Thumbelina(おやゆび姫)の挿絵

Thumbelina

おやゆび姫

  • 📖 885 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじチューリップのような花から生まれた、親指ほどの小さな女の子。ある夜、ヒキガエルにさらわれて、長いふしぎな旅が始まります。

アンデルセン童話(1835年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • petals花びら
  • walnut shellクルミのから
  • toadヒキガエル
  • water lilyスイレン
  • beetle甲虫(コガネムシなど)
  • dew露
  • field mouse野ネズミ
  • moleモグラ
  • swallowツバメ

🔊 音声は準備中です。もうしばらくお待ちください。

There was once a woman who wanted very much to have a tiny little child. So she went to an old witch and asked for help. "Here is a seed," said the witch. "Plant it in a flowerpot, and you'll see what happens."

むかし、とても小さな子どもがほしくてたまらない女の人がいました。そこで女の人は、年とった魔女のところへ行って、助けてほしいと頼みました。「ここに種がひとつある」と、魔女は言いました。「これを植木鉢に植えてごらん。何が起こるか、わかるだろうよ」

The woman planted the seed, and at once a large flower grew up. It looked like a tulip, but its petals were tightly closed. "What a pretty flower!" she said, and she kissed its red and yellow petals. With a pop, the flower opened. In the middle sat a tiny girl, no bigger than a thumb. So she was called Thumbelina.

女の人が種を植えると、たちまち大きな花がのびてきました。チューリップのような花でしたが、花びらはぴったりと閉じていました。「なんてきれいな花でしょう!」と女の人は言って、赤と黄色の花びらにキスをしました。するとポンと音がして、花が開きました。花の真ん中には、親指ほどの大きさもない、小さな女の子が座っていました。それで、その子は親指姫と呼ばれることになりました。

Her bed was a walnut shell, her mattress was made of violet petals, and her blanket was a rose petal. During the day she sailed on a tulip petal across a plate of water on the table, singing in the sweetest voice anyone had ever heard.

親指姫のベッドはクルミのからで、敷きぶとんはスミレの花びら、かけぶとんはバラの花びらでした。昼間、親指姫は、テーブルの上の水を張ったお皿を、チューリップの花びらの舟に乗って、すいすいと渡っていきました。そして、だれも聞いたことがないほどかわいらしい声で歌うのでした。

One night, as she lay in her pretty bed, an ugly toad hopped in through a broken window. "What a lovely wife for my son!" said the toad. She picked up the walnut shell with Thumbelina asleep inside and carried it away to the river. The toad's son was even uglier than his mother. "Croak, croak!" was all he could say.

ある夜、親指姫がかわいいベッドで寝ていると、醜いヒキガエルが一ぴき、壊れた窓からぴょんと飛びこんできました。「うちの息子のお嫁さんにぴったりだわ!」と、ヒキガエルは言いました。ヒキガエルは、親指姫が眠ったままのクルミのからを持ち上げると、川へ運んでいきました。ヒキガエルの息子は、母親よりもさらに醜いのでした。「ケロ、ケロ!」としか言えないのです。

The toads put Thumbelina on a big water lily leaf in the middle of the river so that she could not run away. When she woke up and saw where she was, she began to cry bitterly. The little fish in the water heard her. They felt sorry that such a pretty girl had to marry the ugly toad. So they bit through the stem of the leaf, and it floated away down the river, carrying Thumbelina far away.

ヒキガエルたちは、親指姫が逃げられないように、川の真ん中にある大きなスイレンの葉の上に親指姫を置きました。目をさまして、自分がどこにいるのかわかると、親指姫は激しく泣きだしました。水の中の小魚たちが、その声を聞きました。小魚たちは、こんなにかわいい女の子が、あの醜いヒキガエルと結婚しなければならないなんて、かわいそうだと思いました。そこで葉っぱの茎をかみ切ってやると、葉っぱは川を流れていき、親指姫を遠くへ運んでいきました。

Soon a big beetle flew down, picked her up and carried her into a tree. But the other beetles came to look at her and said, "She has only two legs! How ugly she is!" Then the beetle believed it, too, and he put her down on a flower and left her.

