Lazy Jack(なまけ者のジャック)の挿絵

Lazy Jack

なまけ者のジャック

  • 📖 701 words
  • ⏱ 約6分
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじひなたぼっこばかりしているなまけ者のジャックは、母親に追い出されそうになり、しぶしぶ働きに出ます。ところが、もらったお礼の運び方を母親に注意されるたびに、ジャックは次こそ言われたとおりにしようとして……。

ジョーゼフ・ジェイコブズ編『イギリス昔話集(English Fairy Tales)』(1890年)原文。底本: Project Gutenberg eBook #7439

キーワード(14語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • common村の共有地
  • spinning糸をつむぐこと
  • baskひなたぼっこをする
  • hearth暖炉・炉ばた
  • brook小川
  • cow-keeper牛飼い
  • loutまぬけ
  • tom-cat雄ネコ
  • compelledしかたなく〜した
  • mutton羊肉
  • ninney-hammerおたんこなす(ばか者)
  • hoist持ちあげる
  • deaf and dumb耳が聞こえず口もきけない
  • comicalこっけいな

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Once upon a time there was a boy whose name was Jack, and he lived with his mother on a common. They were very poor, and the old woman got her living by spinning, but Jack was so lazy that he would do nothing but bask in the sun in the hot weather, and sit by the corner of the hearth in the winter-time. So they called him Lazy Jack. His mother could not get him to do anything for her, and at last told him, one Monday, that if he did not begin to work for his porridge she would turn him out to get his living as he could.

むかし、ジャックという名前の男の子がいました。ジャックは母親と一緒に、村の共有地に住んでいました。二人はとても貧しく、母親は糸をつむいで暮らしを立てていました。ところがジャックは大変ななまけ者で、暑い季節にはひなたぼっこばかり、冬には暖炉の片すみに座ってばかりいて、何もしようとしませんでした。それでみんなは、ジャックを『なまけ者のジャック』と呼んでいました。母親が何を頼んでも、ジャックは手伝おうとしませんでした。とうとうある月曜日、母親はジャックに言い渡しました。「自分の食べるおかゆの分くらい働きはじめないなら、家から追い出すよ。あとは自分でなんとか食べていくんだね」

This roused Jack, and he went out and hired himself for the next day to a neighbouring farmer for a penny; but as he was coming home, never having had any money before, he lost it in passing over a brook. "You stupid boy," said his mother, "you should have put it in your pocket." "I'll do so another time," replied Jack.

これにはジャックも目が覚めて、出かけていき、次の日一日、一ペニーで近所のお百姓に雇ってもらいました。ところが、その帰り道のことです。ジャックはそれまでお金を持ったことが一度もなかったので、小川をわたるときに、そのお金をなくしてしまいました。「ばかな子だね」と、母親は言いました。「ポケットに入れておけばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

On Wednesday, Jack went out again and hired himself to a cow-keeper, who gave him a jar of milk for his day's work. Jack took the jar and put it into the large pocket of his jacket, spilling it all, long before he got home. "Dear me!" said the old woman; "you should have carried it on your head." "I'll do so another time," said Jack.

水曜日、ジャックはまた出かけて、牛飼いに雇ってもらいました。牛飼いは一日の仕事のお礼に、ミルクをつぼに一杯くれました。ジャックはそのつぼを上着の大きなポケットに入れたので、家に着くずっと前に、ミルクは全部こぼれてしまいました。「あらまあ!」と母親は言いました。「頭にのせて運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは言いました。

So on Thursday, Jack hired himself again to a farmer, who agreed to give him a cream cheese for his services. In the evening Jack took the cheese, and went home with it on his head. By the time he got home the cheese was all spoilt, part of it being lost, and part matted with his hair. "You stupid lout," said his mother, "you should have carried it very carefully in your hands." "I'll do so another time," replied Jack.

そこで木曜日、ジャックはまたお百姓に雇ってもらいました。お百姓は、働いてくれたらクリームチーズを一つあげよう、と約束しました。夕方、ジャックはチーズを受けとると、それを頭にのせて家へ帰りました。家に着いたときには、チーズはすっかりだめになっていました。一部はどこかへ落ちてしまい、残りはジャックの髪の毛にからまってべたべたでした。「このまぬけ」と母親は言いました。「両手でそうっと運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

On Friday, Lazy Jack again went out, and hired himself to a baker, who would give him nothing for his work but a large tom-cat. Jack took the cat, and began carrying it very carefully in his hands, but in a short time pussy scratched him so much that he was compelled to let it go. When he got home, his mother said to him, "You silly fellow, you should have tied it with a string, and dragged it along after you." "I'll do so another time," said Jack.

