The Lazy Spinner(なまけ者の糸くり女)の挿絵

The Lazy Spinner

なまけ者の糸くり女

  • 📖 638 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ糸つむぎの仕事がいやでたまらない、なまけ者のおかみさん。だんなさんに仕事をさせられそうになるたびに、うまい手を考え出します。

グリム童話集(1857年版)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • spin(糸を)つむぐ
  • thread糸
  • wound巻いた(wind の過去形)
  • scoldedしかった
  • reel糸巻き
  • axおの
  • attic屋根裏
  • bundle束
  • tow麻くず
  • horrifiedぞっとした

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

In a village there once lived a man and his wife. The wife was very lazy and never wanted to work. When her husband gave her wool to spin, she never finished it. And the thread she did spin, she never wound up. She just left it in a messy pile.

ある村に、男の人とおかみさんが住んでいました。おかみさんは大変ななまけ者で、ちっとも働こうとしませんでした。だんなさんが羊毛を渡しても、いつまでたっても最後までつむぎ終えたことがありませんでした。それに、つむいだ分の糸も、巻き取ろうとはしませんでした。ぐちゃぐちゃのまま、山にして放っておいたのです。

When her husband scolded her, she always had an answer. "How can I wind it? I have no reel. Go into the forest and get me one." "If that is the problem," said the man, "I will go to the forest and cut some wood for a reel."

だんなさんがしかると、おかみさんは決まって言い返しました。「どうやって巻けっていうの? 糸巻きがないのよ。森へ行って、取ってきてちょうだい」「それだけのことなら」と、だんなさんは言いました。「森へ行って、糸巻きを作る木を切ってこよう」

Now the wife was worried. If he brought the wood, he would make a reel. Then she would have to wind the thread and start spinning again. She thought for a while, and then she had a clever idea.

さあ、おかみさんは困りました。だんなさんが木を持って帰れば、糸巻きを作ってしまうでしょう。そうしたら、糸を巻いて、また糸つむぎを始めなければなりません。おかみさんは少し考えて、うまいことを思いつきました。

She secretly followed her husband into the forest. He climbed a tree to cut the wood, and she hid in the bushes below, where he could not see her. Then she called out, "Whoever cuts wood for reels will die! Whoever winds the thread will die!"

おかみさんは、こっそりだんなさんのあとをつけて、森へ入っていきました。だんなさんが木を切ろうと木に登ると、おかみさんは木の下のやぶに隠れました。そこなら、だんなさんからは見えません。そして、こう叫んだのです。「糸巻きの木を切る者は、死ぬぞ! 糸を巻く者も、死ぬぞ!」

The man stopped and listened. "My ears must be playing tricks on me," he thought. He picked up his ax again and started to cut. Then the voice came again: "Whoever cuts wood for reels will die! Whoever winds the thread will die!"

だんなさんは手を止めて、耳をすましました。「空耳だろう」と、だんなさんは思いました。そして、もう一度おのを手に取って、木を切りはじめました。すると、また声がしました。「糸巻きの木を切る者は、死ぬぞ! 糸を巻く者も、死ぬぞ!」

The man stopped again. Now he was afraid. But after a while, he felt brave again, and he picked up his ax a third time. And a third time, the voice called out, even louder.

だんなさんは、また手を止めました。今度は、怖くなりました。けれども、しばらくすると気を取りなおして、三度目におのを手に取りました。すると三度目に、さっきよりもっと大きな声がしました。

That was enough for him. He climbed down the tree quickly and started for home. But his wife ran home by a shorter way, so she got there first.

これには、だんなさんもすっかりこりごりしました。急いで木から下りて、家へ帰りはじめました。ところがおかみさんは、近道を走って帰ったので、先に家に着きました。

When he came in, she looked as if nothing had happened. "Well, did you bring some nice wood for a reel?" "No," he said. "I can see that winding is not a good idea." He told her what had happened in the forest, and after that he did not talk about reels.

