Briar Rose(いばら姫(眠れる森の美女))の挿絵

Briar Rose

いばら姫(眠れる森の美女)

  • 📖 980 words
  • ⏱ 約9分
  • 🔊 5:27
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじお祝いの席に招かれなかった十三人目の賢い女が、生まれたばかりの姫に恐ろしい呪いをかけます。「十五歳になったら……」

グリム童話(1857年版)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • feast宴会
  • Wise Women賢い女たち(魔法使いの女たち)
  • prickちくりと刺す
  • spindleつむ(糸をつむぐ道具)
  • spell魔法・のろい
  • hedge生け垣
  • briar野バラ・いばら
  • thornsとげ
  • thrones王座
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Long ago there lived a king and queen who said every day, "Oh, if only we had a child!" But they never had one. Then one day, while the queen was bathing, a frog crawled out of the water and said to her, "Your wish will come true. Before a year has passed, you will have a daughter."

むかしむかし、ある王さまとお妃さまが、毎日「ああ、子どもがいたらいいのに!」と言っていました。けれども、子どもはいっこうに生まれませんでした。ところがある日、お妃さまが水浴びをしていると、一ぴきのカエルが水からはい出してきて言いました。「あなたの願いはかないますよ。一年たたないうちに、女の子が生まれるでしょう」

The frog was right. The queen had a baby girl who was so beautiful that the king was filled with joy. He gave a great feast and invited his family and friends, and also the Wise Women of the kingdom, so that they would be kind to the child. There were thirteen Wise Women in the kingdom, but the king had only twelve golden plates for them to eat from, so one of them had to stay at home.

カエルの言ったとおりでした。お妃さまは女の子を産み、その子があまりに美しかったので、王さまは喜びでいっぱいになりました。王さまは盛大な祝宴を開いて、親類や友人を招きました。さらに、子どもに親切にしてもらえるよう、国じゅうの賢女たちも招きました。王国には十三人の賢女がいました。けれども、賢女たちが食事をする金のお皿は十二枚しかなかったので、ひとりには家に残ってもらうしかありませんでした。

The feast was wonderful. At the end, the Wise Women gave the child their magic gifts. One gave goodness, another gave beauty, another gave riches, and so on, everything in the world that one could wish for.

祝宴は、すばらしいものでした。宴の終わりに、賢女たちは赤ちゃんに魔法の贈りものを授けました。ある賢女は善い心を、ある賢女は美しさを、ある賢女は富を、というふうに、この世で願えるかぎりのものを、すべて授けていきました。

When eleven of them had spoken, the thirteenth Wise Woman suddenly came in. She was angry because she had not been invited. Without greeting anyone or even looking at anyone, she cried in a loud voice, "When the princess is fifteen, she will prick her finger on a spindle and fall down dead!" Then she turned and left the hall.

十一人が贈りものを言いおえたとき、とつぜん十三人目の賢女が入ってきました。招かれなかったことに腹を立てていたのです。だれにもあいさつせず、だれの顔も見ようとせずに、その賢女は大声でさけびました。「王女は十五歳になったら、つむで指を刺して、倒れて死ぬであろう!」そして向きを変えると、広間を出ていきました。

Everyone was shocked. But the twelfth Wise Woman still had her wish. She could not take away the evil spell, but she could make it softer. "The princess will not die," she said. "She will fall into a deep sleep for a hundred years."

みんなはぼうぜんとしました。けれども、十二人目の賢女は、まだ願いを言っていませんでした。悪い呪いを取りのぞくことはできませんでしたが、やわらげることはできたのです。「王女は死にはしません」と、十二人目の賢女は言いました。「百年のあいだ、深い眠りにつくのです」

The king wanted to protect his dear child, so he ordered that every spindle in the kingdom be burned. As the princess grew up, all the gifts of the Wise Women came true. She was beautiful, kind and clever, and everyone who saw her loved her.

王さまは大切なわが子を守りたいと思い、国じゅうのつむをすべて焼き捨てるよう命じました。王女が大きくなるにつれて、賢女たちの贈りものは、すべてそのとおりになりました。王女は美しく、やさしく、賢く、王女を見た人はだれもが王女を愛しました。

On the day she turned fifteen, the king and queen were away, and the girl was alone in the castle. She walked around, looking into every room, and at last she came to an old tower. She climbed the narrow winding stairs and came to a little door with a rusty key in the lock. When she turned the key, the door opened. There, in a little room, sat an old woman with a spindle, busily spinning.

