次期学習指導要領とのつながり

審議まとめが示す方向性をふまえると、美術では発想や構想をし、工夫して表現するまでのつながり全体が「思考・判断・表現」として示されます。また、漫画・アニメーション・映像などのメディアによる表現や鑑賞を発達の段階に応じて充実させ、その際は特別なソフトウェアがなくても、端末の撮影・記録や描画・加工の基本機能で実践できることが望まれています。資料編の中学校美術の例にも、制作したものを動かして撮影しアニメーションに表し、何度も試して動きの感じを捉える活動が挙がっています。表現の過程を安易に生成AIに任せないという方向性にも沿い、生徒自身の手と目で試行錯誤する題材です。 P212P214P216P218P221資料P83
伝えたい動きの感じを主題としてもち、粘土の形や動かす間隔を工夫してコマ撮りアニメーションに表すとともに、友達の作品から動きを感じさせる特徴を見付けて自分の表現に生かす。
準備するもの
- 油粘土(1人1色程度)と画用紙の背景
- ペアに1台の端末と固定用のスタンド(なければ本を重ねて代用)。端末のコマ撮り機能、撮った写真を連続再生できるスライドショー機能、または学校が承認したアプリのどれが使えるかを事前に確かめ、操作手順(1秒2〜5コマ程度で再生、途中のコマの差し替え方)を準備しておきます。差し替えができない場合は、最後の場面だけを撮り直す形にします
- 先生が作った見本アニメ2本(同じ粘土の玉が等間隔で動くものと、間隔を変えて弾んで見えるもの)
- アイデアスケッチ兼振り返りシート(3コマのラフと「伝えたい動きの感じ」「工夫したこと」「次に試したいこと」の欄)
手順
- 先生が見本アニメ2本を続けて見せ、「どちらが弾んで見える?それはなぜ?」と問います。生徒の意見から、1コマごとに動かす間隔を変えると速さや重さの感じが変わることを確かめます。5分
- 一人一人が「ゆっくり伸びる」「重そうに転がる」「びっくりして跳ねる」など伝えたい動きの感じを決め、3コマのラフをアイデアスケッチにかきます。ペアでどちらの案を撮るか、または2つをつなげるかを決めます。8分
- 端末を固定し、粘土を少しずつ動かしながら連続して撮影します。数コマ撮るごとに再生して確かめ、思った感じにならないところは間隔や形を変えて撮り直します。先生は机間指導で「どこで重さを感じさせたい?」などと問いかけます。20分
- 2組で作品を見せ合う途中鑑賞をします。見る側は「どのコマで動きの感じが伝わったか」「もっと伝えるならどこを変えるか」を具体的に伝え、作り手はメモします。10分
- もらった意見をもとに一部を撮り直し、振り返りシートに工夫したことと次に試したいことを書きます。完成途中の作品は学習用フォルダに保存します。7分
評価(見取り)のポイント
思考・判断・表現は、アイデアスケッチから撮り直しまでの過程(途中の再生・修正の様子、振り返りシート)で見取り、完成作品だけで判断しません。鑑賞では、友達の作品から動きを感じさせる特徴を具体的に見付けて言葉にできているかを見ます。この時間は形成的評価を中心にし、題材の終わりやほかの題材とあわせて総括します。
AIを使うなら
生成AIに動画や絵を作らせることはしません。表現する過程を安易に任せないという方向性に沿い、動きの工夫は生徒自身が試行錯誤します。また、既存のアニメやゲームのキャラクターをそのまま使わないことを確認し、作品には作った人の権利があるという知的財産の考え方にも触れます。
うまくいくコツ・アレンジ
- 撮影時は端末をしっかり固定し、明るさが変わらない場所で撮ると、動きの工夫に集中できます。
- 「10秒以内」に区切ると、撮り直しの回数を確保できます。時間が足りない場合は、1秒2〜5コマで2〜5秒程度に短くします。
- 見本は先生が数分で作れる簡単なもので十分です。うますぎる見本は発想をしばることがあります。
アレンジ
- 中1では、紙を切り抜いたキャラクターを動かす切り絵アニメにすると、形の変化が少なく取り組みやすくなります。
- 学校紹介や行事の告知など、伝える相手と目的がはっきりした短い映像の題材に発展させ、校内で上映・展示できます。
ほかのアイデア
※ 次期学習指導要領は告示前です。審議まとめ(2026年10月5日)の方向性をふまえた原田英語.comのオリジナルのアイデアです。