんな使い方をしたかを何人かに聞きます。
  2. 10分【AIを使わない】班で場面カードを OK / Not OK / It depends に分け、理由を英語で伝え合います。It depends に分けた場合は、どんな条件ならOKかも話します。
  3. 12分【AIを使わない】班で、英語の学習のためのAIルールを3つ、英語で書きます(We should 〜 because 〜. / We should not 〜 because 〜.)。「英語の力が伸びるか」「人に迷惑をかけないか」の2つの観点で考えます。
  4. 8分【AIの出力を比べる】先生が事前に生成AIで作ったルール案を示し、自分たちのルールと比べます。「AIの案にあって自分たちにないもの」「自分たちの案のほうがよいところ」を話し合います。学校・自治体のガイドラインとも照らし合わせます。
  5. 12分【AIを使わない】班ごとにルールを英語で発表し、ほかの班から質問を受けます(例:What if a student doesn't understand the AI's English?)。全体で投票し、クラスのルールのトップ5を決めます。
  6. 3分自分が明日から守りたいルールを一つ選び、理由とともに書きます。

評価

【思考・判断・表現】AIの使い方について、自分の考えを理由とともに伝え、相手の質問に答えているかを、班の話し合いと発表で見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】自分の学習の仕方を見つめ、よりよいAIの使い方を考えようとしている姿を、振り返りで見取ります。

指導案(試案)2本

高等学校第1学年英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)全7時間(本時は第2時)

Tips for a Great Start ~先輩のアドバイスを読み、自分の高校生活を語ろう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で示された、必履修科目「英語コミュニケーション(総合)Ⅰ(仮称)」の趣旨(5つの領域を総合的に扱い、領域統合を一層重視する)と、高校の入学初期に生徒の学習状況を把握しつつ中学校の既習事項を繰り返し活用する方向性を先取りした試案である。科目名を含め次期学習指導…

指導案の全文

本時のねらい

高校生活を始めるための先輩のアドバイスを読んで概要や要点を捉え、自分にとって役立つと考えるアドバイスを、理由や体験を添えて伝え合うことができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 挨拶をする。教師の体験談(高校1年生の最初の1か月)を聞き、'How did I feel?' 'What happened?' などの質問に答える。
  2. 3分導入 本時のめあてを確かめる。単元のゴール(来年度の新入生へのメッセージ)と、本時がその材料集めであることを確認する。
  3. 12分展開 【読むこと】先輩3人(Riko・Daiki・Mei)のアドバイス(各70語程度の自作の文章)を読む。①3つをざっと読み、それぞれに合う見出しを選ぶ(概要)。②一つを選んで詳しく読み、「アドバイス」「その理由・体験」を表に書く(要点)。③同じ文章を選んだ人同士で確かめ合う。
  4. 8分展開 【支える活動】文章から、アドバイスを伝える表現(My advice is ~. / If you ~, it will ~. / It's OK to ~. / Don't ~.)を探して下線を引き、中学校で学んだ文法と結び付けて整理する。意味のまとまりで区切って音読し、最後は顔を上げて言う(Read and Look up)。
  5. 12分展開 【話すこと[やり取り]】3人組で「どのアドバイスが自分に一番役立つか」を、理由や自分の体験を添えて伝え合う。聞き手は質問を一つする。相手を替えて2回行い、2回目は1回目でうまく言えなかったことを言い直す。
  6. 6分展開 【書くこと】伝え合ったことを基に、「自分に一番役立つアドバイスとその理由」を4〜5文で書く(Quick Write)。
  7. 4分まとめ 振り返りシートに、中学校で学んだ表現で使えたもの、うまく言えなかったことを書く。次時の予告を聞く。

PDF版:shidoan-ko1-sogo1-great-start.pdf(ダウンロードコーナー)

高等学校第2学年英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)全8時間(本時は第6時)

Our Town, Our Visitors ~町の観光についてディスカッションし、提案をまとめよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で、現行の「論理・表現」を、Production(表現)とInteraction(やり取り)による発信力を一層強化する「英語コミュニケーション(発信)(仮称)」に見直す方向が示されたことをふまえた試案である。科目名を含め次期学習指導要領はまだ告示前であり、本…

指導案の全文

本時のねらい

町の観光についてのディスカッションで、相手の意見を受け止めながら、資料を根拠にして自分の意見を伝え合い、グループとしての提案を一つにまとめることができる。

本時の流れ

  1. 5分導入 挨拶をする。ペアで日常的な話題の即興チャット(2分)をする。話題は 'What did you do last weekend?'。会話を続けるために、質問を付け加えたり、自分のことを付け加えたりする。
  2. 3分導入 本時の課題を確かめる。'What should our town do about the increase in tourists?' についてディスカッションし、グループの提案を一つにまとめること、各グループが「高校生まちづくり会議」の1班であることを確認する。
  3. 7分展開 【支える活動】ディスカッションの方策カード(聞き返す・付け加える・丁寧に反対する・まとめる)の表現を確かめる。教師とALTの1分間のモデル・ディスカッションを見て、どの方策が使われたかを答える。
  4. 10分展開 【コミュニケーション活動】ラウンド1:4人グループで、一人ずつ1分間のステートメント(第3・4時に準備したもの)を述べた後、自由にディスカッションする。端末で録音する。
  5. 5分展開 【中間指導】ラウンド1で見られたよいやり取り(相手の意見を受け止めてから反対した例、資料の数値を根拠に示した例)を全体で共有する。「意見」と「事実(データ)」の区別を確かめる。
  6. 12分展開 【コミュニケーション活動】ラウンド2:グループの提案を一つにまとめる。複数の意見の共通点や組み合わせられる点を探し、'Our group proposes that ~.' の形で提案の骨子をホワイトボードに書く。
  7. 8分まとめ 各グループが30秒で提案を発表する('Our group proposes that our town should ~. This is because ~. For example, ~.')。他のグループの提案のよい点を一つメモする。振り返りシートに、使った方策、言いたかったのに言えなかったこと、次に改善したいことを書く。

PDF版:shidoan-ko2-hasshin2-tourism-discussion.pdf(ダウンロードコーナー)

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.11
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

専門教科(産業教育)次期学習指導要領で、どう変わる?

専門高校の学びを、AI・データと産業界との協働で強める

10秒でいうと

全専門教科でAI・データ活用と経営の学びを充実。課題研究は履修学年を示さない

やさしく言うと

農業・工業・商業など、専門高校で学ぶ専門教科の話です。学習指導要領の書き方を「何ができるようになるか」が分かる形に改める方向です。職業に関する全ての教科で、AIやデータサイエンスを使った学びと、経営やビジネスの学びを充実させる案です。産業界との連携は、出前授業などの単発で終わらせず、続く協働にすることが求められています。課題研究も、学校が柔軟に組めるよう見直す方向です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

サイトで見る

産業教育(専門教科)の3行要約(全校種)

  1. 「指導項目」を並べる今の書き方を抜本的に見直し、「何ができるようになるか」の資質・能力ベースに改めるべきとされた。
  2. 「課題研究」は履修学年を示さず、探究の配慮事項中心の内容とする方向。産業界との持続的な連携や、外部人材からの評価材料も取り入れることが示された。
  3. 職業に関する全ての教科でAI・データサイエンス等の学びと経営・ビジネスの学びを充実させ、「情報Ⅰ」の安易な代替が行われないよう解説の例示を見直す方向。

