The Frog King(カエルの王さま)の挿絵

The Frog King

カエルの王さま

  • 📖 559 words
  • ⏱ 約7分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ大切な金のまりを井戸に落としてしまったお姫さま。「取ってきてあげよう。そのかわり……」と言ったのは、一ぴきのカエルでした。

グリム童話(1812年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • well井戸
  • golden ball金のまり
  • promise約束(する)
  • nastyいやな
  • wicked悪い
  • spell魔法
  • carriage馬車
  • faithful忠実な
  • iron bands鉄のたが(輪)

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Long ago, there lived a king whose daughters were all beautiful. But the youngest was so beautiful that even the sun was surprised when it shone on her face.

むかし、ある王さまがいました。王さまの娘たちは、みんな美しいお姫さまでした。なかでも末のお姫さまはとりわけ美しく、お日さまでさえ、その顔を照らすたびに驚くほどでした。

Near the castle was a dark forest, and under an old tree in the forest was a well. On hot days, the princess liked to sit by the cool well and play with her golden ball. It was her favorite toy.

お城の近くには暗い森があり、その森の古い木の下に井戸がありました。暑い日には、お姫さまは涼しい井戸のそばに座って、金のまりで遊ぶのが好きでした。それは、お姫さまのいちばんのお気に入りのおもちゃでした。

One day she threw the ball up high, but she didn't catch it. It rolled away and fell into the well. The well was so deep that she couldn't see the bottom. The princess began to cry.

ある日、お姫さまはまりを高く投げ上げましたが、受けそこなってしまいました。まりはころころと転がって、井戸の中に落ちてしまいました。井戸はとても深く、底が見えませんでした。お姫さまは泣きだしました。

"What's wrong, princess?" said a voice. She looked around and saw a frog with a big, ugly head. "I'm crying because my golden ball fell into the well," she said.

「どうしたのですか、お姫さま?」と、声がしました。お姫さまがあたりを見まわすと、大きな醜い頭をしたカエルがいました。「金のまりが井戸に落ちてしまったから、泣いているのよ」と、お姫さまは答えました。

"I can bring it back," said the frog. "But what will you give me?" "Anything you want, dear frog. My dresses, my pearls, even my golden crown."

「ぼくなら取ってこられますよ」と、カエルは言いました。「でも、お礼に何をくれますか?」「なんでもほしいものをあげるわ、カエルさん。わたしのドレスでも、真珠でも、金の冠だって」

"I don't want those things," said the frog. "But if you will be my friend and let me eat from your little golden plate and sleep in your little bed, I will bring your ball back." "Yes, yes, I promise!" she said. But she thought, "What a silly frog! He can't be anyone's friend."

「そんなものはいりません」と、カエルは言いました。「でも、ぼくをお友達にして、あなたの小さな金のお皿から食べさせてくれて、あなたの小さなベッドで寝かせてくれるなら、まりを取ってきてあげましょう」「ええ、ええ、約束するわ!」と、お姫さまは言いました。けれども心の中では、こう思っていました。「なんてばかなカエルでしょう! カエルがだれかのお友達になんてなれるはずがないわ」

The frog dived down and soon came up with the ball in his mouth. The princess was so happy that she picked it up and ran away. "Wait! Take me with you!" cried the frog. But she didn't listen.

カエルは水の中にもぐり、まもなくまりを口にくわえて上がってきました。お姫さまは大喜びで、まりを拾うと走っていってしまいました。「待って! ぼくも連れていって!」と、カエルはさけびました。でも、お姫さまは聞こうともしませんでした。

The next evening, while the king and the princess were eating dinner, something came up the stairs: splish, splash, splish, splash. Then there was a knock at the door. "Youngest princess, open the door for me!" She opened the door, saw the frog and shut it again quickly.

次の日の晩、王さまとお姫さまが夕食を食べていると、何かが階段を上ってきました。ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ。それから、扉をたたく音がしました。「末のお姫さま、扉を開けてください!」お姫さまは扉を開けてカエルを見ると、急いでまた閉めてしまいました。

"What's the matter?" asked the king. She told him everything. The king said, "When you make a promise, you must keep it. Let him in."

「どうしたのだ?」と、王さまはたずねました。お姫さまは何もかも話しました。王さまは言いました。「約束をしたなら、守らなければならない。中に入れてやりなさい」

So the frog came in and ate from her golden plate. But she could hardly eat a thing. After dinner, he said, "I'm tired. Carry me to your room."

そこでカエルは中に入り、お姫さまの金のお皿から食べました。でも、お姫さまのほうは、ほとんど何ものどを通りませんでした。夕食が終わると、カエルは言いました。「疲れました。ぼくをあなたの部屋へ運んでください」

The princess began to cry. But the king became angry. "He helped you when you needed help. You must not forget him now."

お姫さまは泣きだしました。けれども、王さまは怒りました。「おまえが助けを必要としていたとき、このカエルは助けてくれたのだ。今になってそれを忘れてはならない」

She picked him up with two fingers, carried him upstairs and put him in a corner. But when she was in bed, he came and said, "I'm tired too. Lift me up, or I'll tell your father." Then the princess became very angry. She picked him up and threw him against the wall. "Now be quiet, you nasty frog!"

お姫さまは二本の指でカエルをつまみ上げ、二階へ運んで部屋のすみに置きました。ところが、お姫さまがベッドに入ると、カエルがやって来て言いました。「ぼくも疲れました。ベッドに上げてください。さもないと、お父さまに言いつけますよ」すると、お姫さまはかんかんに怒りました。カエルをつかみ上げると、壁に投げつけました。「さあ、静かにしてちょうだい、いやなカエル!」

But when he fell, he was not a frog any longer. He was a king's son with kind, beautiful eyes. A wicked witch had put a spell on him, and only the princess could break it. Soon, with her father's happy blessing, they were married.

