The Three Feathers(三枚の鳥の羽)の挿絵

The Three Feathers

三枚の鳥の羽

  • 📖 883 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ年をとった王さまは、三人の息子のうちだれに国をゆずるか決めるため、三枚の羽根を空に吹き上げました。「おばかさん」と呼ばれる末の王子の羽根は、すぐ近くに落ちてしまいます。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • Simpletonおばかさん(あだ名)
  • carpetじゅうたん
  • quarrelけんか、争い
  • trapdoor床や地面の上げぶた
  • toadヒキガエル
  • weave織る
  • goldsmith金細工師
  • turnipカブ
  • hollow中がくりぬかれた
  • coach(四輪の)馬車

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Once upon a time there was a king who had three sons. Two of them were clever, but the third didn't talk much and seemed simple, so everyone called him Simpleton. The king was growing old and weak, and he did not know which son should be king after him.

むかしむかし、ある王さまに、三人の王子がいました。上のふたりは賢い王子でしたが、三番目の王子は口数が少なく、少しぼんやりして見えたので、みんなから「おばかさん」と呼ばれていました。王さまは年をとって体も弱くなってきましたが、どの王子にあとをつがせたらよいのか、わかりませんでした。

So he said to them, "Go out into the world. The one who brings me the most beautiful carpet will be king after me." So that there would be no quarrel, he took them outside the castle and blew three feathers into the air. "Follow your feathers," he said. One feather flew to the east, and another to the west. The third flew straight up, but not very far, and soon fell to the ground.

そこで王さまは、三人に言いました。「世の中へ出ていくがよい。いちばん美しいじゅうたんを持ってきた者に、わしのあとをつがせよう」そして、争いが起こらないように、三人をお城の外へ連れていき、三枚の羽根を空に吹き上げて言いました。「それぞれの羽根を追っていくのだ」一枚の羽根は東へ、もう一枚は西へ飛んでいきました。三枚目はまっすぐ上に飛びましたが、あまり遠くへは行かず、すぐに地面に落ちてしまいました。

So the first brother went one way, and the second went the other. They laughed at Simpleton, because he had to stay where his feather had fallen. Simpleton sat down sadly. But then he noticed a trapdoor in the ground next to the feather. He lifted it and found some stairs. He went down and came to another door. He knocked, and a voice inside sang, "Little green girl, so small and neat, hop to the door on your little feet!"

そこで、いちばん上の兄はこちらへ、二番目の兄はあちらへと出かけていきました。ふたりは、羽根が落ちたところにとどまるしかないおばかさんを笑いものにしました。おばかさんは、しょんぼりと腰をおろしました。ところがそのとき、羽根のすぐそばの地面に、上げぶたがあるのに気がつきました。持ち上げてみると、階段がありました。その階段を下りていくと、また扉がありました。扉をたたくと、中から歌う声がしました。「緑のおちびさん、小さくてかわいい子、小さな足で、ぴょんと戸口へ行っておくれ!」

The door opened, and Simpleton saw a big, fat toad with lots of little toads all around her. The fat toad asked him what he wanted. "I would like the most beautiful carpet in the world," he said. The toad called a young toad and sang, "Little green girl, so small and neat, bring me the big box, quick on your feet!"

扉が開くと、大きな太ったヒキガエルがいて、その周りを小さなヒキガエルたちがたくさん取りかこんでいました。太ったヒキガエルは、何がほしいのかとたずねました。「世界でいちばん美しいじゅうたんがほしいのです」と、おばかさんは答えました。ヒキガエルは若いヒキガエルを一匹呼んで、歌いました。「緑のおちびさん、小さくてかわいい子、大きな箱を持ってきて、ぴょんぴょん急いでおくれ!」

The young toad brought the box, and the fat toad took out a carpet and gave it to Simpleton. It was so beautiful and fine that nobody on the earth above could ever weave one like it. Simpleton thanked her and climbed back up.

若いヒキガエルが箱を持ってくると、太ったヒキガエルはじゅうたんを一枚取り出して、おばかさんにくれました。それはそれは美しくて目のこまかいじゅうたんで、地上のだれにも、こんなじゅうたんは織れそうにありませんでした。おばかさんはお礼を言って、上へ戻りました。

Meanwhile, his two brothers thought, "Our little brother is so stupid that he won't find anything. Why should we work hard?" So they took some rough cloths from the first shepherd's wife they met and carried them home to the king. At the same time, Simpleton came back with his beautiful carpet. When the king saw it, he was amazed. "It is only fair," he said. "The kingdom belongs to my youngest son."