専門教科(産業教育)のポイント4つ

「何ができるようになるか」で書き直す

今の専門教科は「〔指導項目〕を指導する」という書き方です。これを、「何ができるようになるか」が分かる資質・能力ベースの書き方に、抜本的に改めるべきとされています。観点の「知識及び技術」も、ほかの教科と同じ「知識及び技能」にそろえる方向です。 P288

授業では、たとえばたとえば科目のシラバスを、扱う項目の一覧からではなく、「この科目を終えたら何ができるか」から書き直すことが考えられます。

全ての専門教科でAI・データの学びを

職業に関する全ての教科で、AIやデータサイエンスを使った学びを充実させる方向です。専門教科の情報に関する科目は、「情報Ⅰ」の学びを土台に、専門分野での活用を深めます。専門教科の「情報」には、「データサイエンス、AI」の分野を新しく設ける方向です。 P289P294P296

授業では、たとえばたとえば農業科で、センサーで集めた温度や水分のデータを整理し、栽培の工夫を考える実習が考えられます。

産業界との連携を「単発」から「続く協働」へ

産業界との連携は約90%の専門高校で行われています。一方で、数回の出前授業や講演にとどまるなど、深さに課題があるとされました。今後は目的を共有し、計画から評価まで一緒に進める続いた関係の中で、理論と実践を行き来することが大切とされています。 P287P298

授業では、たとえばたとえば地元企業と年度初めに目標を話し合い、課題研究の途中と最後に助言や評価をもらう形にすることが考えられます。

課題研究の見直しと、評価の工夫

「課題研究」は、解説で履修学年を示さず、学校が柔軟に組めるようにする方向です。導入の段階で、実社会の課題を探究する活動を入れるべきとされています。評価では、レポートや作品などのパフォーマンス課題を取り入れ、外部の人からの評価材料も生かす方向です。 P289P299

授業では、たとえばたとえば作品の評価で、完成品だけでなく途中の記録や口頭での説明も組み合わせます。生徒自身が考えたかを確かめる工夫です。

主な変更点10項目

高専門教科による「情報Ⅰ」の代替を見直し(安易な代替をしない)

今は多くの職業系の専門学科で、各教科の情報に関する科目を履修して「情報Ⅰ」の代わりにしています。代替のしくみそのものは妥当としつつ、情報活用能力を大きく伸ばす今回の改訂の中で安易な代替が行われないよう、解説の「代替することが考えられる」という例示を見直し、代替する場合の配慮事項をさらに示す方向です。教育課程全体と、情報科の先生の配置や時間割にも関わる変更です。 P289P100

高学習指導要領の書き方を「指導項目」ベースから資質・能力ベースへ

現行の「〔指導項目〕を指導する」という書き方を抜本的に見直し、「何ができるようになるか」が分かる資質・能力ベースの書き方に改めるべきとされました。これに合わせて、専門教科で使ってきた観点「知識及び技術」を、ほかの教科と同じ「知識及び技能」にそろえる方向です。内容は「知識・技能」と「思考・判断・表現」を並べて示す表の形(並列パターン)で整理する案です。年間指導計画やシラバスの組み立て方に影響します。 P288P293

高「課題研究」の見直し:履修学年を示さず、導入段階で実社会の課題を探究

原則履修科目の「課題研究」は、解説で履修学年を示さないことにし、学校が教育課程を柔軟に組めるようにする方向です。探究課題や指導内容は各学校の特色に任せ、内容は「指導事項」中心から、探究を通して身に付ける資質・能力や配慮事項中心に改める方向です。また導入段階で、実社会・実生活に関わる課題を探究する活動を取り入れるべきとされました。産業界との連携が確実に行われるよう、扱い方を明示する必要があるとしています。 P289P298

高科目の統廃合・内容の精選と、指導内容を選べる構造

各教科の領域・分野の学びのつながりを整理して解説などで示し、必要に応じて科目の統廃合と内容の精選を行うとしています。学校の実態に合わせて柔軟な教育課程が組めるよう、科目の特性に応じて指導内容を選べる構造にする方向です。原則履修科目(基礎的な科目)で基礎を学び、専門的な学習を経て「課題研究」等で深めるという今の考え方は続けることが必要とされました。 P288P294

高職業に関する全ての教科でAI・データサイエンス等を活用した学びを充実

職業に関する全ての教科で、AIやデータサイエンスなど情報技術を活用した学びの充実を図るとしています。各専門教科の情報に関する科目は、「情報Ⅰ」の学びを土台に、専門分野への応用や課題解決・価値創造の視点から内容を充実させる方向です。目標の案でも「科学的な根拠に基づいて探究」することを新たに示しています。一方で、AIが考えることを止めてしまう、著作権の課題があるなどのリスクにも十分配慮するよう求めています。 P289P291P294P298

高全教科共通で経営管理・ビジネスの学びを充実、共通内容は基礎的な科目で

農業経営の法人化や六次産業化、看護・介護分野のグローバル化などを背景に、職業に関する全ての教科で、関連の深い科目を中心に経営管理やビジネスに関する内容の充実を図るとしています。また、産業教育で育てるべき資質・能力をふまえて各教科で共通に指導すべき内容を整理し、各教科の原則履修科目(基礎的な科目)で扱うこととすべきとされました。 P289P294

高産業界との連携を「単発」から「持続的な協働」へ

産業界との連携は約90%の専門高校で行われていますが、数回の出前授業や講演にとどまるなど深さに課題があるとされました。今後は、目的やビジョンを共有し、計画から評価まで一貫した持続的な関係の中で理論と実践を行き来することが重要とされ、「課題研究」などで扱い方を明示する必要があるとしています。コミュニティ・スクールやコーディネーターの配置、オンラインで遠くの専門家の助言を受けることなども挙げられています。 P287P289P298

高評価の改善:パフォーマンス課題と外部人材からの評価材料

ペーパーテストだけでなく、レポート、発表、話し合い、作品の製作などのパフォーマンス課題を使った評価を取り入れることが重要とされます。AIを使った成果物でも生徒自身が考えたかを確かめるため、作成過程の評価や口頭試問・プレゼンテーションを組み合わせることが考えられています。産業界などの外部人材からの評価材料も積極的に加味しますが、最終的な責任は教科の担当教員が持ち、評価規準を事前に共有することが前提です。 P298P299

高ホームプロジェクトを授業時数に充てる規定を削除する方向(総則)

現行の総則では、ホームプロジェクトについて各教科・科目の授業時数の10分の2以内を充てることができるとしていますが、この規定を削除する方向が示されました。必要な場合は、関連する科目や学校外の学修の単位認定などで単位として認めるとしています。ホームプロジェクトを行う教科・科目の時数の組み方に関わります。 P100

高教科ごとの主な充実点(情報科に「データサイエンス、AI」分野を新設など)

農業はスマート農業やAI・データ活用、経営感覚、商業は企業のDXや財務管理・コンサルティング、水産はスマート水産業やマリンサイエンス、工業はロボットとの協働や脱炭素のものづくりなどの充実を図るとしています。家庭はホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動をより探究的な活動に位置付け直し、看護は科目の内容を看護の主要概念で組み直し、福祉は介護テクノロジーや権利擁護などを充実させる方向です。情報は「データサイエンス、AI」の分野を新たに設ける方向で科目構成を整理し直す方向です。 P294P295P296P297

