Mother Holle(ホレおばさん)の挿絵

Mother Holle

ホレおばさん

  • 📖 648 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ井戸に落としたつむを追って飛びこんだ娘がたどり着いたのは、見たこともない美しい草原でした。そこには、大きな歯をした不思議なおばあさんが住んでいました。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • widow夫をなくした女の人
  • stepdaughterまま娘
  • spindleつむ(糸を巻きとる道具)
  • well井戸
  • meadow草原
  • ovenかまど
  • ripe熟した
  • feathers羽根
  • pitchピッチ(黒くてべたべたしたもの)
  • roosterおんどり

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

A widow had two daughters. Her own daughter was ugly and lazy, but she loved her. Her stepdaughter was pretty and hard-working, but she did not love her. The poor girl had to do all the housework.

ある未亡人に、ふたりの娘がいました。実の娘は器量が悪くてなまけ者でしたが、母親はこの娘をかわいがっていました。まま娘はきれいで働き者でしたが、母親はこの娘をかわいがりませんでした。かわいそうに、まま娘は家の仕事をみんなやらされていました。

Every day she had to sit by a well and spin until her fingers were sore. One day she leaned over the well to wash her spindle, and it slipped from her hand and fell into the water.

娘は毎日、井戸のそばに座って、指が痛くなるまで糸をつむがなければなりませんでした。ある日、つむを洗おうとして井戸に身を乗りだすと、つむが手からすべって、水の中に落ちてしまいました。

The girl ran crying to her stepmother. But the stepmother only said, "You dropped it, so you must get it back!" She went back to the well. She did not know what else to do, and at last she jumped in.

娘は泣きながら、まま母のところへ走っていきました。けれども、まま母はこう言うだけでした。「おまえが落としたんだから、自分で取ってきなさい!」娘は井戸のところへ戻りました。どうしたらよいかわからず、とうとう井戸の中へ飛びこんでしまいました。

When she woke up, she was in a beautiful meadow full of flowers. She came to an oven full of bread. "Take us out! Take us out, or we'll burn!" cried the loaves. So she took them all out.

目がさめると、娘は花がいっぱいに咲いた美しい草原にいました。やがて、パンがいっぱい入ったかまどのところに来ました。「出して! 出して! でないと、こげちゃうよ!」と、パンたちが叫びました。そこで娘は、パンをみんな取り出してやりました。

Then she came to a tree full of apples. "Shake me! Shake me!" cried the tree. "My apples are all ripe!" She shook the tree, and the apples fell down like rain.

次に、リンゴがたくさんなった木のところに来ました。「ゆすって! ゆすって!」と、木が叫びました。「リンゴがみんな熟しているんだ!」娘が木をゆすると、リンゴが雨のように降ってきました。

At last she came to a little house. An old woman with very big teeth looked out of the window, and the girl was scared. But the old woman called to her kindly, "Don't be afraid, my dear. Stay and help me. Every day you must shake my bed hard, so the feathers fly. Then it snows in the world. I am Mother Holle."

とうとう、娘は小さな家にたどり着きました。窓から、とても大きな歯をしたおばあさんがのぞいていたので、娘は怖くなりました。けれども、おばあさんは優しく声をかけてくれました。「怖がらなくていいんだよ。ここにいて、わたしの手伝いをしておくれ。毎日、わたしの羽根布団を力いっぱい振って、羽根を舞い上がらせておくれ。そうすると、人間の世界に雪が降るのさ。わたしはホレおばさんだよ」

So the girl stayed and did all her work well. Every day she shook the bed hard, and the feathers flew everywhere like snowflakes. Mother Holle was always kind to her.

そこで娘はここにとどまり、どの仕事もきちんとこなしました。毎日、羽根布団を力いっぱい振ると、羽根が雪のように、あたりいちめんに舞いました。ホレおばさんは、いつも娘に優しくしてくれました。

After some time, the girl began to miss her home. "I want to go back to my family," she said. "I'm glad you want to go home," said Mother Holle. "You have worked so well for me. I will take you back myself."

