今日の見出しから
同じ受賞のニュースでも、媒体によって「誰を主語にするか」が違います。人を主語にする wins、賞を主語にして受け身で書く awarded、賞が人のところへ「行く」と書く goes to。並べると、英語の見出しの組み立て方がよく見えます。
「受賞」を表す語が出てきた見出し
-
Former ICC judge Navi Pillay wins 2026 Nobel Peace Prize
The Asahi Shimbun AJW
人が主語で wins。いちばん多かった形です。過去のことでも現在形で書くのが見出しの決まりです。
-
Nobel Peace Prize awarded to former ICC judge Navanethem "Navi" Pillay
CBS News
賞が主語で awarded to ~。is が省かれた受け身で、「〜に贈られた」と読みます。
-
Navi Pillay, leading human rights jurist, awarded Nobel Peace Prize
The Washington Post
こちらは人が主語の awarded。is が省かれていて、「平和賞を授与された」という受け身です。
-
Nobel Peace Prize goes to international jurist Navi Pillay
The Japan Times
賞が主語で goes to ~。賞が受賞者のもとへ「行く」という、くだけた言い方です。
-
And the Nobel Peace Prize goes to...
Sky News
授賞式の決まり文句 And the ... goes to をそのまま見出しにして、続きを読ませる作りです。
なぜこの語なのか
日本語では「受賞する」の一言で済みますが、英語では誰を主語にするかで動詞が変わります。人が主語なら win、賞が主語なら go to、贈る側の行為として書くなら award です。
award は「(審査して)賞を与える」という動詞で、ふつうは受け身で使います。be awarded the prize(人が賞を授与される)と the prize is awarded to ~(賞が〜に授与される)の2つの向きがあり、今朝の見出しにはその両方が出ていました。
ここを押さえる
人+wins+賞、賞+goes to+人、人+is awarded+賞/賞+is awarded to+人。見出しでは is が消えるので、awarded を見たら受け身だと考えましょう。Nobel Peace Prize のニュースは、この3つで読めます。
使い分け
| 言い方 | 語感 | よく出る形 |
|---|---|---|
| win | 人が主語。勝ち取る感じで、いちばんふつう | win a prize、win an award、win the Nobel Peace Prize |
| be awarded | 贈る側の行為として書く。かため | be awarded the prize、the prize is awarded to ~ |
| go to | 賞が主語。くだけていて発表の場面向き | the prize goes to ~、And the award goes to ... |
| receive | 受け取る。授賞式の場面で多い | receive the prize、receive an award |
見出しはこう読む
- 1現在形は「〜した」
Pillay wins Nobel Peace Prizeの wins は、すでに起きたことです。見出しでは過去のことも現在形で書くので、「受賞した」と読みます。 - 2過去分詞だけなら受け身
Nobel Peace Prize awarded to ~は、is awardedの is が省かれた形です。「授与した」ではなく「授与された」と読みます。 - 3コンマではさむのは説明
Navi Pillay, leading human rights jurist, awarded ~のコンマではさんだ部分は、前の人物の説明(同格)です。いったん外して読むと、骨組みが見えます。 - 4… で終わる見出しは続きを読ませる
And the Nobel Peace Prize goes to...のように、答えを伏せて記事を開かせる見出しもあります。授賞式の決まり文句を借りた遊びです。
使ってみる
「受賞」を表す例文
Our club won first prize in the contest.
私たちの部はコンテストで1等賞をとった。
人や団体が主語なら win。過去形は won です。
She was awarded a scholarship to study abroad.
彼女は留学のための奨学金を授与された。
be awarded ~ は賞だけでなく、奨学金や契約にも使います。
The award went to a young scientist from Kenya.
その賞はケニア出身の若い科学者に贈られた。
賞が主語なら go to。過去形は went です。
And the award for best actor goes to ...
そして主演男優賞は……
授賞式で発表するときの決まり文句。goes to のあとに名前が続きます。
He received the award at a ceremony in Oslo.
彼はオスロでの式典でその賞を受け取った。
receive は「受け取る」場面に重点があります。
The prize is awarded every year to people who work for peace.
その賞は、平和のために働く人々に毎年贈られる。
be awarded to ~ で「〜に授与される」。賞の説明によく使う形です。
今日の関連語
賞と国際司法のニュースの語10語
- 外交初級 Nobel Peace Prize ノーベル平和賞 例文・豆知識を読む ›
- 科学初級 Nobel Prize ノーベル賞 例文・豆知識を読む ›
- 科学中級 Ig Nobel Prize イグ・ノーベル賞 例文・豆知識を読む ›
- ネット中級 award-winning 受賞歴のある、受賞した 例文・豆知識を読む ›
- 社会上級 posthumous 死後の、没後の 例文・豆知識を読む ›
- 法律中級 international justice 国際司法、国際的な正義 例文・豆知識を読む ›
- 法律中級 International Criminal Court 国際刑事裁判所、ICC 例文・豆知識を読む ›
- 紛争中級 war crimes 戦争犯罪 例文・豆知識を読む ›
- 社会初級 human rights 人権 例文・豆知識を読む ›
- 外交中級 slap sanctions on 〜に制裁を科す、〜に制裁を発動する 例文・豆知識を読む ›
今日の1問
Q1Which headline uses the correct form? 'The prize ___ a young doctor.'
正しい形はどれ? 'The prize ___ a young doctor.'(その賞は若い医師に贈られた)
賞が主語のときは goes to ~ で「〜に贈られる」。受け身にするなら to をつけて awarded to a young doctor です。wins や receives は人が主語のときに使います。
今日の一言
人が wins、賞が goes to、awarded は受け身。同じ受賞のニュースでも、主語を人にするか賞にするかで、見出しの形が変わります。