どこが変わる?現行⇔次期(中学校)
黄色のマーカー=次期で新しく入る・強調される言葉赤の取り消し線=現行から消える・変わる言葉
学習指導要領の内容の示し方
現行
個別の知識や技能などを文章で示している。資質・能力の「深まり」や「一体的育成」が書きぶりから見えにくい。
個別の知識や技能などを文章で示している。資質・能力の「深まり」や「一体的育成」が書きぶりから見えにくい。
次期(審議まとめの案・告示前)
内容のまとまりごとに「統合的な理解・総合的な発揮」を示し、その下に個別の資質・能力をぶら下げる構造にする方向。
内容のまとまりごとに「統合的な理解・総合的な発揮」を示し、その下に個別の資質・能力をぶら下げる構造にする方向。
学習指導要領のレイアウト
現行
文章中心で、記載が冗長・複雑になっている部分がある。
文章中心で、記載が冗長・複雑になっている部分がある。
次期(審議まとめの案・告示前)
一文を短くしスリム化したうえで、表形式で示す方向。教科に応じて「並列」パターンか「並行」パターンを選ぶ。
一文を短くしスリム化したうえで、表形式で示す方向。教科に応じて「並列」パターンか「並行」パターンを選ぶ。
学習指導要領の提供形態
現行
紙の冊子とそのPDF版で提供。検索しにくく(改行で切れた語は検索できない)、AIで使いにくい。
紙の冊子とそのPDF版で提供。検索しにくく(改行で切れた語は検索できない)、AIで使いにくい。
次期(審議まとめの案・告示前)
ウェブサイトで提供する「デジタル学習指導要領」をつくる方向。リンク・キーワード検索・多様な出力・生成AIが読みやすいデータ・学習指導要領コードで教材や問題を探せる。
ウェブサイトで提供する「デジタル学習指導要領」をつくる方向。リンク・キーワード検索・多様な出力・生成AIが読みやすいデータ・学習指導要領コードで教材や問題を探せる。
学年区分の示し方
現行
学年別、複数学年別、学年を示さないものがあり、学年別目標もある。「上級学年の内容は扱ってはならない」との誤解(例:習っていない漢字は使ってはいけない)も生じている。
学年別、複数学年別、学年を示さないものがあり、学年別目標もある。「上級学年の内容は扱ってはならない」との誤解(例:習っていない漢字は使ってはいけない)も生じている。
次期(審議まとめの案・告示前)
学年別に目標は定めない方向。指導学年を示す場合も「◯学年相当」と書き、それに囚われず編成できることを明確にする。
学年別に目標は定めない方向。指導学年を示す場合も「◯学年相当」と書き、それに囚われず編成できることを明確にする。
「学びに向かう力、人間性等」の示し方
現行
多岐にわたる項目が羅列的に書かれ、関係性が見えにくい。評価の「粘り強さ」「自己調整」に狭めて理解されがち。
多岐にわたる項目が羅列的に書かれ、関係性が見えにくい。評価の「粘り強さ」「自己調整」に狭めて理解されがち。
次期(審議まとめの案・告示前)
「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」「学びの主体的な調整」「他者との対話や協働」「学びを方向付ける人間性」の4要素に再整理し、各教科等の目標にバランスよく含める方向。
「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」「学びの主体的な調整」「他者との対話や協働」「学びを方向付ける人間性」の4要素に再整理し、各教科等の目標にバランスよく含める方向。
「見方・考え方」
現行
各教科等の目標の一部だが、具体は解説を読まないと分からない。学びの深まりと教科の本質的意義の2側面が混在し、抽象的で分かりにくい。
各教科等の目標の一部だが、具体は解説を読まないと分からない。学びの深まりと教科の本質的意義の2側面が混在し、抽象的で分かりにくい。
次期(審議まとめの案・告示前)
教科を学ぶ本質的な意義に焦点化し、学習指導要領本体の目標直下に別欄で記載する方向。3要素(事象や対象・捉える視点・考え方や判断の仕方)を含める。
