Hans in Luck(しあわせハンス)の挿絵

Hans in Luck

しあわせハンス

  • 📖 464 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ七年働いたごほうびに、大きな金のかたまりをもらったハンス。家へ帰る道で、次々と「すてきな交換」をしていきます。

グリム童話(1819年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • master主人
  • trade交換する
  • ditchみぞ
  • butcher肉屋
  • gooseガチョウ
  • knife grinder刃物とぎ屋
  • grindstone砥石(といし)
  • by accidentうっかり

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Hans worked for his master for seven years. Then he said, "Master, my time is over. I want to go home to my mother. Please give me my pay." "You were a good and honest worker," said his master, and he gave Hans a piece of gold as big as Hans's head. Hans put it on his shoulder and started for home.

ハンスは七年のあいだ、ご主人のもとで働きました。そして言いました。「ご主人さま、わたしの年季が明けました。家に帰って、母に会いたいのです。どうかお給金をください」「おまえはよく働く正直な者だった」とご主人は言って、ハンスの頭ほどもある大きな金のかたまりをくれました。ハンスはそれを肩にかついで、家に向かって歩きだしました。

The gold was very heavy. Soon a man came along on a fine horse. "Riding is wonderful!" said Hans. "It's like sitting on a chair, and you never hurt your feet."

金はとても重いものでした。まもなく、立派な馬に乗った男がやって来ました。「馬に乗るってすばらしいなあ!」と、ハンスは言いました。「いすに座っているみたいだし、足を痛めることもないもの」

"Then let's trade," said the rider. "My horse for your gold." Hans was very happy. He climbed on the horse and rode off.

「それなら、取りかえっこしよう」と、馬に乗った男は言いました。「わたしの馬と、おまえさんの金とだ」ハンスは大喜びでした。馬にまたがると、そのまま駆けていきました。

But the horse ran too fast, and Hans fell off into a ditch. A farmer with a cow stopped the horse. "Riding is no fun," said Hans.

ところが、馬があまりに速く走ったので、ハンスは振り落とされて、みぞに落ちてしまいました。牛を連れたお百姓さんが、馬を止めてくれました。「馬に乗るのは、ちっともおもしろくないや」と、ハンスは言いました。

"A cow is better. You can walk behind it slowly and have milk, butter and cheese every day." "I'll trade my cow for your horse," said the farmer. Hans thanked him again and again.

「牛のほうがいいね。うしろからのんびり歩いていけるし、毎日ミルクやバターやチーズが手に入る」「わたしの牛と、おまえさんの馬を取りかえてあげよう」と、お百姓さんは言いました。ハンスは何度も何度もお礼を言いました。

The day was hot, and Hans was thirsty. He tried to milk the cow, but not a drop came out. Then the cow kicked him on the head. A butcher came by with a young pig.

その日は暑く、ハンスはのどがかわきました。牛の乳をしぼろうとしましたが、一滴も出てきません。そのうえ、牛に頭をけとばされてしまいました。そこへ、若いブタを連れた肉屋が通りかかりました。

"That cow is too old to give milk," he said. "Then I'd rather have a pig," said Hans. "Think of the sausages!" So they traded.

「その牛は年をとりすぎていて、乳が出ないよ」と、肉屋は言いました。「それなら、ブタのほうがいいな」と、ハンスは言いました。「ソーセージがたくさん作れるぞ!」それで、ふたりは取りかえっこしました。

Next, Hans met a boy with a fine white goose. "That pig looks like the one that was stolen from the mayor's farm," said the boy. "If they catch you with it, you'll go to prison!" Hans was afraid. "Please take the pig and give me your goose." The boy took the pig and quickly went away.

次に、ハンスは立派な白いガチョウをかかえた少年に出会いました。「そのブタ、村長さんの農場から盗まれたブタにそっくりだね」と、少年は言いました。「それを持っているところをつかまったら、牢屋に入れられちゃうよ!」ハンスはこわくなりました。「どうか、このブタを持っていって、きみのガチョウをおくれ」少年はブタを受け取ると、さっさと行ってしまいました。

"What luck!" thought Hans. "Roast goose, and soft feathers for my pillow!" In the next village he met a knife grinder who was singing happily at his work.

「なんて運がいいんだろう!」と、ハンスは思いました。「ガチョウの丸焼きが食べられるし、まくらにはやわらかい羽根が使えるぞ!」次の村で、ハンスは、仕事をしながら楽しそうに歌っている刃物とぎに出会いました。

"A grinder always has money in his pocket," said the man. "If you had a grindstone, you could always make money too. I'll give you this stone for your goose." So Hans gave him the goose and took the heavy stone.