だんなさんが入ってくると、おかみさんは、何事もなかったような顔をしていました。「それで、糸巻きにするいい木は持ってきたの?」「いいや」と、だんなさんは言いました。「糸を巻くのは、どうもよくないらしい」だんなさんは森で起きたことを話し、それからは、糸巻きのことを口にしなくなりました。

But after some time, the man began to complain about the messy house again. "Wife, it is a shame that the thread is lying there in a big mess!"

けれども、しばらくすると、だんなさんはまた、家の中がちらかっていると文句を言いはじめました。「おまえ、つむいだ糸がぐちゃぐちゃのまま置きっぱなしなんて、みっともないじゃないか!」

"I know what to do," she said. "We still don't have a reel. So you go up into the attic, and I will stand down below. I will throw the thread up to you, and you throw it down to me. That way, we can make it into a neat bundle." "Good idea," said the man, and they did that.

「いい考えがあるわ」と、おかみさんは言いました。「糸巻きはまだないでしょう。だから、あなたは屋根裏に上がって。わたしは下に立っているから。わたしが糸を上へ投げるから、あなたは下へ投げ返してちょうだい。そうすれば、きちんとした束にできるわ」「そいつはいい」と、だんなさんは言いました。そして、ふたりはそのとおりにしました。

When it was done, the man said, "Now the thread is in a bundle. Next, it must be boiled." The wife was worried again. "Yes, we will boil it early tomorrow morning," she said. But secretly she was planning another trick.

それが終わると、だんなさんは言いました。「これで糸が束になった。次は、この糸を煮なくちゃな」おかみさんは、また困ってしまいました。「ええ、あしたの朝早くに、煮ましょう」と、おかみさんは言いました。けれども、心の中では、また別のたくらみを考えていたのです。

Early the next morning, she got up, made a fire, and put the big pot on it. But she did not put the thread in the pot. Instead, she put in a lump of tow, which is rough, useless fiber, and let it boil.

次の朝早く、おかみさんは起きて火をおこし、大鍋をかけました。けれども、鍋には糸を入れませんでした。かわりに麻くずのかたまりを入れて、ぐらぐら煮たのです。麻くずというのは、ごわごわした、使い道のない繊維のことです。

Then she went to her husband, who was still in bed. "I must go out," she said. "Get up and watch the thread in the pot on the fire. If the rooster crows and you are not watching the thread, it will turn into tow."

それからおかみさんは、まだ寝ているだんなさんのところへ行きました。「わたし、ちょっと出かけなくちゃならないの」と、おかみさんは言いました。「起きて、火にかけた鍋の糸を見ていてちょうだい。もし、おんどりが鳴いたときに糸を見ていなかったら、糸は麻くずに変わってしまうのよ」

The man did not want that to happen. He jumped out of bed and hurried to the kitchen. He looked into the pot, and what did he see? Only a lump of tow! He was horrified.

だんなさんは、そんなことになっては大変だと思いました。ベッドからとび起きて、大急ぎで台所へ行きました。鍋の中をのぞいてみると、何が見えたでしょう? 麻くずのかたまりだけです! だんなさんは、ぞっとしました。

The poor man kept as quiet as a mouse. He thought it was all his fault because he was too slow. After that, he never said another word about thread or spinning. Don't you think she was a terrible wife?

かわいそうに、だんなさんは、ネズミのように小さくなって、だまりこんでしまいました。自分がぐずぐずしていたせいだ、と思ったのです。それからというもの、だんなさんは、糸のことも糸つむぎのことも、ひとことも言わなくなりました。それにしても、ひどいおかみさんだと思いませんか?