いっぽう、ふたりの兄さんたちは考えました。「弟はあんなにばかなんだから、何も見つけられやしないさ。おれたちが頑張ることはないさ」そこで、最初に出会った羊飼いのおかみさんから、そまつな布を何枚かもらって、王さまのところへ持って帰りました。ちょうどそのとき、おばかさんも美しいじゅうたんを持って帰ってきました。それを見た王さまは、目を見はりました。「これが公平というものだ」と、王さまは言いました。「国は、末の王子のものだ」

But the two older brothers gave their father no peace. "How can Simpleton be king? He doesn't understand anything!" they said. So the king said, "The one who brings me the most beautiful ring will have the kingdom." Again he blew the three feathers into the air. Again two flew east and west, and Simpleton's feather fell down beside the trapdoor.

ところが、兄さんたちは、王さまに一日も気の休まるひまを与えませんでした。「どうして、おばかさんが王になれるのです? あいつは何もわかっていないのに!」と、ふたりは言いました。そこで王さまは言いました。「いちばん美しい指輪を持ってきた者に、国をゆずろう」王さまはまた三枚の羽根を空に吹き上げました。また二枚は東と西へ飛び、おばかさんの羽根は、上げぶたのそばに落ちました。

Simpleton went down to the fat toad again and told her that he needed the most beautiful ring. At once she had her big box brought, and she took out a ring. It shone with jewels and was more beautiful than anything a goldsmith on earth could make. His brothers didn't even try. They took an old iron ring from a cart wheel and brought it to the king. But when Simpleton showed his golden ring, the king again said, "The kingdom is his."

おばかさんはまた太ったヒキガエルのところへ下りていって、いちばん美しい指輪がほしいと言いました。ヒキガエルはすぐに大きな箱を持ってこさせて、指輪をひとつ取り出しました。その指輪は宝石できらきらと輝き、地上のどんな金細工師にも作れないほど美しいものでした。兄さんたちは、探そうともしませんでした。古い荷車の車輪から鉄の輪をはずして、王さまのところへ持っていったのです。ところが、おばかさんが金の指輪を見せると、王さまはまた言いました。「国は、この王子のものだ」

The two older brothers still complained, until the king gave them a third test. "The one who brings home the most beautiful woman will have the kingdom." He blew the feathers into the air again, and they flew just as before.

それでも兄さんたちが文句を言い続けるので、王さまはとうとう、三つ目の試験を出しました。「いちばん美しい女の人を連れて帰った者に、国をゆずろう」王さまはまた羽根を空に吹き上げ、羽根は前と同じように飛んでいきました。

This time Simpleton went straight down to the fat toad and said, "I have to bring home the most beautiful woman!" "Oh," said the toad, "the most beautiful woman? She isn't here right now, but you will have her." She gave him a yellow turnip that was hollow inside, with six little mice tied to it.

今度は、おばかさんはまっすぐ太ったヒキガエルのところへ下りていって、言いました。「いちばん美しい女の人を連れて帰らなくてはならないのです!」「おやまあ」と、ヒキガエルは言いました。「いちばん美しい女の人だって? 今はここにいないけれど、ちゃんと用意してあげるよ」ヒキガエルは、中をくりぬいた黄色いカブをおばかさんにくれました。カブには、六匹の小さなネズミがつながれていました。

"What can I do with this?" asked Simpleton sadly. "Just put one of my little toads in it," said the fat toad. So he picked up one of the little toads and put her inside the turnip. As soon as she sat down, she turned into a wonderfully beautiful young woman. The turnip became a coach, and the six mice became six horses. Simpleton kissed her, drove quickly away, and brought her to the king.

「これで、どうしろというのですか?」と、おばかさんは悲しそうにたずねました。「わたしの小さなヒキガエルを一匹、その中に入れてごらん」と、太ったヒキガエルは言いました。そこで、おばかさんは小さなヒキガエルを一匹つまみ上げて、カブの中に入れました。ヒキガエルが座ったとたん、それはそれは美しい娘に変わりました。カブは馬車に、六匹のネズミは六頭の馬に変わりました。おばかさんは娘にキスをして、急いで馬車を走らせ、王さまのところへ連れていきました。

His brothers came after him. They hadn't tried to find beautiful women at all. They had simply brought the first farm women they met. When the king saw them, he said, "After my death, the kingdom will belong to my youngest son."

