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指導案(試案)・高等学校第2学年

Our Town, Our Visitors ~町の観光についてディスカッションし、提案をまとめよう~

英語コミュニケーション(発信)Ⅱ(仮称)/全8時間(本時は第6時)/本時 50分

もくじ(7項目)
  1. この指導案の特色
  2. 1 単元名・単元の目標
  3. 2 単元の評価規準
  4. 3 単元の指導と評価の計画
  5. 4 本時の展開(50分)
  6. 5 板書計画・準備物
  7. 6 授業後のふり返り

この指導案の特色

Our Town, Our Visitors ~町の観光についてディスカッションし、提案をまとめよう~

中教審の審議まとめ(2026年10月5日)で、現行の「論理・表現」を、Production(表現)とInteraction(やり取り)による発信力を一層強化する「英語コミュニケーション(発信)(仮称)」に見直す方向が示されたことをふまえた試案である。科目名を含め次期学習指導要領はまだ告示前であり、本案は審議まとめと資料編のイメージに基づく一つの例である。文法解説と問題演習を中心にするのではなく、自分の住む地域の観光という身近なものを含む社会的な話題について、読んだり聞いたりした情報を活用しながらディスカッションし、グループの提案にまとめるコミュニケーション活動を単元の中心に置く。

次期の方向性この指導案での具体化
「論理・表現」を「英語コミュニケーション(発信)(仮称)」とし、Production(表現)とInteraction(やり取り)による発信力を一層強化する P281資料(外㉒)P22単元の中で、1分間のステートメント(発表)、それを基にしたディスカッション(やり取り)、提案文(書くこと)を組み合わせる。本時は、ディスカッションで出た意見をグループの提案にまとめ、最後に短く発表する。
ディスカッションにおいて、聞いたり読んだりして得られた情報や考えを活用しながら、構成や論理の展開、表現等を工夫して意見や主張を伝え合う(内容・目標のイメージ) 資料(外㊻)P46資料(外㊽)P48第1・2時に読んだり聞いたりした資料(観光客数の推移、住民の声、二人の意見)を根拠として使うことを求め、「主張→理由→根拠(資料)→まとめ」の構成で発言させる。
「日常的な会話」を扱い、方策を使いながら会話を継続したり発展させたりする力を育成する 資料(外㉓)P23資料(外㊻)P46導入で日常的な話題の即興チャットを毎時間行い、聞き返す・付け加える・まとめるといった方策を、本時のディスカッションでも使えるよう支える活動で整理する。
文法解説と問題演習を中心とした授業から、コミュニケーション活動を中心とした単元構成へ P277資料(外㉓)P23資料(外㉛)P31条件や譲歩を表す表現などの文法は、ディスカッションで「言いたいのに言えなかった」ことを起点に、支える活動で必要な分だけ扱う(コミュニケーション活動と支える活動の往還)。
AIを含むデジタル学習基盤も活用した、生徒へのフィードバックの工夫 資料(外㉓)P23P282本時のディスカッションを端末で録音し、次時に文字起こしをして自分の発言の論理のつながりを見直す。生成AIのコメントは参考の一つとして吟味させ、最終的な判断は生徒と教師の対話で行う。

1 単元名・単元の目標

単元名:Our Town, Our Visitors ~町の観光についてディスカッションし、提案をまとめよう~(全8時間(本時は第6時))

単元の目標:【コミュニケーションの目的・場面・状況】市が開く「高校生まちづくり会議」で、町の観光について高校生としての提案を市に届けるために(目的)、グループでディスカッションして提案を一つにまとめ、会議で発表し提案文を提出する場面で(場面)、立場や考えの異なる相手の意見を受け止めながら、資料を根拠にして伝え合う(状況)。【目標】①意見を述べたり相手の意見に応じたりする表現や、主張・理由・根拠をつなぐ構成の理解を深め、ディスカッションや提案文で適切に活用する技能を身に付ける。②町の観光について、読んだり聞いたりした情報や考えを活用しながら、構成や表現を工夫して自分の意見や主張を話したり書いたりして伝え合い、グループの提案をまとめる。③地域の課題に関心をもち、異なる立場の考えを受け止めて自分の考えを広げたり深めたりするとともに、自分の発言を振り返って改善しようとする。

