The Willow-Wren and the Bear(ミソサザイと熊)の挿絵

The Willow-Wren and the Bear

ミソサザイと熊

  • 📖 914 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 5.0+
  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ美しい声で歌う「鳥の王さま」の御殿を見たくなった熊。ところが巣をのぞいてみると、そこにいたのはミソサザイのひなたちでした。熊にばかにされたひなたちは、すっかり腹を立ててしまいます。

グリム兄弟『子どもと家庭のメルヒェン集(グリム童話)』マーガレット・ハント英訳(1884年)原文。底本: Project Gutenberg eBook #5314

キーワード(14語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • willow-wrenミソサザイ(小さな鳥)
  • bow downおじぎする
  • peepedのぞいた
  • disreputableろくでもない
  • insultedばかにした
  • summoned呼び集めた
  • midgesブヨ
  • hornetsスズメバチ
  • gnat蚊(小さな羽虫)
  • commander-in-chief総大将
  • watchword合い言葉
  • plume羽飾り
  • sting刺す
  • pardon許し

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

Once in summer-time the bear and the wolf were walking in the forest, and the bear heard a bird singing so beautifully that he said, "Brother wolf, what bird is it that sings so well?" "That is the King of birds," said the wolf, "before whom we must bow down." It was, however, in reality the willow-wren (Zaunkönig). "If that's the case," said the bear, "I should very much like to see his royal palace; come, take me thither." "That is not done quite as you seem to think," said the wolf; "you must wait until the Queen comes." Soon afterwards, the Queen arrived with some food in her beak, and the lord King came too, and they began to feed their young ones. The bear would have liked to go at once, but the wolf held him back by the sleeve, and said, "No, you must wait until the lord and lady Queen have gone away again." So they observed the hole in which was the nest, and trotted away.

ある夏の日のこと、熊とオオカミが森の中を歩いていました。すると、一羽の鳥がとても美しい声で歌っているのが聞こえてきたので、熊は言いました。「オオカミのきょうだい、あんなに上手に歌っているのは、何という鳥だい?」「あれは鳥の王さまだよ」と、オオカミは言いました。「おれたちも頭を下げなくちゃいけないお方さ」けれども本当は、それはミソサザイ(ドイツ語でツァウンケーニヒ)でした。「そういうことなら」と、熊は言いました。「ぜひ王さまの御殿を見てみたいな。さあ、そこへ連れていっておくれ」「そう簡単にはいかないよ」と、オオカミは言いました。「おきさきさまが帰ってくるまで、待たなくちゃ」まもなく、おきさきがくちばしにえさをくわえて帰ってきました。王さまもやって来て、二羽はひなたちにえさをやりはじめました。熊はすぐにでも行きたかったのですが、オオカミが熊のそでをつかんで引きとめ、言いました。「だめだよ、王さまとおきさきさまがまたお出かけになるまで、待たなくちゃ」そこで二頭は、巣のある穴の場所をよく見ておいてから、とことこと帰っていきました。

The bear, however, could not rest until he had seen the royal palace, and when a short time had passed, again went to it. The King and Queen had just flown out, so he peeped in and saw five or six young ones lying in it. "Is that the royal palace?" cried the bear; "it is a wretched palace, and you are not King's children, you are disreputable children!" When the young wrens heard that, they were frightfully angry, and screamed, "No, that we are not! Our parents are honest people! Bear, thou wilt have to pay for that!"

けれども熊は、王さまの御殿を見るまでは、どうにも落ち着きませんでした。少したつと、またそこへ出かけていきました。ちょうど王さまとおきさきは飛んでいったところだったので、熊は中をのぞきこみました。すると、五、六羽のひなが寝ているのが見えました。「これが王さまの御殿だって?」と、熊は叫びました。「なんてみすぼらしい御殿だ。おまえたちは王さまの子どもなんかじゃない。ろくでもない子どもだ!」これを聞くと、ミソサザイのひなたちはかんかんに怒って、わめきたてました。「ちがう、そんなことない!ぼくたちの父さんと母さんは、ちゃんとした人たちだ!熊め、ただじゃおかないからな!」

The bear and the wolf grew uneasy, and turned back and went into their holes. The young willow-wrens, however, continued to cry and scream, and when their parents again brought food they said, "We will not so much as touch one fly's leg, no, not if we were dying of hunger, until you have settled whether we are respectable children or not; the bear has been here and has insulted us!" Then the old King said, "Be easy, he shall be punished," and he at once flew with the Queen to the bear's cave, and called in, "Old Growler, why hast thou insulted my children? Thou shalt suffer for it; we will punish thee by a bloody war." Thus war was announced to the Bear, and all four-footed animals were summoned to take part in it, oxen, asses, cows, deer, and every other animal the earth contained. And the willow-wren summoned everything which flew in the air, not only birds, large and small, but midges, and hornets, bees and flies had to come.

