次期学習指導要領とのつながり

資料編は、「英語が話せない」原因として、自分の意見が母語で十分に言語化されていない場合もあることを挙げ、AIで自分が言いたいこと(母語)を英語にする活動の強化を示しています。審議まとめも、授業を生徒の理解に応じた英語で行うことを堅持しつつ、発達の段階に応じたAIの活用も含めた母語使用について、参考となる考え方を解説で示すとしています。また、外国語を介して自分の考え・意見の形成・整理が促進されることを、外国語を学ぶ本質的意義の一つとしています。そこで、考える段階では日本語で深く掘り下げ、英語にしにくい部分だけAIの力を借り、最後はAIの文をそのまま読むのではなく、自分が言える英語に直して人と話し合います。 P278P282P284資料(外⑮)P15
身近な話題について自分の意見と理由を整理し、既習の表現に言い換えながら、ディスカッションで意見を伝えたり、相手の意見に応じたりすることができる。
準備するもの
- 論題:Paper books or e-books: which is better for high school students?
- 日本語の意見マップ(主張・理由・具体例・反対意見への答え)
- 生成AIを使える学習用端末(学校・自治体のガイドラインと利用規約の年齢条件を確認)
- AIへの頼み方の例:「次の日本語の文を、高校1年生が話して言えるやさしい英語で3通りにしてください。難しい語には別の言い方も付けてください」
- ディスカッションの表現カード(I see your point, but 〜. / Can you give me an example? / So you mean 〜?)
手順
- 【AIを使わない】論題を示し、紙の本派・電子書籍派で手を挙げさせます。先生が自分の読書習慣を英語で短く話します。5分I read news on my phone, but I always buy cookbooks in print. Why? Because I can write notes in them!先生はニュースはスマホで読むけれど、料理の本はいつも紙で買います。なぜかというと、書き込みができるからです!
- 【AIを使わない】日本語で意見マップをじっくり書きます。「なぜそう思うのか」「自分の経験では」「反対の人は何と言いそうか」まで掘り下げます。ここでは英語を気にせず、考えを深めることに集中させます。10分Think deeply in Japanese first. English comes next.まず日本語で深く考えよう。英語はそのあとです。
- 【AIを使う】マップの中から「英語で言いにくい1〜2文」だけを選び、AIに頼み方の例のとおり入力します。出てきた3通りの中から自分が言えるものを選び、さらに知っている語に直します。マップ全体の翻訳はしません。入力に個人情報を入れないことを確認します。10分
- 全体で、AIの候補をどう直したかを何人かに紹介してもらいます(例:「目が疲れにくい」→ AI案 It causes less eye strain. → 自分の英語 My eyes don't get tired.)。「長い一文を二つに分ける」「知っている動詞で言う」などのコツを共有します。5分
- 【AIを使わない】4人グループでディスカッションします。手元に置くのは英語のキーワードだけにし、表現カードを使って質問したり、相手の意見を確かめたりします。司会役は全員が話せるように声をかけます。15分
- 日本語で考えたことのうち、英語で伝えられたこと・伝えられなかったことを振り返り、伝えられなかったことをどう言えばよかったかを書きます。5分
評価(見取り)のポイント
【思考・判断・表現】自分の意見と理由を整理し、相手の意見に応じながら伝えているかを、ディスカッションの観察で見取ります。【知識・技能】言い換えた英文で、語彙や文構造を正しく使っているかをワークシートで見取ります。【主体的に学習に取り組む態度】AIの候補を自分が言える英語に調整しようとしている姿を見取ります。
AIを使うなら
AIは「英語にしにくい部分の言い方の候補を出す道具」として、1〜2文に限って使います。意見そのものや意見マップ全体の英訳をAIに任せると、話すときに自分の言葉にならず、質問されたときに答えられません。AIの候補には、高校1年生には難しい語や、意味が少しずれた表現が入ることがあるため、選んだうえで自分の言葉に直させます。入力に氏名・学校名などの個人情報を入れないこと、学校・自治体のガイドラインや利用規約の年齢条件に従うことを確認します。
うまくいくコツ・アレンジ
- 意見マップの段階で「理由が一つしかない」生徒には、「自分の経験では?」「家族はどうしている?」と問いかけて、考えを広げます。
- AIを使う文を1〜2文に限ることで、AIに頼りすぎる生徒と、使わずに止まってしまう生徒の差を小さくできます。
- ディスカッションのあとで「AIの候補をそのまま言った人と、自分で直した人、どちらが話しやすかったか」を聞くと、言い換えの大切さが実感できます。
アレンジ
- 中3では、論題を「朝ご飯はパン派?ご飯派?」など身近なものにし、AIの候補は先生が全体で示す形にします。
- 英語コミュニケーション(発信)(仮称)では、ディスカッションの結果を踏まえて、意見文を書く活動につなげます。
ワークシート(印刷できます)
ワークシート:Think in Japanese, Speak in My Own Words
Make your opinion map in Japanese. Use AI only for one or two sentences that are hard to say in English. / 日本語で意見マップを作り、言いにくい1〜2文だけAIの候補を参考にしよう。
- 主張(日本語):________ 理由・具体例(日本語):________
- 英語で言いにくい文(日本語):________
- AIの候補で選んだもの:________
- My English(自分の言葉に直した英語):________
- ディスカッションで使った表現:□ I see your point, but 〜. □ Can you give me an example? □ So you mean 〜?
- 伝えられなかったことと、次にどう言うか:________
Name: ______________________ Class: ______ No.: ______
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。