Doctor Know-All(物知り博士)の挿絵

Doctor Know-All

物知り博士

  • 📖 564 words
  • ⏱ 約7分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじおいしそうな食事をする医者を見て、自分も医者になりたくなった貧しいお百姓のクラッブ。看板をかかげて「物知り博士」になったとたん、お金を盗まれた殿さまがやって来ます。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • oxen牛(ox の複数形)
  • roosterおんどり
  • sign看板
  • lord殿さま・領主
  • stolen盗まれた
  • servant召し使い
  • thief泥棒(複数形 thieves)
  • crabsカニ
  • coverふた
  • stove大きなストーブ(暖炉)

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Once there was a poor farmer called Crabb. One day he took a load of wood to town with his two oxen, and he sold it to a doctor. When he went to get his money, the doctor was eating dinner. The food looked wonderful. "I want to be a doctor, too," thought Crabb.

むかし、クラッブという貧しいお百姓がいました。ある日、クラッブは二頭の牛に薪を一車ぶん引かせて町へ行き、それをお医者さんに売りました。お金を受け取りに行くと、お医者さんはちょうど夕食の最中でした。ごちそうが、なんともおいしそうでした。「おれも医者になりたいなあ」と、クラッブは思いました。

"Can I become a doctor?" he asked. "Oh, yes, that is easy," said the doctor. "First, buy an ABC book with a picture of a rooster at the front. Second, sell your cart and your oxen, and buy fine clothes and the things a doctor needs. Third, put a sign over your door that says, 'I am Doctor Know-All.'"

「わたしも、お医者になれるでしょうか?」と、クラッブは尋ねました。「ああ、なれるとも。簡単なことさ」と、お医者さんは言いました。「まず、最初のページにおんどりの絵が載っている、ABCの本を買いなさい。次に、荷車と牛を売って、立派な服と、医者に必要な道具を買いなさい。三つ目に、戸口の上に看板をかけなさい。『わたしは物知り博士』と書いてね」

Crabb did all of that. Soon after, a rich lord lost a lot of money. Someone had stolen it. People told him, "Go to Doctor Know-All. He will know where it is."

クラッブは、言われたことを全部やりました。まもなく、あるお金持ちの殿さまが、大金をなくしました。だれかに盗まれたのです。人々は殿さまに言いました。「物知り博士のところへ行ってごらんなさい。お金のありかが分かりますよ」

So the lord drove to Crabb's village. "Are you Doctor Know-All?" "Yes, I am." "Then come with me and find my money." "All right," said Crabb, "but my wife Grete must come, too."

そこで殿さまは、馬車でクラッブの村へ出かけました。「おまえが物知り博士か?」「はい、さようでございます」「では、一緒に来て、わしの金を見つけてくれ」「承知しました」と、クラッブは言いました。「ですが、女房のグレーテも一緒に連れていきますよ」

At the lord's castle, dinner was ready, and Crabb and Grete sat down at the table. A servant came in with the first dish. Crabb gave his wife a little push and said, "Grete, that was the first." He meant the first dish.

殿さまのお城では、夕食の用意ができていました。クラッブとグレーテは、食卓につきました。召し使いが、最初のお皿を運んできました。クラッブは女房をひじでつついて言いました。「グレーテ、あれが一番目だぞ」一番目のお料理、という意味で言ったのです。

But the servant thought he meant, "That was the first thief." And he really was one of the thieves! He was very frightened. Outside, he said to the others, "The doctor knows everything! He called me the first."

ところが召し使いは、「あれが一番目の泥棒だ」と言われたのだと思いました。それに、この男は本当に泥棒の一人だったのです! 召し使いは震えあがりました。外に出ると、仲間たちに言いました。「あの博士は何でもお見通しだ! おれのことを一番目だと言ったぞ」

The second servant did not want to go in, but he had to. When he came in, Crabb said, "Grete, that is the second." The servant hurried out, very frightened. The third servant had the same trouble. "Grete, that is the third."

二人目の召し使いは、中へ入りたくありませんでしたが、行かないわけにはいきません。召し使いが入っていくと、クラッブは言いました。「グレーテ、あれが二番目だ」召し使いは震えあがって、急いで出ていきました。三人目の召し使いも、同じ目にあいました。「グレーテ、あれが三番目だ」

The fourth servant brought a dish with a cover on it. "Doctor," said the lord, "show us how clever you are. What is under the cover?" There were crabs under it, but Crabb did not know that. He looked at the dish and said sadly, "Oh, poor Crabb!"

四人目の召し使いは、ふたをしたお皿を運んできました。「博士」と、殿さまは言いました。「腕前を見せてもらおう。このふたの下には、何が入っている?」中にはカニ(英語でクラブ)が入っていましたが、クラッブはそんなことは知りません。お皿を眺めて、悲しそうに言いました。「ああ、かわいそうなクラッブ!」

"There!" cried the lord. "He knows! So he will know who has my money, too!"

「ほら!」と、殿さまは叫びました。「分かっておる! これなら、だれがわしの金を持っているかも、分かるはずじゃ!」

The servants were terribly afraid. They made signs to the doctor to come outside. There, all four of them told him the truth. "We took the money. We will give it back, and we will give you a lot of money, too. But please do not tell the lord, or we will be in terrible trouble!" Then they showed him where they had hidden it.

召し使いたちは、すっかり怖くなりました。外へ出てきてほしいと、博士に合図をしました。外に出ると、四人はそろって本当のことを打ち明けました。「お金を盗んだのは、わたしたちです。お金はお返しします。博士にも、たくさんお礼をさしあげます。ですから、どうか殿さまには言わないでください。殿さまに知られたら、わたしたちはひどい目にあいます!」それから召し使いたちは、お金を隠した場所を博士に見せました。

Crabb was happy. He went back in and sat down. "My lord," he said, "now I will look in my book and find the gold." A fifth servant wanted to hear more, so he hid inside the big stove.