教科を学ぶ本質的な意義に焦点化し、学習指導要領本体の目標直下に別欄で記載する方向。3要素(事象や対象・捉える視点・考え方や判断の仕方)を含める。
学習の基盤となる資質・能力
現行
「言語能力」「情報活用能力」「問題発見・解決能力」の3つ。
「言語能力」「情報活用能力」「問題発見・解決能力」の3つ。
次期(審議まとめの案・告示前)
「言語能力・情報活用能力」の2つに絞る方向(情報活用能力は情報技術の活用に限る)。問題発見・解決能力は教育課程全体の取組で実質化。
「言語能力・情報活用能力」の2つに絞る方向(情報活用能力は情報技術の活用に限る)。問題発見・解決能力は教育課程全体の取組で実質化。
ICT・デジタルの前提
現行
5人に1台程度の端末整備(平成30年当時)を前提に、情報手段の積極的な活用を記載。学習者の学習ツールとしての発想が書かれていない。
5人に1台程度の端末整備(平成30年当時)を前提に、情報手段の積極的な活用を記載。学習者の学習ツールとしての発想が書かれていない。
次期(審議まとめの案・告示前)
デジタル学習基盤が常に利用可能であることを前提に示す方向。総則に意義を明記し、学習者の学習ツール・合理的配慮の基盤としても位置付ける。
デジタル学習基盤が常に利用可能であることを前提に示す方向。総則に意義を明記し、学習者の学習ツール・合理的配慮の基盤としても位置付ける。
総則の「個に応じた」項目
現行
総則に「個に応じた指導の充実」を記載。令和答申の「個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実」は総則に反映されていない。
総則に「個に応じた指導の充実」を記載。令和答申の「個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実」は総則に反映されていない。
次期(審議まとめの案・告示前)
「個に応じた学習過程の充実」に発展させる方向で、教師主語と学習者主語の2つの視点で記載。令和答申の考え方も整理して位置付ける。
「個に応じた学習過程の充実」に発展させる方向で、教師主語と学習者主語の2つの視点で記載。令和答申の考え方も整理して位置付ける。
授業時数の運用(小・中)
現行
年度当初に各教科等の標準授業時数を確保して編成。柔軟化には特例校制度があるが国の審査・指定が必要で「特別なこと」になっている。
年度当初に各教科等の標準授業時数を確保して編成。柔軟化には特例校制度があるが国の審査・指定が必要で「特別なこと」になっている。
次期(審議まとめの案・告示前)
「調整授業時数制度」の創設が提案された。内容を全部扱う前提で標準を下回って編成でき、生まれた時間を上乗せ・新教科・裁量的な時間に充てられる。国への申請は不要とする方向。
「調整授業時数制度」の創設が提案された。内容を全部扱う前提で標準を下回って編成でき、生まれた時間を上乗せ・新教科・裁量的な時間に充てられる。国への申請は不要とする方向。
授業時数特例校制度との違い
現行
対象教科等の10%まで下回ることが可能。教科等横断・探究の推進が趣旨のため総合的な学習の時間は対象外。標準総授業時数内で教科等以外の内容は入れられない。
対象教科等の10%まで下回ることが可能。教科等横断・探究の推進が趣旨のため総合的な学習の時間は対象外。標準総授業時数内で教科等以外の内容は入れられない。
次期(審議まとめの案・告示前)
下回ってよい幅は最大15%程度(小138・中128コマ程度)を想定。総合的な学習の時間も対象。教科等以外の「裁量的な時間」にも充てられる(いずれも案で、具体の数字は今後決定)。
下回ってよい幅は最大15%程度(小138・中128コマ程度)を想定。総合的な学習の時間も対象。教科等以外の「裁量的な時間」にも充てられる(いずれも案で、具体の数字は今後決定)。
教育課程特例校制度
現行
