The Kamaishi Event: What the Children Taught Us(「釜石の出来事」子どもたちが教えてくれたこと)の挿絵

The Kamaishi Event: What the Children Taught Us

「釜石の出来事」子どもたちが教えてくれたこと

  • 679 words
  • 約6分
  • 4:01
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 全訳つき

あらすじ2011年3月11日、岩手県釜石市。海の近くにあった小学校と中学校の子どもたちは、大きな揺れのあと、自分たちの判断で高台へ走りました。「奇跡」と呼ばれたこの避難の裏には、何があったのでしょうか。

多読ベストのオリジナル読み物(英検・入試頻出テーマ)

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • struck(災害が)襲った(strike の過去形)
  • missing行方不明の
  • cliffがけ
  • survived生きのびた
  • expert専門家
  • escape逃げる、避難する
  • shelters避難所
  • memorial記念の、追悼の
  • storytellers語り部
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日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

On March 11, 2011, at 2:46 in the afternoon, a huge earthquake struck off the Pacific coast of the Tohoku region. Soon after, a giant tsunami hit the coast. Kamaishi, a city in Iwate Prefecture, was one of the places that suffered serious damage. More than 1,000 people in the city died or remain missing.

2011年3月11日午後2時46分、東北地方の太平洋沖で巨大な地震が起こりました。まもなく、巨大な津波が海岸をおそいました。岩手県の釜石市も、大きな被害を受けた町の一つです。市内では、亡くなった人と今も行方がわからない人を合わせて、1,000人を超えます。

In the Unosumai area of Kamaishi, an elementary school and a junior high school stood next to each other, not far from the sea. When the long shaking stopped, the junior high school students did not wait. They ran out of the school toward higher ground. The elementary school children had first gathered on the third floor of their building, but when they saw the older students running, they followed them.

釜石市の鵜住居地区では、小学校と中学校が、海からそれほど遠くない場所に隣り合って建っていました。長い揺れがおさまると、中学生たちは待ちませんでした。学校を飛び出して、高い場所へと走ったのです。小学生たちは、はじめは校舎の3階に集まっていました。しかし、中学生が走っていくのを見て、そのあとに続きました。

The students first stopped at a care home for elderly people on a hill. But some of them noticed that the cliff behind the building was starting to collapse, so they decided to go even higher. Older students held the hands of younger children as they climbed, and some people from the neighborhood followed them. Soon after, the tsunami reached the area and swept over both schools. About 570 students who were at the two schools that day all survived.

子どもたちは、まず高台にあるお年寄りの介護施設で止まりました。ところが、建物の裏のがけが崩れ始めていることに気づいた生徒がいて、さらに高い場所へ移ることにしました。中学生は小さな子どもたちの手を引いて坂をのぼり、近所の人たちもあとに続きました。そのすぐあと、津波がこの地区に達し、二つの学校をのみこみました。その日、二つの学校にいた約570人の子どもたちは、全員が助かりました。

The media called this "the Miracle of Kamaishi." However, the students' quick action was not luck. Since 2004, the city's schools had worked with a disaster expert from a university, Professor Toshitaka Katada, on tsunami education. Students studied the history of tsunamis in their area and practiced running to higher ground again and again. They were also encouraged to talk about evacuation with their families at home. In this way, both children and parents could trust each other to escape on their own.

マスコミはこれを「釜石の奇跡」と呼びました。しかし、子どもたちのすばやい行動は、運がよかったからではありません。釜石市の学校は2004年から、大学の防災の専門家である片田敏孝教授と一緒に、津波についての教育に取り組んでいました。子どもたちは地元の津波の歴史を学び、高い場所へ走って逃げる訓練をくり返していました。家でも、避難について家族と話し合うようにすすめられていました。そうすることで、子どもも親も、おたがいがそれぞれ自分で逃げると信じ合えるようにしたのです。

The students also learned three rules for escaping a tsunami. The first was "Don't trust the hazard map too much," because a real tsunami may be bigger than expected. The second was "Do the best you can in each situation." The third was "Be the first to escape," because when one person starts running, others often follow. On that day, the junior high students who ran first helped many others to escape, too.