しばらくすると、娘は家が恋しくなってきました。「家族のところに帰りたいんです」と、娘は言いました。「家に帰りたいと言ってくれて、うれしいよ」と、ホレおばさんは言いました。「おまえは本当によく働いてくれたからね。わたしが送っていってあげよう」

She took the girl to a big gate. When the girl stood under it, a shower of gold fell on her and stuck to her clothes. "This is for your hard work," said Mother Holle, and she gave back the spindle too. Then the gate closed, and the girl was back near her home.

ホレおばさんは、娘を大きな門のところへ連れていきました。娘が門の下に立つと、金の雨が降りそそいで、娘の服にくっつきました。「よく働いてくれたごほうびだよ」と、ホレおばさんは言って、つむも返してくれました。門が閉まると、娘は家のすぐ近くに戻っていました。

When she came into the yard, the rooster on the well cried, "Cock-a-doodle-doo! Our golden girl has come home to you!"

娘が庭に入ると、井戸の上のおんどりが鳴きました。「コケコッコー! 金ぴか娘のお帰りだ!」

Because she was covered with gold, her stepmother and sister were kind to her. When the stepmother heard the story, she wanted her own daughter to get rich too. But the lazy girl did not want to spin. She just threw the spindle into the well and jumped in after it.

娘が金でおおわれていたので、まま母も、その娘も、優しくしてくれました。話を聞いたまま母は、実の娘にも金持ちになってほしいと思いました。けれども、なまけ者の娘は、糸をつむぐのがいやでした。そこで、つむを井戸に投げこんで、そのあとから自分も飛びこみました。

She came to the same meadow and walked to the oven. "Take us out! Take us out, or we'll burn!" cried the bread. "I don't want to get dirty," said the lazy girl, and she walked on. Then the apple tree cried, "Shake me! Shake me!" "No," said the girl. "An apple might fall on my head."

なまけ者の娘も同じ草原に出て、かまどのところまで歩いていきました。「出して! 出して! でないと、こげちゃうよ!」と、パンが叫びました。「手が汚れるのはいやよ」と、なまけ者の娘は言って、そのまま行ってしまいました。次にリンゴの木が、「ゆすって! ゆすって!」と叫びました。「いやよ」と、娘は言いました。「リンゴが頭に落ちてくるかもしれないもの」

At Mother Holle's house she worked hard on the first day, because she was thinking of the gold. On the second day she began to be lazy. On the third day she did not even get up. She did not shake the bed, so no feathers flew.

ホレおばさんの家に着くと、一日目は、金のことを考えて、娘は一生懸命に働きました。二日目には、なまけ始めました。三日目には、起きようともしませんでした。羽根布団も振らなかったので、羽根は少しも舞いませんでした。

Soon Mother Holle told her to go home. "Now the gold will come!" thought the lazy girl. But when she stood under the gate, a big pot of black, sticky pitch fell all over her. "That is the pay for your work," said Mother Holle, and she shut the gate.

まもなく、ホレおばさんは、娘に家へ帰るように言いました。「いよいよ金がもらえるわ!」と、なまけ者の娘は思いました。ところが、門の下に立つと、大きなおなべいっぱいの、黒くてべたべたしたピッチが、娘の上にざぶりと降りかかりました。「これが、おまえの働きぶりへのお給金だよ」と、ホレおばさんは言って、門を閉めてしまいました。

So the lazy girl went home covered with pitch. When the rooster on the well saw her, it cried, "Cock-a-doodle-doo! Our dirty girl has come home to you!" The pitch stuck to her, and it never came off as long as she lived.

こうして、なまけ者の娘は、ピッチまみれになって家に帰りました。井戸の上のおんどりは、娘を見ると鳴きました。「コケコッコー! 汚れ娘のお帰りだ!」ピッチは娘にこびりついて、一生とれませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ある未亡人に、ふたりの娘がいました。実の娘は器量が悪くてなまけ者でしたが、母親はこの娘をかわいがっていました。まま娘はきれいで働き者でしたが、母親はこの娘をかわいがりませんでした。かわいそうに、まま娘は家の仕事をみんなやらされていました。

娘は毎日、井戸のそばに座って、指が痛くなるまで糸をつむがなければなりませんでした。ある日、つむを洗おうとして井戸に身を乗りだすと、つむが手からすべって、水の中に落ちてしまいました。

