The Cobbler Turned Doctor(医者になった靴屋)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Cobbler Turned Doctor

医者になった靴屋

  • 📖 622 words
  • ⏱ 約6分
  • 🔊 3:08
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ靴作りがへたで食べていけなくなった靴屋が、知らない町で「どんな毒にもきく薬」を売る名医になりすまします。商売は大成功でしたが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • cobbler靴屋
  • heelsかかと
  • starve飢える
  • cure治す
  • poison毒
  • fever熱
  • governor(町の)長官
  • deadly命にかかわる
  • Citizens市民
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Fenrir)

In a small town, there lived a cobbler who was very bad at his job. The shoes that he made were either too tight or too loose. The heels fell off after a week, and the rain came in through the holes. Soon nobody in the town would buy his shoes, and the cobbler became poorer and poorer.

ある小さな町に、仕事がとても下手な靴屋が住んでいました。この靴屋の作る靴は、きつすぎるか、ゆるすぎるかのどちらかでした。かかとは一週間でとれてしまい、穴から雨がしみこんできます。まもなく町のだれも靴を買ってくれなくなり、靴屋はどんどん貧しくなっていきました。

"I cannot go on like this," he said one night, as he ate a piece of dry bread. "If I stay here, I will starve. I need a new job, one that pays more money and needs less skill." And then he had an idea, and he smiled for the first time in weeks.

「このままじゃやっていけない」と、ある晩、靴屋はかたいパンをかじりながら言いました。「ここにいたら飢え死にしてしまう。新しい仕事が必要だ。もっともうかって、腕前がそれほどいらない仕事が」そのとき、靴屋はひとつ思いついて、何週間ぶりかでにやりと笑いました。

The next morning, he packed his bag and walked to a big town far away, where nobody knew him. There he bought a long black coat, a pair of glasses and some little glass bottles. He filled the bottles with water, added a little sugar and some green coloring from the market, and shook them well. Then he stood in the town square and began to shout.

次の朝、靴屋はかばんに荷物をつめて、遠くの大きな町まで歩いていきました。そこならだれも自分のことを知りません。靴屋は長い黒のコートとめがね、それに小さなガラスびんをいくつか買いました。びんに水を入れ、砂糖を少しと、市場で買った緑の色素を加えて、よく振りました。それから町の広場に立って、大声で呼びかけはじめました。

"Ladies and gentlemen! I am the famous Doctor Felix! I have traveled all over the world, and I have discovered the greatest medicine in history! It works against any poison, from snake bites to bad mushrooms! Only one silver coin a bottle!"

「紳士淑女のみなさん! わたしこそ、かの有名なフェリクス先生です! 世界じゅうを旅して、歴史上もっとも偉大な薬を発見いたしました! ヘビにかまれたときから毒キノコまで、どんな毒にもよくききます! 一びんたったの銀貨一枚!」

At first, people just looked at him. But the cobbler talked and talked, and he told wonderful stories about the kings he had saved and the princesses he had cured. He was a much better talker than he had ever been a shoemaker. Slowly, people began to buy his bottles, and then more people bought them.

はじめのうち、人々はただながめているだけでした。けれども、靴屋はしゃべりにしゃべりました。命を救った王さまの話や、病気を治したお姫さまの話を、それはみごとに語って聞かせたのです。靴作りよりも、話のほうがずっとうまかったのでした。少しずつ、びんを買う人が出てきて、やがてもっと多くの人が買うようになりました。

Soon everyone in the town was talking about the great Doctor Felix. He was invited to the best houses, he wore fine clothes, and he was becoming rich.

まもなく、町じゅうの人々が偉大なフェリクス先生のうわさをするようになりました。靴屋は町いちばんの名家に招かれ、上等な服を着て、どんどん金持ちになっていきました。

Then, one winter, the cobbler became seriously ill and lay in bed with a terrible fever. The news reached the governor of the town, a wise old man who had never quite trusted this famous doctor. "Now we will see how good he really is," the governor said.

ところがある冬、靴屋は重い病気にかかり、ひどい熱を出して寝こんでしまいました。その知らせは、町の長官の耳に入りました。長官は賢い老人で、この有名な医者をはじめからどうも信用していませんでした。「さあ、あいつの腕前が本当はどれほどのものか、見てやろう」と、長官は言いました。

He went to the cobbler's house with two of his guards. He brought a cup of water and one of the doctor's own green bottles. "Doctor Felix," he said, "I have heard that you are sick, so I have brought you a test and a reward. In this cup, I am going to mix some deadly poison." He held his hand over the cup and pretended to drop something into it.

長官は護衛をふたり連れて、靴屋の家へ行きました。水の入ったコップと、医者の緑のびんをひとつ持っていきました。「フェリクス先生」と、長官は言いました。「ご病気だと聞いたので、ためしとごほうびを持ってきましたよ。このコップの中に、猛毒を混ぜます」長官はコップの上に手をかざし、何かを落とすふりをしました。

"Then I will add your famous medicine. If you drink it all, I will give you one hundred gold coins."

「それから、あなたの有名な薬を加えます。これを全部飲みほしたら、金貨百枚をさしあげましょう」

He poured some of the green medicine into the cup and held it out. The cobbler stared at it, and his face became as white as the sheets on his bed. His hands were shaking.