金曜日、なまけ者のジャックはまた出かけて、パン屋に雇ってもらいました。パン屋は、働いたお礼に大きな雄ネコを一匹くれるだけでした。ジャックはネコを受けとって、両手でそうっと運びはじめました。ところが、まもなくネコにひどくひっかかれたので、放さないわけにいきませんでした。家に帰ると、母親はジャックに言いました。「ほんとうにばかな子だね。ひもで結んで、後ろから引きずってくればよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは言いました。

So on Saturday, Jack hired himself to a butcher, who rewarded him by the handsome present of a shoulder of mutton. Jack took the mutton, tied it to a string, and trailed it along after him in the dirt, so that by the time he had got home the meat was completely spoilt. His mother was this time quite out of patience with him, for the next day was Sunday, and she was obliged to make do with cabbage for her dinner. "You ninney-hammer," said she to her son; "you should have carried it on your shoulder." "I'll do so another time," replied Jack.

そこで土曜日、ジャックは肉屋に雇ってもらいました。肉屋は気前よく、羊の肩肉をひとかたまりくれました。ジャックは羊肉を受けとってひもで結び、後ろから土の上を引きずって帰りました。そのため、家に着いたころには、肉はすっかりだめになっていました。母親も、今度ばかりはすっかり堪忍袋の緒が切れてしまいました。次の日は日曜日だというのに、キャベツだけでごはんをすませるしかなかったのです。「このおたんこなす」と母親は息子に言いました。「肩にかついで運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

On the next Monday, Lazy Jack went once more, and hired himself to a cattle-keeper, who gave him a donkey for his trouble. Jack found it hard to hoist the donkey on his shoulders, but at last he did it, and began walking slowly home with his prize. Now it happened that in the course of his journey there lived a rich man with his only daughter, a beautiful girl, but deaf and dumb. Now she had never laughed in her life, and the doctors said she would never speak till somebody made her laugh. This young lady happened to be looking out of the window when Jack was passing with the donkey on his shoulders, with the legs sticking up in the air, and the sight was so comical and strange that she burst out into a great fit of laughter, and immediately recovered her speech and hearing. Her father was overjoyed, and fulfilled his promise by marrying her to Lazy Jack, who was thus made a rich gentleman. They lived in a large house, and Jack's mother lived with them in great happiness until she died.

次の月曜日、なまけ者のジャックはもう一度出かけて、牛飼いに雇ってもらいました。牛飼いは、働いたお礼にロバを一頭くれました。ロバを肩にかつぎあげるのはひと苦労でしたが、ジャックはとうとうやってのけ、もらったロバをかついで、のろのろと家へ向かいました。ところで、ジャックの帰り道には、お金持ちの男が一人娘と暮らす家がありました。娘は美しい人でしたが、耳が聞こえず、口もきけませんでした。生まれてから一度も笑ったことがなく、お医者さんたちは、誰かが笑わせないかぎり、娘は決して話せるようにならないだろうと言っていました。ちょうどジャックがロバを肩にかついで通りかかったとき、この娘はたまたま窓から外をながめていました。ロバの足が空に向かってにょきっと突き出ているその姿が、あまりにおかしく、あまりにへんてこだったので、娘はぷっとふきだして大笑いしました。そしてたちまち、口もきけるように、耳も聞こえるようになったのです。父親は大喜びして、約束どおり娘をなまけ者のジャックと結婚させました。こうしてジャックはお金持ちの紳士になりました。二人は大きなお屋敷に住み、ジャックの母親も一緒に暮らして、亡くなるまでとても幸せに過ごしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、ジャックという名前の男の子がいました。ジャックは母親と一緒に、村の共有地に住んでいました。二人はとても貧しく、母親は糸をつむいで暮らしを立てていました。ところがジャックは大変ななまけ者で、暑い季節にはひなたぼっこばかり、冬には暖炉の片すみに座ってばかりいて、何もしようとしませんでした。それでみんなは、ジャックを『なまけ者のジャック』と呼んでいました。母親が何を頼んでも、ジャックは手伝おうとしませんでした。とうとうある月曜日、母親はジャックに言い渡しました。「自分の食べるおかゆの分くらい働きはじめないなら、家から追い出すよ。あとは自分でなんとか食べていくんだね」

