締切間近 審議まとめへの意見募集(パブコメ)は 11月5日(木)23:59 まで(受付中) くわしく →
体育・保健体育の授業アイデア・高校

事故マップで見つける「起きる理由」と「防ぐ原則」

地域の事故データを地図に落とし、要因の重なりを「概念」に、働きかけ方を「原則」にまとめます。

高1(保健)1単位時間(50分)保健・安全な社会生活(交通安全)
もくじ(7項目)
  1. 次期学習指導要領とのつながり
  2. 準備するもの
  3. 手順
  4. 評価(見取り)のポイント
  5. AIを使うなら
  6. うまくいくコツ・アレンジ
  7. ほかのアイデア

次期学習指導要領とのつながり

事故マップで見つける「起きる理由」と「防ぐ原則」
健康・安全の概念とそれに関わる原則演習的な学習(データの活用)個人及び社会生活との関わり

審議まとめが示す方向性をふまえると、保健は知識をため込むのではなく、健康・安全の「概念」(どんな要素が関わって起きるのか)と「それに関わる原則」(どう働きかければよい結果になるのか)を軸に、まだ知らない課題にも対応できる力を育てる方向に整理されます。高校では個人及び社会生活に関わる内容を総合的に学び、演習的な学習の例として、生活習慣や地域の事故情報のデータを活用することが挙げられています。資料編にも、地域の事故が多い箇所をクラウド上で共同でプロットし、要因や事故を減らす方法を整理して発表する例が示されています。評価も、暗記ではなく「概念」と「原則」に照らして見ることを充実させる方向です。 P267P268P271P274資料P212

ねらい

地域の交通事故のデータから、事故は人的要因と環境要因(道路・照明・気象・車両など)が重なって起きるという概念と、要因に個人と社会の両面から働きかけることで事故を減らせるという原則を導き、自分たちの地域に当てはめて対策を提案する。

準備するもの

  • 自治体や警察が公表している地域の交通事故の統計をもとに、先生が事故の多い地点・時間帯・事故の種類を地図と表にまとめた資料(個別の事故の当事者が分かる情報は入れない)
  • クラウド上の共有地図または模造紙の地図とシール
  • 要因分類シート(人的要因・環境要因の2欄。環境要因の例:道路・照明・気象・車両・法令など)
  • 提案カード(対象、働きかける人、具体策、期待される効果を書く欄)

手順

  1. 地図で事故の多い交差点を示し、「なぜここで事故が多いのだろう?」と問います。通学で通る生徒がいれば、ふだん気付いていることを短く聞きます。5分
  2. グループで担当地点を1つ選び、資料から時間帯や事故の種類を読み取り、共有地図に書き込みます。考えられる要因を、人的要因(急いでいる、スマートフォンを見ながら歩く等)と環境要因(見通し、照明、道路の形、車両の死角など)に分けて要因分類シートに書きます。資料から確かめられないことは「原因」ではなく「仮説」として書き、追加資料(警察等が公表する発生状況、交通量、信号・照明の状況など)や現地観察で確かめる項目に印を付けます。12分
  3. 各グループの要因を全体で比べ、「事故は一つの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起きる」ことを確かめます。先生は、この考え方を事故の「概念」として一文にまとめて板書します。10分
  4. 「どの要因に、だれが、どう働きかければ減らせるか」をグループで考えます。自分の行動を変えること(個人)と、道路や照明の改善、見守りの仕組みなど社会への働きかけ(環境)を分け、事故を防ぐ「原則」として一文にまとめます。13分
  5. 自分たちの通学路や地域の一地点について、原則を当てはめた提案カードを書き、学校や地域に届ける方法(生徒会を通じて学校に伝えるなど)を話し合います。最後に、資料にない別の場所の事故の様子を1つ示し、今日の概念と原則で説明できるかを個人で書いて確かめます。10分

評価(見取り)のポイント

知識の暗記ではなく、資料にない新しい事故の場面について、要因の重なり(概念)と働きかけ方(原則)を使って説明できているかで見取ります。提案カードでは、個人の行動と社会への働きかけの両面から、根拠をもって対策を考えているかを思考・判断・表現として見ます。

AIを使うなら

対策を考えるときに生成AIを使う場合は、自分たちで考えた対策と比べて足りない視点を探す程度にとどめ、地域の実態に合うかは自分たちで判断します。個別の事故の当事者や、自分や友達の通学経路など個人が特定できる情報は入力しません。

うまくいくコツ・アレンジ

  • 公表データは先生があらかじめ地図と表に整理しておくと、50分の中で要因の分析と原則づくりに時間を回せます。
  • 「不注意が悪い」という個人の責任だけでまとめず、環境や社会の側からの働きかけにも必ず目を向けさせます。
  • 同じ概念と原則の考え方は、自転車事故や災害時の安全など、ほかの単元でも使えることを最後に伝えます。

アレンジ

  • 中学校の保健「傷害の防止」では、校内のけがの記録(個人が分からない形)を使い、場所と時間帯から要因を考える活動にできます。
  • 体育の「実生活に生かす運動の計画」と関連付け、ウォーキングや自転車通学の安全なルートを考える学習に発展できます。

ほかのアイデア

※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。