Washoku and the Secret Fifth Taste(和食と、ひみつの第五の味)の挿絵
Level 4 Intermediate英語で日本紹介

Washoku and the Secret Fifth Taste

和食と、ひみつの第五の味

  • 📖 918 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 5:52
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじユネスコ無形文化遺産に登録された和食。その味の秘密は「だし」と、日本の科学者が発見した「うま味」にありました。和食の考え方から、知っておきたい箸のマナーまで英語で説明します。

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キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • intangible無形の
  • ingredients食材・材料
  • nutrition栄養
  • kelp昆布(海藻)
  • simmered煮こんだ
  • substance物質
  • synergy相乗効果
  • receptors受容体
  • humblyつつしんで
  • funerals葬式
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In 2013, UNESCO added washoku, the traditional food culture of Japan, to its list of the Intangible Cultural Heritage of Humanity. It was not one dish, such as sushi or tempura, that was recognized. It was a whole way of eating: respect for nature, the use of fresh seasonal ingredients, healthy balance, and the strong connection between food and seasonal events, especially New Year. So what makes washoku special?

2013年、ユネスコは日本の伝統的な食文化である「和食」を、人類の無形文化遺産のリストに加えました。認められたのは、すしや天ぷらのような一つの料理ではありません。食べ方全体です。自然を大切にすること、新鮮な旬の食材を使うこと、健康によいバランス、そして食べ物と季節の行事、とくにお正月との深い結びつき。そのすべてが認められたのです。では、和食の何が特別なのでしょうか?

A basic washoku meal follows a pattern called ichiju sansai, which means "one soup, three dishes." It includes a bowl of rice, a bowl of soup such as miso soup, and three side dishes: often one main dish of fish or meat and two smaller dishes of vegetables, tofu, or seaweed. Pickles are usually served, too. This pattern naturally gives a good balance of nutrition, and it uses small amounts of many different foods instead of a large amount of one thing.

基本的な和食の食事は、「一汁三菜」という形をとります。汁物一つに、おかず三つ、という意味です。ごはん一杯、みそ汁などの汁物一杯、そして三つのおかずが並びます。おかずは、魚や肉の主菜一つと、野菜や豆腐、海藻の小さな副菜二つであることが多いです。ふつうは漬物も添えられます。この形にすると、自然に栄養のバランスがよくなります。一つのものをたくさん食べるのではなく、いろいろな食べ物を少しずつ食べることになるからです。

Seasons are at the heart of washoku. Each food has its shun, the time of year when it is at its best and most delicious: bamboo shoots in spring, bonito in early summer, Pacific saury and matsutake mushrooms in autumn, and yellowtail in winter. Cooks also show the season through the dishes they use and the way they decorate the food, for example with a small maple leaf in autumn. Eating washoku means tasting the season with your eyes as well as your mouth.

和食の中心にあるのは、季節です。どの食べ物にも、一年でいちばんおいしい時期、「旬」があります。春のタケノコ、初夏のカツオ、秋のサンマやマツタケ、冬のブリといった具合です。料理人は、使う器や料理の飾り方でも季節を表します。たとえば秋には、小さなもみじの葉を添えます。和食を食べるとは、口だけでなく目でも季節を味わうことなのです。

But perhaps the most important secret of washoku is something you cannot see: dashi. Dashi is a light soup stock, and it is the base of miso soup, simmered dishes, noodle soups, and many sauces. The most classic dashi is made from just two ingredients. One is kombu, a kind of dried kelp from the sea. The other is katsuobushi, bonito fish that has been boiled, smoked, and dried until it is as hard as wood, and then shaved into thin flakes. The kombu is soaked or heated gently in water, and then the bonito flakes are added for a short time. The result is a clear, golden liquid with a deep, satisfying flavor.