娘は泣きながら、まま母のところへ走っていきました。けれども、まま母はこう言うだけでした。「おまえが落としたんだから、自分で取ってきなさい!」娘は井戸のところへ戻りました。どうしたらよいかわからず、とうとう井戸の中へ飛びこんでしまいました。

目がさめると、娘は花がいっぱいに咲いた美しい草原にいました。やがて、パンがいっぱい入ったかまどのところに来ました。「出して! 出して! でないと、こげちゃうよ!」と、パンたちが叫びました。そこで娘は、パンをみんな取り出してやりました。

次に、リンゴがたくさんなった木のところに来ました。「ゆすって! ゆすって!」と、木が叫びました。「リンゴがみんな熟しているんだ!」娘が木をゆすると、リンゴが雨のように降ってきました。

とうとう、娘は小さな家にたどり着きました。窓から、とても大きな歯をしたおばあさんがのぞいていたので、娘は怖くなりました。けれども、おばあさんは優しく声をかけてくれました。「怖がらなくていいんだよ。ここにいて、わたしの手伝いをしておくれ。毎日、わたしの羽根布団を力いっぱい振って、羽根を舞い上がらせておくれ。そうすると、人間の世界に雪が降るのさ。わたしはホレおばさんだよ」

そこで娘はここにとどまり、どの仕事もきちんとこなしました。毎日、羽根布団を力いっぱい振ると、羽根が雪のように、あたりいちめんに舞いました。ホレおばさんは、いつも娘に優しくしてくれました。

しばらくすると、娘は家が恋しくなってきました。「家族のところに帰りたいんです」と、娘は言いました。「家に帰りたいと言ってくれて、うれしいよ」と、ホレおばさんは言いました。「おまえは本当によく働いてくれたからね。わたしが送っていってあげよう」

ホレおばさんは、娘を大きな門のところへ連れていきました。娘が門の下に立つと、金の雨が降りそそいで、娘の服にくっつきました。「よく働いてくれたごほうびだよ」と、ホレおばさんは言って、つむも返してくれました。門が閉まると、娘は家のすぐ近くに戻っていました。

娘が庭に入ると、井戸の上のおんどりが鳴きました。「コケコッコー! 金ぴか娘のお帰りだ!」

娘が金でおおわれていたので、まま母も、その娘も、優しくしてくれました。話を聞いたまま母は、実の娘にも金持ちになってほしいと思いました。けれども、なまけ者の娘は、糸をつむぐのがいやでした。そこで、つむを井戸に投げこんで、そのあとから自分も飛びこみました。

なまけ者の娘も同じ草原に出て、かまどのところまで歩いていきました。「出して! 出して! でないと、こげちゃうよ!」と、パンが叫びました。「手が汚れるのはいやよ」と、なまけ者の娘は言って、そのまま行ってしまいました。次にリンゴの木が、「ゆすって! ゆすって!」と叫びました。「いやよ」と、娘は言いました。「リンゴが頭に落ちてくるかもしれないもの」

ホレおばさんの家に着くと、一日目は、金のことを考えて、娘は一生懸命に働きました。二日目には、なまけ始めました。三日目には、起きようともしませんでした。羽根布団も振らなかったので、羽根は少しも舞いませんでした。

まもなく、ホレおばさんは、娘に家へ帰るように言いました。「いよいよ金がもらえるわ!」と、なまけ者の娘は思いました。ところが、門の下に立つと、大きなおなべいっぱいの、黒くてべたべたしたピッチが、娘の上にざぶりと降りかかりました。「これが、おまえの働きぶりへのお給金だよ」と、ホレおばさんは言って、門を閉めてしまいました。

こうして、なまけ者の娘は、ピッチまみれになって家に帰りました。井戸の上のおんどりは、娘を見ると鳴きました。「コケコッコー! 汚れ娘のお帰りだ!」ピッチは娘にこびりついて、一生とれませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Hard work is rewarded, but laziness is not.

よく働く人はむくわれ、なまける人はむくわれない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What happened in the world when the girl shook Mother Holle's bed?

Q2. What fell on the hard-working girl at the gate?

Q3. Why didn't the lazy girl shake the apple tree?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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