王女が十五歳になったその日、王さまとお妃さまは出かけていて、王女はひとりでお城にいました。王女はお城の中を歩きまわって、部屋という部屋をのぞいてまわり、とうとう古い塔にやって来ました。せまいらせん階段を上っていくと、小さな戸があり、錠にはさびた鍵がさしてありました。鍵を回すと、戸が開きました。そこの小さな部屋に、つむを持ったおばあさんが座って、せっせと糸をつむいでいました。

"Good day, old mother," said the princess. "What are you doing?" "I'm spinning," said the old woman, nodding her head. "And what is that thing that jumps around so merrily?" asked the princess. She took the spindle because she wanted to spin, too. But as soon as she touched it, the spell came true, and she pricked her finger.

「こんにちは、おばあさん」と、王女は言いました。「何をしているの?」「糸をつむいでいるんですよ」と、おばあさんはうなずきながら答えました。「それで、そのくるくると楽しそうに跳ねまわっているものは何?」と、王女はたずねました。王女も糸をつむいでみたくなって、つむを手にとりました。ところが、つむにふれたとたん、呪いの言葉どおりに、王女はつむで指を刺してしまいました。

At that moment she fell onto the bed in the room and lay there in a deep sleep. And the sleep spread over the whole castle. The king and queen, who had just come home, fell asleep in the great hall, and all their people with them.

その瞬間、王女は部屋にあったベッドの上に倒れ、そのまま深い眠りに落ちました。そしてその眠りは、お城じゅうに広がっていきました。ちょうど帰ってきたばかりの王さまとお妃さまも大広間で眠りに落ち、家来たちもみな一緒に眠ってしまいました。

The horses slept in the stable, the dogs in the yard, the pigeons on the roof and the flies on the wall. Even the fire in the kitchen stopped burning. The cook, who was just going to pull the kitchen boy's hair because of a mistake, let go and fell asleep. The wind stopped, and not a single leaf moved on the trees.

馬は馬小屋で、犬は中庭で、ハトは屋根の上で、ハエは壁の上で眠りました。台所のかまどの火さえ、燃えるのをやめました。ちょうど小僧が失敗をしたので、その髪を引っ張ろうとしていたコックも、手を離して眠りこみました。風はやみ、木々の葉は一枚たりとも動きませんでした。

Around the castle, a hedge of briar roses began to grow. Every year it grew higher, until it covered the whole castle, and nothing could be seen of it, not even the flag on the roof.

お城のまわりには、いばらの生け垣がのびはじめました。生け垣は年ごとに高くなり、ついにはお城全体をおおいつくして、屋根の上の旗さえ見えなくなってしまいました。

The story of the beautiful sleeping Briar Rose, for that was the name people gave the princess, was told all over the land. From time to time, kings' sons came and tried to get through the hedge into the castle. But the thorns caught them like hands, and they could not go any farther.

眠れる美しいいばら姫――人々は王女をそう呼ぶようになっていました――の話は、国じゅうに語り伝えられました。ときおり王子たちがやって来て、生け垣を抜けてお城に入ろうとしました。けれども、いばらのとげがまるで手のように王子たちをつかまえ、それ以上先へは進めませんでした。

After many, many years, another king's son came to the land. He heard an old man talk about the hedge and the princess who had been sleeping behind it for a hundred years. "I'm not afraid," said the young man. "I will go and see the beautiful Briar Rose." The old man tried to stop him, but he would not listen.

長い長い年月がたって、また別の王子がその国へやって来ました。王子は、ある老人が、生け垣のことや、その奥で百年も眠りつづけている王女のことを話しているのを聞きました。「ぼくはこわくありません」と、若い王子は言いました。「美しいいばら姫に会いに行ってきます」老人は止めようとしましたが、王子は聞き入れませんでした。

Now, the hundred years had just passed, and the day had come when Briar Rose would wake. When the prince came near the hedge, it was covered with large, beautiful flowers. The branches opened by themselves and let him pass, and then they closed again behind him.