兄さんたちは、あとからやって来ました。美しい女の人を探そうなどとは、少しもしなかったのです。最初に出会った農家のおかみさんを、そのまま連れてきただけでした。それを見た王さまは言いました。「わしが死んだら、国は末の王子のものだ」

But the two older brothers shouted again, "We can't let Simpleton be king!" They asked for one more test. A ring hung from the ceiling in the middle of the hall, and the brother whose bride could jump through it would be king. They thought, "Our farm women are strong, so they can do that easily. But that delicate lady will fall and hurt herself."

けれども、兄さんたちはまた叫びました。「おばかさんを王にするなんて、とんでもない!」ふたりは、もうひとつ試験をしてほしいと頼みました。大広間の真ん中に、天井から輪がひとつつるしてありました。連れてきた花嫁がその輪を跳んでくぐりぬけられたら、その王子を王にしようというのです。兄さんたちは考えました。「うちのおかみさんたちは力が強いから、わけないさ。でも、あのきゃしゃなお嬢さんは、落ちてけがをするだろう」

The old king agreed to this too. First the two farm women jumped. They got through the ring, but they were clumsy, so they fell down hard on the floor and could not get up. Then the beautiful young woman that Simpleton had brought jumped through the ring as lightly as a deer. After that, nobody could complain any more. So Simpleton got the crown, and he ruled the kingdom wisely for many years.

年とった王さまは、これも聞き入れました。まず、ふたりの農家のおかみさんが跳びました。輪はくぐりぬけましたが、身のこなしがにぶかったので、どしんと床に落ちて、起き上がれなくなってしまいました。次に、おばかさんが連れてきた美しい娘が、シカのように軽々と輪をくぐりぬけました。これで、もうだれも文句は言えなくなりました。こうして、おばかさんは王冠を受けつぎ、長い間、賢く国をおさめました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかしむかし、ある王さまに、三人の王子がいました。上のふたりは賢い王子でしたが、三番目の王子は口数が少なく、少しぼんやりして見えたので、みんなから「おばかさん」と呼ばれていました。王さまは年をとって体も弱くなってきましたが、どの王子にあとをつがせたらよいのか、わかりませんでした。

そこで王さまは、三人に言いました。「世の中へ出ていくがよい。いちばん美しいじゅうたんを持ってきた者に、わしのあとをつがせよう」そして、争いが起こらないように、三人をお城の外へ連れていき、三枚の羽根を空に吹き上げて言いました。「それぞれの羽根を追っていくのだ」一枚の羽根は東へ、もう一枚は西へ飛んでいきました。三枚目はまっすぐ上に飛びましたが、あまり遠くへは行かず、すぐに地面に落ちてしまいました。

そこで、いちばん上の兄はこちらへ、二番目の兄はあちらへと出かけていきました。ふたりは、羽根が落ちたところにとどまるしかないおばかさんを笑いものにしました。おばかさんは、しょんぼりと腰をおろしました。ところがそのとき、羽根のすぐそばの地面に、上げぶたがあるのに気がつきました。持ち上げてみると、階段がありました。その階段を下りていくと、また扉がありました。扉をたたくと、中から歌う声がしました。「緑のおちびさん、小さくてかわいい子、小さな足で、ぴょんと戸口へ行っておくれ!」

扉が開くと、大きな太ったヒキガエルがいて、その周りを小さなヒキガエルたちがたくさん取りかこんでいました。太ったヒキガエルは、何がほしいのかとたずねました。「世界でいちばん美しいじゅうたんがほしいのです」と、おばかさんは答えました。ヒキガエルは若いヒキガエルを一匹呼んで、歌いました。「緑のおちびさん、小さくてかわいい子、大きな箱を持ってきて、ぴょんぴょん急いでおくれ!」

若いヒキガエルが箱を持ってくると、太ったヒキガエルはじゅうたんを一枚取り出して、おばかさんにくれました。それはそれは美しくて目のこまかいじゅうたんで、地上のだれにも、こんなじゅうたんは織れそうにありませんでした。おばかさんはお礼を言って、上へ戻りました。

