The Seven Ravens(七羽のカラス)の挿絵

The Seven Ravens

七羽のカラス

  • 📖 944 words
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  • 英検1級・ネイティブ目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ七人の息子のあとに、やっと女の子が生まれました。洗礼の水をくみに行った息子たちがなかなか帰らないので、いらだった父親が思わずのろいの言葉を口にすると、七人は真っ黒なカラスになって飛び去ってしまいます。

グリム兄弟『子どもと家庭のメルヒェン集(グリム童話)』マーガレット・ハント英訳(1884年)原文。底本: Project Gutenberg eBook #5314

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • baptism洗礼
  • jug水差し
  • ravensカラス(大ガラス)
  • keepsake形見
  • pitcher水差し
  • morning star明けの明星
  • drumstick(鶏の)足の骨
  • Glass mountainガラスの山
  • dwarf小人
  • restored元に戻された
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There was once a man who had seven sons, and still he had no daughter, however much he wished for one. At length his wife again gave him hope of a child, and when it came into the world it was a girl. The joy was great, but the child was sickly and small, and had to be privately baptized on account of its weakness. The father sent one of the boys in haste to the spring to fetch water for the baptism. The other six went with him, and as each of them wanted to be first to fill it, the jug fell into the well. There they stood and did not know what to do, and none of them dared to go home. As they still did not return, the father grew impatient, and said, "They have certainly forgotten it for some game, the wicked boys!" He became afraid that the girl would have to die without being baptized, and in his anger cried, "I wish the boys were all turned into ravens." Hardly was the word spoken before he heard a whirring of wings over his head in the air, looked up and saw seven coal-black ravens flying away. The parents could not recall the curse, and however sad they were at the loss of their seven sons, they still to some extent comforted themselves with their dear little daughter, who soon grew strong and every day became more beautiful. For a long time she did not know that she had had brothers, for her parents were careful not to mention them before her, but one day she accidentally heard some people saying of herself, "that the girl was certainly beautiful, but that in reality she was to blame for the misfortune which had befallen her seven brothers." Then she was much troubled, and went to her father and mother and asked if it was true that she had had brothers, and what had become of them? The parents now dared keep the secret no longer, but said that what had befallen her brothers was the will of Heaven, and that her birth had only been the innocent cause. But the maiden took it to heart daily, and thought she must deliver her brothers. She had no rest or peace until she set out secretly, and went forth into the wide world to trace out her brothers and set them free, let it cost what it might. She took nothing with her but a little ring belonging to her parents as a keepsake, a loaf of bread against hunger, a little pitcher of water against thirst, and a little chair as a provision against weariness.

むかし、ある男に七人の息子がいました。男はどんなに娘を欲しがっても、娘はひとりもいませんでした。やがておかみさんがまた身ごもり、生まれてきたのは女の子でした。みんなは大喜びしましたが、赤ちゃんは小さくて病弱でした。体が弱いので、家でこっそり洗礼を受けさせることになりました。父親は息子のひとりを、洗礼に使う水をくみに、急いで泉へ行かせました。ほかの六人も一緒についていきました。みんなが自分こそ先に水をくもうとしたので、水差しは井戸の中へ落ちてしまいました。男の子たちはそこに立ちつくし、どうしたらいいかわからず、誰ひとり家へ帰る勇気がありませんでした。いつまでたっても戻ってこないので、父親はいらいらしてきて言いました。「きっと何か遊びに夢中になって、忘れてしまったんだ。悪い子たちめ!」父親は、娘が洗礼を受けないまま死んでしまうのではないかと心配になり、腹立ちまぎれにさけびました。「あの子たちなんか、みんなカラスになってしまえばいい」その言葉が口から出たとたん、頭の上の空で、ばさばさと羽ばたく音が聞こえました。見あげると、炭のようにまっ黒な七羽のカラスが飛び去っていくところでした。両親は、かけてしまったのろいを取り消すことができませんでした。七人の息子をなくして、どんなに悲しかったことでしょう。それでも、かわいい小さな娘がいることで、いくらかは心をなぐさめていました。娘はまもなく丈夫になり、日ごとに美しくなっていきました。娘は長いあいだ、自分に兄さんたちがいたことを知りませんでした。両親が、娘の前で兄たちのことを口にしないよう気をつけていたからです。けれどもある日、娘はたまたま、人々が自分のことをこう話しているのを聞いてしまいました。「あの娘はたしかに美しいけれど、本当は、七人の兄さんがひどい目にあったのは、あの子のせいなのさ」娘はひどく心を痛めました。そして父親と母親のところへ行って、自分に兄さんたちがいたというのは本当なのか、兄さんたちはどうなってしまったのかとたずねました。両親はもう秘密を隠しておけなくなりました。そして、兄さんたちの身に起こったことは天の思しめしで、おまえが生まれたことは、罪のないきっかけにすぎなかったのだ、と話しました。けれども娘は毎日そのことを気に病み、自分が兄さんたちを救わなければならないと思いました。娘は気が休まらず、とうとうひそかに家を出ました。どんな犠牲を払っても兄さんたちを見つけだして救おうと、広い世界へ旅立ったのです。持っていったのは、両親の形見の小さな指輪をひとつ、おなかがすいたときのためのパンをひとつ、のどがかわいたときのための小さな水差しをひとつ、そして疲れたときのための小さないすをひとつだけでした。