ちょうどそのころ、百年の月日がすぎて、いばら姫が目をさます日がやって来ていました。王子が生け垣に近づくと、生け垣は大きな美しい花でいっぱいでした。枝はひとりでに開いて王子を通し、王子が通りすぎると、うしろでまた閉じました。

In the courtyard he saw the horses and dogs lying asleep. On the roof sat the pigeons with their heads under their wings. In the kitchen the cook was still holding up his hand to the boy, and in the great hall the king and queen were sleeping on their thrones.

中庭では、馬や犬が寝そべって眠っていました。屋根の上には、ハトが頭をつばさの下にうずめてとまっていました。台所では、コックがまだ小僧に向かって手を振り上げたままで、大広間では、王さまとお妃さまが玉座の上で眠っていました。

Everything was so quiet that he could hear his own breathing. At last he came to the tower and opened the door of the little room where Briar Rose was sleeping. She was so beautiful that he could not take his eyes off her. He bent down and gave her a kiss.

あたりはあまりに静かで、王子には自分の息づかいが聞こえるほどでした。とうとう王子は塔にたどり着き、いばら姫が眠っている小さな部屋の戸を開けました。姫はあまりに美しく、王子は目を離すことができませんでした。王子は身をかがめ、姫にキスをしました。

As soon as he kissed her, Briar Rose opened her eyes and looked at him with a sweet smile. They went down together, and the king and queen woke up, and the whole castle woke up, and everyone looked at each other in surprise. The horses stood up and shook themselves. The dogs jumped and wagged their tails. The pigeons flew off to the fields, and the fire in the kitchen began to burn again. And the cook pulled the kitchen boy's hair so hard that he cried out.

キスをしたとたん、いばら姫は目を開き、やさしくほほえんで王子を見つめました。ふたりが一緒に下へ降りていくと、王さまとお妃さまが目をさまし、お城じゅうが目をさまして、みんな驚いて顔を見合わせました。馬は立ち上がって、体をぶるぶるっとふるわせました。犬は跳びはねて、しっぽを振りました。ハトは野原へ飛んでいき、台所のかまどの火は、ふたたび燃えはじめました。そしてコックが小僧の髪を思いきり引っ張ったので、小僧は悲鳴をあげました。

Then the prince and Briar Rose had a splendid wedding, and they lived happily until the end of their days.

それから、王子といばら姫は立派な結婚式をあげ、ふたりは一生、幸せに暮らしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかしむかし、ある王さまとお妃さまが、毎日「ああ、子どもがいたらいいのに!」と言っていました。けれども、子どもはいっこうに生まれませんでした。ところがある日、お妃さまが水浴びをしていると、一ぴきのカエルが水からはい出してきて言いました。「あなたの願いはかないますよ。一年たたないうちに、女の子が生まれるでしょう」

カエルの言ったとおりでした。お妃さまは女の子を産み、その子があまりに美しかったので、王さまは喜びでいっぱいになりました。王さまは盛大な祝宴を開いて、親類や友人を招きました。さらに、子どもに親切にしてもらえるよう、国じゅうの賢女たちも招きました。王国には十三人の賢女がいました。けれども、賢女たちが食事をする金のお皿は十二枚しかなかったので、ひとりには家に残ってもらうしかありませんでした。

祝宴は、すばらしいものでした。宴の終わりに、賢女たちは赤ちゃんに魔法の贈りものを授けました。ある賢女は善い心を、ある賢女は美しさを、ある賢女は富を、というふうに、この世で願えるかぎりのものを、すべて授けていきました。

十一人が贈りものを言いおえたとき、とつぜん十三人目の賢女が入ってきました。招かれなかったことに腹を立てていたのです。だれにもあいさつせず、だれの顔も見ようとせずに、その賢女は大声でさけびました。「王女は十五歳になったら、つむで指を刺して、倒れて死ぬであろう!」そして向きを変えると、広間を出ていきました。

みんなはぼうぜんとしました。けれども、十二人目の賢女は、まだ願いを言っていませんでした。悪い呪いを取りのぞくことはできませんでしたが、やわらげることはできたのです。「王女は死にはしません」と、十二人目の賢女は言いました。「百年のあいだ、深い眠りにつくのです」

