How Six Men Got On in the World(六人男、世界を股にかける)の挿絵

How Six Men Got On in the World

六人男、世界を股にかける

  • 📖 881 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじわずかなお金で追い出された兵隊が、ふしぎな力を持つ五人の仲間を集めました。六人は、意地の悪い王さまに勝てるでしょうか。

グリム童話(1857年版)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • soldier兵隊
  • windmill風車
  • unfasten(ひも・ベルトを)はずす
  • frost霜・厳しい寒さ
  • race競走
  • jug水差し・かめ
  • skull頭の骨
  • sack大きな袋

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

There was once a soldier who had fought bravely for his king for many years. When the war was over, the king sent him away with only three small coins. "Wait," said the soldier to himself. "I won't put up with this. If I find the right people, the king will have to give me all the treasure of his kingdom."

むかし、長いあいだ王さまのために勇ましく戦ってきた兵隊がいました。戦争が終わると、王さまはたった三枚の小銭を与えて、兵隊を追い出しました。「待てよ」と、兵隊はひとりつぶやきました。「このままですませるものか。ふさわしい仲間さえ見つかれば、王さまに国じゅうの宝を出させてやる」

Angry, he walked into the forest. There he saw a man who was pulling up six trees as easily as if they were stalks of grass. "Will you be my servant and travel with me?" asked the soldier. "Gladly," said the strong man. He tied the trees together, put them on his shoulder and came along.

兵隊はぷりぷりしながら、森の中へ入っていきました。すると、六本の木を、まるで草の茎でもぬくように、やすやすと引きぬいている男がいました。「おれの家来になって、一緒に旅をしないか?」と、兵隊はたずねました。「いいとも」と、力持ちは言いました。そして木をひとまとめにしばると、肩にかついでついて来ました。

Soon they met a hunter who was aiming his gun at the sky. "What are you shooting at?" asked the soldier. "Two miles from here a fly is sitting on a branch," said the hunter. "I want to shoot out its left eye." "Come with me," said the soldier. "If the three of us stay together, nobody in the world can stop us."

まもなく二人は、空に向けて鉄砲をかまえている狩人に出会いました。「何をねらっているんだ?」と、兵隊はたずねました。「ここから二マイル先の枝に、ハエが一匹とまっている」と、狩人は言いました。「そいつの左の目をうちぬいてやろうと思ってね」「一緒に来いよ」と、兵隊は言いました。「おれたち三人がそろえば、世界じゅうのだれにも負けやしないぞ」

Next they came to seven windmills whose sails were turning fast, though there was no wind at all. A little farther on, a man was sitting in a tree. He was holding one side of his nose shut and blowing out of the other. "Good heavens, what are you doing up there?" asked the soldier. "Two miles from here are seven windmills," said the man. "I am blowing to make them turn." He came along too.

次に一行は、七つの風車のところへやって来ました。風はまったくないのに、羽根がぐるぐると勢いよく回っています。少し先へ行くと、木の上に男が座っていました。片方の鼻の穴を指でふさいで、もう片方から息を吹き出しています。「おやまあ、そんなところで何をしているんだ?」と、兵隊はたずねました。「二マイル先に風車が七つある」と、男は言いました。「おれが吹いて、回してやっているのさ」この男も一緒に来ることになりました。

After that they met a man who was standing on one leg. He had unfastened the other leg and laid it on the ground beside him. "You look comfortable," said the soldier. "I am a runner," said the man. "When I run on two legs, I go faster than a bird can fly. So I take one off to go a little slower." He joined them as well.

それから一行は、一本足で立っている男に出会いました。もう片方の足ははずして、そばの地面に置いてあります。「ずいぶん楽そうだな」と、兵隊は言いました。「おれは走り屋なんだ」と、男は言いました。「二本足で走ると、鳥が飛ぶより速くなってしまう。だから一本はずして、少しゆっくり走るのさ」この男も仲間に加わりました。

The last man they met was wearing a little hat over one ear. "Why don't you wear your hat straight?" asked the soldier. "You look silly." "I can't," said the man. "If I put it on straight, a terrible frost comes. The birds freeze in the sky and fall to the ground." "Then come with us," said the soldier. Now there were six of them.