でも、和食のいちばん大切な秘密は、目に見えないものかもしれません。「だし」です。だしは、あっさりしたスープのもとで、みそ汁や煮物、めんのつゆ、多くのたれの土台になります。いちばん基本的なだしは、たった二つの材料から作ります。一つは昆布、海でとれる海藻を干したものです。もう一つはかつお節です。カツオを煮て、いぶして、木のように硬くなるまで干し、それを薄く削ったものです。まず昆布を水に浸すか、弱火でゆっくり温めます。それからかつお節を入れて、少しの間だけ煮出します。こうしてできるのが、澄んだ金色の汁です。奥深く、豊かな味わいがあります。

That flavor puzzled a Japanese scientist named Kikunae Ikeda. In 1908, it is said, while he was enjoying a simple dish of tofu in kombu dashi, he wondered why it tasted so good. The taste was not sweet, salty, sour, or bitter, the four basic tastes known at the time. Ikeda studied kombu in his laboratory and found that its special taste came from a substance called glutamate. He named this taste umami, from the Japanese word umai, meaning "delicious."

その味を不思議に思ったのが、池田菊苗という日本の科学者でした。1908年のこと、昆布だしの湯豆腐というシンプルな料理を味わいながら、なぜこんなにおいしいのだろうと考えたと言われています。その味は、当時知られていた四つの基本の味、甘味、塩味、酸味、苦味のどれでもありませんでした。池田は研究室で昆布を調べ、その特別な味がグルタミン酸という物質から来ていることを発見しました。そしてこの味を、「おいしい」という意味の日本語「うまい」から、「うま味」と名づけたのです。

Later, other Japanese scientists found more umami substances. In 1913, Shintaro Kodama, one of Ikeda's students, found that katsuobushi contains a substance called inosinate. In 1957, Akira Kuninaka found guanylate, which is rich in dried shiitake mushrooms. Kuninaka also discovered something amazing: when glutamate and inosinate are combined, the umami taste becomes much stronger than either one alone. This is exactly what happens in dashi, where kombu and bonito are used together. Japanese cooks had been using this "umami synergy" for centuries, long before science could explain it.

のちに、ほかの日本の科学者たちが、さらにうま味の物質を見つけました。1913年、池田の弟子の一人、小玉新太郎が、かつお節にイノシン酸という物質が含まれていることを発見しました。1957年には、國中明が、干ししいたけに多く含まれるグアニル酸を発見しました。國中は、驚くべきことも見つけました。グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせると、どちらか一つだけのときより、うま味がずっと強くなるのです。昆布とかつお節を一緒に使うだしで起きているのは、まさにこれです。日本の料理人たちは、科学が説明できるようになるずっと前から、何百年もこの「うま味の相乗効果」を使っていたのです。

For many years, scientists outside Japan doubted that umami was a separate taste. Then, in the early 2000s, researchers found receptors on the human tongue that react to glutamate. Today, umami is widely accepted as the fifth basic taste, together with sweet, salty, sour, and bitter. The word "umami" is now used in English and many other languages.

長年、日本以外の科学者たちは、うま味が独立した味であることを疑っていました。ところが2000年代のはじめ、研究者たちが、人間の舌にグルタミン酸に反応する受容体があることを発見しました。今日では、うま味は甘味、塩味、酸味、苦味と並ぶ第五の基本の味として広く認められています。「umami」という言葉は、今では英語やほかの多くの言語で使われています。

Umami is not only Japanese. Tomatoes, cheese such as Parmesan, mushrooms, and meat soups are all rich in umami. That is one reason why tomato sauce with cheese tastes so good. But Japanese cooking uses umami in a special way. Because dashi gives food a rich taste, washoku dishes often need less oil and fat. Some studies even suggest that umami can help people use less salt without losing flavor.

うま味は、日本だけのものではありません。トマト、パルメザンなどのチーズ、きのこ、肉のスープは、どれもうま味がたっぷりです。トマトソースにチーズをかけるとおいしいのは、それが理由の一つです。でも、日本料理では、うま味を独特のやり方で生かしています。だしが料理に深い味わいを与えるので、和食は油や脂肪が少なくてすむことが多いのです。うま味を使えば、味を落とさずに塩を減らせるかもしれない、という研究まであります。

Washoku also comes with its own manners, many of which are about respect. Before eating, people put their hands together and say "Itadakimasu," which means something like "I humbly receive." It expresses thanks to the people who made the food, and to the plants and animals that gave their lives for it. After eating, people say "Gochisosama deshita," a thank-you for the meal.