現行と次期の比較(新旧対照)8項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
学習指導要領の内容の示し方各科目の内容が「〔指導項目〕を指導する」という指導項目ベースで示されている(例:建築構造「(1)建築構造の概要」)。「何ができるようになるか」の視点から資質・能力ベースの書き方に改めるべきとされた。「知識・技能」と「思考・判断・表現」を並べた表の形で示す案。 P288P293
資質・能力の観点の名前専門教科では「知識及び技術」という観点を使ってきた。「知識及び技能」とし、三つの柱を「知・技」「思・判・表」「学びに向かう力」の表現に整理するべきとされた。 P288
「課題研究」の位置づけ実践的・探究的な学びは主に卒業年次の「課題研究」で行われ、内容は「指導事項」ベースで示されている。解説で履修学年を示さず、探究課題・指導内容は各学校に委ねる方向。内容は身に付けるべき資質・能力や配慮事項中心とし、導入段階で実社会・実生活の課題を探究する活動を入れるべきとされた。 P288P289
専門教科による「情報Ⅰ」の代替「同様の成果が期待される場合」に代替が認められ、解説では各専門教科の情報に関する科目で「情報Ⅰ」と代替することが例示されている。多くの専門学科で代替が行われている。代替の規定自体は妥当としつつ、安易な代替が行われないよう解説の例示の記述を見直し、代替する場合の配慮事項をさらに示す方向。 P289P100
ホームプロジェクトの授業時数への充当総則で、ホームプロジェクトについて各教科・科目の授業時数の10分の2以内を充てることができるとされている。この規定を削除し、必要な場合は関連する科目や学校外の学修の単位認定などで単位として認める方向。 P100
産業界等との連携約90%の専門高校で取り組まれているが、数回の出前授業や講演にとどまるなど、単発的で学校全体として持続的になっていない例がある。共通の目的を共有し、計画から評価まで一貫した持続的な協働関係をめざす。「課題研究」などで取扱いを明示する必要があるとされ、外部人材からの評価材料も積極的に加味する方向。 P287P288P298P299
産業教育の目標(思考・判断・表現)これまで産業教育では「倫理観」や「合理的」という要素を重視してきた。「倫理観」「合理的」は引き続き示しつつ、データを集めて分析し考察することを前提に「科学的な根拠に基づいて探究」することを新たに明示し、「合理的かつ創造的に解決する力」を養うとする目標の案が示された。 P291
専門教科「情報」の科目構成「データサイエンス、AI」分野を新設する方向で科目構成を整理し直す。「情報システム・構築分野」「情報デザイン・社会表現分野」「データ・AI分野」それぞれに「基礎的な科目群」と「統合・発展科目」を新設して構造化する案。 P296

高校の科目と単位

原則履修科目(基礎的な科目)で基礎を学び、専門的な学習を経て「課題研究」等で深める現行の科目構成の考え方を継続することが必要とされた(P288)。そのうえで必要に応じて科目の統廃合と内容の精選を行い、科目の特性に応じて指導内容を選べる構造にする方向(P288、P294)。教科別には、専門教科「情報」で「データサイエンス、AI」分野の新設と、3分野ごとの「基礎的な科目群」「統合・発展科目」の新設(P296)、看護で科目の内容を看護の主要概念で再構成(P296)などが示されている。具体的な新科目名は本文に示されていない。

授業時数

産業教育の節に標準単位数の変更の記述はない。「課題研究」は解説で履修学年を示さないこととする方向(P289)。総則では、ホームプロジェクトに各教科・科目の授業時数の10分の2以内を充てられる規定を削除する方向(P100)。

生成AI・ICTとの付き合い方4項目

職業に関する全ての教科でAI・データサイエンスを

地元産業でもDXの余地が大きいことなどから、職業に関する全ての教科で、AIやデータサイエンスなど情報技術を活用した学びを充実させるとされています。AIやデータサイエンスを各教科の学びを深める手法として、配慮事項を示すことが重要とされています。 P288P294

専門教科「情報」に「データ・AI分野」

専門教科情報科では、新しい分野として「データサイエンス、AI」に関する分野を設ける方向で科目構成を整理します。 P296

AI活用のリスクへの配慮

AIなどは考えを広げたり深めたりできる一方、生徒の思考を止めてしまい、かえって深い学びの妨げになる可能性もあります。集めた情報の信頼性・妥当性を吟味すること、AIが作った文章や画像に著作権などの課題が生じる場合があることにも十分配慮が必要とされています。 P298

評価:作成過程や口頭試問も

論述やレポート、作品などでAIを使った場合でも、生徒自身が十分考えたかを確かめるため、作成過程の評価を加えたり、口頭試問やプレゼンテーションを組み合わせたりすることが考えられるとされています。 P298P299

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ担当科目のシラバスを、指導項目の並びから「この科目で何ができるようになるか」が分かる書き方に試しに書き直します。知識・技能と思考・判断・表現を並べて書くと整理しやすくなります。 P288P293
  • 今すぐ実験・実習や資格取得の指導が、知識・技術の習得や試験対策だけで終わっていないかを見直し、職業人として身に付けたい資質・能力と結び付けた展開にします。 P288P289
  • 告示まで課題研究の導入段階で、実社会・実生活に関わる課題を探究する活動を計画します。解説で履修学年を示さない方向をふまえ、課題研究より前の学年から探究を積み重ねられるかを学科で検討します。 P289
  • 告示まで産業界との連携を一覧にし、単発の出前授業・講演にとどまっているものと、目的を共有して計画から評価まで一緒に行っているものを分けます。持続的な関係に育てる連携先を1つ選びます。 P287P298
  • 告示まで「情報Ⅰ」を専門教科の科目で代替している学科は、安易な代替をしない方向をふまえ、代替の理由と内容を点検し、情報科の教員配置や時間割への影響を見通しておきます。 P100P289
  • 先行実施まで外部人材から評価材料をもらう場合の手順を決めます。評価規準を事前に共有し、最終的な評価の責任は教科の担当教員がもつことを確認します。 P299
  • 先行実施まで各科目で、AI・データサイエンスを使う場面(問いの設定、計画の立案、振り返り)と、思考の停止・情報の信頼性・著作権などのリスクを指導する場面を計画します。 P294P298
  • 全面実施までレポート・発表・作品製作などのパフォーマンス課題の評価に、作成過程の確認や口頭試問・プレゼンテーションを組み合わせる方法を学科でそろえます。 P298P299

次期を先取りする授業アイデア3本

高校1・2年(課題研究の導入段階)1単位時間(50分)

地域産業の課題をデータで見つける

課題研究の入口で、実社会の課題を科学的な根拠から見いだします

手順・ワークシート

ねらい

地域の産業に関するデータと現場の人の声をもとに、自分の専門分野と関わる課題の候補を見いだし、根拠とともに説明する。

流れ

  1. 5分「この地域の産業の今を一言で表すと?」と問い、生徒の予想を出し合います。
  2. 15分班でデータを読み、増えているもの・減っているもの・地域の特徴を見つけてグラフに書き込みます。
  3. 10分現場の困りごとのメモ(動画)を見て、データと結び付くところを探します。
  4. 12分課題の候補を2つ挙げ、それぞれ「どのデータが根拠か」「自分たちの専門の学びでどう関われるか」を書きます。
  5. 8分班ごとに1分で発表し、他の班から「その根拠で言えるか」を質問してもらいます。

評価

課題の候補がデータや現場の声という根拠と結び付いているか、専門分野の学びとの関わりを考えているかを見取り、この段階では助言を中心にします(形成的評価)。課題研究全体を通して、レポートや発表、作品などのパフォーマンス課題で評価します。