子どもたちは、津波から逃げるための三つの原則も学んでいました。一つめは「想定にとらわれるな」、つまりハザードマップを信じすぎるな、ということです。本当の津波は、予想より大きいかもしれないからです。二つめは「その状況のもとで最善をつくせ」。三つめは「率先避難者たれ」です。一人が走り出せば、ほかの人も続くことが多いからです。あの日、最初に走り出した中学生たちは、ほかの多くの人が逃げるのも助けたのです。

In the whole city, about 99.8 percent of the elementary and junior high school students survived. Sadly, however, five children who were not at school that day lost their lives. In the same Unosumai area, many adults who had gathered at a local disaster prevention center also died. That building had not been chosen as a place to escape from a tsunami. After the disaster, Japan made the difference clearer between places for escaping danger and shelters for living after a disaster.

市全体では、小中学生の約99.8パーセントが助かりました。しかし悲しいことに、その日学校にいなかった5人の子どもが命を落としました。また、同じ鵜住居地区では、地区の防災センターに集まっていた大勢の大人の方々も亡くなりました。その建物は、津波から逃げるための場所としては指定されていなかったのです。この震災のあと日本では、危険から逃げるための場所と、災害のあとに生活するための避難所とのちがいが、よりはっきり区別されるようになりました。

For these reasons, many people in Kamaishi felt uncomfortable with the word "miracle." Some of the students said that they had only done what they had practiced. Others thought about the people who had died. Today, Kamaishi often calls it "the Kamaishi event" instead. The name reminds people that the students survived because of preparation, not magic.

こうしたことから、釜石の多くの人は「奇跡」という言葉に違和感をおぼえました。自分たちは練習したことをしただけだ、と言った子どももいました。亡くなった人たちのことを思った人もいました。今、釜石では、かわりに「釜石の出来事」と呼ぶことが多くなっています。この呼び名は、子どもたちが助かったのは魔法のおかげではなく、備えがあったからだということを思い出させてくれます。

Today, a rugby stadium stands where the two schools once were. It was finished in 2018, and it was used for the Rugby World Cup in 2019. Near the station, there is a memorial center called Inochi wo Tsunagu Miraikan. Some people who were students in 2011 now work there as storytellers. They share their experiences with visitors from all over Japan and the world.

今、二つの学校があった場所には、ラグビー場が建っています。2018年に完成し、2019年のラグビーワールドカップの会場になりました。駅の近くには、「いのちをつなぐ未来館」という伝承施設があります。2011年に子どもだった人の中には、今そこで語り部として働いている人もいます。日本中、そして世界中から訪れる人たちに、自分の体験を伝えているのです。

There are different opinions about what other schools should learn from Kamaishi. Some people believe that every school near the sea or a river should practice evacuation as seriously as Kamaishi did. Others point out that schools already have many things to teach, and that disaster education must also happen at home and in local communities, where children spend much of their time.

釜石から、ほかの学校は何を学ぶべきなのでしょうか。これについては、いろいろな意見があります。海や川の近くにあるすべての学校が、釜石と同じくらい真剣に避難訓練をするべきだ、と考える人もいます。一方、学校にはすでに教えることがたくさんあり、防災教育は家庭や地域でも行われるべきだ、と指摘する人もいます。子どもたちは、多くの時間を学校の外で過ごしているからです。

What do you think? Some people say that schools should spend more time on disaster education, because practice like Kamaishi's can save many lives. Others say that families and local communities should play a bigger role, because children are not always at school when a disaster happens.

あなたはどう思いますか。学校は防災教育にもっと時間を使うべきだ、と言う人もいます。釜石のような訓練が、多くの命を救うことができるからです。一方、家庭や地域がもっと大きな役割を果たすべきだ、と言う人もいます。災害が起きるとき、子どもがいつも学校にいるとはかぎらないからです。

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2011年3月11日午後2時46分、東北地方の太平洋沖で巨大な地震が起こりました。まもなく、巨大な津波が海岸をおそいました。岩手県の釜石市も、大きな被害を受けた町の一つです。市内では、亡くなった人と今も行方がわからない人を合わせて、1,000人を超えます。

釜石市の鵜住居地区では、小学校と中学校が、海からそれほど遠くない場所に隣り合って建っていました。長い揺れがおさまると、中学生たちは待ちませんでした。学校を飛び出して、高い場所へと走ったのです。小学生たちは、はじめは校舎の3階に集まっていました。しかし、中学生が走っていくのを見て、そのあとに続きました。

