The Legend of Sleepy Hollow(スリーピー・ホローの伝説)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediate名作文学

The Legend of Sleepy Hollow

スリーピー・ホローの伝説

  • 📖 842 words
  • ⏱ 約8分
  • 🔊 4:51
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ幽霊話が大好きで、こわがりの先生イカボッド。お金持ちの娘カトリーナに恋をした彼は、パーティーの帰り道、真夜中の森で「首なし騎士」の話を思い出してしまい……。

ワシントン・アーヴィング『スリーピー・ホローの伝説』(1820年)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • headless首のない
  • horseman騎手、騎士
  • cannonball砲弾
  • scarecrowかかし
  • rival恋がたき、ライバル
  • jealouslyねたましそうに
  • chatter(歯が)カチカチ鳴る
  • saddle鞍(くら)
  • stirrupsあぶみ
  • pumpkinカボチャ
音声に合わせて文が光ります0:00 / 4:51

Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Aoede)

In a quiet valley near the Hudson River, there is a little place called Sleepy Hollow. The air there seems heavy with dreams. People say that the valley is full of ghosts, and the most famous ghost of all is the Headless Horseman. He was a soldier who lost his head to a cannonball in the war. Every night he rides out to look for it.

ハドソン川の近くの静かな谷に、スリーピー・ホローという小さな土地があります。そこでは、空気まで夢をたっぷり含んで、とろんと重たいように感じられます。この谷には幽霊がたくさんいると言われていて、中でもいちばん有名なのが「首なし騎士」です。戦争で、砲弾に首をふき飛ばされた兵士です。毎晩、なくした首を探して、馬を走らせているのだそうです。

About two hundred years ago, the schoolteacher in Sleepy Hollow was a man named Ichabod Crane. He was very tall and very thin, with long arms, big hands, and huge feet. His neck was long, and his nose looked like a bird's beak. When he walked along a hill on a windy day, he looked like a scarecrow that had escaped from a cornfield.

二百年ほど前、スリーピー・ホローの学校の先生は、イカボッド・クレーンという男でした。ひょろりと背が高く、とてもやせていて、腕は長く、手は大きく、足はとんでもなく大きかったのです。首は長く、鼻は鳥のくちばしのようでした。風の強い日に丘の上を歩く姿は、トウモロコシ畑から逃げ出してきたかかしのようでした。

Ichabod loved two things more than anything else: good food and ghost stories. On winter evenings he sat by the farmers' fires, eating apples and listening to tales of haunted bridges and headless riders. The stories made him shiver with delight. But afterwards, walking home alone in the dark, he was terrified of every shadow.

イカボッドが何よりも好きなものが、二つありました。おいしい食べ物と、幽霊話です。冬の夜には農家の暖炉のそばに座り、リンゴをかじりながら、幽霊の出る橋や、首のない騎手の話を聞きました。話を聞くと、ぞくぞくして、うれしくてたまりません。けれどもそのあと、暗い夜道を一人で帰るときには、どんな影にも震え上がるのでした。

Then Ichabod fell in love. Katrina Van Tassel was eighteen, pretty, and cheerful. She was also the only daughter of a very rich farmer. When Ichabod saw her father's fat pigs, full barns, and rich fields, his heart grew even warmer. "If I marry Katrina," he thought, "all this will be mine."

やがて、イカボッドは恋をしました。相手はカトリーナ・ヴァン・タッセル。十八歳の、かわいらしくて明るい娘です。しかも、大変なお金持ちの農場主の、ひとり娘でした。カトリーナの父親の太ったブタや、作物でいっぱいの納屋や、よく実った畑を見ると、イカボッドの胸はますます熱くなりました。「カトリーナと結婚すれば、これがみんなおれのものになるんだ」とイカボッドは考えました。

But Ichabod had a rival. Brom Van Brunt was big, strong, and loud. Everyone called him Brom Bones. He was the best rider in the country and loved to play tricks on people. Brom wanted to marry Katrina too, so he made Ichabod's life difficult. He and his friends filled the schoolhouse chimney with smoke and taught a dog to howl when Ichabod sang.