高校3年(課題研究)1単位時間(50分)

外部の専門家と評価規準を共有する発表会

評価規準を事前に共有し、専門家の意見を評価材料の一つとして生かします

手順・ワークシート

ねらい

課題研究の中間成果を外部の専門家に説明し、評価規準に沿った助言を受けて、今後の改善点を明確にする。

流れ

  1. 5分評価規準表を生徒と専門家の両方に示し、今日見てもらう点を確認します。
  2. 30分班ごとに発表5分・質疑5分を3班分行います。専門家は評価規準に沿ってコメント用紙に記入し、教員は質疑の様子を記録します。
  3. 10分班ごとに専門家のコメントを読み、改善点を3つにしぼって今後の計画に書き込みます。
  4. 5分専門家から全体への講評を受け、教員が今後の流れを確認します。

評価

専門家のコメントは評価材料の一つとして加味し、最終的な評価は担当教員が評価規準に照らして行います。質疑で生徒が自分の言葉で根拠を説明できたか、作成過程の記録が残っているかもあわせて見ます。

高校2年(商業科の例)1単位時間(50分)

AIで傾向をつかみ、要因は自分で考える

販売データの分析にAIを使いつつ、要因の考察と根拠の確認は自分で行います

手順・ワークシート

ねらい

架空の店舗の販売データから売上の傾向を読み取り、その要因と改善策を、データにもとづく根拠をもって考える。

流れ

  1. 5分データの内容を説明します。まずAIを使わずにデータを見て、売上の変化について自分の予想を書きます。
  2. 10分表計算ソフトでグラフを作り、予想が当たっているかを確かめます。
  3. 10分AIにデータの傾向を説明させ、自分の読み取りと比べます。AIが示した傾向が元データで本当に言えるかを1つずつ確かめます。
  4. 15分班で売上が変化した要因を考察します。要因はAIに聞かず、自分たちの知識(商品の特徴、季節、地域の行事など)とデータから考え、根拠を書きます。
  5. 10分改善策を1つ決めて発表し、最後に「AIが役に立ったこと・危なかったこと」を振り返ります。

評価

要因の考察と改善策が、データにもとづく根拠で説明できているか、AIの示した内容を元データで確かめているかを見取ります。成果物だけでなく、考察シートに残った作成過程や、発表後の質疑で自分の言葉で説明できるかを合わせて評価します。

現行の学習指導要領・解説(高校)

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次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.12
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

総合的な探究の時間次期学習指導要領で、どう変わる?

小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向

10秒でいうと

名称は現行どおり。自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を自分で進められる姿を目指す

やさしく言うと

高校の「総合的な探究の時間」は、名前は今のままです。標準単位数は、新しい単位の数え方で6〜12とする案です(今は3〜6単位)。高校段階では、自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を、自分で進められるようになることを目指すとされています。また、高校の道徳教育で在り方生き方を考える中心的な場面に、総合を加える方向です。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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総合的な学習の時間/総合的な探究の時間の3行要約(全校種)

  1. 小中学校の「総合的な学習の時間」も「総合的な探究の時間」に名前を変え、小学校から高校まで同じ名前・一貫した目標にすることが適当とされた。
  2. 小学校の総合は「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2つで構成し、情報の領域はミニ探究ユニットと情報ブロックで学ぶ方向が示された。
  3. クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を組み合わせ、学校行事との代替ルールや計画・評価の書き方もはっきり・シンプルにする方向。

総合的な探究の時間のポイント4つ

自分で進める「マイ探究」をめざす

高校段階で、自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を自律的に進められるようになることを目指すとされています。そのためには、小中から「テーマ探究」と「マイ探究」の両方を経験することが大切です。先生が任せきりにせず、見取りや形成的な評価で関わる役割も解説で示す方向です。 P323

授業では、たとえばたとえば1年でテーマ探究の進め方を学び、2・3年で一人一人が自分の問いを立てて探究するという3年間の流れが考えられます。

在り方生き方を考える「中核的な指導の場面」に

高校の道徳教育では、公民科(公共、倫理)と特別活動が、人間としての在り方生き方を考える中心的な場面とされています。ここに総合を新しく加える方向です。ただし、総合の中で道徳教育のための時間を別にとる必要はないとされています。 P305

授業では、たとえばたとえば探究の振り返りで、「この探究を通して自分は何を大切にしたいと思ったか」を書く時間を設けることが考えられます。

卒業前の「節目としての探究」

最終学年などで「節目としての探究」を位置付けることが望ましいとされています。学習の成果や自分の変化を実感するための探究です。卒業研究のようなものです。ただし、細かな条件を国が決めることはしない方向です。 P325

授業では、たとえばたとえば3年生で、それまでの探究を論文や発表にまとめ、後輩や地域の人に聞いてもらう場をつくることが考えられます。

総合は教育課程の「出島」

総合は学校の裁量が大きく、教科の壁や、学校と社会の壁をこえる「出島」のような役割が期待されています。地域の人や団体、企業などと連携し、質の高い探究を進める方向です。外部の人の関わり方や、つなぎ役の体制についての考え方も示すとされています。 P320P338

授業では、たとえばたとえば地域の企業や大学に協力を頼み、生徒の問いに合わせて専門家から助言をもらえる仕組みを作ることが考えられます。

主な変更点8項目

学校行事を総合で代わりに行えるかのルールを明確にする方向

総合の時間を学校行事に充てられるかは、総合と特別活動の両方の目標・内容に照らして、実際の学習の中身で判断するとされました。「儀式的行事」と、「文化的行事」「健康安全・体育的行事」の準備(学習発表会を除く)は、原則として総合で代替しないとされています。修学旅行などの「旅行(遠足)・集団宿泊的行事」や職場体験などの「勤労生産・奉仕的行事」は、探究として成り立つ部分だけ代替できるとされています。総合の本来の趣旨と離れた活動に時数が使われている例があるため、とくに中学校向けに、修学旅行や職場体験を質の高い探究として行う事例を示すとされました。 P336

クラス共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」を組み合わせる

先生が学年・学級で共通のテーマを決める「テーマ探究」と、子供一人一人の「好き」や「得意」を起点にする「マイ探究」をバランスよく組み合わせる方向です。目指すのは、高校段階で自分の在り方生き方に関わるマイ探究を自分で進められるようになることです。「1年間1テーマ」だけでなく、1年に複数テーマを時期を分けて行う、両方を並行して行うなど、年間指導計画の参考例を示すとされました。マイ探究は「子供に任せればよい」という意味ではなく、先生の見取りや指導の役割も解説で示すとされています。 P322P323

成果を「外化」する機会と、「節目としての探究」

テーマ探究・マイ探究のどちらでも、探究の成果を論述・レポート・プレゼン・作品制作などで表す(外化する)機会を適切に設けることが、学習指導要領で明確化する方向です。外化を通して言語能力や情報活用能力が育ち、各教科の学びにもつながるという考え方です。また、各学校段階の最終学年などで、学びの成果や自分の変化を実感する「節目としての探究」を位置付けることが望ましいとされます。細かな要件は国は求めず、幅広い事例を参考資料で示し、探究の成果物のアーカイブなど学校図書館との連携の仕方も示すとされています。 P323P325