熊とオオカミは心配になって、引き返し、それぞれのほら穴にもぐりこみました。けれどもミソサザイのひなたちは、いつまでも泣いたりわめいたりしていました。そして両親がまたえさを運んでくると、こう言いました。「ぼくたちがちゃんとした子どもかどうか、はっきりさせてくれるまでは、ハエの足一本だって口にするもんか。たとえおなかがすいて死にそうになったってね。熊がここに来て、ぼくたちをばかにしたんだ!」すると年とった王さまは言いました。「安心しなさい。熊はきっとこらしめてやる」そしてすぐに、おきさきと一緒に熊のほら穴まで飛んでいき、中に向かって呼びかけました。「やい、うなり屋のじいさん、なぜわしの子どもたちをばかにした?ただではすまんぞ。血みどろの戦争で、こらしめてやる」こうして熊に戦争が申しこまれました。四本足の動物はみんな、戦いに加わるように呼び集められました。雄牛も、ロバも、雌牛も、シカも、そのほか地上にいるあらゆる動物たちです。ミソサザイのほうも、空を飛ぶものをみんな呼び集めました。大きな鳥も小さな鳥もやって来ましたし、それだけでなく、ブヨも、スズメバチも、ミツバチも、ハエも、来なければなりませんでした。

When the time came for the war to begin, the willow-wren sent out spies to discover who was the enemy's commander-in-chief. The gnat, who was the most crafty, flew into the forest where the enemy was assembled, and hid herself beneath a leaf of the tree where the watchword was to be given. There stood the bear, and he called the fox before him and said, "Fox, thou art the most cunning of all animals, thou shalt be general and lead us." "Good," said the fox, "but what signal shall we agree upon?" No one knew that, so the fox said, "I have a fine long bushy tail, which almost looks like a plume of red feathers. When I lift my tail up quite high, all is going well, and you must charge; but if I let it hang down, run away as fast as you can." When the gnat had heard that, she flew away again, and revealed everything, with the greatest minuteness, to the willow-wren.

いよいよ戦いが始まるときになると、ミソサザイは、敵の総大将がだれなのかを探るために、スパイを送り出しました。いちばんずる賢いブヨが、敵の集まっている森へ飛んでいき、合い言葉が決められることになっている木の葉の下に隠れました。そこには熊が立っていて、キツネを呼びよせて言いました。「キツネよ、おまえは動物の中でいちばん知恵がある。おまえが大将になって、みんなを率いてくれ」「よしきた」と、キツネは言いました。「だが、合図はどうしようか」だれにも分かりません。そこでキツネは言いました。「わたしには、ふさふさした立派な長いしっぽがある。まるで赤い羽根飾りみたいだろう。このしっぽを高く上げていたら、うまくいっているしるしだ。そのときは突撃しろ。だが、しっぽをだらりと下げたら、全力で逃げるんだ」これを聞くと、ブヨはまた飛んで帰り、何もかも詳しくミソサザイに知らせました。

When day broke, and the battle was to begin, all the four-footed animals came running up with such a noise that the earth trembled. The willow-wren also came flying through the air with his army with such a humming, and whirring, and swarming that every one was uneasy and afraid, and on both sides they advanced against each other. But the willow-wren sent down the hornet, with orders to get beneath the fox's tail, and sting with all his might. When the fox felt the first sting, he started so that he drew up one leg, with the pain, but he bore it, and still kept his tail high in the air; at the second sting, he was forced to put it down for a moment; at the third, he could hold out no longer, and screamed out and put his tail between his legs. When the animals saw that, they thought all was lost, and began to fly, each into his hole and the birds had won the battle.

