Old Sultan(ズルタンじいさん)の挿絵

Old Sultan

ズルタンじいさん

  • 📖 377 words
  • ⏱ 約5分
  • YL 0.5–0.9
  • 英検5〜4級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ年をとって歯がなくなり、もう役に立たないと言われた犬のズルタン。困ったズルタンは、森にすむ友だちのオオカミに相談に行きます。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • faithful忠実な
  • get rid of始末する・追い払う
  • plan計画
  • master主人
  • pillowまくら
  • true to~を裏切らない
  • wild pigイノシシ
  • sword剣
  • hoppedぴょんと跳ねた

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

A farmer had a faithful dog named Sultan. Sultan was very old, and he had no teeth.

あるお百姓が、ズルタンという忠実な犬を飼っていました。ズルタンはもうすっかり年をとって、歯が一本もありませんでした。

One day the farmer said to his wife, "Sultan is no use now. Tomorrow I will get rid of him." "But he worked for us for so long," said his wife. "He cannot even scare a thief," said the farmer.

ある日、お百姓はおかみさんに言いました。「ズルタンは、もう役に立たない。あした、始末してしまおう」「でも、あんなに長いあいだ、うちのために働いてくれたじゃありませんか」と、おかみさんは言いました。「泥棒ひとり、おどかせやしないんだぞ」と、お百姓は言いました。

Sultan heard everything, and he was very sad. That night he went into the forest to see his friend, the wolf.

ズルタンは、その話をすっかり聞いていて、とても悲しくなりました。その夜、ズルタンは森へ出かけて、友だちのオオカミに会いに行きました。

"Don't worry," said the wolf. "I have a plan. Tomorrow your master and his wife will work in the field. They will put their baby in the shade. You lie down next to the baby. I will come and take it. You run after me, and I will drop it. Then you take it back."

「心配するな」と、オオカミは言いました。「いい考えがある。あした、おまえのご主人とおかみさんは、畑で仕事をするだろう。赤んぼうは、日かげに寝かせておくはずだ。おまえは、その赤んぼうのそばに寝そべっていろ。おれが行って、赤んぼうをさらう。おまえは、おれを追いかけてこい。そうしたら、おれは赤んぼうをその場に置いていくから、おまえが連れて帰ればいい」

The next day, everything happened just like that. Sultan brought the baby back, and the farmer was so happy. "Good old Sultan! You will stay with us all your life." He gave Sultan soft bread and his own pillow.

次の日、何もかも、そのとおりになりました。ズルタンが赤んぼうを連れて帰ると、お百姓は大喜びしました。「えらいぞ、ズルタン! おまえは一生、うちにいていいからな」お百姓はズルタンに、やわらかいパンと、自分の枕をやりました。

Soon the wolf came again. "Now help me. I want one of your master's fat sheep." "No," said Sultan. "I am true to my master." He told the farmer, and that night the farmer chased the wolf away with a big stick. "You will be sorry!" cried the wolf.

まもなく、オオカミがまたやって来ました。「今度は、おれを助けてくれ。おまえのご主人の太った羊が、一頭ほしいんだ」「だめだ」と、ズルタンは言いました。「ご主人を裏切るわけにはいかない」ズルタンがこのことをお百姓に知らせたので、その夜、お百姓は大きな棒でオオカミを追い払いました。「覚えていろ!」と、オオカミは叫びました。

The next morning the wolf sent a wild pig to Sultan. "Come to the forest and fight!" Sultan had only one friend to help him, an old cat with three legs.

次の朝、オオカミはイノシシを、ズルタンのところへよこしました。「森へ来て、勝負しろ!」ズルタンに味方してくれる友だちは、たったひとりしかいませんでした。三本足の年とったネコでした。

The cat walked slowly, and her tail stood straight up. "Look at that tail! It is a sword!" thought the wolf and the pig. And every time the cat hopped, they thought, "She is picking up a stone!"

ネコはゆっくりと歩き、しっぽはぴんと立っていました。「あのしっぽを見ろ! 剣だぞ!」と、オオカミとイノシシは思いました。それに、ネコがぴょこんと跳ねるたびに、「石を拾っているぞ!」と思ったのです。

The wild pig hid under some leaves, and the wolf climbed up a tree.