ところが、落ちたとき、カエルはもうカエルではありませんでした。やさしく美しい目をした王子さまになっていたのです。王子さまは悪い魔女に魔法をかけられていて、その魔法を解けるのはお姫さまだけだったのでした。まもなく、父の王さまも喜んでふたりを祝福し、ふたりは結婚しました。

The next morning, a carriage came to take them to the prince's kingdom. At the back stood the prince's servant, Faithful Henry. When his master became a frog, Henry was so sad that he put three iron bands around his heart, so that it would not break. As they rode away, there was a loud crack, then another and another. The iron bands were breaking, because now Henry's heart was full of joy.

次の朝、ふたりを王子さまの国へ連れていくために、馬車がやって来ました。馬車のうしろには、王子さまの家来の、忠実なハインリヒが立っていました。ご主人がカエルにされてしまったとき、ハインリヒはあまりに悲しくて、心臓がはりさけそうになりました。そこで、はりさけないように、胸に三本の鉄のたがをはめていたのです。馬車が走りだすと、大きくパキンという音がして、それからもう一度、さらにもう一度鳴りました。それは、鉄のたがが一本、また一本とはじける音でした。ハインリヒの心が、今は喜びでいっぱいになったからです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、ある王さまがいました。王さまの娘たちは、みんな美しいお姫さまでした。なかでも末のお姫さまはとりわけ美しく、お日さまでさえ、その顔を照らすたびに驚くほどでした。

お城の近くには暗い森があり、その森の古い木の下に井戸がありました。暑い日には、お姫さまは涼しい井戸のそばに座って、金のまりで遊ぶのが好きでした。それは、お姫さまのいちばんのお気に入りのおもちゃでした。

ある日、お姫さまはまりを高く投げ上げましたが、受けそこなってしまいました。まりはころころと転がって、井戸の中に落ちてしまいました。井戸はとても深く、底が見えませんでした。お姫さまは泣きだしました。

「どうしたのですか、お姫さま?」と、声がしました。お姫さまがあたりを見まわすと、大きな醜い頭をしたカエルがいました。「金のまりが井戸に落ちてしまったから、泣いているのよ」と、お姫さまは答えました。

「ぼくなら取ってこられますよ」と、カエルは言いました。「でも、お礼に何をくれますか?」「なんでもほしいものをあげるわ、カエルさん。わたしのドレスでも、真珠でも、金の冠だって」

「そんなものはいりません」と、カエルは言いました。「でも、ぼくをお友達にして、あなたの小さな金のお皿から食べさせてくれて、あなたの小さなベッドで寝かせてくれるなら、まりを取ってきてあげましょう」「ええ、ええ、約束するわ!」と、お姫さまは言いました。けれども心の中では、こう思っていました。「なんてばかなカエルでしょう! カエルがだれかのお友達になんてなれるはずがないわ」

カエルは水の中にもぐり、まもなくまりを口にくわえて上がってきました。お姫さまは大喜びで、まりを拾うと走っていってしまいました。「待って! ぼくも連れていって!」と、カエルはさけびました。でも、お姫さまは聞こうともしませんでした。

次の日の晩、王さまとお姫さまが夕食を食べていると、何かが階段を上ってきました。ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ。それから、扉をたたく音がしました。「末のお姫さま、扉を開けてください!」お姫さまは扉を開けてカエルを見ると、急いでまた閉めてしまいました。

「どうしたのだ?」と、王さまはたずねました。お姫さまは何もかも話しました。王さまは言いました。「約束をしたなら、守らなければならない。中に入れてやりなさい」

そこでカエルは中に入り、お姫さまの金のお皿から食べました。でも、お姫さまのほうは、ほとんど何ものどを通りませんでした。夕食が終わると、カエルは言いました。「疲れました。ぼくをあなたの部屋へ運んでください」

お姫さまは泣きだしました。けれども、王さまは怒りました。「おまえが助けを必要としていたとき、このカエルは助けてくれたのだ。今になってそれを忘れてはならない」

お姫さまは二本の指でカエルをつまみ上げ、二階へ運んで部屋のすみに置きました。ところが、お姫さまがベッドに入ると、カエルがやって来て言いました。「ぼくも疲れました。ベッドに上げてください。さもないと、お父さまに言いつけますよ」すると、お姫さまはかんかんに怒りました。カエルをつかみ上げると、壁に投げつけました。「さあ、静かにしてちょうだい、いやなカエル!」

ところが、落ちたとき、カエルはもうカエルではありませんでした。やさしく美しい目をした王子さまになっていたのです。王子さまは悪い魔女に魔法をかけられていて、その魔法を解けるのはお姫さまだけだったのでした。まもなく、父の王さまも喜んでふたりを祝福し、ふたりは結婚しました。

次の朝、ふたりを王子さまの国へ連れていくために、馬車がやって来ました。馬車のうしろには、王子さまの家来の、忠実なハインリヒが立っていました。ご主人がカエルにされてしまったとき、ハインリヒはあまりに悲しくて、心臓がはりさけそうになりました。そこで、はりさけないように、胸に三本の鉄のたがをはめていたのです。馬車が走りだすと、大きくパキンという音がして、それからもう一度、さらにもう一度鳴りました。それは、鉄のたがが一本、また一本とはじける音でした。ハインリヒの心が、今は喜びでいっぱいになったからです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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A promise must be kept.

約束は守らなければならない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the princess drop into the well?

Q2. What did the king tell his daughter?

Q3. Why did Henry put iron bands around his heart?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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