夜が明けて、いよいよ戦いが始まろうとすると、四本足の動物たちがみんな、地面がゆれるほどの音を立てて、駆けつけてきました。ミソサザイも軍勢を引きつれて、空を飛んできました。ぶんぶん、ぶるぶると羽音を響かせ、うじゃうじゃと群れをなしていたので、だれもが落ち着かなくなり、怖くなりました。こうして両軍は、たがいに向かって進んでいきました。ところがミソサザイは、スズメバチを地上に送り、キツネのしっぽの下にもぐりこんで、力いっぱい刺してやれと命じました。一回目に刺されたとき、キツネは痛さのあまりびくっとして、片足を持ち上げました。それでもがまんして、しっぽは高く上げたままでした。二回目に刺されると、ほんの少しのあいだ、しっぽを下げずにはいられませんでした。三回目には、もうこらえきれなくなり、悲鳴をあげて、しっぽを足のあいだに巻きこんでしまいました。それを見た動物たちは、もう負けだと思い、それぞれ自分の穴へ逃げだしました。こうして鳥たちが戦いに勝ったのです。

Then the King and Queen flew home to their children and cried, "Children, rejoice, eat and drink to your heart's content, we have won the battle!" But the young wrens said, "We will not eat yet, the bear must come to the nest, and beg for pardon and say that we are honorable children, before we will do that." Then the willow-wren flew to the bear's hole and cried, "Growler, thou art to come to the nest to my children, and beg their pardon, or else every rib of thy body shall be broken." So the bear crept thither in the greatest fear, and begged their pardon. And now at last the young wrens were satisfied, and sat down together and ate and drank, and made merry till quite late into the night.

それから王さまとおきさきは、ひなたちのところへ飛んで帰り、叫びました。「子どもたち、喜びなさい。好きなだけ食べたり飲んだりしていいよ。戦いに勝ったんだ!」けれどもひなたちは言いました。「まだ食べないよ。熊が巣のところへ来て、許してくださいと謝って、ぼくたちがちゃんとした子どもだって言うまでは、食べないもん」そこでミソサザイは熊のほら穴へ飛んでいき、叫びました。「うなり屋よ、わしの子どもたちの巣まで来て、謝るのだ。さもないと、おまえのあばら骨を一本残らずへし折ってやるぞ」熊はびくびくしながら巣までのそのそとやって来て、謝りました。これでようやく、ひなたちも気がすみました。みんなで一緒に座って、食べたり飲んだりして、夜遅くまで楽しく過ごしました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ある夏の日のこと、熊とオオカミが森の中を歩いていました。すると、一羽の鳥がとても美しい声で歌っているのが聞こえてきたので、熊は言いました。「オオカミのきょうだい、あんなに上手に歌っているのは、何という鳥だい?」「あれは鳥の王さまだよ」と、オオカミは言いました。「おれたちも頭を下げなくちゃいけないお方さ」けれども本当は、それはミソサザイ(ドイツ語でツァウンケーニヒ)でした。「そういうことなら」と、熊は言いました。「ぜひ王さまの御殿を見てみたいな。さあ、そこへ連れていっておくれ」「そう簡単にはいかないよ」と、オオカミは言いました。「おきさきさまが帰ってくるまで、待たなくちゃ」まもなく、おきさきがくちばしにえさをくわえて帰ってきました。王さまもやって来て、二羽はひなたちにえさをやりはじめました。熊はすぐにでも行きたかったのですが、オオカミが熊のそでをつかんで引きとめ、言いました。「だめだよ、王さまとおきさきさまがまたお出かけになるまで、待たなくちゃ」そこで二頭は、巣のある穴の場所をよく見ておいてから、とことこと帰っていきました。

けれども熊は、王さまの御殿を見るまでは、どうにも落ち着きませんでした。少したつと、またそこへ出かけていきました。ちょうど王さまとおきさきは飛んでいったところだったので、熊は中をのぞきこみました。すると、五、六羽のひなが寝ているのが見えました。「これが王さまの御殿だって?」と、熊は叫びました。「なんてみすぼらしい御殿だ。おまえたちは王さまの子どもなんかじゃない。ろくでもない子どもだ!」これを聞くと、ミソサザイのひなたちはかんかんに怒って、わめきたてました。「ちがう、そんなことない!ぼくたちの父さんと母さんは、ちゃんとした人たちだ!熊め、ただじゃおかないからな!」

