Botchan and the Grasshoppers(坊っちゃん(バッタ事件))の挿絵

Botchan and the Grasshoppers

坊っちゃん(バッタ事件)

  • 📖 535 words
  • ⏱ 約7分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ四国の中学校で、はじめて宿直をすることになった新米教師の坊っちゃん。寝ようとして布団に入ると、何かがもぞもぞ動きはじめて……。

夏目漱石『坊っちゃん』(1906年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • hot spring温泉
  • dormitory寄宿舎・寮
  • principal校長
  • futon布団
  • grasshoppersバッタ
  • pillow枕
  • stamping足をふみ鳴らして
  • mosquito bites蚊にさされたあと

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Botchan was a young teacher from Tokyo. He taught math at a middle school in a small town in Shikoku. He was very honest, but he got angry very quickly. He did not like the town much, but he loved its hot spring.

坊っちゃんは、東京から来た若い先生だった。四国の小さな町の中学校で、数学を教えていた。とても正直だが、すぐにかっとなる性格だった。坊っちゃんはこの町があまり好きではなかったが、町の温泉だけは大好きだった。

One night, it was Botchan's turn to stay at the school all night. The teachers took turns to watch the school and the dormitory. Students from faraway villages lived in the dormitory. Botchan thought this job was boring. He had to stay at school, but after dinner he went out to the hot spring. On the way, he met the principal. The principal looked at him strangely. Botchan did not care.

ある晩、坊っちゃんがひと晩じゅう学校に泊まる番がまわってきた。先生たちは交代で、学校と寄宿舎の見張りをすることになっていたのだ。寄宿舎には、遠くの村から来た生徒たちが暮らしていた。坊っちゃんは、この仕事を退屈だと思った。学校にいなければならないのに、夕食のあと、坊っちゃんは温泉に出かけてしまった。途中で校長に会った。校長は妙な顔で坊っちゃんを見たが、坊っちゃんは気にしなかった。

When he came back, he laid out his futon. A futon is a soft Japanese bed that people put on the tatami floor at night. He jumped onto it happily. Then something strange happened. Something was moving under his legs. Something was jumping on his arms. He threw off the cover.

帰ってくると、坊っちゃんは布団を敷いた。布団というのは、夜になると畳の床に敷く、やわらかい日本の寝具のことだ。坊っちゃんは気持ちよく布団に飛びこんだ。すると、おかしなことが起こった。足の下で何かが動いている。腕の上で何かがはねている。坊っちゃんは掛け布団をはねのけた。

There were grasshoppers in his bed! Fifty or sixty of them! Botchan was surprised, and then he was very angry. He hit them with his pillow again and again. It took him half an hour to get them all out of the room.

布団の中にバッタがいたのだ! 五十匹か六十匹もいる! 坊っちゃんはおどろき、それからかんかんに怒った。枕で何度も何度もバッタをたたいた。一匹残らず部屋から追い出すのに、三十分もかかった。

Botchan called six students from the dormitory. "Why did you put grasshoppers in my bed?" he shouted.

坊っちゃんは、寄宿舎から生徒を六人呼びつけた。「なぜぼくの布団にバッタを入れた?」と、坊っちゃんはどなった。

One student answered slowly. "Those are not batta, sir. They are inago." In Japanese, there are two words for this kind of insect, and the students thought it was very funny.

ひとりの生徒が、ゆっくり答えた。「あれはバッタじゃありません、先生。イナゴです」日本語にはこの種類の虫を表す言葉が二つあって、生徒たちはそれがおかしくてたまらないのだった。

"Batta or inago, it's the same thing!" said Botchan. "Why did you put them in my bed?"

「バッタだろうがイナゴだろうが、同じことだ!」と、坊っちゃんは言った。「なぜぼくの布団に入れたんだ?」

"We didn't put anything in your bed, sir," said another student. "Maybe the inago liked your bed and went in by themselves." The students all spoke in the local way, and they smiled the whole time.

「ぼくたちは先生の布団に何も入れていません」と、別の生徒が言った。「イナゴが先生の布団を気に入って、自分で入ったのかもしれません」生徒たちはみな土地の言葉で話し、そのあいだじゅう、にやにや笑っていた。

Botchan was so angry that he could not speak for a moment. "If you do something, you should say that you did it," he said. "Telling lies is the worst thing a person can do!" But the students only bowed politely and went back to their rooms.

坊っちゃんはあまりに腹が立って、しばらく口がきけなかった。「何かをしたら、自分がやったと言うべきだ」と、坊っちゃんは言った。「うそをつくのは、人間としていちばん悪いことだぞ!」ところが生徒たちは、ていねいにおじぎをするだけで、自分たちの部屋にもどっていった。

Botchan got back into bed. Just when he was falling asleep, there was a huge noise above his head. Boom! Boom! Boom! Thirty or forty students were stamping on the floor upstairs. Then they all shouted together, "Wahhh!"

坊っちゃんは、また布団に入った。ちょうど眠りかけたとき、頭の上でものすごい音がした。ドン! ドン! ドン! 三十人か四十人の生徒が、二階の床をふみ鳴らしているのだ。それから、みんなで声をそろえて「わあっ!」とさけんだ。

Botchan jumped up and ran up the stairs. But when he got there, everything was quiet. All the rooms were dark, and everyone seemed to be asleep. When he went back down, the noise started again. He ran up again in the dark and hit his leg hard. It hurt very much.

