Heidi(ハイジ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate名作文学

Heidi

ハイジ

  • 📖 793 words
  • ⏱ 約7分
  • 🔊 3:52
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじアルプスの山小屋で、気むずかしいおじいさんと暮らすことになった5歳のハイジ。山での幸せな日々から、大都会フランクフルトへ連れて行かれて……。原作の物語全体を短くまとめた再話です。

ヨハンナ・シュピリ『ハイジ』(1880〜1881年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • hut小屋
  • Alpsアルプス山脈
  • hay loft干し草置き場(屋根裏)
  • meadows牧草地
  • shutters雨戸、よろい戸
  • wheelchair車いす
  • homesickホームシックの
  • hymns賛美歌
  • jealousやきもちを焼いた
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・イギリス英語・Kore)

Heidi was five years old when her Aunt Dete took her up the mountain. Heidi's parents were dead, and Dete had a new job in the city of Frankfurt. "You must live with your grandfather now," she said.

ハイジが五歳のとき、デーテおばさんがハイジを山へ連れていきました。ハイジの両親はもう亡くなっていて、デーテはフランクフルトの町で新しい仕事を見つけたのです。「これからは、おじいさんと一緒に暮らすのよ」とデーテは言いました。

Heidi's grandfather lived alone in a wooden hut high in the Alps. The people in the village below called him Alm-Uncle, and they were afraid of him. He never went to church, and he spoke to almost nobody. "That old man won't want a child," they said.

ハイジのおじいさんは、アルプスの高いところにある木の小屋に、一人で住んでいました。ふもとの村の人たちはおじいさんを「アルムおんじ」と呼んで、怖がっていました。おじいさんは教会にも行かず、ほとんど誰とも口をききませんでした。「あのじいさんが、子どもなんかほしがるもんか」と村の人たちは言いました。

But the old man looked at Heidi for a long time, and Heidi looked back at him without fear. She loved everything she saw: the big fire, the round window, and the hay loft where she could sleep and look at the stars. That evening Grandfather toasted cheese over the fire, and she drank fresh goat's milk. "It is the best milk in the world," she said.

けれどもおじいさんは、長いあいだハイジを見つめていました。ハイジも、怖がらずにおじいさんを見つめ返しました。ハイジは、目に入るものが何もかも大好きになりました。大きな暖炉の火、丸い窓、そして寝ころんだまま星を眺められる、屋根裏の干し草置き場。その晩、おじいさんは火でチーズをあぶってくれて、ハイジはしぼりたてのヤギの乳を飲みました。「世界でいちばんおいしいミルクだわ」とハイジは言いました。

Every morning a boy named Peter took the village goats up to the high meadows, and Heidi went with him. She ran among the flowers and watched the eagle in the sky. In the evening, the sun turned the snowy mountains red and gold. "The mountains are on fire!" Heidi cried.

毎朝、ペーターという男の子が、村のヤギたちを高い牧場へ連れていきました。ハイジも一緒について行きました。ハイジは花のあいだを駆け回り、空を飛ぶワシを眺めました。夕方になると、太陽が雪の山々を赤と金色に染めました。「山が燃えているわ!」とハイジは叫びました。

Peter lived with his mother and his blind grandmother in a little old house. Heidi often visited the grandmother. "When you come, the day is bright for me," the old woman said. Heidi asked Grandfather to fix the shaking shutters on her house, and he did. The old man was smiling more often now.

ペーターは、お母さんと、目の見えないおばあさんと一緒に、小さな古い家に住んでいました。ハイジはよく、おばあさんのところへ遊びに行きました。「おまえが来てくれると、わたしの一日が明るくなるよ」とおばあさんは言いました。ハイジがおじいさんに、おばあさんの家のがたがたする雨戸を直してほしいと頼むと、おじいさんは直してあげました。このごろ、おじいさんはよく笑顔を見せるようになっていました。

For three happy years, Heidi lived on the mountain. Then Aunt Dete came back. "A rich family in Frankfurt has a daughter who cannot walk," she said. "Her name is Clara, and she needs a friend." Grandfather was angry, but Dete took Heidi away.

