The Three Brothers(三人兄弟)の挿絵

The Three Brothers

三人兄弟

  • 📖 376 words
  • ⏱ 約5分
  • YL 0.5–0.9
  • 英検5〜4級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ家を一軒しか持っていない父親と、その家がほしい三人の息子たち。父親は「それぞれ仕事を身につけて、いちばんの腕前を見せた者に家をやろう」と言います。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • trade職業・手に職
  • blacksmithかじ屋
  • barber床屋
  • fencing master剣術の先生
  • shavedひげをそった
  • razorかみそり
  • whiskers(動物の)ひげ
  • carriage馬車
  • sword剣
  • grave墓

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

There was once a man who had three sons. His house was all he had.

むかし、三人の息子を持つ男の人がいました。持っているものといえば、住んでいる家だけでした。

Each son wanted the house. But the father loved all three the same, and he did not want to sell the old family house.

息子たちは、三人とも、その家をほしがっていました。けれども、お父さんにとっては、三人ともみんな同じようにかわいい息子でした。それに、先祖から受けついだ古い家を、売ってしまう気にもなれませんでした。

At last he had an idea. "Go out into the world," he said, "and each of you, learn a trade. When you come back, the one who shows the best work will get the house."

とうとう、お父さんはいい考えを思いつきました。「世の中へ出ていって、それぞれ手に職をつけてきなさい」と、お父さんは言いました。「帰ってきたとき、いちばんの腕前を見せた者に、この家をやろう」

The sons liked this plan. The oldest wanted to be a blacksmith, the second a barber, and the youngest a fencing master. Then they went away.

息子たちは、この考えが気に入りました。いちばん上の兄さんは鍛冶屋に、二番目は床屋に、いちばん下の弟は剣術の先生になることにしました。そして、三人はそれぞれ旅立っていきました。

The blacksmith put shoes on the king's horses. The barber shaved only great people. Each of them thought, "The house will be mine." The youngest brother was often hit during his fencing lessons, but he never got angry. "I must not be afraid of a little pain," he said.

鍛冶屋は、王さまの馬に蹄鉄を打つようになりました。床屋は、えらい人のひげしかそらないようになりました。ふたりとも「家はおれのものだ」と思っていました。いちばん下の弟は、剣術の稽古でしょっちゅう打たれましたが、決して腹を立てませんでした。「少しくらい痛いのを怖がっていちゃだめだ」と、自分に言い聞かせていたのです。

At last the three brothers came home. How could they show their skills?

やがて、三人の兄弟は家に帰ってきました。さて、どうやって腕前を見せたらいいでしょう?

Just then, a hare came running across the field. The barber ran after it with his soap and razor, and he shaved off its whiskers. The hare was running fast, but the barber did not hurt it. "Well done!" said the father.

ちょうどそのとき、野原をウサギが一匹駆けてきました。床屋は、せっけんとかみそりを持ってウサギを追いかけ、ひげをそり落としました。ウサギはすばやく走っていましたが、床屋は傷ひとつつけませんでした。「おみごと!」と、お父さんは言いました。

Soon a carriage came by very fast. "Now watch me, Father," said the blacksmith. He ran after it, took the four old shoes off one horse, and put on four new ones. And the horse never stopped running! "I don't know who should get the house," said the father.

まもなく、馬車が猛スピードで走ってきました。「さあ、今度はぼくの腕前を見ていてください、お父さん」と、鍛冶屋が言いました。鍛冶屋は馬車を追いかけると、一頭の馬の古い蹄鉄を四つともはずして、新しい蹄鉄を四つ打ちつけました。そのあいだ、馬は一度も止まらずに走り続けていたのです!「これでは、だれに家をやったらいいのか、分からないな」と、お父さんは言いました。

Then the youngest son said, "Now it is my turn." It was starting to rain. He took out his sword and moved it over his head very fast. Not one drop of rain fell on him.