ところが、イカボッドには恋がたきがいました。ブロム・ヴァン・ブラントという、大柄で力が強く、声の大きな男です。みんなからは「ブロム・ボーンズ」と呼ばれていました。このあたりでいちばん馬を乗りこなす男で、人にいたずらをするのが大好きでした。ブロムもカトリーナと結婚したかったので、イカボッドをさんざん困らせました。仲間と一緒に学校の煙突をふさいで教室を煙だらけにしたり、イカボッドが歌うと犬がほえるように仕込んだりしたのです。

One autumn day, Ichabod was invited to a party at the Van Tassels' farm. He borrowed an old horse called Gunpowder from a farmer. The horse was thin and bony, with only one good eye, but it still had some fire in it. Ichabod rode proudly to the party, his elbows sticking out like a grasshopper's legs.

ある秋の日、イカボッドは、ヴァン・タッセル家の農場で開かれるパーティーに招かれました。イカボッドは、ある農夫から、ガンパウダー(火薬)という名前の年とった馬を借りました。やせて骨ばった馬で、片方の目しか見えませんでしたが、まだいくらか気の荒いところが残っていました。イカボッドは、バッタの足のようにひじを突き出して馬にまたがり、得意そうにパーティーへ向かいました。

The party was wonderful. The tables were covered with cakes, pies, ham, and roast chicken. Ichabod ate everything and then danced with Katrina, while Brom Bones watched jealously from a corner. Late in the evening, the old farmers began to tell ghost stories. Brom told one about the Headless Horseman.

パーティーは、すばらしいものでした。テーブルには、ケーキやパイ、ハム、ローストチキンがずらりと並んでいます。イカボッドは何もかもたいらげると、カトリーナと踊りました。ブロム・ボーンズは、部屋のすみからそれをねたましそうに眺めていました。夜もふけると、年寄りの農夫たちが幽霊話を始めました。ブロムは、首なし騎士の話をしました。

"One night I met him on the road," said Brom. "I raced him for a bowl of punch. I was winning, too. But when we reached the bridge by the church, he turned into a ball of fire and disappeared." Everyone knew the story. The Horseman could never cross that bridge.

「ある晩、おれは道であいつに出くわしたんだ」とブロムは言いました。「パンチ一杯を賭けて、あいつと競走した。おれのほうが勝ってたんだぜ。ところが教会のそばの橋まで来たとたん、あいつは火の玉になって消えちまった」その話は、みんなが知っていました。首なし騎士は、あの橋だけは決して渡れないのです。

When the guests left, Ichabod stayed to talk with Katrina. Nobody knows what she said to him. But he came out a few minutes later looking very unhappy, and he rode away alone into the night.

客たちが帰ったあとも、イカボッドは残って、カトリーナと話をしました。カトリーナが何と言ったのかは、誰も知りません。けれども数分後に出てきたイカボッドは、ひどくしょげた顔をしていました。そして一人で、夜の闇の中へ馬を進めていきました。

It was midnight, and the road was dark and silent. All the ghost stories came back into his mind. He passed a great old tree where a spy was hanged long ago. He heard a groan, but it was only two branches rubbing together in the wind. His teeth began to chatter.

真夜中で、道は暗く、静まりかえっていました。これまでに聞いた幽霊話が、次々と頭によみがえってきます。イカボッドは、大きな古い木のそばを通りかかりました。昔、スパイが首をつるされたという木です。うめき声が聞こえましたが、それは風で二本の枝がこすれ合う音にすぎませんでした。イカボッドの歯が、カチカチ鳴りはじめました。

Then, at the edge of a dark stream, Ichabod saw something huge and black. It was a rider on a large black horse. "Who are you?" Ichabod asked in a shaking voice. There was no answer. When Ichabod went faster, the stranger went faster. When he slowed down, the stranger slowed down too.

そのとき、暗い小川のほとりに、何か大きくて黒いものが見えました。大きな黒い馬に乗った騎手でした。「だ、誰だ?」とイカボッドは震える声でたずねました。返事はありません。イカボッドが馬を急がせると、相手も急ぎます。ゆっくり進むと、相手もゆっくりになりました。

They came up a hill, and the stranger's shape stood out against the sky. Ichabod's blood turned to ice. The rider had no head! And the head was resting on the front of his saddle!

丘を登ると、見知らぬ騎手の姿が、空を背にくっきりと浮かび上がりました。イカボッドの血は凍りつきました。その騎手には、首がなかったのです! しかも、その首は、鞍の前にのせてあったのです!

Ichabod kicked Gunpowder hard, and the old horse flew down the road. Stones flew and sparks flashed under its feet. The saddle came loose and fell, but Ichabod held on to the horse's neck. "If I can only reach the bridge," he thought, "I will be safe."