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ある村に、男の人とおかみさんが住んでいました。おかみさんは大変ななまけ者で、ちっとも働こうとしませんでした。だんなさんが羊毛を渡しても、いつまでたっても最後までつむぎ終えたことがありませんでした。それに、つむいだ分の糸も、巻き取ろうとはしませんでした。ぐちゃぐちゃのまま、山にして放っておいたのです。

だんなさんがしかると、おかみさんは決まって言い返しました。「どうやって巻けっていうの? 糸巻きがないのよ。森へ行って、取ってきてちょうだい」「それだけのことなら」と、だんなさんは言いました。「森へ行って、糸巻きを作る木を切ってこよう」

さあ、おかみさんは困りました。だんなさんが木を持って帰れば、糸巻きを作ってしまうでしょう。そうしたら、糸を巻いて、また糸つむぎを始めなければなりません。おかみさんは少し考えて、うまいことを思いつきました。

おかみさんは、こっそりだんなさんのあとをつけて、森へ入っていきました。だんなさんが木を切ろうと木に登ると、おかみさんは木の下のやぶに隠れました。そこなら、だんなさんからは見えません。そして、こう叫んだのです。「糸巻きの木を切る者は、死ぬぞ! 糸を巻く者も、死ぬぞ!」

だんなさんは手を止めて、耳をすましました。「空耳だろう」と、だんなさんは思いました。そして、もう一度おのを手に取って、木を切りはじめました。すると、また声がしました。「糸巻きの木を切る者は、死ぬぞ! 糸を巻く者も、死ぬぞ!」

だんなさんは、また手を止めました。今度は、怖くなりました。けれども、しばらくすると気を取りなおして、三度目におのを手に取りました。すると三度目に、さっきよりもっと大きな声がしました。

これには、だんなさんもすっかりこりごりしました。急いで木から下りて、家へ帰りはじめました。ところがおかみさんは、近道を走って帰ったので、先に家に着きました。

だんなさんが入ってくると、おかみさんは、何事もなかったような顔をしていました。「それで、糸巻きにするいい木は持ってきたの?」「いいや」と、だんなさんは言いました。「糸を巻くのは、どうもよくないらしい」だんなさんは森で起きたことを話し、それからは、糸巻きのことを口にしなくなりました。

けれども、しばらくすると、だんなさんはまた、家の中がちらかっていると文句を言いはじめました。「おまえ、つむいだ糸がぐちゃぐちゃのまま置きっぱなしなんて、みっともないじゃないか!」

「いい考えがあるわ」と、おかみさんは言いました。「糸巻きはまだないでしょう。だから、あなたは屋根裏に上がって。わたしは下に立っているから。わたしが糸を上へ投げるから、あなたは下へ投げ返してちょうだい。そうすれば、きちんとした束にできるわ」「そいつはいい」と、だんなさんは言いました。そして、ふたりはそのとおりにしました。

それが終わると、だんなさんは言いました。「これで糸が束になった。次は、この糸を煮なくちゃな」おかみさんは、また困ってしまいました。「ええ、あしたの朝早くに、煮ましょう」と、おかみさんは言いました。けれども、心の中では、また別のたくらみを考えていたのです。

次の朝早く、おかみさんは起きて火をおこし、大鍋をかけました。けれども、鍋には糸を入れませんでした。かわりに麻くずのかたまりを入れて、ぐらぐら煮たのです。麻くずというのは、ごわごわした、使い道のない繊維のことです。

それからおかみさんは、まだ寝ているだんなさんのところへ行きました。「わたし、ちょっと出かけなくちゃならないの」と、おかみさんは言いました。「起きて、火にかけた鍋の糸を見ていてちょうだい。もし、おんどりが鳴いたときに糸を見ていなかったら、糸は麻くずに変わってしまうのよ」

だんなさんは、そんなことになっては大変だと思いました。ベッドからとび起きて、大急ぎで台所へ行きました。鍋の中をのぞいてみると、何が見えたでしょう? 麻くずのかたまりだけです! だんなさんは、ぞっとしました。

かわいそうに、だんなさんは、ネズミのように小さくなって、だまりこんでしまいました。自分がぐずぐずしていたせいだ、と思ったのです。それからというもの、だんなさんは、糸のことも糸つむぎのことも、ひとことも言わなくなりました。それにしても、ひどいおかみさんだと思いませんか?

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the wife hide in the bushes?

Q2. Where did the man stand when they threw the thread?

Q3. What did the wife really put in the pot?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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