いっぽう、ふたりの兄さんたちは考えました。「弟はあんなにばかなんだから、何も見つけられやしないさ。おれたちが頑張ることはないさ」そこで、最初に出会った羊飼いのおかみさんから、そまつな布を何枚かもらって、王さまのところへ持って帰りました。ちょうどそのとき、おばかさんも美しいじゅうたんを持って帰ってきました。それを見た王さまは、目を見はりました。「これが公平というものだ」と、王さまは言いました。「国は、末の王子のものだ」

ところが、兄さんたちは、王さまに一日も気の休まるひまを与えませんでした。「どうして、おばかさんが王になれるのです? あいつは何もわかっていないのに!」と、ふたりは言いました。そこで王さまは言いました。「いちばん美しい指輪を持ってきた者に、国をゆずろう」王さまはまた三枚の羽根を空に吹き上げました。また二枚は東と西へ飛び、おばかさんの羽根は、上げぶたのそばに落ちました。

おばかさんはまた太ったヒキガエルのところへ下りていって、いちばん美しい指輪がほしいと言いました。ヒキガエルはすぐに大きな箱を持ってこさせて、指輪をひとつ取り出しました。その指輪は宝石できらきらと輝き、地上のどんな金細工師にも作れないほど美しいものでした。兄さんたちは、探そうともしませんでした。古い荷車の車輪から鉄の輪をはずして、王さまのところへ持っていったのです。ところが、おばかさんが金の指輪を見せると、王さまはまた言いました。「国は、この王子のものだ」

それでも兄さんたちが文句を言い続けるので、王さまはとうとう、三つ目の試験を出しました。「いちばん美しい女の人を連れて帰った者に、国をゆずろう」王さまはまた羽根を空に吹き上げ、羽根は前と同じように飛んでいきました。

今度は、おばかさんはまっすぐ太ったヒキガエルのところへ下りていって、言いました。「いちばん美しい女の人を連れて帰らなくてはならないのです!」「おやまあ」と、ヒキガエルは言いました。「いちばん美しい女の人だって? 今はここにいないけれど、ちゃんと用意してあげるよ」ヒキガエルは、中をくりぬいた黄色いカブをおばかさんにくれました。カブには、六匹の小さなネズミがつながれていました。

「これで、どうしろというのですか?」と、おばかさんは悲しそうにたずねました。「わたしの小さなヒキガエルを一匹、その中に入れてごらん」と、太ったヒキガエルは言いました。そこで、おばかさんは小さなヒキガエルを一匹つまみ上げて、カブの中に入れました。ヒキガエルが座ったとたん、それはそれは美しい娘に変わりました。カブは馬車に、六匹のネズミは六頭の馬に変わりました。おばかさんは娘にキスをして、急いで馬車を走らせ、王さまのところへ連れていきました。

兄さんたちは、あとからやって来ました。美しい女の人を探そうなどとは、少しもしなかったのです。最初に出会った農家のおかみさんを、そのまま連れてきただけでした。それを見た王さまは言いました。「わしが死んだら、国は末の王子のものだ」

けれども、兄さんたちはまた叫びました。「おばかさんを王にするなんて、とんでもない!」ふたりは、もうひとつ試験をしてほしいと頼みました。大広間の真ん中に、天井から輪がひとつつるしてありました。連れてきた花嫁がその輪を跳んでくぐりぬけられたら、その王子を王にしようというのです。兄さんたちは考えました。「うちのおかみさんたちは力が強いから、わけないさ。でも、あのきゃしゃなお嬢さんは、落ちてけがをするだろう」

年とった王さまは、これも聞き入れました。まず、ふたりの農家のおかみさんが跳びました。輪はくぐりぬけましたが、身のこなしがにぶかったので、どしんと床に落ちて、起き上がれなくなってしまいました。次に、おばかさんが連れてきた美しい娘が、シカのように軽々と輪をくぐりぬけました。これで、もうだれも文句は言えなくなりました。こうして、おばかさんは王冠を受けつぎ、長い間、賢く国をおさめました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Where did Simpleton's feather fall?

Q2. What did the older brothers bring the first time?

Q3. What did the little toad turn into?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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