イカボッドがガンパウダーの腹を強くけると、年とった馬は道を飛ぶように駆けだしました。石がはね、ひづめの下で火花が散りました。鞍がはずれて落ちましたが、イカボッドは馬の首にしがみつきました。「橋までたどりつけさえすれば、助かるんだ」とイカボッドは思いました。

Gunpowder thundered across the bridge. Ichabod looked back. The Horseman was rising in his stirrups. He threw his head straight at Ichabod. It hit Ichabod's head with a terrible crash, and he tumbled into the dust. The black horse and its rider passed by like a whirlwind.

ガンパウダーは、ひづめの音をとどろかせて橋を渡りました。イカボッドは振り返りました。首なし騎士が、あぶみの上に立ち上がっていました。そして自分の首を、まっすぐイカボッドめがけて投げつけたのです。首はものすごい音を立ててイカボッドの頭に当たり、イカボッドは土ぼこりの中へ転げ落ちました。黒い馬とその騎手は、つむじ風のように駆け抜けていきました。

The next morning, Gunpowder was found eating grass at his master's gate. People searched the road. They found the saddle in the mud and Ichabod's hat near the stream. Beside the hat lay a smashed pumpkin. But Ichabod himself was never seen in Sleepy Hollow again.

次の朝、ガンパウダーが、持ち主の家の門のところで草を食べているのが見つかりました。人々は道を探して回りました。ぬかるみの中から鞍が、小川のそばからはイカボッドの帽子が見つかりました。帽子のそばには、砕けたカボチャが転がっていました。けれどもイカボッド本人は、二度とスリーピー・ホローに姿を見せませんでした。

Some years later, a farmer said that Ichabod was alive and working as a lawyer in a faraway town. Soon after Ichabod disappeared, Brom Bones married Katrina. Whenever someone told the story of the teacher and the Horseman, Brom looked very wise. And when anyone mentioned the pumpkin, he laughed out loud. But the old women of the valley still say that the ghost carried Ichabod away.

何年かたって、ある農夫が、イカボッドは生きていて、遠くの町で弁護士をしていると話しました。イカボッドがいなくなってまもなく、ブロム・ボーンズはカトリーナと結婚しました。誰かが先生と首なし騎士の話をするたびに、ブロムは、何もかも知っているような顔をしました。そして誰かがカボチャのことを口にすると、大声で笑いだすのでした。けれども谷の年寄りの女たちは、今でも、あの先生は幽霊に連れ去られたのだと言っています。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ハドソン川の近くの静かな谷に、スリーピー・ホローという小さな土地があります。そこでは、空気まで夢をたっぷり含んで、とろんと重たいように感じられます。この谷には幽霊がたくさんいると言われていて、中でもいちばん有名なのが「首なし騎士」です。戦争で、砲弾に首をふき飛ばされた兵士です。毎晩、なくした首を探して、馬を走らせているのだそうです。

二百年ほど前、スリーピー・ホローの学校の先生は、イカボッド・クレーンという男でした。ひょろりと背が高く、とてもやせていて、腕は長く、手は大きく、足はとんでもなく大きかったのです。首は長く、鼻は鳥のくちばしのようでした。風の強い日に丘の上を歩く姿は、トウモロコシ畑から逃げ出してきたかかしのようでした。

イカボッドが何よりも好きなものが、二つありました。おいしい食べ物と、幽霊話です。冬の夜には農家の暖炉のそばに座り、リンゴをかじりながら、幽霊の出る橋や、首のない騎手の話を聞きました。話を聞くと、ぞくぞくして、うれしくてたまりません。けれどもそのあと、暗い夜道を一人で帰るときには、どんな影にも震え上がるのでした。

やがて、イカボッドは恋をしました。相手はカトリーナ・ヴァン・タッセル。十八歳の、かわいらしくて明るい娘です。しかも、大変なお金持ちの農場主の、ひとり娘でした。カトリーナの父親の太ったブタや、作物でいっぱいの納屋や、よく実った畑を見ると、イカボッドの胸はますます熱くなりました。「カトリーナと結婚すれば、これがみんなおれのものになるんだ」とイカボッドは考えました。

ところが、イカボッドには恋がたきがいました。ブロム・ヴァン・ブラントという、大柄で力が強く、声の大きな男です。みんなからは「ブロム・ボーンズ」と呼ばれていました。このあたりでいちばん馬を乗りこなす男で、人にいたずらをするのが大好きでした。ブロムもカトリーナと結婚したかったので、イカボッドをさんざん困らせました。仲間と一緒に学校の煙突をふさいで教室を煙だらけにしたり、イカボッドが歌うと犬がほえるように仕込んだりしたのです。