And now she went continually onwards, far, far to the very end of the world. Then she came to the sun, but it was too hot and terrible, and devoured little children. Hastily she ran away, and ran to the moon, but it was far too cold, and also awful and malicious, and when it saw the child, it said, "I smell, I smell the flesh of men." On this she ran swiftly away, and came to the stars, which were kind and good to her, and each of them sat on its own particular little chair. But the morning star arose, and gave her the drumstick of a chicken, and said, "If you thou hast not that drumstick thou canst not open the Glass mountain, and in the Glass mountain are thy brothers."

娘はひたすら歩きつづけ、遠く遠く、世界の果てまでやって来ました。まず太陽のところへ来ましたが、太陽はあまりに熱くて恐ろしく、小さな子どもを食べてしまうのでした。娘は急いで逃げだし、月のところへ駆けていきました。けれども月はひどく冷たくて、やはり恐ろしく、意地悪でした。月は娘を見ると言いました。「におうぞ、におうぞ、人間の肉のにおいがする」娘はすばやく逃げだして、星たちのところへやって来ました。星たちは娘にやさしく、親切にしてくれました。星たちは、それぞれ自分の小さないすに座っていました。明けの明星が立ちあがって、娘にニワトリの脚の骨を一本くれて言いました。「この脚の骨がなければ、ガラスの山を開けることはできませんよ。そして、ガラスの山の中に、あなたの兄さんたちがいるのです」

The maiden took the drumstick, wrapped it carefully in a cloth, and went onwards again until she came to the Glass mountain. The door was shut, and she thought she would take out the drumstick; but when she undid the cloth, it was empty, and she had lost the good star's present. What was she now to do? She wished to rescue her brothers, and had no key to the Glass mountain. The good sister took a knife, cut off one of her little fingers, put it in the door, and succeeded in opening it. When she had gone inside, a little dwarf came to meet her, who said, "My child, what are you looking for?" "I am looking for my brothers, the seven ravens," she replied. The dwarf said, "The lord ravens are not at home, but if you will wait here until they come, step in." Thereupon the little dwarf carried the ravens' dinner in, on seven little plates, and in seven little glasses, and the little sister ate a morsel from each plate, and from each little glass she took a sip, but in the last little glass she dropped the ring which she had brought away with her.