まもなく、大きなコガネムシが一ぴき飛んできて、親指姫をつかみ上げ、木の上へ運んでいきました。ところが、ほかのコガネムシたちが親指姫を見にやって来て言いました。「この子、足が二本しかないわ! なんてみっともないんでしょう!」するとそのコガネムシもそう思いこんで、親指姫を花の上に降ろすと、置き去りにしてしまいました。

All summer Thumbelina lived alone in the great forest. She ate honey from the flowers and drank the morning dew. But then autumn came, and then the long, cold winter. The birds flew away, her clothes were torn, and she was terribly cold.

夏のあいだずっと、親指姫は大きな森の中で、ひとりぼっちで暮らしました。花の蜜を食べ、朝露を飲みました。けれども、やがて秋が来て、それから長く寒い冬がやって来ました。鳥たちは飛び去り、親指姫の服は破れ、ひどく寒い思いをしました。

At the edge of the forest lived a field mouse in a warm little hole. Thumbelina knocked at her door and asked for a grain of barley. "You poor little thing," said the field mouse. "Come in and eat with me. You can stay all winter if you keep my room clean and tell me stories."

森のはずれには、野ネズミがあたたかい小さな穴に住んでいました。親指姫は野ネズミの家の戸をたたき、麦を一粒分けてほしいと頼みました。「まあ、かわいそうなおちびさん」と、野ネズミは言いました。「お入り、一緒にお食べ。わたしの部屋をきれいにして、お話を聞かせてくれるなら、冬のあいだずっといてもいいよ」

Soon the mouse said, "My neighbor, Mr. Mole, is coming to visit. He is very rich and wears a fine black velvet coat. You should marry him." But the mole could not see, and he did not like the sun or the flowers. He loved Thumbelina's singing, though, and he wanted to marry her.

まもなく、野ネズミは言いました。「おとなりのモグラさんがたずねてくるんだよ。モグラさんはとてもお金持ちで、立派な黒いビロードの上着を着ているんだ。あの人と結婚するといいよ」けれどもモグラは目が見えず、お日さまも花もきらいでした。それでも、モグラは親指姫の歌が大好きで、親指姫と結婚したいと思いました。

The mole had dug a long tunnel from his house to theirs. In the tunnel lay a swallow. "He must have died of cold," said the mole. But that night Thumbelina could not sleep.

モグラは、自分の家から野ネズミの家まで、長いトンネルを掘っていました。そのトンネルの中に、ツバメが一羽横たわっていました。「寒さで死んだにちがいない」と、モグラは言いました。けれどもその夜、親指姫は眠れませんでした。

She made a blanket of hay and laid it over the bird. When she put her head on his chest, she heard his heart: thump, thump. He was not dead! He had only been frozen. All winter, Thumbelina secretly took care of him.

親指姫は干し草で毛布を作り、ツバメにかけてやりました。ツバメの胸に頭をのせると、心臓の音が聞こえました。ドクン、ドクン。ツバメは死んでいなかったのです! 凍えていただけだったのです。冬のあいだずっと、親指姫はこっそりツバメの世話をしました。

In spring the swallow was strong again. "Come with me," he said. "Sit on my back, and we'll fly away to the green forest." But Thumbelina knew the old field mouse would be sad if she left. "No, I can't," she said. "Goodbye, goodbye, you kind girl," said the swallow, and he flew out into the sunshine.

春になると、ツバメはすっかり元気になりました。「一緒においでよ」と、ツバメは言いました。「ぼくの背中に乗って。緑の森へ飛んでいこう」けれども親指姫は、自分が出ていったら、年とった野ネズミが悲しむだろうと思いました。「いいえ、行けないわ」と、親指姫は答えました。「さようなら、さようなら、やさしい女の子」とツバメは言って、日の光の中へ飛んでいきました。

The mouse decided that Thumbelina would marry the mole in autumn. Then she would have to live deep under the ground and never see the sun again. On the wedding day she went out to say goodbye to the sun. "Farewell, bright sun!" she said, and she put her arms around a little red flower.

野ネズミは、秋になったら親指姫をモグラと結婚させることに決めました。そうなれば、親指姫は地面の奥深くで暮らさなければならず、二度とお日さまを見ることはできなくなります。結婚式の日、親指姫はお日さまにお別れを言いに、外へ出ました。「さようなら、明るいお日さま!」と言って、親指姫は小さな赤い花を抱きしめました。

Just then she heard "Tweet, tweet!" above her. It was the swallow! She told him how unhappy she was. "Winter is coming," he said. "Fly away with me to the warm countries." "Yes, I'll come with you," said Thumbelina.