設置者の申請と審査を経た文部科学大臣の指定で、内容の組替えやイマージョン教育などを認めている(毎年1900校超)。
設置者の申請と審査を経た文部科学大臣の指定で、内容の組替えやイマージョン教育などを認めている(毎年1900校超)。
次期(審議まとめの案・告示前)
不適切な運用を防ぐ取組を講じたうえで調整授業時数制度に統合し、各学校の判断で実施可能とすべきとされた。
不適切な運用を防ぐ取組を講じたうえで調整授業時数制度に統合し、各学校の判断で実施可能とすべきとされた。
教師の研究・研修の時間
現行
標準授業時数を確保して編成するため、研究・研修等の時間を教育課程の中で確保しにくい。
標準授業時数を確保して編成するため、研究・研修等の時間を教育課程の中で確保しにくい。
次期(審議まとめの案・告示前)
裁量的な時間の「研究・研修等枠」で週1コマ(最大35コマ)程度を上限に、組織的な研究・研修を教育課程の時間を使って行えるようにする案。
裁量的な時間の「研究・研修等枠」で週1コマ(最大35コマ)程度を上限に、組織的な研究・研修を教育課程の時間を使って行えるようにする案。
1単位時間の示し方(小・中)
現行
学校教育法施行規則の備考で「一単位時間は四十五分」(中学校は50分)と示し、各学校で適切に定められることは総則に書かれているが認識が広がっていない。
学校教育法施行規則の備考で「一単位時間は四十五分」(中学校は50分)と示し、各学校で適切に定められることは総則に書かれているが認識が広がっていない。
次期(審議まとめの案・告示前)
規則の備考欄で各学校が単位時間を適切に定める旨を明確にし、総則でさらに丁寧に書くことが適当とされた。
規則の備考欄で各学校が単位時間を適切に定める旨を明確にし、総則でさらに丁寧に書くことが適当とされた。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価
現行
教科ごとに観点別評価(ABC)で目標準拠評価。「粘り強さ」「自己調整」の2側面で見るが、形式的な勤勉さの評価になりがち。
教科ごとに観点別評価(ABC)で目標準拠評価。「粘り強さ」「自己調整」の2側面で見るが、形式的な勤勉さの評価になりがち。
次期(審議まとめの案・告示前)
「学びに向かう力」は総合所見欄で教育課程全体を通じた個人内評価に。3要素が継続的に表れたら「思・判・表」に「◯」を付記する方向。
「学びに向かう力」は総合所見欄で教育課程全体を通じた個人内評価に。3要素が継続的に表れたら「思・判・表」に「◯」を付記する方向。
評価規準の作り方
現行
各学校が「内容のまとまりごとの評価規準」を作り、その上で単元の評価規準を作る。単元の目標と評価規準も別々に作る(多くは語尾を変えただけ)。
各学校が「内容のまとまりごとの評価規準」を作り、その上で単元の評価規準を作る。単元の目標と評価規準も別々に作る(多くは語尾を変えただけ)。
次期(審議まとめの案・告示前)
国が「内容のまとまりごとの評価規準例」を示し、各学校の作成は不要とする方向。単元の目標をそのまま評価規準として用いる。
国が「内容のまとまりごとの評価規準例」を示し、各学校の作成は不要とする方向。単元の目標をそのまま評価規準として用いる。
指導と評価の計画・評定の時期
現行
評価参考資料で「指導と評価の計画」の作成を求める。学期ごとに評定を確定し変えない学校が多い。形成的評価と総括的評価の役割分担は解説に明示されていない。
評価参考資料で「指導と評価の計画」の作成を求める。学期ごとに評定を確定し変えない学校が多い。形成的評価と総括的評価の役割分担は解説に明示されていない。
次期(審議まとめの案・告示前)
文書の作成ではなく授業の「構想」として示す方向。評定への総括は学年末のみも可能と明示し、学期中は形成的評価中心に。解説で役割分担を明確化。
文書の作成ではなく授業の「構想」として示す方向。評定への総括は学年末のみも可能と明示し、学期中は形成的評価中心に。解説で役割分担を明確化。
