The Three Spinners(糸くり三人女)の挿絵

The Three Spinners

糸くり三人女

  • 📖 644 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ糸つむぎが大きらいな、なまけ者の娘。ところが女王さまに「働き者」と勘違いされ、お城の三つの部屋いっぱいの亜麻をつむぐことになってしまいます。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • spin(糸を)つむぐ
  • flax亜麻(あま。糸の原料になる草)
  • spinning wheel糸車
  • thread糸
  • ashamed恥ずかしく思って
  • terrifiedひどくおびえて
  • twistedよった
  • praisedほめた
  • feast祝いの宴会
  • bride花嫁

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Once there was a girl who was very lazy. She did not like to spin, and her mother told her to spin again and again, but it was no use. One day the mother got so angry that she shouted at her, and the girl began to cry loudly.

むかし、とてもなまけ者の娘がいました。娘は糸をつむぐのが大きらいで、母親が何度つむぎなさいと言っても、まるでききめがありませんでした。ある日、母親はすっかり腹を立てて娘をどなりつけ、娘は大声で泣きだしました。

Just then the queen was driving by in her carriage. She heard the crying and went into the house. "Why is your daughter crying?" she asked.

ちょうどそのとき、女王さまが馬車で通りかかりました。女王さまは泣き声を聞くと、家の中に入ってきて、「娘さんは、なぜ泣いているのですか?」とたずねました。

The mother was ashamed to tell the truth. So she said, "She wants to spin all day and all night, but I am poor. I can't buy enough flax for her."

母親は、本当のことを言うのが恥ずかしくなりました。そこで、こう答えました。「この子ったら、昼も夜も、ずっと糸をつむいでいたがるんです。でも、うちは貧乏で、この子に足りるだけの亜麻を買ってやれないんですよ」

"I love the sound of spinning," said the queen. "Let her come to my castle. I have lots of flax there. She can spin as much as she likes."

「わたしは、糸をつむぐ音が大好きなのです」と、女王さまは言いました。「娘さんを、わたしのお城によこしなさい。お城には亜麻がたくさんあります。好きなだけつむげばいいのですよ」

At the castle, the queen took the girl to three big rooms. They were full of the finest flax, from the floor to the ceiling. "Spin all this flax," said the queen, "and you will marry my oldest son. You are poor, but hard work is better than money."

お城に着くと、女王さまは娘を三つの大きな部屋へ連れていきました。どの部屋も、床から天井まで、極上の亜麻でぎっしりうまっていました。「この亜麻を全部つむぎなさい」と、女王さまは言いました。「そうしたら、わたしのいちばん上の息子と結婚させてあげましょう。あなたは貧しいけれど、よく働くことは、お金よりも大切ですからね」

The girl was terrified. She could not spin all that flax even if she lived for three hundred years! When she was alone, she just sat and cried for three days. On the third day the queen came and saw that nothing was spun. "I was too sad because I missed my mother," said the girl. "All right," said the queen. "But tomorrow you must begin."

娘は震えあがりました。三百年生きたって、こんなにたくさんの亜麻をつむげるはずがありません! ひとりになると、娘はただ座りこんで、三日の間泣いてばかりいました。三日目に女王さまがやって来て、まだ少しもつむいでいないのに気がつきました。「お母さんに会えなくて、悲しくてたまらなかったんです」と、娘は言いました。「それならしかたがありませんね」と、女王さまは言いました。「でも、あしたからは始めるのですよ」

That evening the girl looked out of the window. Three strange women were coming toward the castle. The first had one very wide, flat foot. The second had a lower lip so big that it hung down over her chin. The third had one very wide thumb.

その晩、娘が窓の外をながめていると、三人の奇妙な女がお城のほうへやって来るのが見えました。一人目は、片方の足がとても幅広く、平べったくなっていました。二人目は、下唇がとても大きく、あごにかぶさるほど垂れ下がっていました。三人目は、片方の親指がとても太くなっていました。

"Why are you so sad?" they asked. The girl told them her problem. "We will help you," they said. "We will spin all the flax very quickly. But you must invite us to your wedding and call us your aunts. You must let us sit at your table, and you must not be ashamed of us." "Yes, I promise!" said the girl. "Please come in and start right now."