子どもたちは、まず高台にあるお年寄りの介護施設で止まりました。ところが、建物の裏のがけが崩れ始めていることに気づいた生徒がいて、さらに高い場所へ移ることにしました。中学生は小さな子どもたちの手を引いて坂をのぼり、近所の人たちもあとに続きました。そのすぐあと、津波がこの地区に達し、二つの学校をのみこみました。その日、二つの学校にいた約570人の子どもたちは、全員が助かりました。

マスコミはこれを「釜石の奇跡」と呼びました。しかし、子どもたちのすばやい行動は、運がよかったからではありません。釜石市の学校は2004年から、大学の防災の専門家である片田敏孝教授と一緒に、津波についての教育に取り組んでいました。子どもたちは地元の津波の歴史を学び、高い場所へ走って逃げる訓練をくり返していました。家でも、避難について家族と話し合うようにすすめられていました。そうすることで、子どもも親も、おたがいがそれぞれ自分で逃げると信じ合えるようにしたのです。

子どもたちは、津波から逃げるための三つの原則も学んでいました。一つめは「想定にとらわれるな」、つまりハザードマップを信じすぎるな、ということです。本当の津波は、予想より大きいかもしれないからです。二つめは「その状況のもとで最善をつくせ」。三つめは「率先避難者たれ」です。一人が走り出せば、ほかの人も続くことが多いからです。あの日、最初に走り出した中学生たちは、ほかの多くの人が逃げるのも助けたのです。

市全体では、小中学生の約99.8パーセントが助かりました。しかし悲しいことに、その日学校にいなかった5人の子どもが命を落としました。また、同じ鵜住居地区では、地区の防災センターに集まっていた大勢の大人の方々も亡くなりました。その建物は、津波から逃げるための場所としては指定されていなかったのです。この震災のあと日本では、危険から逃げるための場所と、災害のあとに生活するための避難所とのちがいが、よりはっきり区別されるようになりました。

こうしたことから、釜石の多くの人は「奇跡」という言葉に違和感をおぼえました。自分たちは練習したことをしただけだ、と言った子どももいました。亡くなった人たちのことを思った人もいました。今、釜石では、かわりに「釜石の出来事」と呼ぶことが多くなっています。この呼び名は、子どもたちが助かったのは魔法のおかげではなく、備えがあったからだということを思い出させてくれます。

今、二つの学校があった場所には、ラグビー場が建っています。2018年に完成し、2019年のラグビーワールドカップの会場になりました。駅の近くには、「いのちをつなぐ未来館」という伝承施設があります。2011年に子どもだった人の中には、今そこで語り部として働いている人もいます。日本中、そして世界中から訪れる人たちに、自分の体験を伝えているのです。

釜石から、ほかの学校は何を学ぶべきなのでしょうか。これについては、いろいろな意見があります。海や川の近くにあるすべての学校が、釜石と同じくらい真剣に避難訓練をするべきだ、と考える人もいます。一方、学校にはすでに教えることがたくさんあり、防災教育は家庭や地域でも行われるべきだ、と指摘する人もいます。子どもたちは、多くの時間を学校の外で過ごしているからです。

あなたはどう思いますか。学校は防災教育にもっと時間を使うべきだ、と言う人もいます。釜石のような訓練が、多くの命を救うことができるからです。一方、家庭や地域がもっと大きな役割を果たすべきだ、と言う人もいます。災害が起きるとき、子どもがいつも学校にいるとはかぎらないからです。

日本語訳の一部には生成AIを使っており、AIによる3重のチェックと人の目で確かめています。まだ人の目を通っていない訳もあるため、ニュアンスがずれている所があるかもしれません。日本語訳について

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the elementary school children leave the third floor of their school?

Q2. Why did the students move higher than the care home?

Q3. Why does Kamaishi often call it "the Kamaishi event" instead of "the Miracle of Kamaishi"?

この話の単語 CEFR-JB1・B2の語 22語/タップで意味・単語帳へ
  • A1中学基礎 81.7%
  • A2高校入門 12.1%
  • B1受験コア 3.4%
  • B2難関大 1.3%
  • リストにない語 1.6%

本文の語の割合(人名などは数えていません)。「リストにない語」は固有名詞・古い言い方・やさしい複合語などです。

B2難関大の語 6語

B1受験コアの語 16語

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  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む 計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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