イノシシは木の葉の下に隠れ、オオカミは木に登りました。

Sultan and the cat saw no one. Then one of the pig's ears moved under the leaves. "A mouse!" thought the cat. She jumped on the ear and bit it hard.

やって来たズルタンとネコには、だれの姿も見えませんでした。すると、木の葉の下で、イノシシの耳がぴくっと動きました。「ネズミだわ!」と、ネコは思いました。ネコは耳にとびかかって、思いきりかみつきました。

The pig jumped up and ran away, screaming, "Not me! The bad one is up in the tree!"

イノシシは跳び上がると、叫びながら逃げていきました。「おれじゃない! 悪いのは、木の上にいるやつだ!」

Sultan and the cat looked up and saw the wolf. The wolf felt very silly. He came down and made friends with Sultan again.

ズルタンとネコが見上げると、木の上にオオカミがいました。オオカミはすっかりきまりが悪くなって、木から下りてくると、ズルタンと仲直りしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

あるお百姓が、ズルタンという忠実な犬を飼っていました。ズルタンはもうすっかり年をとって、歯が一本もありませんでした。

ある日、お百姓はおかみさんに言いました。「ズルタンは、もう役に立たない。あした、始末してしまおう」「でも、あんなに長いあいだ、うちのために働いてくれたじゃありませんか」と、おかみさんは言いました。「泥棒ひとり、おどかせやしないんだぞ」と、お百姓は言いました。

ズルタンは、その話をすっかり聞いていて、とても悲しくなりました。その夜、ズルタンは森へ出かけて、友だちのオオカミに会いに行きました。

「心配するな」と、オオカミは言いました。「いい考えがある。あした、おまえのご主人とおかみさんは、畑で仕事をするだろう。赤んぼうは、日かげに寝かせておくはずだ。おまえは、その赤んぼうのそばに寝そべっていろ。おれが行って、赤んぼうをさらう。おまえは、おれを追いかけてこい。そうしたら、おれは赤んぼうをその場に置いていくから、おまえが連れて帰ればいい」

次の日、何もかも、そのとおりになりました。ズルタンが赤んぼうを連れて帰ると、お百姓は大喜びしました。「えらいぞ、ズルタン! おまえは一生、うちにいていいからな」お百姓はズルタンに、やわらかいパンと、自分の枕をやりました。

まもなく、オオカミがまたやって来ました。「今度は、おれを助けてくれ。おまえのご主人の太った羊が、一頭ほしいんだ」「だめだ」と、ズルタンは言いました。「ご主人を裏切るわけにはいかない」ズルタンがこのことをお百姓に知らせたので、その夜、お百姓は大きな棒でオオカミを追い払いました。「覚えていろ!」と、オオカミは叫びました。

次の朝、オオカミはイノシシを、ズルタンのところへよこしました。「森へ来て、勝負しろ!」ズルタンに味方してくれる友だちは、たったひとりしかいませんでした。三本足の年とったネコでした。

ネコはゆっくりと歩き、しっぽはぴんと立っていました。「あのしっぽを見ろ! 剣だぞ!」と、オオカミとイノシシは思いました。それに、ネコがぴょこんと跳ねるたびに、「石を拾っているぞ!」と思ったのです。

イノシシは木の葉の下に隠れ、オオカミは木に登りました。

やって来たズルタンとネコには、だれの姿も見えませんでした。すると、木の葉の下で、イノシシの耳がぴくっと動きました。「ネズミだわ!」と、ネコは思いました。ネコは耳にとびかかって、思いきりかみつきました。

イノシシは跳び上がると、叫びながら逃げていきました。「おれじゃない! 悪いのは、木の上にいるやつだ!」

ズルタンとネコが見上げると、木の上にオオカミがいました。オオカミはすっかりきまりが悪くなって、木から下りてくると、ズルタンと仲直りしました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why was the farmer going to get rid of Sultan?

Q2. Who helped Sultan in the forest?

Q3. Why did the cat bite the pig's ear?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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