ある秋の日、イカボッドは、ヴァン・タッセル家の農場で開かれるパーティーに招かれました。イカボッドは、ある農夫から、ガンパウダー(火薬)という名前の年とった馬を借りました。やせて骨ばった馬で、片方の目しか見えませんでしたが、まだいくらか気の荒いところが残っていました。イカボッドは、バッタの足のようにひじを突き出して馬にまたがり、得意そうにパーティーへ向かいました。

パーティーは、すばらしいものでした。テーブルには、ケーキやパイ、ハム、ローストチキンがずらりと並んでいます。イカボッドは何もかもたいらげると、カトリーナと踊りました。ブロム・ボーンズは、部屋のすみからそれをねたましそうに眺めていました。夜もふけると、年寄りの農夫たちが幽霊話を始めました。ブロムは、首なし騎士の話をしました。

「ある晩、おれは道であいつに出くわしたんだ」とブロムは言いました。「パンチ一杯を賭けて、あいつと競走した。おれのほうが勝ってたんだぜ。ところが教会のそばの橋まで来たとたん、あいつは火の玉になって消えちまった」その話は、みんなが知っていました。首なし騎士は、あの橋だけは決して渡れないのです。

客たちが帰ったあとも、イカボッドは残って、カトリーナと話をしました。カトリーナが何と言ったのかは、誰も知りません。けれども数分後に出てきたイカボッドは、ひどくしょげた顔をしていました。そして一人で、夜の闇の中へ馬を進めていきました。

真夜中で、道は暗く、静まりかえっていました。これまでに聞いた幽霊話が、次々と頭によみがえってきます。イカボッドは、大きな古い木のそばを通りかかりました。昔、スパイが首をつるされたという木です。うめき声が聞こえましたが、それは風で二本の枝がこすれ合う音にすぎませんでした。イカボッドの歯が、カチカチ鳴りはじめました。

そのとき、暗い小川のほとりに、何か大きくて黒いものが見えました。大きな黒い馬に乗った騎手でした。「だ、誰だ?」とイカボッドは震える声でたずねました。返事はありません。イカボッドが馬を急がせると、相手も急ぎます。ゆっくり進むと、相手もゆっくりになりました。

丘を登ると、見知らぬ騎手の姿が、空を背にくっきりと浮かび上がりました。イカボッドの血は凍りつきました。その騎手には、首がなかったのです! しかも、その首は、鞍の前にのせてあったのです!

イカボッドがガンパウダーの腹を強くけると、年とった馬は道を飛ぶように駆けだしました。石がはね、ひづめの下で火花が散りました。鞍がはずれて落ちましたが、イカボッドは馬の首にしがみつきました。「橋までたどりつけさえすれば、助かるんだ」とイカボッドは思いました。

ガンパウダーは、ひづめの音をとどろかせて橋を渡りました。イカボッドは振り返りました。首なし騎士が、あぶみの上に立ち上がっていました。そして自分の首を、まっすぐイカボッドめがけて投げつけたのです。首はものすごい音を立ててイカボッドの頭に当たり、イカボッドは土ぼこりの中へ転げ落ちました。黒い馬とその騎手は、つむじ風のように駆け抜けていきました。

次の朝、ガンパウダーが、持ち主の家の門のところで草を食べているのが見つかりました。人々は道を探して回りました。ぬかるみの中から鞍が、小川のそばからはイカボッドの帽子が見つかりました。帽子のそばには、砕けたカボチャが転がっていました。けれどもイカボッド本人は、二度とスリーピー・ホローに姿を見せませんでした。

何年かたって、ある農夫が、イカボッドは生きていて、遠くの町で弁護士をしていると話しました。イカボッドがいなくなってまもなく、ブロム・ボーンズはカトリーナと結婚しました。誰かが先生と首なし騎士の話をするたびに、ブロムは、何もかも知っているような顔をしました。そして誰かがカボチャのことを口にすると、大声で笑いだすのでした。けれども谷の年寄りの女たちは、今でも、あの先生は幽霊に連れ去られたのだと言っています。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Ichabod want to marry Katrina?

Q2. Why did Ichabod want to reach the bridge?

Q3. What did people find next to Ichabod's hat?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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