全体計画・評価をシンプルにし、目標は学校の「基本的な方針」とも結ぶ

これまで例示されていた「3観点を10の要素に分けた評価規準を単元ごとに作る」やり方は負担が大きいとして見直し、目標に照らした評価の視点例を5要素程度で示す方向です。細かな評価場面の設定や評価材料の集めすぎは求めず、先生の形成的評価(その場でのフィードバックや支援)と、子供の自己評価(振り返り)・相互評価の機会を一層重視するとされました。全体計画には育てたい資質・能力を短く書き、「学習活動・指導方法・指導体制・評価」は単元計画に書けばよく、全体計画への記載は必須としない方向です。総合の目標・内容は、学校教育目標だけでなく校長が作る学校運営の「基本的な方針」とも関連を図り、学校の目標を決める視点として「重点化」(重視する要素をしぼる)と「付加」(指導要領にない要素を加える)を示すとされました。 P333P334P335

探究のとらえ方を整理し、「研究系・行動系・創作系」を示す方向

探究は「興味・関心や問題意識に基づき課題を設定し、知識や方略を使い、試行錯誤しながら新たな価値の創造を繰り返す学習のプロセス」と分かりやすく言い直すとされました。「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」の4つの流れは典型例であって、順に回すこと自体を目的にしないと明確化し、「振り返り」は各コマや一定のまとまりごとなど様々な場面で随時行うものとして、4つの流れに並ぶ独立した一段階には位置付けない方向です(振り返りを軽く見るという意味ではなく、自己評価としての振り返りは一層重視されます)。課題に注目した探究の形として「研究系」「行動系」「創作系」があり、形によって進め方が違うことを参考資料で示すとされました。AI時代に作品を作り上げる経験が大切だとして、「創作系」も推進するとされています。 P321P324P325

情報技術を積極的に使い、AIは「偽の熟達」に注意

総合では、体験が土台であることを前提に、小中高を通じて教育課程全体の中でもとくに積極的に情報技術を使うことが求められると明確化すべきとされました。そのため中学校の情報・技術科、高校の情報科など情報活用能力を育てる「要」の教科ととくに緊密に連携するとされています。AIを使う場合は、一見高度に見えても力が育っていない「偽の熟達」に注意し、元の情報を確かめること、試行錯誤の記録、その場で説明して質問に答えること、現場体験や実験などAIに代わりにくい経験を重視することが考えられるとされます。具体的な使い方はガイドライン等で示される予定です。 P328P330

各教科・道徳・特別活動との役割分担を整理する

総合は、各教科で得た学びを「道具」として使い、自分にとって切実な課題に挑む「試合」の場と位置付けるとされました。学習者が課題・プロセス・成果のすべてを自分で決められるもの(パターン4)を「探究」、一部を決められるものを「探究的な学び」と整理し、各教科は探究的な学び、総合は探究を担いつつ互いに行き来すると整理されています。道徳は「学びを方向付ける人間性」、総合は「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」、特別活動は「他者との対話や協働」を育てることに向く、と整理されます。キャリア教育は特別活動が「要」、総合は実社会との関わりの中で探究を通して実践する場とされ、学校行事の「文化的行事」は学習発表会の要素を加えた「文化・学習発表的行事(仮称)」に改める案です。 P320P325P326P327P337

「社会との連携」を進める(総合は教育課程の「出島」)

総合は学校の裁量が大きく、教科や学校と社会の壁を越える教育課程上の「出島」として、地域・企業・大学などとの連携が期待されます。社会側の関わり方は「出会い」「伴走」「協働」の3段階程度のイメージで示すとされ、コーディネーターや社会教育士の活用、費用の工夫の事例も紹介するとされています。子供が外部に協力を頼むときは、事前に自分で下調べし、相手の時間や立場を尊重するといった注意点を指導することが必要とされます。また新しい「裁量的な時間」でマイ探究を深掘りする場合は、総合との役割分担や連携を図ることを明確化するとされました。 P335P338P339P340P342

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
名称小中学校は「総合的な学習の時間」、高校は「総合的な探究の時間」小学校から高校まで一貫して「総合的な探究の時間」とすることが適当とされた P343
探究の質を考える視点「高度化」(整合性・効果性・鋭角性・広角性の4要素)と「自律化」(自己課題・運用・社会参画の3要素)で示され、分かりにくいとの指摘がある「課題の質」「プロセスの質」「成果の質」の3つの視点に整理して参考資料等で示す P321
探究のプロセス平成20年改訂の「課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現」の4つの流れ。順に回すこと自体が目的化している例がある4つの流れは典型的な姿の一例とし、課題の設定を強調。「振り返り」は様々な場面で随時行うものとし、プロセスの独立した一段階には位置付けない。課題によって「研究系」「行動系」「創作系」で進め方が違うことを示す P324
評価規準のつくり方3観点を10の要素(視点)に分けた詳しい評価規準を単元ごとに作る扱いが例示され、細かな評価場面や評価材料集めが必要になっている(指導要録には身に付いた力を文章で端的に記述)文章で記述する基本は維持しつつ、評価の視点例を5要素程度に絞る。細かな評価場面の設定は求めず、形成的評価と自己評価・相互評価を一層重視 P333P335
総合で学校行事を代替できる範囲代替できる例として修学旅行等の「旅行(遠足)・集団宿泊的行事」と職場体験等の「勤労生産・奉仕的行事」、できない例として「文化的行事」「健康安全・体育的行事」の準備が挙げられるが、解説に曖昧さが残る両方の目標・内容に照らした学習の実態で判断。「儀式的行事」と、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は原則代替しない。旅行・勤労生産の行事は探究として成り立つ部分だけ代替可能 P336
総合の目標を決めるよりどころ各学校の総合の目標は学校教育目標との関連を図る学校教育目標に加えて、校長が作る学校運営の「基本的な方針」とも関連を図る。目標を定める視点として「重点化」「付加」を示す P334
考えるための技法比較する・分類する・関連付けるなど10個の例が並べて示されているだけで、考えを広げる(発散)思考が含まれていない当面「発散」の観点を加え、「発散と収束」の観点から分類して示す。学習方略とともに使いやすく具体化 P337P338

高校の科目と単位

高校はもともと「総合的な探究の時間」で名称は変わらない。標準単位数は現行3~6単位が、新しい単位の数え方(1単位=17コマ)で6~12新単位とする案が示されている(P80・P82)。高校段階で、自分の在り方生き方に関わる「マイ探究」を自分で進められるようになることが目指される(P323)。高校の総則にある「人間としての在り方生き方に関する中核的な指導の場面」に、特別活動・公民科(公共、倫理)に加えて総合を新たに位置付ける方向だが、道徳教育のために別に時間をかける必要はない(P327)。学校設定科目と総合的な探究の時間を組み合わせるなど、科目の柔軟な組替えの例も示されている(P43)。

授業時数

小学校の総合では「探究の領域」と「情報の領域」がそれぞれ別に標準授業時数を設定する方向。情報の領域に必要な時数は各学年最大で、小3・小4が30コマ程度、小5・小6が35コマ程度と見込まれている(P78)。この増えた分は年間の総授業時数を増やさずに、標準時数が35コマ以下の教科等を除いた教科等から一律3~4%程度を「広く薄く」減らして確保する考え方で、具体的な数は今後示される(P79)。情報の領域は全面実施(小学校は令和12年度)を待たず、令和10年度から段階的に先行実施する経過措置が適当とされている(P79)。また、新しい調整授業時数制度では総合も調整の対象になる(ただし35コマ未満に減らすことはできない)(P32)。高校は標準単位数3~6単位→6~12新単位(P82)。