王さまは大切なわが子を守りたいと思い、国じゅうのつむをすべて焼き捨てるよう命じました。王女が大きくなるにつれて、賢女たちの贈りものは、すべてそのとおりになりました。王女は美しく、やさしく、賢く、王女を見た人はだれもが王女を愛しました。

王女が十五歳になったその日、王さまとお妃さまは出かけていて、王女はひとりでお城にいました。王女はお城の中を歩きまわって、部屋という部屋をのぞいてまわり、とうとう古い塔にやって来ました。せまいらせん階段を上っていくと、小さな戸があり、錠にはさびた鍵がさしてありました。鍵を回すと、戸が開きました。そこの小さな部屋に、つむを持ったおばあさんが座って、せっせと糸をつむいでいました。

「こんにちは、おばあさん」と、王女は言いました。「何をしているの?」「糸をつむいでいるんですよ」と、おばあさんはうなずきながら答えました。「それで、そのくるくると楽しそうに跳ねまわっているものは何?」と、王女はたずねました。王女も糸をつむいでみたくなって、つむを手にとりました。ところが、つむにふれたとたん、呪いの言葉どおりに、王女はつむで指を刺してしまいました。

その瞬間、王女は部屋にあったベッドの上に倒れ、そのまま深い眠りに落ちました。そしてその眠りは、お城じゅうに広がっていきました。ちょうど帰ってきたばかりの王さまとお妃さまも大広間で眠りに落ち、家来たちもみな一緒に眠ってしまいました。

馬は馬小屋で、犬は中庭で、ハトは屋根の上で、ハエは壁の上で眠りました。台所のかまどの火さえ、燃えるのをやめました。ちょうど小僧が失敗をしたので、その髪を引っ張ろうとしていたコックも、手を離して眠りこみました。風はやみ、木々の葉は一枚たりとも動きませんでした。

お城のまわりには、いばらの生け垣がのびはじめました。生け垣は年ごとに高くなり、ついにはお城全体をおおいつくして、屋根の上の旗さえ見えなくなってしまいました。

眠れる美しいいばら姫――人々は王女をそう呼ぶようになっていました――の話は、国じゅうに語り伝えられました。ときおり王子たちがやって来て、生け垣を抜けてお城に入ろうとしました。けれども、いばらのとげがまるで手のように王子たちをつかまえ、それ以上先へは進めませんでした。

長い長い年月がたって、また別の王子がその国へやって来ました。王子は、ある老人が、生け垣のことや、その奥で百年も眠りつづけている王女のことを話しているのを聞きました。「ぼくはこわくありません」と、若い王子は言いました。「美しいいばら姫に会いに行ってきます」老人は止めようとしましたが、王子は聞き入れませんでした。

ちょうどそのころ、百年の月日がすぎて、いばら姫が目をさます日がやって来ていました。王子が生け垣に近づくと、生け垣は大きな美しい花でいっぱいでした。枝はひとりでに開いて王子を通し、王子が通りすぎると、うしろでまた閉じました。

中庭では、馬や犬が寝そべって眠っていました。屋根の上には、ハトが頭をつばさの下にうずめてとまっていました。台所では、コックがまだ小僧に向かって手を振り上げたままで、大広間では、王さまとお妃さまが玉座の上で眠っていました。

あたりはあまりに静かで、王子には自分の息づかいが聞こえるほどでした。とうとう王子は塔にたどり着き、いばら姫が眠っている小さな部屋の戸を開けました。姫はあまりに美しく、王子は目を離すことができませんでした。王子は身をかがめ、姫にキスをしました。

キスをしたとたん、いばら姫は目を開き、やさしくほほえんで王子を見つめました。ふたりが一緒に下へ降りていくと、王さまとお妃さまが目をさまし、お城じゅうが目をさまして、みんな驚いて顔を見合わせました。馬は立ち上がって、体をぶるぶるっとふるわせました。犬は跳びはねて、しっぽを振りました。ハトは野原へ飛んでいき、台所のかまどの火は、ふたたび燃えはじめました。そしてコックが小僧の髪を思いきり引っ張ったので、小僧は悲鳴をあげました。

それから、王子といばら姫は立派な結婚式をあげ、ふたりは一生、幸せに暮らしました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why was the thirteenth Wise Woman not invited?

Q2. How long did Briar Rose sleep?

Q3. What did the cook do when he woke up?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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