「どうしてそんなに悲しそうなんだい?」と、三人はたずねました。娘がわけを話すと、三人は言いました。「手伝ってあげよう。亜麻なんか、あっという間に全部つむいであげるよ。そのかわり、あんたの結婚式にわたしたちを呼んで、おばさんと呼んでおくれ。同じテーブルに座らせて、わたしたちのことを恥ずかしがらないこと」「はい、約束します!」と、娘は言いました。「どうぞ入って、すぐに始めてください」

The three women sat down in the first room and began to work. The first turned the wheel with her foot. The second wet the thread with her lips. The third twisted it and hit the table with her thumb. Each time she hit the table, some beautiful thread fell to the floor.

三人の女は最初の部屋に座って、仕事を始めました。一人目は、足で糸車を回しました。二人目は、唇で糸をしめらせました。三人目は、糸をよって、親指でテーブルをとんとたたきました。テーブルをたたくたびに、美しい糸が床に落ちてきました。

The girl hid the three women when the queen came. She only showed her the great pile of thread, and the queen praised her again and again. Soon the first room was empty, then the second, and then the third. "Don't forget your promise," said the women as they left. "It will bring you good luck."

女王さまが来るたびに、娘は三人の女を隠して、山のように積まれた糸だけを見せました。女王さまは、何度も何度も娘をほめました。まもなく最初の部屋がからになり、次に二番目の部屋が、そして三番目の部屋もからになりました。「約束を忘れないでおくれ」と、女たちは帰りぎわに言いました。「きっと、あんたに幸運を運んでくれるからね」

The queen was very pleased and began to plan the wedding. "I have three aunts," said the girl. "They were very kind to me. May they come to the wedding and sit at our table?" "Of course," said the queen and the prince.

女王さまはたいそう喜んで、結婚式の準備を始めました。「わたしには、おばが三人いるんです」と、娘は言いました。「とても親切にしてくれた人たちです。結婚式に呼んで、同じテーブルに座ってもらってもいいでしょうか?」「もちろんですとも」と、女王さまと王子さまは答えました。

At the wedding feast, the three women came in, wearing strange clothes. "Welcome, dear aunts," said the bride. "Oh, dear," said the prince. "Where did you find such strange friends?"

結婚の祝いの席に、三人の女が奇妙な服を着て入ってきました。「ようこそ、おばさまがた」と、花嫁は言いました。「おやおや」と、王子さまは言いました。「いったいどこで、こんな変わった知り合いを見つけてきたんだい?」

He went to the first woman and asked, "Why is your foot so wide?" "From turning the wheel," she said. "From turning the wheel." He asked the second, "Why is your lip so big?" "From wetting the thread," she said. "From wetting the thread." He asked the third, "Why is your thumb so wide?" "From twisting the thread," she said. "From twisting the thread."

王子さまは一人目の女のところへ行って、たずねました。「どうしてそんなに足の幅が広いのですか?」「糸車を回すからですよ」と、女は答えました。「糸車を回すからですよ」二人目には、「どうしてそんなに唇が大きいのですか?」とたずねました。「糸をしめらせるからですよ」と、女は答えました。「糸をしめらせるからですよ」三人目には、「どうしてそんなに親指が太いのですか?」とたずねました。「糸をよるからですよ」と、女は答えました。「糸をよるからですよ」

The prince was shocked. He turned to his bride and said, "From now on, you will never touch a spinning wheel again!" And so the lazy girl never had to spin again.

王子さまはぎょっとしました。そして花嫁のほうを向いて言いました。「これからは、二度と糸車に触ってはいけないよ!」こうして、なまけ者の娘は、もう二度と糸をつむがずにすんだのでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、とてもなまけ者の娘がいました。娘は糸をつむぐのが大きらいで、母親が何度つむぎなさいと言っても、まるでききめがありませんでした。ある日、母親はすっかり腹を立てて娘をどなりつけ、娘は大声で泣きだしました。

ちょうどそのとき、女王さまが馬車で通りかかりました。女王さまは泣き声を聞くと、家の中に入ってきて、「娘さんは、なぜ泣いているのですか?」とたずねました。

母親は、本当のことを言うのが恥ずかしくなりました。そこで、こう答えました。「この子ったら、昼も夜も、ずっと糸をつむいでいたがるんです。でも、うちは貧乏で、この子に足りるだけの亜麻を買ってやれないんですよ」