坊っちゃんは飛び起きて、階段をかけ上がった。ところが上に着くと、あたりはしんと静まり返っている。どの部屋もまっ暗で、みんな眠っているように見えた。下にもどると、また音が始まった。坊っちゃんは暗い中をもう一度かけ上がり、足を強くぶつけてしまった。ひどく痛んだ。

"I will not lose to these boys," Botchan said to himself. He sat down in the dark hallway and waited all night. In the morning, he woke up there with the sun in his eyes and mosquito bites all over his face.

「こんな子どもたちに負けてたまるか」と、坊っちゃんはつぶやいた。そして暗いろうかに座りこみ、ひと晩じゅう待った。朝、坊っちゃんはそこで目を覚ました。目には朝日が差しこみ、顔じゅう蚊にさされていた。

Later that morning, the principal came and listened to the story. "I will talk to the students about it," he said calmly. But Botchan was not happy. "Those boys must say they are sorry," he thought. "I won't give up, even if it takes a hundred years!"

その朝おそく、校長がやって来て話を聞いた。「生徒たちには、わたしから話しておきましょう」と、校長は落ち着いて言った。けれども坊っちゃんは納得できなかった。「あいつらにあやまらせなくては」と、坊っちゃんは思った。「百年かかったって、あきらめるもんか!」

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

坊っちゃんは、東京から来た若い先生だった。四国の小さな町の中学校で、数学を教えていた。とても正直だが、すぐにかっとなる性格だった。坊っちゃんはこの町があまり好きではなかったが、町の温泉だけは大好きだった。

ある晩、坊っちゃんがひと晩じゅう学校に泊まる番がまわってきた。先生たちは交代で、学校と寄宿舎の見張りをすることになっていたのだ。寄宿舎には、遠くの村から来た生徒たちが暮らしていた。坊っちゃんは、この仕事を退屈だと思った。学校にいなければならないのに、夕食のあと、坊っちゃんは温泉に出かけてしまった。途中で校長に会った。校長は妙な顔で坊っちゃんを見たが、坊っちゃんは気にしなかった。

帰ってくると、坊っちゃんは布団を敷いた。布団というのは、夜になると畳の床に敷く、やわらかい日本の寝具のことだ。坊っちゃんは気持ちよく布団に飛びこんだ。すると、おかしなことが起こった。足の下で何かが動いている。腕の上で何かがはねている。坊っちゃんは掛け布団をはねのけた。

布団の中にバッタがいたのだ! 五十匹か六十匹もいる! 坊っちゃんはおどろき、それからかんかんに怒った。枕で何度も何度もバッタをたたいた。一匹残らず部屋から追い出すのに、三十分もかかった。

坊っちゃんは、寄宿舎から生徒を六人呼びつけた。「なぜぼくの布団にバッタを入れた?」と、坊っちゃんはどなった。

ひとりの生徒が、ゆっくり答えた。「あれはバッタじゃありません、先生。イナゴです」日本語にはこの種類の虫を表す言葉が二つあって、生徒たちはそれがおかしくてたまらないのだった。

「バッタだろうがイナゴだろうが、同じことだ!」と、坊っちゃんは言った。「なぜぼくの布団に入れたんだ?」

「ぼくたちは先生の布団に何も入れていません」と、別の生徒が言った。「イナゴが先生の布団を気に入って、自分で入ったのかもしれません」生徒たちはみな土地の言葉で話し、そのあいだじゅう、にやにや笑っていた。

坊っちゃんはあまりに腹が立って、しばらく口がきけなかった。「何かをしたら、自分がやったと言うべきだ」と、坊っちゃんは言った。「うそをつくのは、人間としていちばん悪いことだぞ!」ところが生徒たちは、ていねいにおじぎをするだけで、自分たちの部屋にもどっていった。

坊っちゃんは、また布団に入った。ちょうど眠りかけたとき、頭の上でものすごい音がした。ドン! ドン! ドン! 三十人か四十人の生徒が、二階の床をふみ鳴らしているのだ。それから、みんなで声をそろえて「わあっ!」とさけんだ。

坊っちゃんは飛び起きて、階段をかけ上がった。ところが上に着くと、あたりはしんと静まり返っている。どの部屋もまっ暗で、みんな眠っているように見えた。下にもどると、また音が始まった。坊っちゃんは暗い中をもう一度かけ上がり、足を強くぶつけてしまった。ひどく痛んだ。

「こんな子どもたちに負けてたまるか」と、坊っちゃんはつぶやいた。そして暗いろうかに座りこみ、ひと晩じゅう待った。朝、坊っちゃんはそこで目を覚ました。目には朝日が差しこみ、顔じゅう蚊にさされていた。

その朝おそく、校長がやって来て話を聞いた。「生徒たちには、わたしから話しておきましょう」と、校長は落ち着いて言った。けれども坊っちゃんは納得できなかった。「あいつらにあやまらせなくては」と、坊っちゃんは思った。「百年かかったって、あきらめるもんか!」

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Botchan find in his bed?

Q2. What did the students say about the insects?

Q3. Where did Botchan spend the rest of the night?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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