中学校の技術・家庭科
現行
技術・家庭科の技術分野の一領域「情報の技術」で情報を扱う。教員免許・担当は別だが評定は1つの教科として記載。
技術・家庭科の技術分野の一領域「情報の技術」で情報を扱う。教員免許・担当は別だが評定は1つの教科として記載。
次期(審議まとめの案・告示前)
家庭科を独立の教科にし、技術分野は適切な時数を確保して「情報・技術科」とすることが適当とされた。
家庭科を独立の教科にし、技術分野は適切な時数を確保して「情報・技術科」とすることが適当とされた。
高校の情報科
現行
情報Ⅰ(必履修)・情報Ⅱ。中学校までの蓄積不足で基礎に時間が割かれ、大学の数理・データサイエンス・AI教育を見越した内容になっていない。情報Ⅱの開講率は低い。
情報Ⅰ(必履修)・情報Ⅱ。中学校までの蓄積不足で基礎に時間が割かれ、大学の数理・データサイエンス・AI教育を見越した内容になっていない。情報Ⅱの開講率は低い。
次期(審議まとめの案・告示前)
情報Ⅰ・Ⅱの内容をさらに充実し、データサイエンスやAIを強化する方向。高校卒業生全員にリテラシーレベルの力を育てる。
情報Ⅰ・Ⅱの内容をさらに充実し、データサイエンスやAIを強化する方向。高校卒業生全員にリテラシーレベルの力を育てる。
カリキュラム・マネジメントの示し方
現行
総則に「3つの側面」、解説に6段階の手順例。「カリマネ=教科等横断」と理解され単元配列表づくりが目的化する例も。
総則に「3つの側面」、解説に6段階の手順例。「カリマネ=教科等横断」と理解され単元配列表づくりが目的化する例も。
次期(審議まとめの案・告示前)
「ねらいの明確化」→「編成・実施・調整と環境整備」→「評価・改善」の「カリマネの3ステップ」に再整理する方向。調整授業時数制度等の活用を中核に、教科等横断は視点として位置付け。
「ねらいの明確化」→「編成・実施・調整と環境整備」→「評価・改善」の「カリマネの3ステップ」に再整理する方向。調整授業時数制度等の活用を中核に、教科等横断は視点として位置付け。
通級による指導
現行
各教科等の学びは通常の学級で行い、内容によっては困難があっても教育課程上の対応は難しい。
各教科等の学びは通常の学級で行い、内容によっては困難があっても教育課程上の対応は難しい。
次期(審議まとめの案・告示前)
特例的な措置として、通級による指導の中で各教科の指導を部分的に行えるようにする方向。
特例的な措置として、通級による指導の中で各教科の指導を部分的に行えるようにする方向。
教育支援センター等に通う不登校の子
現行
特別の教育課程を組む制度がない。下学年の学び直しに取り組んでも在籍学年の基準で評価するため「1」や「ー」の評定になりやすい。
特別の教育課程を組む制度がない。下学年の学び直しに取り組んでも在籍学年の基準で評価するため「1」や「ー」の評定になりやすい。
次期(審議まとめの案・告示前)
必要な場合に特別の教育課程を編成できる仕組みを新設する方向。子供自身が関わる新しい性質の個別の指導計画を前提とする。
必要な場合に特別の教育課程を編成できる仕組みを新設する方向。子供自身が関わる新しい性質の個別の指導計画を前提とする。
キャリア・パスポート
現行
例示資料が示されている(本文では廃止対象として言及)。
例示資料が示されている(本文では廃止対象として言及)。
次期(審議まとめの案・告示前)
例示資料を廃止し、デジタル活用を進め、学校による引継ぎを求めないことを明確化する方向。
例示資料を廃止し、デジタル活用を進め、学校による引継ぎを求めないことを明確化する方向。
現行の解説を読む(公式PDF)
いまの中学校の総則の解説です(文部科学省のPDFが新しいタブで開きます)。
学習指導要領の本文
もっとくわしく
出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)。P○ は本体PDFのページ、資料P○ は資料編のページ(クリックで該当ページが開きます)。