次期学習指導要領とのつながり

審議まとめが示す方向性をふまえると、「家庭総合」には地域の実情を踏まえた生活上の課題に取り組む新しいF領域「総合生活実践」(仮称)が設けられます。教師が地域の実態から「福祉」「子育て」「防災」「生活文化」「環境」などのテーマの方向性を示し、ホームルームでテーマを設定したうえで、生徒が自分で課題を考え、A〜Eの各領域と関連付けて問題解決的な学習を進める流れです。振り返りの段階では、ほかの生徒の実践を踏まえてテーマを5領域を貫いて考え直す場面が重視されています。この授業は、その単元の始まりとして、テーマを5つの領域から見渡し、個人の課題を決める1時間です。 P227P232P233
「防災」というテーマを家族・家庭、生活の経営と消費生活、食生活、衣生活、住生活の5つの視点から捉え、既習の知識を根拠にして、自分が地域や家庭で実践する課題と方法を計画する。
準備するもの
- 地域の災害の特徴が分かる資料(自治体のハザードマップや防災計画の概要を先生が1枚にまとめたもの)
- 5領域マップ用の模造紙またはデジタルの共有ボード(中央にテーマ、周りに5つの枠)
- 個人課題計画シート(課題、関係する領域、根拠にする既習事項、実践する場と方法、振り返りの観点)
- 評価の観点(ルーブリック)を示した資料
手順
- 先生が地域の資料を示し、この単元のテーマの方向性が「防災」であることを伝えます。「この地域で災害が起きたら、家庭の生活の何が困る?」と問い、思い付くことを出させます。5分
- グループで、地域と生活に引き付けた具体的なテーマ案を出し、学級で1つに決めます(例:「電気と水道が止まった1週間を家で乗り切る」)。10分
- グループで5領域マップをつくります。A(乳幼児や高齢者のケア、家族の連絡方法)、B(備蓄の予算、ふだん使いながら備える買い方、保険などの備え)、C(備蓄食の栄養と調理の工夫)、D(寒さ・暑さ・衛生に対応する衣服)、E(家具の配置、避難経路、在宅避難の住空間)に、それぞれ問いを書き出します。15分
- 一人一人が、マップから自分が取り組む課題を1つ選び、個人課題計画シートに、関係する領域、根拠にする既習の科学的な知識、家庭や地域でどう実践するかを書きます。先生は課題が大きすぎないか、実践できる場があるかを助言します。12分
- 数人の計画を紹介し、ルーブリックで評価の観点を共有します。実践のあとに、ほかの生徒の実践結果も踏まえてテーマを5領域を貫いて考え直し、自分の考えをまとめる時間があることを予告します。8分
評価(見取り)のポイント
この時間は、計画シートで課題設定の妥当性と、既習の知識を根拠にしているかを形成的に見て助言します。単元の評価は、実践とその振り返り、5領域を貫いてテーマを考え直したまとめで行い、事前に共有したルーブリックで到達度を示します。自分の生活から課題を見いだす姿や、他者の実践を踏まえて考えを捉え直す姿は、見取る姿の手掛かりとして記録します。
AIを使うなら
情報収集で生成AIを使う場合は、教育委員会・学校が利用を認めたサービスに限り、教師が年齢制限や利用規約を確認し、必要に応じて事前に保護者の理解を得たうえで、教師の指導監督の下で使います。そのうえで、出力を一つの情報として扱い、自治体のハザードマップや防災資料などの一次資料で確かめます。最終的な計画は、自分で考え判断し、自分の言葉で説明できるものにします。自分や家族の住所など個人が特定できる情報は入力しません。
うまくいくコツ・アレンジ
- テーマの方向性は先生が地域の実態から示し、具体的なテーマはホームルームで決める、という役割分担をはっきりさせると、生徒の主体性と学習の焦点が両立します。
- 5つの枠に問いが偏ったら、空いている領域に先生が1つ問いを足して視野を広げます。
- 地域の防災担当や福祉施設など、実践の場を前もって相談しておくと、計画が具体的になります。
アレンジ
- テーマの方向性を「子育て」にして、地域の子育て支援の場と関わる実践を5領域で計画する単元にできます。
- 「家庭基礎」では、個人探究(ホームプロジェクト)(仮称)として、防災に関わる課題を1つの領域に絞って取り組む形にできます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。