熊とオオカミは心配になって、引き返し、それぞれのほら穴にもぐりこみました。けれどもミソサザイのひなたちは、いつまでも泣いたりわめいたりしていました。そして両親がまたえさを運んでくると、こう言いました。「ぼくたちがちゃんとした子どもかどうか、はっきりさせてくれるまでは、ハエの足一本だって口にするもんか。たとえおなかがすいて死にそうになったってね。熊がここに来て、ぼくたちをばかにしたんだ!」すると年とった王さまは言いました。「安心しなさい。熊はきっとこらしめてやる」そしてすぐに、おきさきと一緒に熊のほら穴まで飛んでいき、中に向かって呼びかけました。「やい、うなり屋のじいさん、なぜわしの子どもたちをばかにした?ただではすまんぞ。血みどろの戦争で、こらしめてやる」こうして熊に戦争が申しこまれました。四本足の動物はみんな、戦いに加わるように呼び集められました。雄牛も、ロバも、雌牛も、シカも、そのほか地上にいるあらゆる動物たちです。ミソサザイのほうも、空を飛ぶものをみんな呼び集めました。大きな鳥も小さな鳥もやって来ましたし、それだけでなく、ブヨも、スズメバチも、ミツバチも、ハエも、来なければなりませんでした。

いよいよ戦いが始まるときになると、ミソサザイは、敵の総大将がだれなのかを探るために、スパイを送り出しました。いちばんずる賢いブヨが、敵の集まっている森へ飛んでいき、合い言葉が決められることになっている木の葉の下に隠れました。そこには熊が立っていて、キツネを呼びよせて言いました。「キツネよ、おまえは動物の中でいちばん知恵がある。おまえが大将になって、みんなを率いてくれ」「よしきた」と、キツネは言いました。「だが、合図はどうしようか」だれにも分かりません。そこでキツネは言いました。「わたしには、ふさふさした立派な長いしっぽがある。まるで赤い羽根飾りみたいだろう。このしっぽを高く上げていたら、うまくいっているしるしだ。そのときは突撃しろ。だが、しっぽをだらりと下げたら、全力で逃げるんだ」これを聞くと、ブヨはまた飛んで帰り、何もかも詳しくミソサザイに知らせました。

夜が明けて、いよいよ戦いが始まろうとすると、四本足の動物たちがみんな、地面がゆれるほどの音を立てて、駆けつけてきました。ミソサザイも軍勢を引きつれて、空を飛んできました。ぶんぶん、ぶるぶると羽音を響かせ、うじゃうじゃと群れをなしていたので、だれもが落ち着かなくなり、怖くなりました。こうして両軍は、たがいに向かって進んでいきました。ところがミソサザイは、スズメバチを地上に送り、キツネのしっぽの下にもぐりこんで、力いっぱい刺してやれと命じました。一回目に刺されたとき、キツネは痛さのあまりびくっとして、片足を持ち上げました。それでもがまんして、しっぽは高く上げたままでした。二回目に刺されると、ほんの少しのあいだ、しっぽを下げずにはいられませんでした。三回目には、もうこらえきれなくなり、悲鳴をあげて、しっぽを足のあいだに巻きこんでしまいました。それを見た動物たちは、もう負けだと思い、それぞれ自分の穴へ逃げだしました。こうして鳥たちが戦いに勝ったのです。

それから王さまとおきさきは、ひなたちのところへ飛んで帰り、叫びました。「子どもたち、喜びなさい。好きなだけ食べたり飲んだりしていいよ。戦いに勝ったんだ!」けれどもひなたちは言いました。「まだ食べないよ。熊が巣のところへ来て、許してくださいと謝って、ぼくたちがちゃんとした子どもだって言うまでは、食べないもん」そこでミソサザイは熊のほら穴へ飛んでいき、叫びました。「うなり屋よ、わしの子どもたちの巣まで来て、謝るのだ。さもないと、おまえのあばら骨を一本残らずへし折ってやるぞ」熊はびくびくしながら巣までのそのそとやって来て、謝りました。これでようやく、ひなたちも気がすみました。みんなで一緒に座って、食べたり飲んだりして、夜遅くまで楽しく過ごしました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Whom did the bear choose as general of the four-footed animals?

Q2. What was the fox's signal for the animals to run away?

Q3. What did the young wrens want before they would eat?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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