すると、いちばん下の弟が言いました。「今度は、ぼくの番です」ちょうど雨が降り出していました。弟は剣を抜くと、頭の上でものすごい速さで振り回しました。雨は、一滴も弟にかかりませんでした。

The rain got harder and harder. But he moved his sword faster and faster, and he stayed dry. His father was amazed. "This is the best work! The house is yours!"

雨はますます激しくなりました。けれども弟は、ますます速く剣を振り回して、少しもぬれませんでした。お父さんはびっくりしました。「これこそ、いちばんの腕前だ! 家はおまえのものだ!」

The other two brothers agreed. They loved each other, so all three lived happily together in the house for many years.

ふたりの兄さんも、それで納得しました。三人は大変仲がよかったので、そろってその家で、何年も楽しく暮らしました。

When they were very old, one brother died. The other two missed him so much that they soon died, too. People put all three brothers in one grave, because they loved each other so much.

すっかり年をとったころ、兄弟のひとりが亡くなりました。残ったふたりは悲しくてたまらず、まもなく、後を追うように亡くなりました。三人が大変仲がよかったので、人々は三人を、一つのお墓に葬りました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、三人の息子を持つ男の人がいました。持っているものといえば、住んでいる家だけでした。

息子たちは、三人とも、その家をほしがっていました。けれども、お父さんにとっては、三人ともみんな同じようにかわいい息子でした。それに、先祖から受けついだ古い家を、売ってしまう気にもなれませんでした。

とうとう、お父さんはいい考えを思いつきました。「世の中へ出ていって、それぞれ手に職をつけてきなさい」と、お父さんは言いました。「帰ってきたとき、いちばんの腕前を見せた者に、この家をやろう」

息子たちは、この考えが気に入りました。いちばん上の兄さんは鍛冶屋に、二番目は床屋に、いちばん下の弟は剣術の先生になることにしました。そして、三人はそれぞれ旅立っていきました。

鍛冶屋は、王さまの馬に蹄鉄を打つようになりました。床屋は、えらい人のひげしかそらないようになりました。ふたりとも「家はおれのものだ」と思っていました。いちばん下の弟は、剣術の稽古でしょっちゅう打たれましたが、決して腹を立てませんでした。「少しくらい痛いのを怖がっていちゃだめだ」と、自分に言い聞かせていたのです。

やがて、三人の兄弟は家に帰ってきました。さて、どうやって腕前を見せたらいいでしょう?

ちょうどそのとき、野原をウサギが一匹駆けてきました。床屋は、せっけんとかみそりを持ってウサギを追いかけ、ひげをそり落としました。ウサギはすばやく走っていましたが、床屋は傷ひとつつけませんでした。「おみごと!」と、お父さんは言いました。

まもなく、馬車が猛スピードで走ってきました。「さあ、今度はぼくの腕前を見ていてください、お父さん」と、鍛冶屋が言いました。鍛冶屋は馬車を追いかけると、一頭の馬の古い蹄鉄を四つともはずして、新しい蹄鉄を四つ打ちつけました。そのあいだ、馬は一度も止まらずに走り続けていたのです!「これでは、だれに家をやったらいいのか、分からないな」と、お父さんは言いました。

すると、いちばん下の弟が言いました。「今度は、ぼくの番です」ちょうど雨が降り出していました。弟は剣を抜くと、頭の上でものすごい速さで振り回しました。雨は、一滴も弟にかかりませんでした。

雨はますます激しくなりました。けれども弟は、ますます速く剣を振り回して、少しもぬれませんでした。お父さんはびっくりしました。「これこそ、いちばんの腕前だ! 家はおまえのものだ!」

ふたりの兄さんも、それで納得しました。三人は大変仲がよかったので、そろってその家で、何年も楽しく暮らしました。

すっかり年をとったころ、兄弟のひとりが亡くなりました。残ったふたりは悲しくてたまらず、まもなく、後を追うように亡くなりました。三人が大変仲がよかったので、人々は三人を、一つのお墓に葬りました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the second son learn?

Q2. What did the blacksmith do to the running horse?

Q3. Why did no rain fall on the youngest son?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

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