ちょうどそのとき、頭の上で「チュイ、チュイ!」という声がしました。あのツバメでした! 親指姫は、自分がどんなにつらい思いをしているかをツバメに話しました。「冬が来るよ」と、ツバメは言いました。「ぼくと一緒に、あたたかい国へ飛んでいこう」「ええ、一緒に行くわ」と、親指姫は言いました。

She sat on his back, and he flew high over forests and seas and snowy mountains to a warm land where the sun shone brightly. He put her down on a large white flower. To her surprise, in the middle of the flower sat a little man as tiny as she was, with a gold crown on his head and bright wings on his shoulders. He was the king of the flowers.

親指姫がツバメの背中に乗ると、ツバメは森や海や、雪をかぶった山々の上を高く飛んでいきました。そして、お日さまが明るく輝く、あたたかい国にやって来ました。ツバメは親指姫を、大きな白い花の上に降ろしました。驚いたことに、その花の真ん中には、親指姫と同じくらい小さな男の人が座っていました。頭には金の冠をかぶり、肩には輝く羽がついていました。それは、花の王さまでした。

He thought she was the most beautiful girl he had ever seen, and he asked her to be his wife and the queen of all the flowers. Thumbelina said yes. From every flower came a tiny lady or gentleman with a present, and the best present was a pair of shining wings, so that she could fly from flower to flower. "You should not be called Thumbelina," said the flower king. "We'll call you Maia." And the swallow sang them a wedding song before he flew back north to Denmark.

花の王さまは、こんなに美しい女の子は見たことがないと思いました。そして、自分の妻になって、すべての花の女王になってほしいと頼みました。親指姫は、はいと答えました。どの花からも、小さな貴婦人や紳士が贈りものを持って出てきました。いちばんすてきな贈りものは、輝く一対の羽でした。これで、花から花へと飛んでいけるのです。「あなたを親指姫と呼ぶのはふさわしくない」と、花の王さまは言いました。「マイアと呼ぶことにしましょう」そしてツバメは、ふたりに結婚のお祝いの歌を歌ってから、北のデンマークへと飛んで帰っていきました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

むかし、とても小さな子どもがほしくてたまらない女の人がいました。そこで女の人は、年とった魔女のところへ行って、助けてほしいと頼みました。「ここに種がひとつある」と、魔女は言いました。「これを植木鉢に植えてごらん。何が起こるか、わかるだろうよ」

女の人が種を植えると、たちまち大きな花がのびてきました。チューリップのような花でしたが、花びらはぴったりと閉じていました。「なんてきれいな花でしょう!」と女の人は言って、赤と黄色の花びらにキスをしました。するとポンと音がして、花が開きました。花の真ん中には、親指ほどの大きさもない、小さな女の子が座っていました。それで、その子は親指姫と呼ばれることになりました。

親指姫のベッドはクルミのからで、敷きぶとんはスミレの花びら、かけぶとんはバラの花びらでした。昼間、親指姫は、テーブルの上の水を張ったお皿を、チューリップの花びらの舟に乗って、すいすいと渡っていきました。そして、だれも聞いたことがないほどかわいらしい声で歌うのでした。

ある夜、親指姫がかわいいベッドで寝ていると、醜いヒキガエルが一ぴき、壊れた窓からぴょんと飛びこんできました。「うちの息子のお嫁さんにぴったりだわ!」と、ヒキガエルは言いました。ヒキガエルは、親指姫が眠ったままのクルミのからを持ち上げると、川へ運んでいきました。ヒキガエルの息子は、母親よりもさらに醜いのでした。「ケロ、ケロ!」としか言えないのです。

ヒキガエルたちは、親指姫が逃げられないように、川の真ん中にある大きなスイレンの葉の上に親指姫を置きました。目をさまして、自分がどこにいるのかわかると、親指姫は激しく泣きだしました。水の中の小魚たちが、その声を聞きました。小魚たちは、こんなにかわいい女の子が、あの醜いヒキガエルと結婚しなければならないなんて、かわいそうだと思いました。そこで葉っぱの茎をかみ切ってやると、葉っぱは川を流れていき、親指姫を遠くへ運んでいきました。