2 単元の評価規準

知識・技能思考・判断・表現主体的に学習に取り組む態度
【知識】意見を述べたり相手の意見に応じたりする表現(I see your point, but ~. / Building on what ~ said, ~. / So far, we agree that ~.)や、主張・理由・根拠・まとめという構成の働きを理解している。【技能】町の観光について、これらの表現や構成を用いて、ディスカッションで意見を伝え合ったり、提案文を書いたりする技能を身に付けている。市に高校生としての提案を届けるために、町の観光について、読んだり聞いたりした情報や考えを根拠として活用しながら、構成や表現を工夫して意見や主張を伝え合い、グループの提案をまとめている。市に高校生としての提案を届けるために、町の観光について、読んだり聞いたりした情報や考えを根拠として活用しながら、構成や表現を工夫して意見や主張を伝え合い、グループの提案をまとめようとしている。
次期で評価はどうなる?

審議まとめでは、各学校の単元の目標をそのまま評価規準とし、科目の目標をふまえつつ「内容」を基に作る方向が示されている(本体P69、本体P285)。本試案では、資料編の英語コミュニケーション(発信)Ⅰ(仮称)の内容イメージ「ディスカッションやディベートにおいて、聞いたり読んだりして得られた情報や考えなどを活用しながら、構成や表現等を工夫して…伝え合う」と、Ⅱ(仮称)の目標イメージ「構成や論理の展開、表現等を工夫して」を手がかりに評価規準を作った(資料編P46(外㊻)、資料編P48(外㊽))。知識・技能と思考・判断・表現は、第8時のディスカッションのパフォーマンステストでまとめて見取る(資料編P40(外㊵))。「主体的に学習に取り組む態度」は現行制度でも評価する観点であるため置いた。一方、次期は「学びに向かう力」を個人内評価と「思考・判断・表現」への「◯」の付記で扱う方向であり、「対話と協働」や「学びの主体的な調整」は単元ごとではなく、できる限り長い期間を通じて見取るとされる(本体P63〜P66)。単元計画の◎は記録に残す評価、○は指導に生かす評価を表す。

3 単元の指導と評価の計画

時主な学習活動評価
1単元のゴール(高校生まちづくり会議で提案する)を知る。町の観光に関する資料(観光客数の推移、住民アンケートの声:教師が自治体の公開資料などを基に作成)を読み、現状と課題を整理する。○思:【読むこと】資料から必要な情報を捉えているか(ワークシート)
2観光を広げたい立場と、住民の暮らしを守りたい立場の二人の意見(教師とALTが録音した自作の音声)を聞き、主張・理由・根拠を整理する。二人の話の構成を比べる。○思:【聞くこと】主張と根拠を区別して捉えているか(ワークシート)
3自分の立場を決め、「主張→理由→根拠(資料)→まとめ」の構成で1分間のステートメントの構成メモを作る。○知・思:構成を意識しているか(構成メモ)
4小グループでステートメントを発表し合い、根拠が資料と結び付いているかの観点で相互にフィードバックする。録音を聞いて自己評価する。○思:【話すこと[発表]】(行動観察・自己評価)
5【支える活動】ディスカッションの方策(聞き返す、相手の意見に付け加える、丁寧に反対する、話をまとめる)を表現とともに整理し、日常的な話題の短いディスカッションで使う。○知:方策と表現を理解して使っているか(行動観察)
6(本時)4人グループで町の観光についてディスカッションし、相手の意見を受け止めながらグループの提案を一つにまとめ、30秒で発表する。ディスカッションを録音する。○知・思:【話すこと[やり取り]】資料を根拠に、相手の意見を受け止めながら伝え合い、提案をまとめているか(行動観察・録音)
7録音を文字起こしし、自分の発言の論理のつながり(主張と根拠が結び付いているか)を見直す。文字起こしや生成AIのコメントには、学校・教育委員会が許可したサービスとアカウントだけを使い(利用規約・年齢制限・必要な保護者同意・データの保存や学習利用の設定を事前に確認)、生成AIのコメントは参考の一つとして吟味する。グループの提案文を書く。第8時のための資料(別の地域課題)を受け取る。○思:【書くこと】(提案文の下書き)
8パフォーマンステスト:新しいメンバーで、別の地域課題(例:駅前の空き店舗の活用)について8分間のディスカッションを行う。提案文を完成させて提出する。単元を振り返る。◎知・思:【話すこと[やり取り]】(パフォーマンステスト)/◎思:【書くこと】(提案文)/態(現行制度に基づきパフォーマンステスト・提案文・振り返りで評価する。審議まとめで示された次期の方向では長い期間で見取る)

