Heaven Helps Those Who Help Themselves(天は自ら助くる者を助く)の挿絵

Heaven Helps Those Who Help Themselves

天は自ら助くる者を助く

  • 📖 633 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ明治の日本で大ベストセラーになった『西国立志編』の原書。その最初の一文が「天は自ら助くる者を助く」でした。仕立て屋の見習いから提督になった少年の話も登場します。

サミュエル・スマイルズ『自助論』(Self-Help, 1859年)第1章をもとに

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • bestsellerベストセラー
  • translated翻訳された
  • nation国家、国民
  • progress進歩
  • tailor仕立て屋
  • warships軍艦
  • admiral提督、海軍大将
  • volunteer志願者
  • reputation評判

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In 1859, a Scottish doctor and writer named Samuel Smiles published a book called Self-Help. It was full of true stories about ordinary people who did great things through hard work. The book became a huge bestseller in Britain. Only about twelve years later, it was translated into Japanese with the title Saigoku Risshi Hen. Young people in Meiji Japan read it eagerly, and it became one of the most popular books of the time.

一八五九年、スコットランドの医者で作家のサミュエル・スマイルズが、『セルフ・ヘルプ(自助論)』という本を出しました。普通の人が懸命に働いて大きなことを成しとげた実話が、たくさん詰まった本です。この本はイギリスで大ベストセラーになりました。そして、わずか十二年ほどのちには、『西国立志編』という題で日本語に訳されました。明治の若者たちはこれをむさぼるように読み、当時一番よく読まれた本の一つになりました。

The very first line of the book is a famous old saying: "Heaven helps those who help themselves." In Japanese, it is often said as "Ten wa mizukara tasukuru mono o tasuku." Smiles believed that this short sentence held the experience of countless people.

本の最初の一行は、昔からある有名なことわざ「Heaven helps those who help themselves.」です。日本語では「天は自ら助くる者を助く」とよく言われます。この短い言葉には、数えきれないほど多くの人の経験が詰まっている、とスマイルズは考えていました。

Smiles explained the idea like this. Help from outside often makes people weaker, but help from inside always makes them stronger. When other people do everything for us, we lose the need and the desire to do things for ourselves. But when we try hard by ourselves, we grow.

スマイルズは、その意味をこう説明しています。「外からの助けは、人を弱くすることが多い。内からの助けは、いつでも人を強くする」。人が何でもやってくれると、自分でやる必要がなくなり、やろうという気持ちも消えてしまいます。けれども、自分の力で懸命にやってみると、人は伸びていくのです。

He also believed that a country is only as strong as its people. Laws can protect people, he said, but no law can make a lazy person hard-working or a careless person careful. Those changes can only come from each person's own effort. The progress of a nation, he wrote, is the sum of the hard work, energy and honesty of each person in it.

スマイルズはまた、国の強さは、そこに住む人々の強さを超えることはないと考えていました。法律は人を守ってくれます。けれども、怠け者を働き者に変えたり、うっかり者を注意深い人に変えたりできる法律はありません。そういう変化は、一人ひとりの努力からしか生まれないのです。国の進歩とは、国民一人ひとりの勤勉さと気力と誠実さを足し合わせたものだ、とスマイルズは書いています。

To show that anyone can rise through effort, Smiles listed many famous people who started with very little. Shakespeare's father made gloves and traded in wool. The great painter Turner came from a barber's shop. The explorer Captain Cook and the poet Robert Burns came from families of day workers. George Stephenson, one of the fathers of the railway, started by working with engines in a coal mine.

努力すれば誰でも身を立てられる。それを示すために、スマイルズは、ほとんど何もないところから出発した有名人を、何人も挙げています。シェイクスピアの父は手袋職人で、羊毛の商売もしていました。大画家ターナーは床屋の生まれでした。探検家のキャプテン・クックと詩人のロバート・バーンズは、日雇い労働者の家の出でした。鉄道の父の一人ジョージ・スチーブンソンは、炭鉱で機関の番をする仕事から始めました。

One of Smiles's stories is about a boy named Hobson. He was working as a tailor's helper in a small village on the Isle of Wight. One day, news spread through the village that a group of warships was sailing past the island. Hobson jumped up from his work and ran down to the beach with his friends to see them. The sight of the great ships filled him with a sudden dream: he wanted to be a sailor.

