A Little Princess(小公女)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate名作文学

A Little Princess

小公女

  • 📖 859 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 5:12
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじインドから来たお金持ちの少女セーラは、ロンドンの寄宿学校で「プリンセス」のように大切にされていました。ところが11歳の誕生日に、すべてが変わってしまいます。どんなときも心はプリンセスでいようとする少女の物語。原作の物語全体を短くまとめた再話です。

フランシス・ホジソン・バーネット『小公女』(1905年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • boarding school寄宿学校
  • pretend〜のふりをする(空想する)
  • servant召使い
  • attic屋根裏部屋
  • fever熱病
  • diamond minesダイヤモンド鉱山
  • bun丸い菓子パン
  • beggar物ごい
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Kore)

Sara Crewe was only seven when her father brought her from India to London. Her mother had died when she was a baby, and her father, Captain Crewe, loved her more than anything. He was very rich, so he put her in the best boarding school he could find. It was Miss Minchin's school for young ladies.

セーラ・クルーがお父さんに連れられて、インドからロンドンへやって来たのは、まだ七歳のときでした。お母さんはセーラが赤ちゃんのころに亡くなっていて、お父さんのクルー大尉は、何よりもセーラを大切にしていました。大尉は大変なお金持ちだったので、できるかぎりよい寄宿学校を探して、セーラを入れました。それが、ミンチン先生の女学校でした。

Miss Minchin did not like Sara very much, but she liked Captain Crewe's money. So Sara was given a beautiful room, a maid, and a pony. She had a big doll named Emily and more dresses than any other girl. The other girls called her "Princess Sara," and some of them were jealous.

ミンチン先生は、セーラのことはあまり好きではありませんでしたが、クルー大尉のお金は大好きでした。そこでセーラには、美しい部屋と、身の回りの世話をする女中と、ポニーが与えられました。セーラはエミリーという大きな人形を持っていて、ドレスも、ほかのどの生徒よりたくさん持っていました。ほかの女の子たちはセーラを「セーラ姫」と呼びました。中には、ねたむ子もいました。

But Sara was not spoiled. She was kind to everybody. She helped Ermengarde, a slow girl whom everyone laughed at. She looked after little Lottie, who had no mother. She was even friends with Becky, the tired young servant girl who worked in the kitchen all day. Sara loved to pretend. "I am pretending that I am a princess," she told Becky. "A real princess must always be polite and kind to everyone."

けれどもセーラは、わがままにはなりませんでした。誰にでもやさしくしました。のみこみが遅くて、みんなに笑われているアーメンガードを助けてやりました。お母さんのいない小さなロッティの面倒も見ました。一日じゅう台所で働いている、くたびれた若い下働きのベッキーとさえ、友だちになりました。セーラは、空想するのが大好きでした。「わたしね、自分がプリンセスだってつもりになっているの」とセーラはベッキーに言いました。「本物のプリンセスは、いつでも、誰にでも、礼儀正しく、やさしくしなくちゃいけないのよ」

Then came Sara's eleventh birthday. There was a wonderful party with many presents. But in the middle of the party, a lawyer came to see Miss Minchin. Captain Crewe had died of a fever in India. And before he died, he had lost all his money. He had put it all into diamond mines with a friend, and the mines had failed.

やがて、セーラの十一歳の誕生日がやって来ました。プレゼントがたくさんある、すばらしいパーティーが開かれました。ところがパーティーのさなかに、一人の弁護士がミンチン先生に会いにやって来ました。クルー大尉が、インドで熱病にかかって亡くなったというのです。しかも大尉は、亡くなる前に、財産をすっかり失っていました。友人と一緒に、ダイヤモンド鉱山に全財産をつぎこみ、その鉱山がだめになってしまったのでした。

Miss Minchin was furious. "The child has nothing!" she shouted. "Who will pay for her now?" She took away all of Sara's beautiful things. She sent her to live in a cold, empty attic next to Becky's. "From now on, you will work for your bread," she said.

ミンチン先生は、かんかんに怒りました。「この子には、何もないじゃないの!」と先生はどなりました。「これから誰が、この子の費用を払うっていうの?」先生は、セーラの美しい持ち物を全部取り上げてしまいました。そしてセーラを、ベッキーの部屋の隣にある、寒くてがらんとした屋根裏部屋に追いやりました。「これからは、自分の食べるパンのために働くのですよ」と先生は言いました。

So Sara became a servant. She ran errands in the rain and the snow. She worked in the kitchen and taught the little girls. She was often cold and hungry, and the cook gave her only scraps. Her old clothes grew too small for her. But Sara did not cry in front of Miss Minchin. "I can still be a princess inside," she told herself.