生成AI・ICTとの付き合い方5項目

AIが答えを出す時代の「探究」の意義

AIは人間の知的活動のあり方を含め、社会を構造的に変えつつあります。AIが簡単に情報を示す時代に、判断や人生の主導権を持ち続けるためにも、批判的に情報と向き合い、真偽や意味を問い直す力が一層重要とされています。 P319

AIやネットの切り貼りで終わる「調べ学習」の課題

ネット上の情報やAI要約を切り貼りするだけの「調べ学習」に終わる例が見られることが課題とされています。 P76

「創作系」の探究:AIに操られずクリエイターに

AIなどデジタル技術で、だれでもアイデアを作品にできるようになりました(デジタル技術の民主化)。一方、おすすめされ続けるコンテンツを消費し続ける誘因も増えています。AIに操られず人生を舵取りするため、作品を作り上げる「創作者」としての経験を重ねる「創作系」の探究を進めます。 P324資料編(3)P103

総合におけるAIの取扱い

AIは効果的に使える一方、高度に見えても実際は力が育っていない「偽の熟達」のおそれや、認知的負荷の低下・記憶や理解の弱化・批判的思考の低下などの負の影響も議論されています。AIは「仮説を立てる」「論じる」など高度な認知も代わりにできる点が特徴だという指摘もあります。 P330資料編(3)P117

AIを使うときに重視すること

AIで得た情報の元になった一次情報(発信者・時期・妥当性)を確かめることに加え、試行錯誤の過程、口頭での説明(その場で説明し質問に答える)、AIに代わりにくい現場体験・協働・実験・観察、AIを使う中で自分の成長を自覚すること、を重視する対応が考えられています。発達段階に応じたAI活用のあり方は、ガイドライン等で示す必要があるとされています。 P330

今からできる準備チェックリスト7項目

  • 今すぐ年間指導計画で、学年共通の「テーマ探究」と一人一人の「マイ探究」がどう配置されているかを確かめ、「1年間1テーマ」以外の組み方(時期を分ける、両方を並行する)も検討します。 P322P323
  • 今すぐ探究でAIを使うときの約束を決めます。もとの一次情報(発信者・時期・妥当性)を確かめる、試行錯誤を記録する、その場で説明して質問に答える、AIに代わりにくい体験を大切にする、の4点が手がかりになります。あわせて安全面の約束として、学校・教育委員会が認めたサービスを使い、最新の年齢制限・利用規約と保護者同意の要否を確認する、氏名・写真などの個人情報を入力しない、教師の指導監督下で使う、の3点も必ず加えます。 P330
  • 今すぐ単元ごとに3観点を10要素に分けた評価規準を作るやり方を見直す方向をふまえ、細かな評価場面を増やすより、見取りにもとづく声かけ(形成的評価)と、子供の振り返り・相互評価の時間を確保します。 P333P335
  • 告示まで総合の時数を学校行事に充てている部分を洗い出します。儀式的行事や、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は原則として代替しない方向なので、修学旅行や職場体験は探究として成り立つ部分を明確にします。 P336
  • 告示まで全体計画を見直し、育成を目指す資質・能力を端的に書く形に整理します。学習活動・指導方法・指導体制・評価は単元計画に書く方向です。目標は学校教育目標に加え、校長が作る「基本的な方針」とも関連付け、「重点化」「付加」の視点で検討します。 P334P335
  • 先行実施まで地域・企業・大学などとの連携を「出会い」「伴走」「協働」の3段階で整理し、子供が外部に協力を頼むときの事前の下調べや、相手の時間・立場を尊重する指導を計画に入れます。 P339P342
  • 全面実施まで最終学年などで学びの成果や自分の変化を実感する「節目としての探究」をどう位置付けるかを検討し、成果物のアーカイブを含めて学校図書館との連携を相談します。 P325

次期を先取りする授業アイデア1本

高校2年1単位時間(50分)

マイ探究の中間レビュー会

試行錯誤の記録をもとに、その場で説明し質問に答える場をつくります

手順・ワークシート

ねらい

自分のマイ探究の現在地を、試行錯誤の記録をもとに口頭で説明し、他者からの質問を受けて次の一歩を決める。

流れ

  1. 5分ねらいと進め方を説明します。「完成品の発表ではなく、途中経過を説明して質問をもらう場」であることを確認します。
  2. 5分各自が中間レビューカードに記入します。自分の探究が研究系・行動系・創作系のどれに近いかも書きます。
  3. 30分4人グループで1人7分程度ずつ(説明2分→質問4分→記録1分)。スライドは使わず探究ログを見せながら口頭で説明し、聞き手は「その根拠はどこから?」「次に何を試す?」などと質問します。
  4. 10分もらった質問をもとに、次の2週間で試すことを1つ決めてカードと探究ログに書きます。

評価

説明の上手さではなく、自分の言葉で根拠や試行錯誤の過程を説明できているか、質問を受けて次の行動を決めているかを見取り、その場でフィードバックします。課題の質・プロセスの質・成果の質の3つの視点を参考にし、細かな評価場面を設けず、探究の過程を通じて継続的に見取ります。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

次期学習指導要領 教科別まとめ高校No.13
高校版
審議まとめ(2026年10月5日)を高校の先生向けにまとめ直しました

特別活動次期学習指導要領で、どう変わる?

子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

10秒でいうと

ホームルーム活動(小中は学級活動)を「学級経営の要」に。キャリア・パスポート例示資料は廃止

やさしく言うと

高校でも、生徒が身近な社会をよりよく創る「社会創造」の視点で特別活動を見直す方向です。ホームルーム活動は「学級経営の要」として、生徒指導の土台の役割もはっきりさせます。生徒会活動には学校運営への「意見表明」を書き込む案です。「合意形成」と「意思決定」の意味も整理されました。キャリア・パスポートは、国の例示資料を廃止する方向で見直されます。

高校はいつから?

全面実施2032年度の入学生から(学年ごとに。2034年度に全学年)(見込み)
移行期間2029〜2031年度
告示2027年度末の予定
教科書2032年度から学年ごとに新しい教科書(2030年度から検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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特別活動の3行要約(全校種)

  1. 特別活動を「確かな民主主義の担い手を育み、共生社会を実現する基盤」と位置付け、三つの視点の「社会参画」を「社会創造」に整理し直す方向が示された。
  2. 児童会・生徒会は校則など学校運営に意見を出す活動、学校行事は子供が創造する活動、学級活動は「学級経営の要」と明確化することが適当とされた。
  3. 学級活動の項目名と内容を整理し自殺予防等も明示する案。評価は「学びに向かう力」の個人内評価とすることが適当とされ、キャリア・パスポートの例示資料は廃止する方向。

特別活動のポイント4つ

ホームルーム活動は「学級経営の要」

ホームルーム活動を、よい人間関係や心理的安全性をつくる「学級経営の要」と明確にする方向です。特別活動、とくにホームルーム活動は、全ての生徒を対象にした生徒指導の中心的な場とされています。一人一人の個性や背景を尊重することも重視されます。 P349P350

授業では、たとえばたとえば年度初めのホームルームで、発言しやすい話し合いのルールを生徒と一緒に作ることが考えられます。

生徒会が学校運営に意見を出す

生徒会活動は、校則など学校のルールづくりをはじめ、学校運営に生徒が関わる仕組みだと明示する方向です。生徒が提案し、先生との話し合いで学校運営に関わる「意見表明」の記載を設ける案です。学校運営協議会への参画なども関連し得るとされています。 P355