最後に出会った男は、小さな帽子を片方の耳の上にちょこんとのせていました。「なぜ帽子をまっすぐかぶらないんだ?」と、兵隊はたずねました。「まぬけに見えるぞ」「それはできないんだ」と、男は言いました。「まっすぐかぶると、ひどい寒さがやって来る。空の鳥がこおりついて、地面に落ちてしまうのさ」「それなら、おれたちと来い」と、兵隊は言いました。これで、仲間は六人になりました。

They came to a city where the king had made an announcement. Anyone could run a race against his daughter. Whoever won would marry her, but whoever lost would pay with his life. "I will race," said the soldier, "but my servant will run for me." The king agreed.

一行は、ある町へやって来ました。その国の王さまは、おふれを出していました。だれでも王女と競走してよい。勝った者は王女と結婚できるが、負けた者は命を取られる、というのです。「わたしが競走しましょう」と、兵隊は言いました。「ただし、家来がかわりに走ります」王さまは承知しました。

The runner and the princess were each given a jug. They had to fetch water from a far-away well, and whoever came back first would win. The runner fastened on his second leg and set off. He was at the well before the princess had gone a short way. He filled his jug and started back.

走り屋と王女は、それぞれ水差しを一つずつわたされました。遠くの井戸から水をくんできて、先に戻ったほうが勝ちです。走り屋は二本目の足をつけて走り出しました。王女がまだ少ししか進まないうちに、もう井戸に着いていました。走り屋は水差しに水を満たすと、帰り道を走り出しました。

Halfway home he felt sleepy. "I have plenty of time," he thought. He lay down and found a horse's skull to use as a pillow. It was hard, so he knew he would not sleep for long. But he did sleep, and soon the princess came past. She saw him asleep, poured out his water and ran on toward the city.

道のなかばまで来ると、走り屋は眠くなってきました。「時間はたっぷりある」と思い、横になりました。そして、馬の頭の骨を見つけて、まくらにしました。かたいまくらなので、長くは眠らないだろうと思ったのです。ところが、ぐっすり眠りこんでしまいました。そこへ王女がやって来ました。王女は走り屋が眠っているのを見ると、水差しの水をこぼして、町のほうへ走っていきました。

The hunter was watching from the city wall with his sharp eyes. "The princess shall not beat us," he said. He shot the skull from under the runner's head without touching him. The runner jumped up, saw his empty jug and ran back to the well. He still came home ten minutes before the princess. "Now," he said, "I have really used my legs."

狩人は、町の城壁の上から、するどい目で見張っていました。「王女なんかに負けてたまるか」と、狩人は言いました。そして、走り屋がまくらにしていた馬の頭の骨を、ねらいすまして撃ち飛ばしました。走り屋には、かすりもしませんでした。走り屋は飛び起きて、空っぽの水差しを見ると、また井戸へかけ戻りました。それでも、王女より十分も早く町に帰り着きました。「やれやれ」と、走り屋は言いました。「今度こそ、ちゃんと足を使ったぞ」

But the king and his daughter did not want a common soldier in the family. "We must get rid of him and his friends," said the king. He invited the six men to a dinner in a room with an iron floor and iron doors. When they sat down, the doors were locked, and a fire was lit under the floor. The room grew hotter and hotter.

けれども王さまと王女は、ただの兵隊を家族に迎えるのがいやでした。「あの男と仲間たちを、片づけてしまわなければ」と、王さまは言いました。王さまは六人を食事に招きました。床も扉も鉄でできた部屋でした。六人が席に着くと、扉にはかぎがかけられ、床の下で火がたかれました。部屋はどんどん暑くなっていきました。

Then the man with the little hat put it on straight. At once a hard frost came, and the food froze on the plates. When the king opened the door the next morning, the six men walked out, cheerful and well. "It was so cold in there," they said, "that we couldn't eat our dinner."