こうしてセーラは、召使いになりました。雨の日も雪の日も、お使いに走りました。台所で働き、小さな子どもたちに勉強を教えました。いつも寒くて、おなかがすいていました。料理番は、残り物しかくれません。古い服は、小さくなって体に合わなくなりました。それでもセーラは、ミンチン先生の前では泣きませんでした。「心の中では、今でもプリンセスでいられるわ」と、自分に言い聞かせていたのです。

One cold day, Sara found a fourpenny coin in the street. She was so hungry! She went into a baker's shop and bought four hot buns. The kind woman in the shop gave her two more. But outside the door sat a beggar girl who was even hungrier than Sara. Sara gave her one bun, and then another. In the end, she gave her five of the six. "She is hungrier than I am," Sara thought. The woman in the shop saw this through the window, and she never forgot it.

ある寒い日、セーラは通りで四ペンス銀貨を一枚見つけました。おなかがぺこぺこでした! セーラはパン屋に入って、焼きたての丸パンを四つ買いました。店の親切なおかみさんは、もう二つおまけしてくれました。ところが店の戸口の外には、セーラよりもっとおなかをすかせた、物ごいの女の子が座っていました。セーラはその子にパンをひとつあげ、それからもうひとつあげました。とうとう、六つのうち五つをあげてしまいました。「この子は、わたしよりもおなかがすいているんだもの」とセーラは思いました。パン屋のおかみさんは、窓ごしにそれを見ていて、決して忘れませんでした。

Next door to the school, a sick, sad gentleman had come to live. People called him "the Indian gentleman," because he had come from India. He had an Indian servant named Ram Dass and a little pet monkey. The gentleman was looking for a little girl. She was the daughter of his best friend, who had died. "I took his money and put it into the diamond mines," he said sadly. "I thought the mines had failed, and I ran away. But they did not fail. They made us very rich. Now I must find his child."

学校の隣の家に、病気がちで悲しそうな紳士が引っこしてきていました。インドから来たので、人々はその人を「インドの紳士」と呼んでいました。紳士には、ラム・ダスというインド人の召使いと、小さなペットのサルがいました。紳士は、ある女の子を探していました。亡くなった親友の娘です。「わたしは、あいつのお金を預かって、ダイヤモンド鉱山につぎこんだ」と紳士は悲しそうに言いました。「鉱山はだめになったと思いこんで、わたしは逃げてしまった。だが、だめになどなっていなかったのだ。鉱山のおかげで、わたしたちは大金持ちになった。なんとしても、あいつの子どもを見つけなければ」

One night, Ram Dass climbed across the roofs and looked into Sara's attic window. He saw how cold and poor her room was. He told his master, and the two of them made a plan.

ある夜、ラム・ダスは屋根づたいに渡っていって、セーラの屋根裏部屋の窓をのぞきこみました。そして、セーラの部屋がどれほど寒くて、みすぼらしいかを見ました。ラム・ダスがそれを主人に話すと、二人はある計画を立てました。

The next evening, Sara came up to her attic, wet and tired. She opened the door and stopped. A fire was burning brightly. There was a soft red rug on the floor and warm blankets on the bed. On the table, there was hot soup, bread, and tea. "It's like magic!" she whispered. "It's real!" She ran to get Becky, and the two girls had a happy supper together. After that, the magic came again and again.

次の日の夕方、セーラはずぶぬれで、くたくたに疲れて屋根裏部屋へ上がってきました。ドアを開けたとたん、セーラは立ちすくみました。暖炉では、火が赤々と燃えています。床にはやわらかな赤いじゅうたんが敷かれ、ベッドには暖かい毛布がかかっていました。テーブルの上には、温かいスープとパンと紅茶がのっています。「まるで魔法みたい!」とセーラはささやきました。「夢じゃないわ!」セーラはベッキーを呼びに走り、二人は一緒に楽しい夕ごはんを食べました。それからというもの、魔法は何度も何度も起こりました。

Then one night, the little monkey ran away across the roofs and came into Sara's attic. The next morning, Sara carried it next door to give it back. Mr. Carrisford, the Indian gentleman, began to ask her questions. "Where did you live as a child? What was your father's name?"

