次期学習指導要領とのつながり

審議まとめが示す方向性をふまえると、プログラミング的思考は、AIへの指示やプログラミングで解決策を実現し、生成・作成したものを論理的・批判的に評価・改善して、責任を持って活用するまでを含む考え方に捉え直され、中学校・高校でも育てるものと整理されます。AIが生成したコードには誤りが含まれる場合もあり、プログラミングの学習が不要になるわけではないこと、成果物を検証するためにプログラムの仕組みを理解することが引き続き求められることも示されています。新しい情報・技術科の「プログラミングと自動化」(仮称)では、技術の仕組みを知り、問題を解決し、技術を俯瞰する学習過程が重視されます。この授業は、今の技術分野の計測・制御の学習の中で、その考え方を先取りするものです。 P249P252P253P261資料P154
生成AIが作った計測・制御のプログラムを読み取って動作を予想し、テストで確かめて不具合を見付けて修正するとともに、AIの生成物を責任を持って使うために確かめるべきことを考える。
準備するもの
- ビジュアルプログラミング環境と、明るさセンサー・LEDを接続できる学習用マイコンボード(ペアに1組)
- 先生が事前に生成AIに作らせたプログラム(「暗くなったらライトをつける」という指示で作らせたもの。明るさの判定が逆になっている、または境目の値で点滅を繰り返すなど、テストで見付かる不具合を含むもの)と、そのときの指示文
- テスト表(条件・予想・結果・判定の欄)
- チェックリスト作成用の共有ボード
手順
- 先生が「暗くなったら廊下のライトをつける」という課題と、生成AIへの指示文、AIが出したプログラムを示し、「このまま校舎に付けていい?」と問いかけます。5分
- ペアでプログラムを読み、処理の流れをフローチャートに書き起こします。条件分岐と繰り返しの部分に印を付け、明るいとき・暗いときにどう動くかを予想します。10分
- テスト表に「明るい」「暗い」「その間くらい」の3条件を書き、センサーを手でおおう、ライトを当てるなどして実際に動かします。予想と結果を記録し、合わないところに印を付けます。12分
- 合わなかった原因をプログラムの中から特定し、条件や数値を修正して再テストします。早く終わったペアは、同じ不具合が出ないようにするにはAIへの指示文をどう書き直せばよいかも考えます。13分
- 学級で、AIが作ったプログラムを責任を持って使うためのチェックリスト(例:処理の流れを自分で説明できるか、境目の条件を試したか、想定外の使われ方をしたらどうなるか)を共有ボードにまとめ、社会で使われている自動制御の例と結び付けて振り返ります。10分
評価(見取り)のポイント
テスト表と修正したプログラムから、条件分岐などの仕組みを理解して動作を予想し、テストで不具合を見付けて改善できているかを見取ります(知識・技能/思考・判断・表現)。振り返りでは、AIの生成物を検証して使う理由を自分の言葉で説明できているかを見ます。端末で記録した修正の過程を、ルーブリックとあわせて形成的評価に使います。
AIを使うなら
この授業では、先生が事前に生成AIで作ったプログラムを教材として使い、生徒が直接操作しない形にしています。生徒が生成AIを使う場合は、学校のガイドラインと各サービスの利用条件(年齢など)に従い、生成されたコードは必ず読んで説明でき、テストで確かめてから使うことをルールにします。個人情報や学校を特定できる情報は入力しません。
うまくいくコツ・アレンジ
- 不具合は、テストをすれば必ず見付かる程度のものを1つだけ入れておくと、50分で修正まで届きます。
- 電子部品は通電中に配線を変えない、USB接続のまま机から落とさないなど、扱い方を最初に確認します。
- 「AIはだめ」で終わらせず、「確かめて直せば便利に使える」という両面をまとめで押さえます。
アレンジ
- 人感センサーを加えて「暗くて人がいるときだけ点灯」という条件に広げると、複数の条件を組み合わせる学習になります。
- 先行実施後は、すでに製作した作品にセンサー制御を付け加える「技術の統合」(仮称)の題材につなげられます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。