三年のあいだ、ハイジは山の上で幸せに暮らしました。そこへ、デーテおばさんが戻ってきました。「フランクフルトのお金持ちの家に、歩けない娘さんがいるの」とデーテは言いました。「クララという名前で、お友だちが必要なのよ」おじいさんは怒りましたが、デーテはハイジを連れていってしまいました。

The Sesemanns' house in Frankfurt was large and grand. Clara was twelve. She was pale and spent all day in a wheelchair. She loved Heidi at once. But the housekeeper, Miss Rottenmeier, was very strict. "This child is wild," she said. In the city there were no mountains, only walls and windows. Heidi hid soft white rolls from her dinner in her cupboard. "Peter's grandmother cannot eat hard bread," she thought. "I will take these to her."

フランクフルトのゼーゼマン家は、大きくて立派なお屋敷でした。クララは十二歳でした。顔色が青白く、一日じゅう車いすに座って過ごしていました。クララはすぐに、ハイジのことが大好きになりました。けれども、家政婦長のロッテンマイヤーさんは、とても厳しい人でした。「この子は、まるで野生児です」とロッテンマイヤーさんは言いました。町には山がなく、壁と窓しかありませんでした。ハイジは夕食に出たやわらかい白パンを、戸棚に隠しておきました。「ペーターのおばあさんは、かたいパンが食べられないもの」とハイジは思いました。「これを持っていってあげよう」

Clara's grandmother came to visit. She was kind and wise, and she taught Heidi to read with a book of beautiful pictures. But Heidi grew thinner and paler every day. She was terribly homesick. She did not want to look ungrateful, so she said nothing.

クララのおばあさまが、お屋敷にやって来ました。おばあさまはやさしくて賢い人で、きれいな絵の入った本を使って、ハイジに字の読み方を教えてくれました。けれどもハイジは、日に日にやせて、顔色が悪くなっていきました。山に帰りたくて、たまらなかったのです。それでも、恩知らずだと思われたくなかったので、ハイジは何も言いませんでした。

Then strange things began to happen. Every morning the front door was found open. The servants said there was a ghost in the house. One night, Clara's father and the doctor sat up and waited. At midnight they saw a small white figure on the stairs. It was Heidi in her nightdress. She was walking in her sleep.

そのうち、奇妙なことが起こり始めました。毎朝、玄関の扉が開いているのです。召使いたちは、お屋敷に幽霊が出るのだとうわさしました。ある夜、クララのお父さんとお医者さんが、寝ずに見張っていました。真夜中、階段に小さな白い人影が見えました。寝間着姿のハイジでした。ハイジは、眠ったまま歩いていたのです。

"Where did you want to go?" the doctor asked gently. "I dreamed I was with Grandfather," said Heidi. "I heard the wind in the fir trees. But when I wake up, I am always in Frankfurt." And she began to cry quietly. "This child is ill with homesickness," the doctor said. "She must go home at once."

「どこへ行きたかったんだい?」とお医者さんはやさしくたずねました。「おじいさんと一緒にいる夢を見たの」とハイジは言いました。「モミの木に吹く風の音が聞こえたの。でも目が覚めると、いつもフランクフルトにいるの」そしてハイジは、声をたてずに泣き出しました。「この子は、ふるさとが恋しくて病気になっているのです」とお医者さんは言いました。「すぐに家へ帰してやらなければなりません」

So Heidi went home with a basket of soft white rolls for Peter's grandmother. When she ran up the path, Grandfather was sitting in front of his hut. She threw her arms around his neck. "Grandfather! Grandfather!" For the first time in many years, his eyes were wet with tears.

こうしてハイジは、ペーターのおばあさんにあげるやわらかい白パンをかごに入れて、家へ帰りました。ハイジが小道を駆け上がっていくと、おじいさんは小屋の前に座っていました。ハイジはおじいさんの首に抱きつきました。「おじいさん! おじいさん!」何年ぶりかで、おじいさんの目は涙でぬれました。

That evening Heidi read hymns from a book to Peter's grandmother, and the old woman's face shone with joy. The next Sunday, Grandfather took Heidi's hand and walked down to the village church. The people were amazed. After that, he had friends again.

