次期学習指導要領とのつながり

審議まとめは、意思決定を「多様な情報や他者との関わりを踏まえ、自己の価値観に照らし、責任をもって行動を選択していくこと」と整理し、典型的なプロセスを「課題の設定、発散(情報収集・相互参照)、収束(自己理解・自己決定)、実践・振り返り」としています。特別活動はキャリア教育の「要」として、学習の見通しを立て振り返りながら将来の生き方を考える役割を担うとされています。キャリア・パスポートは例示資料を廃止して見通し・振り返りに資する多様な取組へ進め、蓄積はクラウド上などでの個人管理を基本とする方向です。この授業は、進路の迷いを意思決定の流れで整理し、生徒が自分で記録を残す時間です。 P358P359P360P361P362
進路に関する自分の迷いを課題として設定し、情報や他者の考えを参考にしながら、自分の価値観に照らして当面の行動を決める。
準備するもの
- 意思決定シート(課題/集めた情報/友達の考え方で参考になったこと/自分が大切にしたいこと/決めた次の一歩と期限)
- 生徒が各自で管理する振り返りの記録(クラウド上のファイルなど)
- 学校で用意している進路資料
手順
- 課題の設定:今の進路の迷いを1文で書きます(例:「理系と文系のどちらを選ぶか」「進学か就職か」)。内容は人に見せなくてよいと伝えます。5分
- 発散(情報収集):進路資料や、これまでの自分の振り返りの記録から判断に必要な情報を集め、「分かっていること」と「まだ分からないこと」に分けます。15分
- 発散(相互参照):3人組で、迷いの中身ではなく「判断するときに何を大切にしているか」を話し合い、他の人の考え方で参考になったものを書きます。12分
- 収束(自己理解・自己決定):自分が大切にしたいことを3つ挙げて順位をつけ、それに照らして「次の1か月でする行動」を1つ決めます。13分
- 実践・振り返りの計画:決めた行動と振り返る日を、自分の記録に書き込みます。5分
評価(見取り)のポイント
決めた進路の中身ではなく、情報や他者の考えをふまえ、自分の価値観に照らして理由をもって行動を選んでいるかを見取ります。振り返りの日に、実際にやってみてどうだったかを生徒が自己評価し、教師はその場で声をかけます。
AIを使うなら
情報収集の段階で、進路に関する一般的な情報の整理にAIを使うことは考えられます。その場合は、学校・教育委員会が利用を認め、年齢条件等を確認したサービスを、必要に応じて保護者の理解を得たうえで教師の指導監督下で使い、氏名や自分の進路希望など個人が特定できる情報は入力しません。AIが出した情報は学校の資料や公式の情報で確かめさせます。何を大切にし、どの行動を選ぶかは生徒自身が決めます。
うまくいくコツ・アレンジ
- 迷いの内容はプライバシーに関わるため、グループでは「判断で大切にしていること」だけを話題にします。
- 記録は学校が引き継ぐことを前提にせず、生徒が自分で管理し、これまでの記録を自分で見返せるようにします。
- 決める行動は「説明会の日程を調べる」など、小さく具体的なものにします。
アレンジ
- 中学校では学級活動(3)で、高校選びや部活動・地域クラブの選択など身近な選択に置き換えられます。
- 総合的な探究の時間や各教科の課題の成果を、キャリアの観点から振り返る時間と組み合わせることもできます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。