4 本時の展開(50分)

本時の目標:町の観光についてのディスカッションで、相手の意見を受け止めながら、資料を根拠にして自分の意見を伝え合い、グループとしての提案を一つにまとめることができる。

過程・時間学習活動指導上の留意点・支援評価
導入
5分
挨拶をする。ペアで日常的な話題の即興チャット(2分)をする。話題は 'What did you do last weekend?'。会話を続けるために、質問を付け加えたり、自分のことを付け加えたりする。
Talk with your partner for two minutes. The topic is 'What did you do last weekend?' Try to keep the conversation going. Ask follow-up questions.ペアで2分間話そう。話題は『先週末に何をしたか』。会話を続けよう。追加の質問をしてみよう。
毎時間続けている即興チャットであることを確認し、前時に整理した方策を一つ意識して使うよう伝える。終了後、続けるために使った方策を2〜3人に尋ねる。
導入
3分
本時の課題を確かめる。'What should our town do about the increase in tourists?' についてディスカッションし、グループの提案を一つにまとめること、各グループが「高校生まちづくり会議」の1班であることを確認する。
More and more tourists are visiting our town. Some people are happy, but others are worried about crowded buses and trash. What should our town do? Let's discuss and make one proposal.町を訪れる観光客がどんどん増えています。喜ぶ人もいれば、混雑したバスやごみを心配する人もいます。町は何をすべきでしょうか。話し合って、提案を一つにまとめましょう。
第1・2時の資料(観光客数の推移、住民の声、二人の意見)を手元に置かせ、発言の根拠として使うよう指示する。
展開
7分
【支える活動】ディスカッションの方策カード(聞き返す・付け加える・丁寧に反対する・まとめる)の表現を確かめる。教師とALTの1分間のモデル・ディスカッションを見て、どの方策が使われたかを答える。
Could you explain that a little more? / Building on what Ken said, ... / I see your point, but ... / So far, we agree that ...もう少し説明してもらえますか。/ケンさんの意見に付け加えると…/おっしゃることは分かりますが…/ここまでで、私たちは…という点で一致していますね。
モデルでは、一度意見がぶつかってから、相手の意見の一部を取り入れて折り合う流れを見せる。方策カードは机上に置き、使ったらカードを裏返すなど、方策の使用を意識できるようにする。
展開
10分
【コミュニケーション活動】ラウンド1:4人グループで、一人ずつ1分間のステートメント(第3・4時に準備したもの)を述べた後、自由にディスカッションする。端末で録音する。
Start with your one-minute statements. Then discuss freely. Don't forget to use the data.まず1分間のステートメントから始めよう。その後は自由に話し合おう。資料を使うのを忘れずに。
ステートメントはメモを見てよいが、ディスカッション中は相手を見て話すよう促す。司会は置かず、発言の少ない人に質問を向けることも方策の一つであると伝える。教師は各グループを回り、根拠の使い方や方策の使用状況をメモする。○思:資料を根拠に、相手の意見を受け止めながら意見を伝え合っているか(行動観察)
展開
5分
【中間指導】ラウンド1で見られたよいやり取り(相手の意見を受け止めてから反対した例、資料の数値を根拠に示した例)を全体で共有する。「意見」と「事実(データ)」の区別を確かめる。
Group 3 did a great job. When they disagreed, they first said, 'I see your point.' They also used numbers from the data. That made their opinions stronger.3班はとてもよかったです。反対するとき、まず 'I see your point.' と言っていました。それに資料の数字も使っていました。そうすると意見に説得力が出ますね。
誤りの指摘よりも、よかった方策を具体的に価値付ける。根拠が感想だけになっているグループが多い場合は、資料のどこが使えるかを短く示す。
展開
12分
【コミュニケーション活動】ラウンド2:グループの提案を一つにまとめる。複数の意見の共通点や組み合わせられる点を探し、'Our group proposes that ~.' の形で提案の骨子をホワイトボードに書く。
Now, try to make one proposal. You don't have to agree on everything. Find common points or combine your ideas.では、提案を一つにまとめよう。すべてに賛成しなくてもいいよ。共通点を見つけたり、アイデアを組み合わせたりしよう。
全員が同じ意見になることを目指すのではなく、異なる意見を組み合わせたり条件を付けたりしてまとめてよいことを伝える。残り3分になったら、まとめる方策('So far, we agree that ~.')を使うよう声をかける。○思:異なる意見を受け止め、提案にまとめているか(行動観察・ホワイトボード)
まとめ
8分
各グループが30秒で提案を発表する('Our group proposes that our town should ~. This is because ~. For example, ~.')。他のグループの提案のよい点を一つメモする。振り返りシートに、使った方策、言いたかったのに言えなかったこと、次に改善したいことを書く。
Each group, please share your proposal in thirty seconds. ... Next time, you will listen to your recording and check your ideas.各グループ、30秒で提案を発表してください。…次回は録音を聞いて、自分の考えを確かめます。
「言えなかったこと」は次時の支える活動の材料にすることを伝える。録音は次時の振り返りで使うので保存させる。