娘は脚の骨を受けとると、布でていねいに包み、また歩きつづけて、とうとうガラスの山に着きました。扉は閉まっていたので、娘は脚の骨を取り出そうとしました。ところが布をほどいてみると、中は空っぽでした。やさしい星の贈り物を、なくしてしまったのです。いったいどうしたらいいのでしょう?兄さんたちを救いたいのに、ガラスの山の鍵がありません。けなげな妹はナイフを取り出して、自分の小指を一本切り落とし、それを扉にさしこみました。すると扉はうまく開きました。中へ入ると、小さな小人が出てきて言いました。「お嬢ちゃん、何を探しているんだい?」「兄さんたちを探しているの。七羽のカラスよ」と、娘は答えました。小人は言いました。「カラスのだんながたはお留守だよ。でも、帰ってくるまでここで待つというのなら、お入り」それから小人は、カラスたちの夕ごはんを、七つの小さなお皿と七つの小さなグラスに用意して運んできました。妹はそれぞれのお皿からひと口ずつ食べ、それぞれのグラスからひと口ずつ飲みました。そして最後のグラスの中に、持ってきた指輪を落としておきました。

Suddenly she heard a whirring of wings and a rushing through the air, and then the little dwarf said, "Now the lord ravens are flying home." Then they came, and wanted to eat and drink, and looked for their little plates and glasses. Then said one after the other, "Who has eaten something from my plate? Who has drunk out of my little glass? It was a human mouth." And when the seventh came to the bottom of the glass, the ring rolled against his mouth. Then he looked at it, and saw that it was a ring belonging to his father and mother, and said, "God grant that our sister may be here, and then we shall be free." When the maiden, who was standing behind the door watching, heard that wish, she came forth, and on this all the ravens were restored to their human form again. And they embraced and kissed each other, and went joyfully home.

突然、ばさばさと羽ばたく音と、空を切るざわめきが聞こえました。すると小人が言いました。「ほら、カラスのだんながたが飛んで帰ってきたよ」カラスたちはやって来ると、食べたり飲んだりしようとして、自分のお皿とグラスを探しました。そして一羽また一羽と言いました。「誰がぼくのお皿から食べたんだ?誰がぼくのグラスから飲んだんだ?人間が口をつけたな」七羽目がグラスの底まで飲みほすと、指輪がころころと口もとへ転がってきました。そのカラスが見ると、それは父親と母親の指輪でした。カラスは言いました。「どうか妹がここに来ていますように。そうすれば、ぼくたちは自由になれるのに」戸のかげに立って見ていた娘は、その願いを聞くと、姿をあらわしました。そのとたん、カラスたちはみんな、もとの人間の姿に戻りました。みんなは抱きあい、口づけをかわし、喜びいさんで家へ帰っていきました。

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むかし、ある男に七人の息子がいました。男はどんなに娘を欲しがっても、娘はひとりもいませんでした。やがておかみさんがまた身ごもり、生まれてきたのは女の子でした。みんなは大喜びしましたが、赤ちゃんは小さくて病弱でした。体が弱いので、家でこっそり洗礼を受けさせることになりました。父親は息子のひとりを、洗礼に使う水をくみに、急いで泉へ行かせました。ほかの六人も一緒についていきました。みんなが自分こそ先に水をくもうとしたので、水差しは井戸の中へ落ちてしまいました。男の子たちはそこに立ちつくし、どうしたらいいかわからず、誰ひとり家へ帰る勇気がありませんでした。いつまでたっても戻ってこないので、父親はいらいらしてきて言いました。「きっと何か遊びに夢中になって、忘れてしまったんだ。悪い子たちめ!」父親は、娘が洗礼を受けないまま死んでしまうのではないかと心配になり、腹立ちまぎれにさけびました。「あの子たちなんか、みんなカラスになってしまえばいい」その言葉が口から出たとたん、頭の上の空で、ばさばさと羽ばたく音が聞こえました。見あげると、炭のようにまっ黒な七羽のカラスが飛び去っていくところでした。両親は、かけてしまったのろいを取り消すことができませんでした。七人の息子をなくして、どんなに悲しかったことでしょう。それでも、かわいい小さな娘がいることで、いくらかは心をなぐさめていました。娘はまもなく丈夫になり、日ごとに美しくなっていきました。娘は長いあいだ、自分に兄さんたちがいたことを知りませんでした。両親が、娘の前で兄たちのことを口にしないよう気をつけていたからです。けれどもある日、娘はたまたま、人々が自分のことをこう話しているのを聞いてしまいました。「あの娘はたしかに美しいけれど、本当は、七人の兄さんがひどい目にあったのは、あの子のせいなのさ」娘はひどく心を痛めました。そして父親と母親のところへ行って、自分に兄さんたちがいたというのは本当なのか、兄さんたちはどうなってしまったのかとたずねました。両親はもう秘密を隠しておけなくなりました。そして、兄さんたちの身に起こったことは天の思しめしで、おまえが生まれたことは、罪のないきっかけにすぎなかったのだ、と話しました。けれども娘は毎日そのことを気に病み、自分が兄さんたちを救わなければならないと思いました。娘は気が休まらず、とうとうひそかに家を出ました。どんな犠牲を払っても兄さんたちを見つけだして救おうと、広い世界へ旅立ったのです。持っていったのは、両親の形見の小さな指輪をひとつ、おなかがすいたときのためのパンをひとつ、のどがかわいたときのための小さな水差しをひとつ、そして疲れたときのための小さないすをひとつだけでした。