「わたしは、糸をつむぐ音が大好きなのです」と、女王さまは言いました。「娘さんを、わたしのお城によこしなさい。お城には亜麻がたくさんあります。好きなだけつむげばいいのですよ」

お城に着くと、女王さまは娘を三つの大きな部屋へ連れていきました。どの部屋も、床から天井まで、極上の亜麻でぎっしりうまっていました。「この亜麻を全部つむぎなさい」と、女王さまは言いました。「そうしたら、わたしのいちばん上の息子と結婚させてあげましょう。あなたは貧しいけれど、よく働くことは、お金よりも大切ですからね」

娘は震えあがりました。三百年生きたって、こんなにたくさんの亜麻をつむげるはずがありません! ひとりになると、娘はただ座りこんで、三日の間泣いてばかりいました。三日目に女王さまがやって来て、まだ少しもつむいでいないのに気がつきました。「お母さんに会えなくて、悲しくてたまらなかったんです」と、娘は言いました。「それならしかたがありませんね」と、女王さまは言いました。「でも、あしたからは始めるのですよ」

その晩、娘が窓の外をながめていると、三人の奇妙な女がお城のほうへやって来るのが見えました。一人目は、片方の足がとても幅広く、平べったくなっていました。二人目は、下唇がとても大きく、あごにかぶさるほど垂れ下がっていました。三人目は、片方の親指がとても太くなっていました。

「どうしてそんなに悲しそうなんだい?」と、三人はたずねました。娘がわけを話すと、三人は言いました。「手伝ってあげよう。亜麻なんか、あっという間に全部つむいであげるよ。そのかわり、あんたの結婚式にわたしたちを呼んで、おばさんと呼んでおくれ。同じテーブルに座らせて、わたしたちのことを恥ずかしがらないこと」「はい、約束します!」と、娘は言いました。「どうぞ入って、すぐに始めてください」

三人の女は最初の部屋に座って、仕事を始めました。一人目は、足で糸車を回しました。二人目は、唇で糸をしめらせました。三人目は、糸をよって、親指でテーブルをとんとたたきました。テーブルをたたくたびに、美しい糸が床に落ちてきました。

女王さまが来るたびに、娘は三人の女を隠して、山のように積まれた糸だけを見せました。女王さまは、何度も何度も娘をほめました。まもなく最初の部屋がからになり、次に二番目の部屋が、そして三番目の部屋もからになりました。「約束を忘れないでおくれ」と、女たちは帰りぎわに言いました。「きっと、あんたに幸運を運んでくれるからね」

女王さまはたいそう喜んで、結婚式の準備を始めました。「わたしには、おばが三人いるんです」と、娘は言いました。「とても親切にしてくれた人たちです。結婚式に呼んで、同じテーブルに座ってもらってもいいでしょうか?」「もちろんですとも」と、女王さまと王子さまは答えました。

結婚の祝いの席に、三人の女が奇妙な服を着て入ってきました。「ようこそ、おばさまがた」と、花嫁は言いました。「おやおや」と、王子さまは言いました。「いったいどこで、こんな変わった知り合いを見つけてきたんだい?」

王子さまは一人目の女のところへ行って、たずねました。「どうしてそんなに足の幅が広いのですか?」「糸車を回すからですよ」と、女は答えました。「糸車を回すからですよ」二人目には、「どうしてそんなに唇が大きいのですか?」とたずねました。「糸をしめらせるからですよ」と、女は答えました。「糸をしめらせるからですよ」三人目には、「どうしてそんなに親指が太いのですか?」とたずねました。「糸をよるからですよ」と、女は答えました。「糸をよるからですよ」

王子さまはぎょっとしました。そして花嫁のほうを向いて言いました。「これからは、二度と糸車に触ってはいけないよ!」こうして、なまけ者の娘は、もう二度と糸をつむがずにすんだのでした。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the mother tell the queen a lie?

Q2. What did the three women want for their help?

Q3. Why did the prince say that his bride must never spin again?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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