「刃物とぎは、いつだってポケットにお金があるのさ」と、その男は言いました。「おまえさんも砥石を持っていれば、いつでもお金をかせげるよ。おまえさんのガチョウと、この砥石を取りかえてあげよう」そこでハンスはガチョウを渡して、重い石を受け取りました。

Hans walked on, but the stone was very heavy, and he was tired and thirsty. He came to a well. He put the stone on the edge and bent down to drink. Then he pushed the stone by accident, and plop! It fell into the deep water.

ハンスは歩きつづけましたが、石はとても重く、ハンスは疲れて、のどもかわいていました。井戸のところに来ると、ハンスは石を井戸のふちに置き、かがんで水を飲もうとしました。そのとき、うっかり石を押してしまい、ポチャン! 石は深い水の中に落ちてしまいました。

Hans jumped up with joy. Tears of happiness came to his eyes. "Now I don't have to carry that heavy stone!" he cried. "There is no one under the sun as lucky as I am!" With a light heart and nothing in his hands, he ran all the way home to his mother.

ハンスは喜んで飛び上がりました。うれし涙がこみ上げてきました。「これで、あの重い石を運ばなくてすむぞ!」と、ハンスはさけびました。「お日さまの下で、ぼくほど運のいい人間はいないや!」心も軽く、手には何も持たずに、ハンスはお母さんの待つ家までずっと走って帰りました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ハンスは七年のあいだ、ご主人のもとで働きました。そして言いました。「ご主人さま、わたしの年季が明けました。家に帰って、母に会いたいのです。どうかお給金をください」「おまえはよく働く正直な者だった」とご主人は言って、ハンスの頭ほどもある大きな金のかたまりをくれました。ハンスはそれを肩にかついで、家に向かって歩きだしました。

金はとても重いものでした。まもなく、立派な馬に乗った男がやって来ました。「馬に乗るってすばらしいなあ!」と、ハンスは言いました。「いすに座っているみたいだし、足を痛めることもないもの」

「それなら、取りかえっこしよう」と、馬に乗った男は言いました。「わたしの馬と、おまえさんの金とだ」ハンスは大喜びでした。馬にまたがると、そのまま駆けていきました。

ところが、馬があまりに速く走ったので、ハンスは振り落とされて、みぞに落ちてしまいました。牛を連れたお百姓さんが、馬を止めてくれました。「馬に乗るのは、ちっともおもしろくないや」と、ハンスは言いました。

「牛のほうがいいね。うしろからのんびり歩いていけるし、毎日ミルクやバターやチーズが手に入る」「わたしの牛と、おまえさんの馬を取りかえてあげよう」と、お百姓さんは言いました。ハンスは何度も何度もお礼を言いました。

その日は暑く、ハンスはのどがかわきました。牛の乳をしぼろうとしましたが、一滴も出てきません。そのうえ、牛に頭をけとばされてしまいました。そこへ、若いブタを連れた肉屋が通りかかりました。

「その牛は年をとりすぎていて、乳が出ないよ」と、肉屋は言いました。「それなら、ブタのほうがいいな」と、ハンスは言いました。「ソーセージがたくさん作れるぞ!」それで、ふたりは取りかえっこしました。

次に、ハンスは立派な白いガチョウをかかえた少年に出会いました。「そのブタ、村長さんの農場から盗まれたブタにそっくりだね」と、少年は言いました。「それを持っているところをつかまったら、牢屋に入れられちゃうよ!」ハンスはこわくなりました。「どうか、このブタを持っていって、きみのガチョウをおくれ」少年はブタを受け取ると、さっさと行ってしまいました。

「なんて運がいいんだろう!」と、ハンスは思いました。「ガチョウの丸焼きが食べられるし、まくらにはやわらかい羽根が使えるぞ!」次の村で、ハンスは、仕事をしながら楽しそうに歌っている刃物とぎに出会いました。

「刃物とぎは、いつだってポケットにお金があるのさ」と、その男は言いました。「おまえさんも砥石を持っていれば、いつでもお金をかせげるよ。おまえさんのガチョウと、この砥石を取りかえてあげよう」そこでハンスはガチョウを渡して、重い石を受け取りました。

ハンスは歩きつづけましたが、石はとても重く、ハンスは疲れて、のどもかわいていました。井戸のところに来ると、ハンスは石を井戸のふちに置き、かがんで水を飲もうとしました。そのとき、うっかり石を押してしまい、ポチャン! 石は深い水の中に落ちてしまいました。

ハンスは喜んで飛び上がりました。うれし涙がこみ上げてきました。「これで、あの重い石を運ばなくてすむぞ!」と、ハンスはさけびました。「お日さまの下で、ぼくほど運のいい人間はいないや!」心も軽く、手には何も持たずに、ハンスはお母さんの待つ家までずっと走って帰りました。

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

このお話の教訓 Moral

タップして見る

Happiness is in the heart, not in the pocket.

しあわせは、持ち物ではなく心の中にある。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did Hans get for seven years of work?

Q2. What did Hans trade for the goose?

Q3. How did Hans feel when the stone fell into the well?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 2 の読み物をもっと見る →