和食には独自のマナーもあり、その多くは敬意にかかわるものです。食べる前には、手を合わせて「いただきます」と言います。つつしんでいただきます、というような意味です。料理を作ってくれた人たちへの感謝、そして食べ物として命をいただく植物や動物への感謝を表す言葉です。食べ終わったら、食事へのお礼として「ごちそうさまでした」と言います。

There are also some rules for using chopsticks. Do not stand your chopsticks straight up in a bowl of rice, and do not pass food from your chopsticks to another person's chopsticks. Both of these actions are connected with funerals in Japan. It is also not polite to point at people with your chopsticks, or to wave them over the dishes while you decide what to eat. When you are not using them, put them on the chopstick rest.

箸の使い方にもいくつかの決まりがあります。ごはんに箸をまっすぐ突き立ててはいけませんし、自分の箸から別の人の箸へ食べ物を渡してもいけません。どちらも、日本ではお葬式に結びついた動作なのです。箸で人を指したり、何を食べようか迷って料理の上で箸を動かしたりするのも失礼にあたります。使わないときは、箸置きに置きましょう。

It is fine to lift your rice bowl or soup bowl close to your mouth. In fact, this is the normal way to eat in Japan. Miso soup is usually drunk directly from the bowl, and people use their chopsticks to eat the solid pieces inside.

ごはん茶碗や汁わんを、口の近くまで持ち上げてもかまいません。それどころか、日本ではこれがふつうの食べ方なのです。みそ汁はたいていおわんから直接飲み、中の具は箸で食べます。

When you try washoku, take a moment to notice the gentle flavors. The taste may seem light at first, but behind it is the deep, quiet power of umami.

和食を食べるときは、少し時間をとって、その優しい味わいをじっくり味わってみてください。はじめはあっさりしているように思えるかもしれませんが、その奥には、うま味の深く静かな力がひそんでいるのです。

How to explain it in English: "Washoku is traditional Japanese food, and it was added to UNESCO's Intangible Cultural Heritage list in 2013. It is based on rice, soup, and side dishes made with fresh seasonal foods. Its secret is dashi, a soup stock full of umami, the fifth basic taste discovered by a Japanese scientist."

英語で説明してみよう:「和食は日本の伝統的な料理で、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。ごはんと汁物、そして新鮮な旬の食材を使ったおかずが基本です。その秘密は、うま味たっぷりのスープのもと『だし』です。うま味は、日本の科学者が発見した第五の基本の味なのです。」

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2013年、ユネスコは日本の伝統的な食文化である「和食」を、人類の無形文化遺産のリストに加えました。認められたのは、すしや天ぷらのような一つの料理ではありません。食べ方全体です。自然を大切にすること、新鮮な旬の食材を使うこと、健康によいバランス、そして食べ物と季節の行事、とくにお正月との深い結びつき。そのすべてが認められたのです。では、和食の何が特別なのでしょうか?

基本的な和食の食事は、「一汁三菜」という形をとります。汁物一つに、おかず三つ、という意味です。ごはん一杯、みそ汁などの汁物一杯、そして三つのおかずが並びます。おかずは、魚や肉の主菜一つと、野菜や豆腐、海藻の小さな副菜二つであることが多いです。ふつうは漬物も添えられます。この形にすると、自然に栄養のバランスがよくなります。一つのものをたくさん食べるのではなく、いろいろな食べ物を少しずつ食べることになるからです。

和食の中心にあるのは、季節です。どの食べ物にも、一年でいちばんおいしい時期、「旬」があります。春のタケノコ、初夏のカツオ、秋のサンマやマツタケ、冬のブリといった具合です。料理人は、使う器や料理の飾り方でも季節を表します。たとえば秋には、小さなもみじの葉を添えます。和食を食べるとは、口だけでなく目でも季節を味わうことなのです。

でも、和食のいちばん大切な秘密は、目に見えないものかもしれません。「だし」です。だしは、あっさりしたスープのもとで、みそ汁や煮物、めんのつゆ、多くのたれの土台になります。いちばん基本的なだしは、たった二つの材料から作ります。一つは昆布、海でとれる海藻を干したものです。もう一つはかつお節です。カツオを煮て、いぶして、木のように硬くなるまで干し、それを薄く削ったものです。まず昆布を水に浸すか、弱火でゆっくり温めます。それからかつお節を入れて、少しの間だけ煮出します。こうしてできるのが、澄んだ金色の汁です。奥深く、豊かな味わいがあります。