これにはジャックも目が覚めて、出かけていき、次の日一日、一ペニーで近所のお百姓に雇ってもらいました。ところが、その帰り道のことです。ジャックはそれまでお金を持ったことが一度もなかったので、小川をわたるときに、そのお金をなくしてしまいました。「ばかな子だね」と、母親は言いました。「ポケットに入れておけばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

水曜日、ジャックはまた出かけて、牛飼いに雇ってもらいました。牛飼いは一日の仕事のお礼に、ミルクをつぼに一杯くれました。ジャックはそのつぼを上着の大きなポケットに入れたので、家に着くずっと前に、ミルクは全部こぼれてしまいました。「あらまあ!」と母親は言いました。「頭にのせて運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは言いました。

そこで木曜日、ジャックはまたお百姓に雇ってもらいました。お百姓は、働いてくれたらクリームチーズを一つあげよう、と約束しました。夕方、ジャックはチーズを受けとると、それを頭にのせて家へ帰りました。家に着いたときには、チーズはすっかりだめになっていました。一部はどこかへ落ちてしまい、残りはジャックの髪の毛にからまってべたべたでした。「このまぬけ」と母親は言いました。「両手でそうっと運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

金曜日、なまけ者のジャックはまた出かけて、パン屋に雇ってもらいました。パン屋は、働いたお礼に大きな雄ネコを一匹くれるだけでした。ジャックはネコを受けとって、両手でそうっと運びはじめました。ところが、まもなくネコにひどくひっかかれたので、放さないわけにいきませんでした。家に帰ると、母親はジャックに言いました。「ほんとうにばかな子だね。ひもで結んで、後ろから引きずってくればよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは言いました。

そこで土曜日、ジャックは肉屋に雇ってもらいました。肉屋は気前よく、羊の肩肉をひとかたまりくれました。ジャックは羊肉を受けとってひもで結び、後ろから土の上を引きずって帰りました。そのため、家に着いたころには、肉はすっかりだめになっていました。母親も、今度ばかりはすっかり堪忍袋の緒が切れてしまいました。次の日は日曜日だというのに、キャベツだけでごはんをすませるしかなかったのです。「このおたんこなす」と母親は息子に言いました。「肩にかついで運べばよかったのに」「今度からそうするよ」と、ジャックは答えました。

次の月曜日、なまけ者のジャックはもう一度出かけて、牛飼いに雇ってもらいました。牛飼いは、働いたお礼にロバを一頭くれました。ロバを肩にかつぎあげるのはひと苦労でしたが、ジャックはとうとうやってのけ、もらったロバをかついで、のろのろと家へ向かいました。ところで、ジャックの帰り道には、お金持ちの男が一人娘と暮らす家がありました。娘は美しい人でしたが、耳が聞こえず、口もきけませんでした。生まれてから一度も笑ったことがなく、お医者さんたちは、誰かが笑わせないかぎり、娘は決して話せるようにならないだろうと言っていました。ちょうどジャックがロバを肩にかついで通りかかったとき、この娘はたまたま窓から外をながめていました。ロバの足が空に向かってにょきっと突き出ているその姿が、あまりにおかしく、あまりにへんてこだったので、娘はぷっとふきだして大笑いしました。そしてたちまち、口もきけるように、耳も聞こえるようになったのです。父親は大喜びして、約束どおり娘をなまけ者のジャックと結婚させました。こうしてジャックはお金持ちの紳士になりました。二人は大きなお屋敷に住み、ジャックの母親も一緒に暮らして、亡くなるまでとても幸せに過ごしました。

日本語訳:多読ベスト

押すと、この端末の読書記録(100万語メーター)に語数が加わります。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Jack lose the penny?

Q2. How did Jack carry the shoulder of mutton home?

Q3. What made the rich man's daughter laugh?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

次に読む

Level 6 の読み物をもっと見る →