授業では、たとえばたとえば生徒会が学校生活の改善案をまとめ、管理職や学校運営協議会に説明する機会をつくることが考えられます。

「合意形成」と「意思決定」を整理

合意形成は、違う意見や背景を認め合い、対立と向き合いながら「納得解」をつくることとされました。納得解とは、みんなが受け入れられる答えです。意思決定は、自分の価値観に照らし、責任をもって行動を選ぶことです。進め方の流れも参考として示す方向です。 P360

授業では、たとえばたとえば文化祭の出し物決めで、すぐ多数決にせず、意見を広げてから比べて絞る時間をとることが考えられます。

キャリア・パスポートの見直し

キャリア・パスポートは、国の例示資料にそったワークシート作りが目的化しているとの指摘があります。そこで例示資料を廃止し、見通しと振り返りのための多様な取組に変える方向です。記録はクラウドなどで個人が管理し、学校による引継ぎは求めない方向です。 P359

授業では、たとえばたとえば学期の始めと終わりに、自分の目標と振り返りを端末のフォルダに短く書きためる形が考えられます。

主な変更点9項目

学級活動(ホームルーム活動)の項目名と内容を整理し直す

学級活動の(1)〜(3)の項目名を見直し、小中高のつながりが分かるよう内容の構成も整理する案です。(1)アは「学級における生活づくりへの参画」とし、アは学級内の課題、イは学級内の組織や役割、ウは学級を越えた学校の課題を扱うと区別する案です。ウで学校の課題を扱うときも学級での話し合いを原則としつつ、学年や異学年で話し合う場合の扱いは、学級活動で育てたい力に照らして適切に判断すべきとされました。(2)(3)は特に中高で項目数が多いため精選し、SOSの出し方に関する教育や生命の安全教育など現代的な課題への対応をはっきりさせる方向です。 P353P354

学級活動を「学級経営の要」、生徒指導・特別支援の「要」と明確化

教育課程が柔軟になり学び方が多様になるほど、学級経営が欠かせなくなるとされました。標準授業時数の中に時間がある学級活動を、学びの土台となる人間関係や心理的安全性をつくる「学級経営の要」と明確化することが適当とされました。学級経営が目指すものは、一人一人の子供と学級全体のウェルビーイング(心身・社会的に良い状態)として広くとらえます。また、特別活動(特に学級活動)は、すべての子供を対象とする生徒指導の第1層(発達支持的生徒指導)の要とされ、学級活動(2)は第2層(課題未然防止教育)も担います。学級活動(2)で自殺予防等を扱うことを「内容の取扱い」に明示し、障害の有無を含む多様な個性や背景を尊重することも内容に明記する案です。 P349P350P95

評価を「学びに向かう力」の個人内評価とし、過度な評価材料集めを抑える案

現行は3観点それぞれで目標に準拠した評価を行い、各活動ごとに十分満足できる場合に「○」をつけていますが、国の示す評価と現場の実態にずれがあると指摘されました。次期は、資質・能力の3つの柱に分けた目標準拠の評価は行わず、話し合いなどの過程で表れる「学びに向かう力」を一体的に個人内評価することが適当とされました。総括的な評価は、成長が特に顕著な場合に「○」をつける形です。教師の声かけなどの形成的評価と、子供自身の振り返り(自己評価)や話し合い(相互評価)を一層重視し、過度な評価材料集めを抑えるとしています。 P361P346

児童会・生徒会活動に「学校運営への意見表明」を書き込む

児童会・生徒会活動は、教師の適切な指導のもと、校則など学校のルールづくりをはじめ学校運営に子供が関わる仕組みであることを明示するとされました。例えば、学校のきまりなど生活上の課題について子供が提案し、教師等との話し合いを通して学校運営に関わる、といった「意見表明」に関わる記載を設けることが適当とされています。現在の「学校行事への協力」は内容を見直し、教師等が子供の声を聴く要素を加える方向です。委員会からの改善提案、学校運営協議会への子供の参画、学校評価で子供の意見を聞く取組とも関連し得るとされ、詳しくは解説で示すことが適当とされています。 P355P363P364

学校行事は「子供たちが創造する活動」に。文化的行事は「文化・学習発表的行事(仮称)」へ

学校行事は子供たちが企画や運営も含めて主体的に役割を担い創造する活動だと明確にする方向です。ただし、安全の確保など教師の適切な指導、行事の目的や発達の段階、教師に過度な負担を生じさせないことに留意するとされました。「好き」や「得意」の成果を発表する場として、「文化的行事」の名称に学習発表会の要素を加え「文化・学習発表的行事(仮称)」とする案です。また、総合で学校行事を代替する扱いを整理し、儀式的行事や、文化的行事・健康安全・体育的行事の準備(学習発表会を除く)は総合で代替しないことを原則とする案です。修学旅行や職場体験などは、探究として成り立つ部分について代替を可能とする方向です。 P356P357

キャリア教育の役割分担と「キャリア・パスポート」の見直し

特別活動はキャリア教育の「要」として、学習の見通しと振り返りを通じて将来の生き方を考える役割を担い、各教科等はその実践の場とされました(例:総合は興味・関心にもとづく探究、家庭科はライフキャリア、社会科は主権者教育)。「キャリア・パスポート」は、例示資料にそったワークシート作りが目的化しているとの指摘から、事務連絡にもとづく「例示資料」を廃止し、見通し・振り返りのための多様な取組に変える方向で見直すべきとされました。記録の蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向です。 P358P359P95

「合意形成」「意思決定」の意味と進め方を示す

合意形成は、多様な意見や価値観、背景を認め合い、対立や葛藤と向き合いながら「納得解」(みんなが受け入れられる案)をつくっていくこと、意思決定は自分の価値観に照らして責任をもって行動を選ぶことと整理されました。合意形成の典型的な流れは「課題の設定→発散(意見表明・受容)→収束(吟味・創造)→実践・振り返り」、意思決定は「課題の設定→発散(情報収集・相互参照)→収束(自己理解・自己決定)→実践・振り返り」とされ、解説等で参考として示すことが適当とされています。安易な多数決や予定調和に流されず、納得解や暫定解をつくることが重視されています。ただし実践を特定の型にはめるものではないと注意されています。 P345P359P360

三つの視点と用語の見直し(「社会創造」「主体的」など)

前回整理された「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の三つの視点のうち、「社会参画」を、身近な社会をよりよく創ることを重視した「社会創造」に整理し直すべきとされました。目標と見方・考え方の記載も見直す方向です。また、同調圧力につながるとの指摘がある「集団」という語は、具体的な対象があるときは「学級」「学年」「学校」などと書き分ける方向です。「主体的」「自主的」「自発的」は原則として「主体的」にそろえ、「~に対応させる」という意味の「適応」は見直す方向です。特別活動の英語訳も「Tokkatsu(Student-Led Activities for Civic and Personal Development)」と定めることが適当とされました。 P351P352

デジタル・AIの活用と裁量的な時間との関係

意見や少数意見の可視化、活動記録や振り返りの蓄積、グループウェアでの連絡などの活用イメージを解説等で示す方向です。AIは生徒会の議事録まとめや企画づくりの補助などに役立つ場合がある一方、合意形成や意思決定の主体はあくまで子供であること、効率化が目的にならずリアルな体験や協働を重視することが留意点とされました。また、裁量的な時間でいじめ防止やソーシャルスキルなど特別活動に関わる活動をする場合は、特別活動との役割分担や連携を図ることを明確化する方向です。年度途中に子供の発議で決まった活動の時間を裁量的な時間で確保する在り方は今後検討とされています。 P362P363