その味を不思議に思ったのが、池田菊苗という日本の科学者でした。1908年のこと、昆布だしの湯豆腐というシンプルな料理を味わいながら、なぜこんなにおいしいのだろうと考えたと言われています。その味は、当時知られていた四つの基本の味、甘味、塩味、酸味、苦味のどれでもありませんでした。池田は研究室で昆布を調べ、その特別な味がグルタミン酸という物質から来ていることを発見しました。そしてこの味を、「おいしい」という意味の日本語「うまい」から、「うま味」と名づけたのです。

のちに、ほかの日本の科学者たちが、さらにうま味の物質を見つけました。1913年、池田の弟子の一人、小玉新太郎が、かつお節にイノシン酸という物質が含まれていることを発見しました。1957年には、國中明が、干ししいたけに多く含まれるグアニル酸を発見しました。國中は、驚くべきことも見つけました。グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせると、どちらか一つだけのときより、うま味がずっと強くなるのです。昆布とかつお節を一緒に使うだしで起きているのは、まさにこれです。日本の料理人たちは、科学が説明できるようになるずっと前から、何百年もこの「うま味の相乗効果」を使っていたのです。

長年、日本以外の科学者たちは、うま味が独立した味であることを疑っていました。ところが2000年代のはじめ、研究者たちが、人間の舌にグルタミン酸に反応する受容体があることを発見しました。今日では、うま味は甘味、塩味、酸味、苦味と並ぶ第五の基本の味として広く認められています。「umami」という言葉は、今では英語やほかの多くの言語で使われています。

うま味は、日本だけのものではありません。トマト、パルメザンなどのチーズ、きのこ、肉のスープは、どれもうま味がたっぷりです。トマトソースにチーズをかけるとおいしいのは、それが理由の一つです。でも、日本料理では、うま味を独特のやり方で生かしています。だしが料理に深い味わいを与えるので、和食は油や脂肪が少なくてすむことが多いのです。うま味を使えば、味を落とさずに塩を減らせるかもしれない、という研究まであります。

和食には独自のマナーもあり、その多くは敬意にかかわるものです。食べる前には、手を合わせて「いただきます」と言います。つつしんでいただきます、というような意味です。料理を作ってくれた人たちへの感謝、そして食べ物として命をいただく植物や動物への感謝を表す言葉です。食べ終わったら、食事へのお礼として「ごちそうさまでした」と言います。

箸の使い方にもいくつかの決まりがあります。ごはんに箸をまっすぐ突き立ててはいけませんし、自分の箸から別の人の箸へ食べ物を渡してもいけません。どちらも、日本ではお葬式に結びついた動作なのです。箸で人を指したり、何を食べようか迷って料理の上で箸を動かしたりするのも失礼にあたります。使わないときは、箸置きに置きましょう。

ごはん茶碗や汁わんを、口の近くまで持ち上げてもかまいません。それどころか、日本ではこれがふつうの食べ方なのです。みそ汁はたいていおわんから直接飲み、中の具は箸で食べます。

和食を食べるときは、少し時間をとって、その優しい味わいをじっくり味わってみてください。はじめはあっさりしているように思えるかもしれませんが、その奥には、うま味の深く静かな力がひそんでいるのです。

英語で説明してみよう:「和食は日本の伝統的な料理で、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。ごはんと汁物、そして新鮮な旬の食材を使ったおかずが基本です。その秘密は、うま味たっぷりのスープのもと『だし』です。うま味は、日本の科学者が発見した第五の基本の味なのです。」

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What does ichiju sansai mean?

Q2. Who named the taste umami?

Q3. Why should you not stand chopsticks up in rice?

🎥 本物を見る・聞く 公式の映像・音声

🎥 映像・UNESCOWashoku, traditional dietary cultures of the Japanese, notably for the celebration of New Yearユネスコ公式。無形文化遺産「和食」の紹介映像(正月の食文化を中心に)、約9分🎥 映像・umami information centerUmami basicsうま味インフォメーションセンター公式。うま味の基本を英語で解説、約3分

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