5 板書計画・準備物

板書
  • 課題:What should our town do about the increase in tourists?
  • 役割:「高校生まちづくり会議」の1班として、提案を一つにまとめる
  • 発言の構成:主張 → 理由 → 根拠(資料) → まとめ
  • 方策:聞き返す Could you explain that a little more? / 付け加える Building on what ~ said, ~ / 丁寧に反対する I see your point, but ~ / まとめる So far, we agree that ~
  • 「意見」と「事実(データ)」の区別
  • 提案の型:Our group proposes that our town should ~. This is because ~. For example, ~.
  • ふり返りの視点:使った方策・言えなかったこと・次の改善
教材・準備物
  • 町の観光に関する資料(観光客数の推移、住民アンケートの声など。教師が自治体の公開資料などを基に作成し、数値は扱う地域に合わせて差し替える)
  • 二人の意見の音声(教師とALTが録音した自作のもの)
  • 方策カード(4種類)
  • ステートメントの構成メモ(第3・4時に作成したもの)
  • グループ用ホワイトボード
  • 録音用の端末
  • 振り返りシート

6 授業後のふり返り

行動観察のメモと振り返りから、方策の使用状況(聞き返しは多いが、まとめる方策が少ない等)と、「言えなかったこと」で多かったもの(例:条件付きの賛成「〜ならよい」、譲歩「確かに〜だが」)を整理し、第7時の支える活動で扱う表現を決める。第7時は録音を文字起こしし、自分の発言で主張と根拠がつながっているかを見直す。録音の文字起こしや生成AIへの入力には、学校・教育委員会が許可したサービスとアカウントだけを使い、利用規約、年齢制限、必要な保護者同意、データの保存・学習利用の設定を事前に確認しておく。外部サービスに送る場合は、名前だけでなく、個人を特定できる音声・固有名詞・具体的な体験などを入力しないことを確認し、コメントのうち採用するものを理由とともに選ばせる。各グループの提案は提案文にまとめて第8時に提出し、可能であれば地域の大人や自治体の担当者に読んでもらう機会をつくる。

※ この指導案は、次期学習指導要領の告示前に、審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえて原田英語.comが作成した試案です。評価規準は現行の3観点で書いています。