現行と次期の比較(新旧対照)7項目

黄色のマーカー=次期で新しく入る・強く打ち出される言葉 取り消し線=現行から消える・言い方が変わる言葉

項目現行次期(審議まとめの方向)
学級活動(ホームルーム活動)の項目名(1)学級や学校における生活づくりへの参画、(2)日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全、(3)一人一人のキャリア形成と自己実現。(1)学級や学校における生活の創造、(2)日常生活における自己の成長と健康安全、(3)将来に向けた自己の成長とキャリア形成(いずれも案)。 P354
学級活動(1)ア学級や学校における生活上の諸問題の解決(否定的な状況の改善に限ってとらえられがちと指摘)。学級における生活づくりへの参画(アは学級内の課題、ウは学級を越えた学校の課題と区別。ウも学級での話合いが原則)とする案。 P354
三つの視点人間関係形成・社会参画・自己実現。人間関係形成を基盤に、社会創造・自己実現が往還的に高まる関係として整理(「社会参画」を「社会創造」に)する方向。 P352
評価の仕方知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度ごとに目標に準拠した評価を行い、各活動ごとに十分満足できる場合に「○」。3つの柱に分けた目標準拠の評価は行わず、「学びに向かう力」を一体的に個人内評価。成長が特に顕著な場合に「○」を付記。形成的評価・自己評価・相互評価を重視(案)。 P361
キャリア・パスポート事務連絡(H31)にもとづく様式例(例示資料)を参考に各学校が作成・蓄積。例示資料を廃止し、見通し・振り返りのための多様な取組へ見直す方向。蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向。 P359P95
児童会・生徒会活動の役割児童会・生徒会の役割として「学校行事への協力」が規定されている。「学校行事への協力」を見直し、校則など生活上の課題について子供が提案し、教師等との話合いを通して学校運営に関わるなど、学校運営への意見表明の記載を設けることが適当とされた。 P355
学校行事の種類(文化的行事)「文化的行事」。学習発表会は解説で具体例として挙がっている。学習発表会の要素を名称に加え「文化・学習発表的行事(仮称)」とする案。 P357

授業時数

特別活動の時数を変えるという記述はない。学級活動は標準授業時数に含まれ、児童会・生徒会活動、クラブ活動、学校行事は標準授業時数に含まれず各学校が適切な時数を充てる(P349注)。調整授業時数は学校行事・クラブ活動・生徒会活動等の時数の上乗せには使えない(P32)。ソーシャルスキル育成などは特別活動(学級活動)への調整授業時数の上乗せで対応することも考えられる(P33)。クラブ活動の時間は全国的に減少傾向で、時数の確保を求めることも難しいとされる(P355)。

生成AI・ICTとの付き合い方3項目

「生成AI時代の主権者」を育てる

多様な他者との対話や協働で、ルールづくりや学校生活の改善、行事などに子供が主体となって参画することで、「生成AI時代の主権者」として確かな民主主義の担い手を育てる領域として位置付けを明確にするとされています。 P351P352

AIを含むデジタル学習基盤の活用のあり方を示す

合意形成や意思決定の考え方の整理、学習評価の改善とともに、AIを含むデジタル学習基盤の活用についても具体的なあり方を示すとされています。 P346

特別活動でのAIの活用例と留意点

中学校の生徒会で、総会の議事録をAIでまとめて運営を効率化した例や、いじめ防止月間の企画の練り上げ、ポスターや動画づくりに使った例があります。一方、合意形成や意思決定の主体はあくまで子供であること、誤情報などの負の側面をふまえること、効率化を目的にせずリアルな体験や協働を重視することが留意点とされています。 P362資料編(3)P186

今からできる準備チェックリスト8項目

  • 今すぐ学級会の進め方を「課題の設定→発散(意見表明・受容)→収束(吟味・創造)→実践・振り返り」の流れで見直し、すぐに多数決に頼らず、納得解や暫定解をつくる時間を確保します。 P345P360
  • 今すぐ観点ごとに「○」を記録する評価補助簿づくりを見直す方向をふまえ、話し合いの過程で見られた子供の姿をその場で認める声かけと、子供の振り返り・相互評価の時間を重視します。 P361
  • 今すぐ学級活動を「学級経営の要」として、一人一人が安心して意見を言える関係づくりを計画的に行います。学級活動(2)では、障害の有無を含む多様な個性や背景を尊重することを扱います。 P349P350
  • 告示まで児童会・生徒会が学校のきまりなどについて提案し、教師と話し合う手順(提案の受け付け方、回答の時期、回答の仕方)を校内で決めておきます。 P355
  • 告示までキャリア・パスポートの「例示資料」を廃止する方向をふまえ、何のために書くのか(見通しと振り返り)を校内で確認し、様式を簡素にします。蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とし、学校による引継ぎは求めない方向です。 P359
  • 先行実施まで学校行事ごとに、子供が企画・運営を担う部分を1つ決めます。安全の確保、行事の目的、教師に過度な負担を生じさせないことを前提にし、文化的行事を「好き」「得意」の成果を発表する場にすることも検討します。 P356P357
  • 先行実施まで学級活動(2)で自殺予防やSOSの出し方に関わる内容を扱う時期を年間計画に位置付けます。動画を見て終わりにせず、子供の主体的な活動と組み合わせます。 P350P354
  • 先行実施まで(小学校)クラブ活動の学年(主として4年生以上)の縛りや実施時期を柔軟にできる方向をふまえ、学校規模に合った運用や、地域の放課後の活動とのつなぎ方(関係する地域の活動を掲示して紹介するなど)を検討します。 P355P356

次期を先取りする授業アイデア1本

高校1・2年1単位時間(50分)

進路の迷いを「意思決定」の流れで整理する

情報を集め、他者の考えと比べ、自分の価値観に照らして次の一歩を決めます

手順・ワークシート

ねらい

進路に関する自分の迷いを課題として設定し、情報や他者の考えを参考にしながら、自分の価値観に照らして当面の行動を決める。

流れ

  1. 5分課題の設定:今の進路の迷いを1文で書きます(例:「理系と文系のどちらを選ぶか」「進学か就職か」)。内容は人に見せなくてよいと伝えます。
  2. 15分発散(情報収集):進路資料や、これまでの自分の振り返りの記録から判断に必要な情報を集め、「分かっていること」と「まだ分からないこと」に分けます。
  3. 12分発散(相互参照):3人組で、迷いの中身ではなく「判断するときに何を大切にしているか」を話し合い、他の人の考え方で参考になったものを書きます。
  4. 13分収束(自己理解・自己決定):自分が大切にしたいことを3つ挙げて順位をつけ、それに照らして「次の1か月でする行動」を1つ決めます。
  5. 5分実践・振り返りの計画:決めた行動と振り返る日を、自分の記録に書き込みます。

評価

決めた進路の中身ではなく、情報や他者の考えをふまえ、自分の価値観に照らして理由をもって行動を選んでいるかを見取ります。振り返りの日に、実際にやってみてどうだったかを生徒が自己評価し、教師はその場で声をかけます。

現行の学習指導要領・解説(高校)

文部科学省の公式PDFです(クリックで開けます)。

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