クラッブは大喜びでした。中に戻って、席につきました。「殿さま」と、クラッブは言いました。「それでは、わたしの本で、金貨のありかを調べてみましょう」五人目の召し使いは、もっと話を聞こうとして、大きなストーブの中に隠れました。

Crabb opened his ABC book. He turned the pages this way and that way, because he was looking for the picture of the rooster. He could not find it, so he said, "I know you are in there. Come out!"

クラッブはABCの本を開きました。ページをあっちへめくり、こっちへめくり。おんどりの絵を探していたのです。なかなか見つからないので、クラッブは言いました。「そこにいるのは分かっているぞ。出てこい!」

The servant in the stove thought that the doctor meant him. He jumped out, crying, "That man knows everything!"

ストーブの中の召し使いは、博士が自分のことを言っているのだと思いました。そして、「あの人は何でもお見通しだ!」と叫びながら、とび出してきました。

Then Doctor Know-All showed the lord where the money was, but he did not say who had taken it. He got money from the lord and from the servants, too, and he became a very famous man.

こうして物知り博士は、お金のありかを殿さまに教えましたが、だれが盗んだのかは言いませんでした。博士は殿さまからも召し使いたちからもお金をもらい、たいそう有名な人になりました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、クラッブという貧しいお百姓がいました。ある日、クラッブは二頭の牛に薪を一車ぶん引かせて町へ行き、それをお医者さんに売りました。お金を受け取りに行くと、お医者さんはちょうど夕食の最中でした。ごちそうが、なんともおいしそうでした。「おれも医者になりたいなあ」と、クラッブは思いました。

「わたしも、お医者になれるでしょうか?」と、クラッブは尋ねました。「ああ、なれるとも。簡単なことさ」と、お医者さんは言いました。「まず、最初のページにおんどりの絵が載っている、ABCの本を買いなさい。次に、荷車と牛を売って、立派な服と、医者に必要な道具を買いなさい。三つ目に、戸口の上に看板をかけなさい。『わたしは物知り博士』と書いてね」

クラッブは、言われたことを全部やりました。まもなく、あるお金持ちの殿さまが、大金をなくしました。だれかに盗まれたのです。人々は殿さまに言いました。「物知り博士のところへ行ってごらんなさい。お金のありかが分かりますよ」

そこで殿さまは、馬車でクラッブの村へ出かけました。「おまえが物知り博士か?」「はい、さようでございます」「では、一緒に来て、わしの金を見つけてくれ」「承知しました」と、クラッブは言いました。「ですが、女房のグレーテも一緒に連れていきますよ」

殿さまのお城では、夕食の用意ができていました。クラッブとグレーテは、食卓につきました。召し使いが、最初のお皿を運んできました。クラッブは女房をひじでつついて言いました。「グレーテ、あれが一番目だぞ」一番目のお料理、という意味で言ったのです。

ところが召し使いは、「あれが一番目の泥棒だ」と言われたのだと思いました。それに、この男は本当に泥棒の一人だったのです! 召し使いは震えあがりました。外に出ると、仲間たちに言いました。「あの博士は何でもお見通しだ! おれのことを一番目だと言ったぞ」

二人目の召し使いは、中へ入りたくありませんでしたが、行かないわけにはいきません。召し使いが入っていくと、クラッブは言いました。「グレーテ、あれが二番目だ」召し使いは震えあがって、急いで出ていきました。三人目の召し使いも、同じ目にあいました。「グレーテ、あれが三番目だ」

四人目の召し使いは、ふたをしたお皿を運んできました。「博士」と、殿さまは言いました。「腕前を見せてもらおう。このふたの下には、何が入っている?」中にはカニ(英語でクラブ)が入っていましたが、クラッブはそんなことは知りません。お皿を眺めて、悲しそうに言いました。「ああ、かわいそうなクラッブ!」

「ほら!」と、殿さまは叫びました。「分かっておる! これなら、だれがわしの金を持っているかも、分かるはずじゃ!」

召し使いたちは、すっかり怖くなりました。外へ出てきてほしいと、博士に合図をしました。外に出ると、四人はそろって本当のことを打ち明けました。「お金を盗んだのは、わたしたちです。お金はお返しします。博士にも、たくさんお礼をさしあげます。ですから、どうか殿さまには言わないでください。殿さまに知られたら、わたしたちはひどい目にあいます!」それから召し使いたちは、お金を隠した場所を博士に見せました。

クラッブは大喜びでした。中に戻って、席につきました。「殿さま」と、クラッブは言いました。「それでは、わたしの本で、金貨のありかを調べてみましょう」五人目の召し使いは、もっと話を聞こうとして、大きなストーブの中に隠れました。

クラッブはABCの本を開きました。ページをあっちへめくり、こっちへめくり。おんどりの絵を探していたのです。なかなか見つからないので、クラッブは言いました。「そこにいるのは分かっているぞ。出てこい!」

ストーブの中の召し使いは、博士が自分のことを言っているのだと思いました。そして、「あの人は何でもお見通しだ!」と叫びながら、とび出してきました。

こうして物知り博士は、お金のありかを殿さまに教えましたが、だれが盗んだのかは言いませんでした。博士は殿さまからも召し使いたちからもお金をもらい、たいそう有名な人になりました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Crabb want to be a doctor?

Q2. What was under the cover of the fourth dish?

Q3. What was Crabb really looking for in his ABC book?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

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