まもなく、大きなコガネムシが一ぴき飛んできて、親指姫をつかみ上げ、木の上へ運んでいきました。ところが、ほかのコガネムシたちが親指姫を見にやって来て言いました。「この子、足が二本しかないわ! なんてみっともないんでしょう!」するとそのコガネムシもそう思いこんで、親指姫を花の上に降ろすと、置き去りにしてしまいました。

夏のあいだずっと、親指姫は大きな森の中で、ひとりぼっちで暮らしました。花の蜜を食べ、朝露を飲みました。けれども、やがて秋が来て、それから長く寒い冬がやって来ました。鳥たちは飛び去り、親指姫の服は破れ、ひどく寒い思いをしました。

森のはずれには、野ネズミがあたたかい小さな穴に住んでいました。親指姫は野ネズミの家の戸をたたき、麦を一粒分けてほしいと頼みました。「まあ、かわいそうなおちびさん」と、野ネズミは言いました。「お入り、一緒にお食べ。わたしの部屋をきれいにして、お話を聞かせてくれるなら、冬のあいだずっといてもいいよ」

まもなく、野ネズミは言いました。「おとなりのモグラさんがたずねてくるんだよ。モグラさんはとてもお金持ちで、立派な黒いビロードの上着を着ているんだ。あの人と結婚するといいよ」けれどもモグラは目が見えず、お日さまも花もきらいでした。それでも、モグラは親指姫の歌が大好きで、親指姫と結婚したいと思いました。

モグラは、自分の家から野ネズミの家まで、長いトンネルを掘っていました。そのトンネルの中に、ツバメが一羽横たわっていました。「寒さで死んだにちがいない」と、モグラは言いました。けれどもその夜、親指姫は眠れませんでした。

親指姫は干し草で毛布を作り、ツバメにかけてやりました。ツバメの胸に頭をのせると、心臓の音が聞こえました。ドクン、ドクン。ツバメは死んでいなかったのです! 凍えていただけだったのです。冬のあいだずっと、親指姫はこっそりツバメの世話をしました。

春になると、ツバメはすっかり元気になりました。「一緒においでよ」と、ツバメは言いました。「ぼくの背中に乗って。緑の森へ飛んでいこう」けれども親指姫は、自分が出ていったら、年とった野ネズミが悲しむだろうと思いました。「いいえ、行けないわ」と、親指姫は答えました。「さようなら、さようなら、やさしい女の子」とツバメは言って、日の光の中へ飛んでいきました。

野ネズミは、秋になったら親指姫をモグラと結婚させることに決めました。そうなれば、親指姫は地面の奥深くで暮らさなければならず、二度とお日さまを見ることはできなくなります。結婚式の日、親指姫はお日さまにお別れを言いに、外へ出ました。「さようなら、明るいお日さま!」と言って、親指姫は小さな赤い花を抱きしめました。

ちょうどそのとき、頭の上で「チュイ、チュイ!」という声がしました。あのツバメでした! 親指姫は、自分がどんなにつらい思いをしているかをツバメに話しました。「冬が来るよ」と、ツバメは言いました。「ぼくと一緒に、あたたかい国へ飛んでいこう」「ええ、一緒に行くわ」と、親指姫は言いました。

親指姫がツバメの背中に乗ると、ツバメは森や海や、雪をかぶった山々の上を高く飛んでいきました。そして、お日さまが明るく輝く、あたたかい国にやって来ました。ツバメは親指姫を、大きな白い花の上に降ろしました。驚いたことに、その花の真ん中には、親指姫と同じくらい小さな男の人が座っていました。頭には金の冠をかぶり、肩には輝く羽がついていました。それは、花の王さまでした。

花の王さまは、こんなに美しい女の子は見たことがないと思いました。そして、自分の妻になって、すべての花の女王になってほしいと頼みました。親指姫は、はいと答えました。どの花からも、小さな貴婦人や紳士が贈りものを持って出てきました。いちばんすてきな贈りものは、輝く一対の羽でした。これで、花から花へと飛んでいけるのです。「あなたを親指姫と呼ぶのはふさわしくない」と、花の王さまは言いました。「マイアと呼ぶことにしましょう」そしてツバメは、ふたりに結婚のお祝いの歌を歌ってから、北のデンマークへと飛んで帰っていきました。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Where did Thumbelina come from?

Q2. What did Thumbelina do for the swallow?

Q3. Who did Thumbelina marry at the end?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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