その晩、ハイジはペーターのおばあさんに、本にのっている賛美歌を読んであげました。おばあさんの顔は、喜びで輝きました。次の日曜日、おじいさんはハイジの手を引いて、村の教会へ下りていきました。村の人たちはびっくりしました。それからというもの、おじいさんにはまた友だちができたのです。

The next summer Clara came to visit. Grandfather carried her up to the hut. She breathed the clean mountain air and drank goat's milk, and her cheeks grew pinker every day. But Peter was jealous, because Heidi had no time for him now. One morning he saw the empty wheelchair outside the hut. In anger, he pushed it down the mountain, and it broke into pieces.

次の夏、クララが遊びにやって来ました。おじいさんはクララを抱いて、小屋まで運び上げました。クララはきれいな山の空気を吸い、ヤギの乳を飲んで、ほおは日ごとにばら色になっていきました。ところがペーターは、やきもちを焼いていました。ハイジがもう、自分にかまってくれないからです。ある朝、ペーターは小屋の外に、空っぽの車いすが置いてあるのを見つけました。腹を立てたペーターがそれを山の下へ突き落とすと、車いすはばらばらに壊れてしまいました。

Now Clara had no chair. Up in the meadow, Heidi said, "Clara, try to stand. Peter and I will help you." Clara put one foot down, then the other. "Oh, Heidi!" she cried. "I can do it! I'm walking!"

これで、クララのいすはなくなってしまいました。上の牧場で、ハイジは言いました。「クララ、立ってみて。ペーターとわたしが手伝うから」クララは片足を下ろし、それからもう片方の足を下ろしました。「ああ、ハイジ!」とクララは叫びました。「できたわ! わたし、歩いてる!」

Clara walked a little more every day. When her father came up the mountain, she walked across the grass to meet him. He could not believe his eyes. Peter told the truth about the chair, and Clara's grandmother kindly forgave him. That evening, the mountains turned red and gold again, and Heidi's heart was full of joy.

クララは毎日、少しずつ長く歩けるようになりました。お父さんが山に登ってきたとき、クララは草の上を歩いて、お父さんを迎えに行きました。お父さんは、自分の目が信じられませんでした。ペーターは車いすのことを正直に打ち明け、クララのおばあさまは、やさしくペーターを許してあげました。その晩、山々はまた赤と金色に染まり、ハイジの心は喜びでいっぱいになりました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ハイジが五歳のとき、デーテおばさんがハイジを山へ連れていきました。ハイジの両親はもう亡くなっていて、デーテはフランクフルトの町で新しい仕事を見つけたのです。「これからは、おじいさんと一緒に暮らすのよ」とデーテは言いました。

ハイジのおじいさんは、アルプスの高いところにある木の小屋に、一人で住んでいました。ふもとの村の人たちはおじいさんを「アルムおんじ」と呼んで、怖がっていました。おじいさんは教会にも行かず、ほとんど誰とも口をききませんでした。「あのじいさんが、子どもなんかほしがるもんか」と村の人たちは言いました。

けれどもおじいさんは、長いあいだハイジを見つめていました。ハイジも、怖がらずにおじいさんを見つめ返しました。ハイジは、目に入るものが何もかも大好きになりました。大きな暖炉の火、丸い窓、そして寝ころんだまま星を眺められる、屋根裏の干し草置き場。その晩、おじいさんは火でチーズをあぶってくれて、ハイジはしぼりたてのヤギの乳を飲みました。「世界でいちばんおいしいミルクだわ」とハイジは言いました。

毎朝、ペーターという男の子が、村のヤギたちを高い牧場へ連れていきました。ハイジも一緒について行きました。ハイジは花のあいだを駆け回り、空を飛ぶワシを眺めました。夕方になると、太陽が雪の山々を赤と金色に染めました。「山が燃えているわ!」とハイジは叫びました。

ペーターは、お母さんと、目の見えないおばあさんと一緒に、小さな古い家に住んでいました。ハイジはよく、おばあさんのところへ遊びに行きました。「おまえが来てくれると、わたしの一日が明るくなるよ」とおばあさんは言いました。ハイジがおじいさんに、おばあさんの家のがたがたする雨戸を直してほしいと頼むと、おじいさんは直してあげました。このごろ、おじいさんはよく笑顔を見せるようになっていました。