長官は緑の薬を少しコップに注ぎ、差し出しました。靴屋はそれをじっと見つめました。顔はベッドのシーツのように真っ白になり、手はがたがたふるえていました。

"No!" he cried. "Please, sir, do not make me drink it! I will tell you the truth. I am not a doctor, and I know nothing about medicine at all. I am only a poor cobbler, and the medicine is just sugar water. People believed me only because I talked so loudly, and because everyone else believed me too."

「やめてください!」と、靴屋は叫びました。「お願いです、どうか飲ませないでください! 本当のことを申します。わたしは医者などではありません。薬のことは何ひとつ知らないんです。ただの貧しいくつ屋で、あの薬はただの砂糖水です。みんながわたしを信じたのは、わたしが大声でまくしたてたからです。それに、ほかのみんなも信じていたからにすぎないんです」

The governor put the cup down. There had never been any poison in it. Then he called all the people of the town to the square, and he told them everything.

長官はコップを置きました。毒など、はじめから入っていなかったのです。それから長官は町じゅうの人々を広場に呼び集め、すべてを話して聞かせました。

"Citizens," he said, "how could you be so foolish? This man was not good enough to make shoes for your feet, and yet you trusted him with your lives."

「市民諸君」と、長官は言いました。「どうしてそんなにおろかだったのだ? この男は、諸君の足に合う靴さえ作れなかった。それなのに諸君は、自分の命をこの男にあずけていたのだぞ」

The people looked at each other in shame. The next week, the cobbler left the town quietly, and he was never seen there again.

人々は恥ずかしくなって、顔を見合わせました。次の週、靴屋はひっそりと町を去り、二度とその町に姿を見せませんでした。

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ある小さな町に、仕事がとても下手な靴屋が住んでいました。この靴屋の作る靴は、きつすぎるか、ゆるすぎるかのどちらかでした。かかとは一週間でとれてしまい、穴から雨がしみこんできます。まもなく町のだれも靴を買ってくれなくなり、靴屋はどんどん貧しくなっていきました。

「このままじゃやっていけない」と、ある晩、靴屋はかたいパンをかじりながら言いました。「ここにいたら飢え死にしてしまう。新しい仕事が必要だ。もっともうかって、腕前がそれほどいらない仕事が」そのとき、靴屋はひとつ思いついて、何週間ぶりかでにやりと笑いました。

次の朝、靴屋はかばんに荷物をつめて、遠くの大きな町まで歩いていきました。そこならだれも自分のことを知りません。靴屋は長い黒のコートとめがね、それに小さなガラスびんをいくつか買いました。びんに水を入れ、砂糖を少しと、市場で買った緑の色素を加えて、よく振りました。それから町の広場に立って、大声で呼びかけはじめました。

「紳士淑女のみなさん! わたしこそ、かの有名なフェリクス先生です! 世界じゅうを旅して、歴史上もっとも偉大な薬を発見いたしました! ヘビにかまれたときから毒キノコまで、どんな毒にもよくききます! 一びんたったの銀貨一枚!」

はじめのうち、人々はただながめているだけでした。けれども、靴屋はしゃべりにしゃべりました。命を救った王さまの話や、病気を治したお姫さまの話を、それはみごとに語って聞かせたのです。靴作りよりも、話のほうがずっとうまかったのでした。少しずつ、びんを買う人が出てきて、やがてもっと多くの人が買うようになりました。

まもなく、町じゅうの人々が偉大なフェリクス先生のうわさをするようになりました。靴屋は町いちばんの名家に招かれ、上等な服を着て、どんどん金持ちになっていきました。

ところがある冬、靴屋は重い病気にかかり、ひどい熱を出して寝こんでしまいました。その知らせは、町の長官の耳に入りました。長官は賢い老人で、この有名な医者をはじめからどうも信用していませんでした。「さあ、あいつの腕前が本当はどれほどのものか、見てやろう」と、長官は言いました。

長官は護衛をふたり連れて、靴屋の家へ行きました。水の入ったコップと、医者の緑のびんをひとつ持っていきました。「フェリクス先生」と、長官は言いました。「ご病気だと聞いたので、ためしとごほうびを持ってきましたよ。このコップの中に、猛毒を混ぜます」長官はコップの上に手をかざし、何かを落とすふりをしました。

「それから、あなたの有名な薬を加えます。これを全部飲みほしたら、金貨百枚をさしあげましょう」

長官は緑の薬を少しコップに注ぎ、差し出しました。靴屋はそれをじっと見つめました。顔はベッドのシーツのように真っ白になり、手はがたがたふるえていました。

「やめてください!」と、靴屋は叫びました。「お願いです、どうか飲ませないでください! 本当のことを申します。わたしは医者などではありません。薬のことは何ひとつ知らないんです。ただの貧しいくつ屋で、あの薬はただの砂糖水です。みんながわたしを信じたのは、わたしが大声でまくしたてたからです。それに、ほかのみんなも信じていたからにすぎないんです」

長官はコップを置きました。毒など、はじめから入っていなかったのです。それから長官は町じゅうの人々を広場に呼び集め、すべてを話して聞かせました。

「市民諸君」と、長官は言いました。「どうしてそんなにおろかだったのだ? この男は、諸君の足に合う靴さえ作れなかった。それなのに諸君は、自分の命をこの男にあずけていたのだぞ」

人々は恥ずかしくなって、顔を見合わせました。次の週、靴屋はひっそりと町を去り、二度とその町に姿を見せませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Do not trust someone just because he talks well and is popular.

口がうまく評判がいいというだけで、人を信じてはいけない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the cobbler need a new job?

Q2. What was in the cobbler's medicine?

Q3. Why did the cobbler tell the truth?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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