娘はひたすら歩きつづけ、遠く遠く、世界の果てまでやって来ました。まず太陽のところへ来ましたが、太陽はあまりに熱くて恐ろしく、小さな子どもを食べてしまうのでした。娘は急いで逃げだし、月のところへ駆けていきました。けれども月はひどく冷たくて、やはり恐ろしく、意地悪でした。月は娘を見ると言いました。「におうぞ、におうぞ、人間の肉のにおいがする」娘はすばやく逃げだして、星たちのところへやって来ました。星たちは娘にやさしく、親切にしてくれました。星たちは、それぞれ自分の小さないすに座っていました。明けの明星が立ちあがって、娘にニワトリの脚の骨を一本くれて言いました。「この脚の骨がなければ、ガラスの山を開けることはできませんよ。そして、ガラスの山の中に、あなたの兄さんたちがいるのです」

娘は脚の骨を受けとると、布でていねいに包み、また歩きつづけて、とうとうガラスの山に着きました。扉は閉まっていたので、娘は脚の骨を取り出そうとしました。ところが布をほどいてみると、中は空っぽでした。やさしい星の贈り物を、なくしてしまったのです。いったいどうしたらいいのでしょう?兄さんたちを救いたいのに、ガラスの山の鍵がありません。けなげな妹はナイフを取り出して、自分の小指を一本切り落とし、それを扉にさしこみました。すると扉はうまく開きました。中へ入ると、小さな小人が出てきて言いました。「お嬢ちゃん、何を探しているんだい?」「兄さんたちを探しているの。七羽のカラスよ」と、娘は答えました。小人は言いました。「カラスのだんながたはお留守だよ。でも、帰ってくるまでここで待つというのなら、お入り」それから小人は、カラスたちの夕ごはんを、七つの小さなお皿と七つの小さなグラスに用意して運んできました。妹はそれぞれのお皿からひと口ずつ食べ、それぞれのグラスからひと口ずつ飲みました。そして最後のグラスの中に、持ってきた指輪を落としておきました。

突然、ばさばさと羽ばたく音と、空を切るざわめきが聞こえました。すると小人が言いました。「ほら、カラスのだんながたが飛んで帰ってきたよ」カラスたちはやって来ると、食べたり飲んだりしようとして、自分のお皿とグラスを探しました。そして一羽また一羽と言いました。「誰がぼくのお皿から食べたんだ?誰がぼくのグラスから飲んだんだ?人間が口をつけたな」七羽目がグラスの底まで飲みほすと、指輪がころころと口もとへ転がってきました。そのカラスが見ると、それは父親と母親の指輪でした。カラスは言いました。「どうか妹がここに来ていますように。そうすれば、ぼくたちは自由になれるのに」戸のかげに立って見ていた娘は、その願いを聞くと、姿をあらわしました。そのとたん、カラスたちはみんな、もとの人間の姿に戻りました。みんなは抱きあい、口づけをかわし、喜びいさんで家へ帰っていきました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the father get angry with his sons?

Q2. What did the sister take with her on her journey?

Q3. How did the sister open the door of the Glass mountain?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
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