スマイルズの話の一つに、ホブソンという少年が出てきます。ホブソンは、ワイト島の小さな村で、仕立て屋の見習いをしていました。ある日、軍艦の一団が島の沖を通っていくという知らせが、村じゅうに広まりました。ホブソンは仕事の手を止めてぱっと立ち上がり、友だちと浜辺へ駆け下りて、軍艦を眺めました。大きな船の姿を見たとたん、胸に一つの夢がわき上がりました。船乗りになりたい、と思ったのです。

He jumped into a small boat and rowed out to the ships all by himself. He reached the admiral's ship and asked to join as a volunteer, and they accepted him. Many years later, Hobson came back to his village as a famous admiral. He sat down and ate bacon and eggs in the same little house where he had once sewn clothes.

ホブソンは小舟に飛び乗り、たった一人で軍艦のほうへこいでいきました。提督の乗る船にたどり着くと、志願兵として乗せてほしいと頼み、受け入れてもらいました。それから長い年月がたち、ホブソンは名高い提督になって村に帰ってきました。そして、かつて服を縫っていたあの小さな家に腰を下ろし、ベーコンエッグを食べたのです。

Smiles also told a story about Andrew Johnson, who became President of the United States. As a young man, Johnson had been a tailor. Once, during a speech, someone in the crowd shouted, "From a tailor up!" to make fun of him. Johnson was not upset at all. He answered that when he was a tailor, he had a reputation for being a good one. He always made clothes that fit well, he was always on time for his customers, and he always did good work.

スマイルズは、アメリカの大統領になったアンドリュー・ジョンソンの話もしています。ジョンソンは若いころ、仕立て屋でした。あるとき演説をしていると、聴衆の中の誰かが、ばかにするつもりで「仕立て屋あがり!」と叫びました。ジョンソンは少しもあわてませんでした。そして、こう答えました。仕立て屋だったころ、自分は腕のいい仕立て屋だと評判だった。作る服はいつも体にぴったり合っていたし、お客との約束の時間はいつも守ったし、いつもいい仕事をしていた、と。

This answer shows Smiles's real message. Self-help is not only about becoming rich or famous. It means doing your best with whatever work is in front of you, and never just waiting for someone else to save you. A good tailor, a good student and a good admiral all grow in the same way: by their own effort, one day at a time.

この答えに、スマイルズが本当に伝えたかったことが表れています。自助とは、お金持ちになることや有名になることだけではありません。目の前の仕事が何であれ、それに全力を尽くすこと。そして、誰かが救ってくれるのをただ待ったりはしないことです。いい仕立て屋も、いい生徒も、いい提督も、伸びていく道すじは同じです。自分の努力で、一日一日、伸びていくのです。

Try this today. Think of one problem you have been waiting for someone else to solve. Then take one small step to solve it yourself. You may find, as Smiles promised, that help begins to come when you start helping yourself.

今日、試してみましょう。誰かが解決してくれるのを待っている問題を一つ思い浮かべてください。そして、それを自分で解決するための小さな一歩を踏み出してみましょう。スマイルズが約束したとおり、自分で自分を助けはじめると、助けがやってくるようになることに気づくかもしれません。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

一八五九年、スコットランドの医者で作家のサミュエル・スマイルズが、『セルフ・ヘルプ(自助論)』という本を出しました。普通の人が懸命に働いて大きなことを成しとげた実話が、たくさん詰まった本です。この本はイギリスで大ベストセラーになりました。そして、わずか十二年ほどのちには、『西国立志編』という題で日本語に訳されました。明治の若者たちはこれをむさぼるように読み、当時一番よく読まれた本の一つになりました。