そんなある夜、小さなサルが屋根の上を逃げ出して、セーラの屋根裏部屋に入ってきました。次の朝、セーラはサルを返しに、隣の家へ連れていきました。インドの紳士、キャリスフォードさんは、セーラにいろいろとたずねはじめました。「小さいころは、どこに住んでいたのかね? お父さんの名前は?」

"My father was Captain Ralph Crewe," said Sara. "He died in India."

「父は、ラルフ・クルー大尉です」とセーラは答えました。「インドで亡くなりました」

The gentleman's face became white. "She is the child!" he cried. "I have been looking for her everywhere, and she was right next door!" Sara learned that the diamond mines had made a great fortune, and a large part of it belonged to her. She was rich again.

紳士の顔が、真っ青になりました。「この子だ!」と紳士は叫びました。「ずっとあちこち探していたのに、すぐ隣にいたとは!」セーラは、ダイヤモンド鉱山が大きな富を生み、その大部分が自分のものだということを知りました。セーラは、ふたたびお金持ちになったのです。

Miss Minchin came running to take her back, but Sara would not go. She went to live with Mr. Carrisford, who loved her like a daughter. Becky came with her to be her own maid. And Sara did not forget the hungry beggar girl. She went to the baker's shop and found that the kind woman had taken the girl in. With Mr. Carrisford's money, Sara helped them to give bread to other hungry children. She had always been a princess in her heart, and now she could act like one.

ミンチン先生があわててセーラを連れ戻しに来ましたが、セーラは戻りませんでした。セーラは、自分の娘のようにかわいがってくれるキャリスフォードさんの家で暮らすことになりました。ベッキーも、セーラの世話をする女中として、一緒に来ました。そしてセーラは、あのおなかをすかせた物ごいの女の子のことを、忘れてはいませんでした。パン屋へ行ってみると、あの親切なおかみさんが、その子を引き取ってくれていました。セーラはキャリスフォードさんのお金で二人を手伝い、ほかのおなかをすかせた子どもたちにも、パンを配れるようにしました。セーラは、心の中ではずっとプリンセスでした。そして今、本当のプリンセスのようにふるまえるようになったのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

セーラ・クルーがお父さんに連れられて、インドからロンドンへやって来たのは、まだ七歳のときでした。お母さんはセーラが赤ちゃんのころに亡くなっていて、お父さんのクルー大尉は、何よりもセーラを大切にしていました。大尉は大変なお金持ちだったので、できるかぎりよい寄宿学校を探して、セーラを入れました。それが、ミンチン先生の女学校でした。

ミンチン先生は、セーラのことはあまり好きではありませんでしたが、クルー大尉のお金は大好きでした。そこでセーラには、美しい部屋と、身の回りの世話をする女中と、ポニーが与えられました。セーラはエミリーという大きな人形を持っていて、ドレスも、ほかのどの生徒よりたくさん持っていました。ほかの女の子たちはセーラを「セーラ姫」と呼びました。中には、ねたむ子もいました。

けれどもセーラは、わがままにはなりませんでした。誰にでもやさしくしました。のみこみが遅くて、みんなに笑われているアーメンガードを助けてやりました。お母さんのいない小さなロッティの面倒も見ました。一日じゅう台所で働いている、くたびれた若い下働きのベッキーとさえ、友だちになりました。セーラは、空想するのが大好きでした。「わたしね、自分がプリンセスだってつもりになっているの」とセーラはベッキーに言いました。「本物のプリンセスは、いつでも、誰にでも、礼儀正しく、やさしくしなくちゃいけないのよ」

やがて、セーラの十一歳の誕生日がやって来ました。プレゼントがたくさんある、すばらしいパーティーが開かれました。ところがパーティーのさなかに、一人の弁護士がミンチン先生に会いにやって来ました。クルー大尉が、インドで熱病にかかって亡くなったというのです。しかも大尉は、亡くなる前に、財産をすっかり失っていました。友人と一緒に、ダイヤモンド鉱山に全財産をつぎこみ、その鉱山がだめになってしまったのでした。

ミンチン先生は、かんかんに怒りました。「この子には、何もないじゃないの!」と先生はどなりました。「これから誰が、この子の費用を払うっていうの?」先生は、セーラの美しい持ち物を全部取り上げてしまいました。そしてセーラを、ベッキーの部屋の隣にある、寒くてがらんとした屋根裏部屋に追いやりました。「これからは、自分の食べるパンのために働くのですよ」と先生は言いました。