そこで、小さな帽子の男が、帽子をまっすぐにかぶりました。たちまちきびしい寒さがやって来て、皿の上の料理までこおってしまいました。次の朝、王さまが扉を開けると、六人は元気よく、にこにこしながら出てきました。「中があんまり寒くて」と、六人は言いました。「夕ごはんが食べられませんでしたよ」

The king did not know what to do. "Give up the princess," he said to the soldier, "and I will give you as much gold as you want." "Then give me as much as one of my servants can carry," said the soldier. He had a huge sack made, and the strong man filled it with all the gold in the kingdom. The king's treasury was left empty.

王さまは、どうしたらいいかわからなくなりました。「王女のことはあきらめてくれ」と、王さまは兵隊に言いました。「そのかわり、好きなだけ金をやろう」「それなら、わたしの家来がひとりで運べるだけください」と、兵隊は言いました。兵隊は大きな大きな袋を作らせました。力持ちは、その中に国じゅうの金をつめこみました。王さまの宝物蔵は、空っぽになってしまいました。

The king was furious. He sent all his horsemen after the six men to take the gold back. When the horsemen came near, the blower held one side of his nose and blew. The horsemen and their horses flew up into the air and over the mountains. Nobody ever saw them again.

王さまはかんかんに怒りました。そして、金を取り返そうと、騎兵を残らず六人のあとから追わせました。騎兵たちが近づいてくると、息吹き男が片方の鼻の穴をふさいで、ふうっと吹きました。騎兵たちは馬もろとも空へ舞い上がり、山のむこうへ飛ばされていきました。それっきり、だれも騎兵たちの姿を見ませんでした。

The six men carried the gold home, divided it fairly and lived happily together for the rest of their lives.

六人は金を持ち帰り、公平に分けました。そして、一生のあいだ、楽しく一緒に暮らしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、長いあいだ王さまのために勇ましく戦ってきた兵隊がいました。戦争が終わると、王さまはたった三枚の小銭を与えて、兵隊を追い出しました。「待てよ」と、兵隊はひとりつぶやきました。「このままですませるものか。ふさわしい仲間さえ見つかれば、王さまに国じゅうの宝を出させてやる」

兵隊はぷりぷりしながら、森の中へ入っていきました。すると、六本の木を、まるで草の茎でもぬくように、やすやすと引きぬいている男がいました。「おれの家来になって、一緒に旅をしないか?」と、兵隊はたずねました。「いいとも」と、力持ちは言いました。そして木をひとまとめにしばると、肩にかついでついて来ました。

まもなく二人は、空に向けて鉄砲をかまえている狩人に出会いました。「何をねらっているんだ?」と、兵隊はたずねました。「ここから二マイル先の枝に、ハエが一匹とまっている」と、狩人は言いました。「そいつの左の目をうちぬいてやろうと思ってね」「一緒に来いよ」と、兵隊は言いました。「おれたち三人がそろえば、世界じゅうのだれにも負けやしないぞ」

次に一行は、七つの風車のところへやって来ました。風はまったくないのに、羽根がぐるぐると勢いよく回っています。少し先へ行くと、木の上に男が座っていました。片方の鼻の穴を指でふさいで、もう片方から息を吹き出しています。「おやまあ、そんなところで何をしているんだ?」と、兵隊はたずねました。「二マイル先に風車が七つある」と、男は言いました。「おれが吹いて、回してやっているのさ」この男も一緒に来ることになりました。

それから一行は、一本足で立っている男に出会いました。もう片方の足ははずして、そばの地面に置いてあります。「ずいぶん楽そうだな」と、兵隊は言いました。「おれは走り屋なんだ」と、男は言いました。「二本足で走ると、鳥が飛ぶより速くなってしまう。だから一本はずして、少しゆっくり走るのさ」この男も仲間に加わりました。