本の最初の一行は、昔からある有名なことわざ「Heaven helps those who help themselves.」です。日本語では「天は自ら助くる者を助く」とよく言われます。この短い言葉には、数えきれないほど多くの人の経験が詰まっている、とスマイルズは考えていました。

スマイルズは、その意味をこう説明しています。「外からの助けは、人を弱くすることが多い。内からの助けは、いつでも人を強くする」。人が何でもやってくれると、自分でやる必要がなくなり、やろうという気持ちも消えてしまいます。けれども、自分の力で懸命にやってみると、人は伸びていくのです。

スマイルズはまた、国の強さは、そこに住む人々の強さを超えることはないと考えていました。法律は人を守ってくれます。けれども、怠け者を働き者に変えたり、うっかり者を注意深い人に変えたりできる法律はありません。そういう変化は、一人ひとりの努力からしか生まれないのです。国の進歩とは、国民一人ひとりの勤勉さと気力と誠実さを足し合わせたものだ、とスマイルズは書いています。

努力すれば誰でも身を立てられる。それを示すために、スマイルズは、ほとんど何もないところから出発した有名人を、何人も挙げています。シェイクスピアの父は手袋職人で、羊毛の商売もしていました。大画家ターナーは床屋の生まれでした。探検家のキャプテン・クックと詩人のロバート・バーンズは、日雇い労働者の家の出でした。鉄道の父の一人ジョージ・スチーブンソンは、炭鉱で機関の番をする仕事から始めました。

スマイルズの話の一つに、ホブソンという少年が出てきます。ホブソンは、ワイト島の小さな村で、仕立て屋の見習いをしていました。ある日、軍艦の一団が島の沖を通っていくという知らせが、村じゅうに広まりました。ホブソンは仕事の手を止めてぱっと立ち上がり、友だちと浜辺へ駆け下りて、軍艦を眺めました。大きな船の姿を見たとたん、胸に一つの夢がわき上がりました。船乗りになりたい、と思ったのです。

ホブソンは小舟に飛び乗り、たった一人で軍艦のほうへこいでいきました。提督の乗る船にたどり着くと、志願兵として乗せてほしいと頼み、受け入れてもらいました。それから長い年月がたち、ホブソンは名高い提督になって村に帰ってきました。そして、かつて服を縫っていたあの小さな家に腰を下ろし、ベーコンエッグを食べたのです。

スマイルズは、アメリカの大統領になったアンドリュー・ジョンソンの話もしています。ジョンソンは若いころ、仕立て屋でした。あるとき演説をしていると、聴衆の中の誰かが、ばかにするつもりで「仕立て屋あがり!」と叫びました。ジョンソンは少しもあわてませんでした。そして、こう答えました。仕立て屋だったころ、自分は腕のいい仕立て屋だと評判だった。作る服はいつも体にぴったり合っていたし、お客との約束の時間はいつも守ったし、いつもいい仕事をしていた、と。

この答えに、スマイルズが本当に伝えたかったことが表れています。自助とは、お金持ちになることや有名になることだけではありません。目の前の仕事が何であれ、それに全力を尽くすこと。そして、誰かが救ってくれるのをただ待ったりはしないことです。いい仕立て屋も、いい生徒も、いい提督も、伸びていく道すじは同じです。自分の努力で、一日一日、伸びていくのです。

今日、試してみましょう。誰かが解決してくれるのを待っている問題を一つ思い浮かべてください。そして、それを自分で解決するための小さな一歩を踏み出してみましょう。スマイルズが約束したとおり、自分で自分を助けはじめると、助けがやってくるようになることに気づくかもしれません。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Help from outside weakens, but help from within strengthens.

外からの助けは人を弱くし、内からの助けは人を強くする。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What is the first line of Self-Help?

Q2. What did Hobson do when he saw the warships?

Q3. How did Andrew Johnson answer the man in the crowd?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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