こうしてセーラは、召使いになりました。雨の日も雪の日も、お使いに走りました。台所で働き、小さな子どもたちに勉強を教えました。いつも寒くて、おなかがすいていました。料理番は、残り物しかくれません。古い服は、小さくなって体に合わなくなりました。それでもセーラは、ミンチン先生の前では泣きませんでした。「心の中では、今でもプリンセスでいられるわ」と、自分に言い聞かせていたのです。

ある寒い日、セーラは通りで四ペンス銀貨を一枚見つけました。おなかがぺこぺこでした! セーラはパン屋に入って、焼きたての丸パンを四つ買いました。店の親切なおかみさんは、もう二つおまけしてくれました。ところが店の戸口の外には、セーラよりもっとおなかをすかせた、物ごいの女の子が座っていました。セーラはその子にパンをひとつあげ、それからもうひとつあげました。とうとう、六つのうち五つをあげてしまいました。「この子は、わたしよりもおなかがすいているんだもの」とセーラは思いました。パン屋のおかみさんは、窓ごしにそれを見ていて、決して忘れませんでした。

学校の隣の家に、病気がちで悲しそうな紳士が引っこしてきていました。インドから来たので、人々はその人を「インドの紳士」と呼んでいました。紳士には、ラム・ダスというインド人の召使いと、小さなペットのサルがいました。紳士は、ある女の子を探していました。亡くなった親友の娘です。「わたしは、あいつのお金を預かって、ダイヤモンド鉱山につぎこんだ」と紳士は悲しそうに言いました。「鉱山はだめになったと思いこんで、わたしは逃げてしまった。だが、だめになどなっていなかったのだ。鉱山のおかげで、わたしたちは大金持ちになった。なんとしても、あいつの子どもを見つけなければ」

ある夜、ラム・ダスは屋根づたいに渡っていって、セーラの屋根裏部屋の窓をのぞきこみました。そして、セーラの部屋がどれほど寒くて、みすぼらしいかを見ました。ラム・ダスがそれを主人に話すと、二人はある計画を立てました。

次の日の夕方、セーラはずぶぬれで、くたくたに疲れて屋根裏部屋へ上がってきました。ドアを開けたとたん、セーラは立ちすくみました。暖炉では、火が赤々と燃えています。床にはやわらかな赤いじゅうたんが敷かれ、ベッドには暖かい毛布がかかっていました。テーブルの上には、温かいスープとパンと紅茶がのっています。「まるで魔法みたい!」とセーラはささやきました。「夢じゃないわ!」セーラはベッキーを呼びに走り、二人は一緒に楽しい夕ごはんを食べました。それからというもの、魔法は何度も何度も起こりました。

そんなある夜、小さなサルが屋根の上を逃げ出して、セーラの屋根裏部屋に入ってきました。次の朝、セーラはサルを返しに、隣の家へ連れていきました。インドの紳士、キャリスフォードさんは、セーラにいろいろとたずねはじめました。「小さいころは、どこに住んでいたのかね? お父さんの名前は?」

「父は、ラルフ・クルー大尉です」とセーラは答えました。「インドで亡くなりました」

紳士の顔が、真っ青になりました。「この子だ!」と紳士は叫びました。「ずっとあちこち探していたのに、すぐ隣にいたとは!」セーラは、ダイヤモンド鉱山が大きな富を生み、その大部分が自分のものだということを知りました。セーラは、ふたたびお金持ちになったのです。

ミンチン先生があわててセーラを連れ戻しに来ましたが、セーラは戻りませんでした。セーラは、自分の娘のようにかわいがってくれるキャリスフォードさんの家で暮らすことになりました。ベッキーも、セーラの世話をする女中として、一緒に来ました。そしてセーラは、あのおなかをすかせた物ごいの女の子のことを、忘れてはいませんでした。パン屋へ行ってみると、あの親切なおかみさんが、その子を引き取ってくれていました。セーラはキャリスフォードさんのお金で二人を手伝い、ほかのおなかをすかせた子どもたちにも、パンを配れるようにしました。セーラは、心の中ではずっとプリンセスでした。そして今、本当のプリンセスのようにふるまえるようになったのです。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What happened on Sara's eleventh birthday?

Q2. What did Sara do with the buns she bought?

Q3. Why was Mr. Carrisford looking for a little girl?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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