最後に出会った男は、小さな帽子を片方の耳の上にちょこんとのせていました。「なぜ帽子をまっすぐかぶらないんだ?」と、兵隊はたずねました。「まぬけに見えるぞ」「それはできないんだ」と、男は言いました。「まっすぐかぶると、ひどい寒さがやって来る。空の鳥がこおりついて、地面に落ちてしまうのさ」「それなら、おれたちと来い」と、兵隊は言いました。これで、仲間は六人になりました。

一行は、ある町へやって来ました。その国の王さまは、おふれを出していました。だれでも王女と競走してよい。勝った者は王女と結婚できるが、負けた者は命を取られる、というのです。「わたしが競走しましょう」と、兵隊は言いました。「ただし、家来がかわりに走ります」王さまは承知しました。

走り屋と王女は、それぞれ水差しを一つずつわたされました。遠くの井戸から水をくんできて、先に戻ったほうが勝ちです。走り屋は二本目の足をつけて走り出しました。王女がまだ少ししか進まないうちに、もう井戸に着いていました。走り屋は水差しに水を満たすと、帰り道を走り出しました。

道のなかばまで来ると、走り屋は眠くなってきました。「時間はたっぷりある」と思い、横になりました。そして、馬の頭の骨を見つけて、まくらにしました。かたいまくらなので、長くは眠らないだろうと思ったのです。ところが、ぐっすり眠りこんでしまいました。そこへ王女がやって来ました。王女は走り屋が眠っているのを見ると、水差しの水をこぼして、町のほうへ走っていきました。

狩人は、町の城壁の上から、するどい目で見張っていました。「王女なんかに負けてたまるか」と、狩人は言いました。そして、走り屋がまくらにしていた馬の頭の骨を、ねらいすまして撃ち飛ばしました。走り屋には、かすりもしませんでした。走り屋は飛び起きて、空っぽの水差しを見ると、また井戸へかけ戻りました。それでも、王女より十分も早く町に帰り着きました。「やれやれ」と、走り屋は言いました。「今度こそ、ちゃんと足を使ったぞ」

けれども王さまと王女は、ただの兵隊を家族に迎えるのがいやでした。「あの男と仲間たちを、片づけてしまわなければ」と、王さまは言いました。王さまは六人を食事に招きました。床も扉も鉄でできた部屋でした。六人が席に着くと、扉にはかぎがかけられ、床の下で火がたかれました。部屋はどんどん暑くなっていきました。

そこで、小さな帽子の男が、帽子をまっすぐにかぶりました。たちまちきびしい寒さがやって来て、皿の上の料理までこおってしまいました。次の朝、王さまが扉を開けると、六人は元気よく、にこにこしながら出てきました。「中があんまり寒くて」と、六人は言いました。「夕ごはんが食べられませんでしたよ」

王さまは、どうしたらいいかわからなくなりました。「王女のことはあきらめてくれ」と、王さまは兵隊に言いました。「そのかわり、好きなだけ金をやろう」「それなら、わたしの家来がひとりで運べるだけください」と、兵隊は言いました。兵隊は大きな大きな袋を作らせました。力持ちは、その中に国じゅうの金をつめこみました。王さまの宝物蔵は、空っぽになってしまいました。

王さまはかんかんに怒りました。そして、金を取り返そうと、騎兵を残らず六人のあとから追わせました。騎兵たちが近づいてくると、息吹き男が片方の鼻の穴をふさいで、ふうっと吹きました。騎兵たちは馬もろとも空へ舞い上がり、山のむこうへ飛ばされていきました。それっきり、だれも騎兵たちの姿を見ませんでした。

六人は金を持ち帰り、公平に分けました。そして、一生のあいだ、楽しく一緒に暮らしました。

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the runner use as a pillow?

Q2. How did the six men stay alive in the hot iron room?

Q3. What did the king's horsemen try to do?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 3 の読み物をもっと見る →