三年のあいだ、ハイジは山の上で幸せに暮らしました。そこへ、デーテおばさんが戻ってきました。「フランクフルトのお金持ちの家に、歩けない娘さんがいるの」とデーテは言いました。「クララという名前で、お友だちが必要なのよ」おじいさんは怒りましたが、デーテはハイジを連れていってしまいました。

フランクフルトのゼーゼマン家は、大きくて立派なお屋敷でした。クララは十二歳でした。顔色が青白く、一日じゅう車いすに座って過ごしていました。クララはすぐに、ハイジのことが大好きになりました。けれども、家政婦長のロッテンマイヤーさんは、とても厳しい人でした。「この子は、まるで野生児です」とロッテンマイヤーさんは言いました。町には山がなく、壁と窓しかありませんでした。ハイジは夕食に出たやわらかい白パンを、戸棚に隠しておきました。「ペーターのおばあさんは、かたいパンが食べられないもの」とハイジは思いました。「これを持っていってあげよう」

クララのおばあさまが、お屋敷にやって来ました。おばあさまはやさしくて賢い人で、きれいな絵の入った本を使って、ハイジに字の読み方を教えてくれました。けれどもハイジは、日に日にやせて、顔色が悪くなっていきました。山に帰りたくて、たまらなかったのです。それでも、恩知らずだと思われたくなかったので、ハイジは何も言いませんでした。

そのうち、奇妙なことが起こり始めました。毎朝、玄関の扉が開いているのです。召使いたちは、お屋敷に幽霊が出るのだとうわさしました。ある夜、クララのお父さんとお医者さんが、寝ずに見張っていました。真夜中、階段に小さな白い人影が見えました。寝間着姿のハイジでした。ハイジは、眠ったまま歩いていたのです。

「どこへ行きたかったんだい?」とお医者さんはやさしくたずねました。「おじいさんと一緒にいる夢を見たの」とハイジは言いました。「モミの木に吹く風の音が聞こえたの。でも目が覚めると、いつもフランクフルトにいるの」そしてハイジは、声をたてずに泣き出しました。「この子は、ふるさとが恋しくて病気になっているのです」とお医者さんは言いました。「すぐに家へ帰してやらなければなりません」

こうしてハイジは、ペーターのおばあさんにあげるやわらかい白パンをかごに入れて、家へ帰りました。ハイジが小道を駆け上がっていくと、おじいさんは小屋の前に座っていました。ハイジはおじいさんの首に抱きつきました。「おじいさん! おじいさん!」何年ぶりかで、おじいさんの目は涙でぬれました。

その晩、ハイジはペーターのおばあさんに、本にのっている賛美歌を読んであげました。おばあさんの顔は、喜びで輝きました。次の日曜日、おじいさんはハイジの手を引いて、村の教会へ下りていきました。村の人たちはびっくりしました。それからというもの、おじいさんにはまた友だちができたのです。

次の夏、クララが遊びにやって来ました。おじいさんはクララを抱いて、小屋まで運び上げました。クララはきれいな山の空気を吸い、ヤギの乳を飲んで、ほおは日ごとにばら色になっていきました。ところがペーターは、やきもちを焼いていました。ハイジがもう、自分にかまってくれないからです。ある朝、ペーターは小屋の外に、空っぽの車いすが置いてあるのを見つけました。腹を立てたペーターがそれを山の下へ突き落とすと、車いすはばらばらに壊れてしまいました。

これで、クララのいすはなくなってしまいました。上の牧場で、ハイジは言いました。「クララ、立ってみて。ペーターとわたしが手伝うから」クララは片足を下ろし、それからもう片方の足を下ろしました。「ああ、ハイジ!」とクララは叫びました。「できたわ! わたし、歩いてる!」

クララは毎日、少しずつ長く歩けるようになりました。お父さんが山に登ってきたとき、クララは草の上を歩いて、お父さんを迎えに行きました。お父さんは、自分の目が信じられませんでした。ペーターは車いすのことを正直に打ち明け、クララのおばあさまは、やさしくペーターを許してあげました。その晩、山々はまた赤と金色に染まり、ハイジの心は喜びでいっぱいになりました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Heidi hide white rolls in her cupboard?

Q2. What was the "ghost" in the Sesemanns' house?

Q3. What did Peter do because he was jealous?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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