The Good Things and the Bad Things(よいことと悪いこと)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Good Things and the Bad Things

よいことと悪いこと

  • 📖 550 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:48
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじむかし、人間の世界には「よいこと」と「悪いこと」がいっしょに住んでいました。でも数の多い「悪いこと」たちが、「よいこと」を追い出してしまい……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • equally等しく
  • greater in number数が多い
  • bolderよりずうずうしい
  • Jupiterユピテル(神々の王)
  • throne王座
  • in common共通して
  • law決まり、法
  • suffering苦しんでいる
  • existed存在した
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Fenrir)

Long, long ago, when the world was new, the Good Things and the Bad Things lived together on the earth among human beings. Joy, Peace, Health, Kindness and Hope were some of the Good Things. Sadness, Sickness, Anger, Fear and Hunger were some of the Bad Things.

遠い遠い昔、世界がまだできたばかりのころ、「よいもの」たちと「悪いもの」たちは、地上で人間と一緒に暮らしていました。「喜び」「平和」「健康」「親切」「希望」などが「よいもの」でした。「悲しみ」「病気」「怒り」「恐れ」「飢え」などが「悪いもの」でした。

At first, they shared the world equally. In every house there was a little of each. On some days the Good Things were stronger, and on other days the Bad Things were stronger. People never knew what the next day would bring.

はじめのうち、「よいもの」たちと「悪いもの」たちは、世界を平等に分け合っていました。どの家にも、それぞれが少しずついました。「よいもの」のほうが強い日もあれば、「悪いもの」のほうが強い日もありました。人々には、次の日に何がやってくるのか、まったくわかりませんでした。

But there was one big problem. The Bad Things were much greater in number than the Good Things. Every year they grew louder and bolder. They pushed the Good Things out of the best places, and they made fun of them. "Go away!" they shouted. "There is no room for you here. The world belongs to us."

けれども、ひとつ大きな問題がありました。「悪いもの」たちは「よいもの」たちよりも、数がずっと多かったのです。年ごとに、「悪いもの」たちはますます騒がしく、ずうずうしくなっていきました。「よいもの」たちをいちばんよい場所から押し出し、ばかにしました。「出ていけ!」と、「悪いもの」たちはどなりました。「ここにおまえたちの居場所なんかない。世界はおれたちのものだ」

The Good Things tried to fight back, but there were too few of them. One by one, they were pushed out of houses, out of towns and finally off the earth itself. Sadly, they flew up into the sky, higher and higher, until they reached the palace of Jupiter, the king of the gods.

「よいもの」たちは負けずに戦おうとしましたが、あまりにも数が少なすぎました。ひとり、またひとりと、家から、町から、そしてとうとう地上そのものから追い出されてしまいました。「よいもの」たちは悲しみながら空へと飛び上がり、高く高くのぼっていって、ついに神々の王ユピテルの宮殿にたどり着きました。

They stood in front of his great golden throne. "Great Jupiter," said Peace, who spoke for all of them, "please help us. The Bad Things have driven us away from the earth. We have nothing in common with them, and we can never live with them happily. We are always fighting. Please make a law that will protect us from them forever."

「よいもの」たちは、ユピテルの大きな黄金の玉座の前に立ちました。「偉大なるユピテルさま」と、みんなを代表して「平和」が言いました。「どうかわたしたちをお助けください。『悪いもの』たちが、わたしたちを地上から追い払ってしまったのです。わたしたちと『悪いもの』たちとは何ひとつ共通するものがなく、一緒に仲よく暮らすことなど決してできません。いつも争ってばかりいるのです。どうか、わたしたちを『悪いもの』たちから永遠に守ってくださる掟を作ってください」

Jupiter listened carefully. He looked down at the earth, and he saw that what they said was true. The Bad Things were running wild everywhere, and people were suffering.

ユピテルは注意深く耳をかたむけました。そして地上を見下ろし、その言葉が本当だとわかりました。「悪いもの」たちがいたるところで暴れまわり、人々は苦しんでいました。

"I will help you," he said at last. "From now on, you Good Things will live here with me in the sky. You will be safe, and the Bad Things will never be able to touch you again."

「助けてやろう」と、ユピテルはついに言いました。「これからは、おまえたち『よいもの』は、ここ天上でわたしと一緒に暮らすがよい。ここなら安全で、『悪いもの』たちが二度とおまえたちに手を出すことはできないだろう」

The Good Things were full of joy. But then Hope spoke quietly. "Great Jupiter," she said, "if we all stay here, what will happen to the people on the earth? They will have only the Bad Things. They will forget that we ever existed."

「よいもの」たちは喜びでいっぱいになりました。けれどもそのとき、「希望」が静かに口を開きました。「偉大なるユピテルさま」と、「希望」は言いました。「もしわたしたちがみんなここにとどまったら、地上の人間たちはどうなるのでしょう? 人間のそばには『悪いもの』しかいなくなってしまいます。わたしたちがいたことさえ、忘れてしまうでしょう」

Jupiter thought for a long time. Then he made a law that has lasted until today.

ユピテルは長いあいだ考えました。それから、今日まで続いているひとつの掟を作りました。

"The Bad Things," he said, "will stay down on the earth, close to people. They will travel together, in large groups, and they will visit people often. But you Good Things will live up here with me. When it is time, I will send you down to people one at a time. You will not go to everyone in the same way. You will go one by one, and you will visit those who know how to see you."

ユピテルは言いました。「『悪いもの』たちは、地上で、人間のすぐ近くにとどまるがよい。やつらは大勢でかたまって一緒に旅をし、たびたび人間を訪れるだろう。だが、おまえたち『よいもの』は、ここでわたしと一緒に暮らすのだ。時が来たら、わたしがおまえたちをひとりずつ人間のもとへ送り出そう。だれにでも同じように訪れるのではない。ひとりずつ下りていき、おまえたちを見つけることのできる者を訪れるのだ」

And that is how things have been ever since. Bad things live near us, and they often come in groups. When one trouble arrives, another soon follows, and then another. But good things come down from the sky, one at a time. They are quieter than the bad things, and they are easy to miss.

そして、それ以来ずっと、世の中はそうなっています。悪いことはわたしたちの近くに住んでいて、しばしばまとめてやってきます。ひとつ困ったことが起きると、すぐに次がやってきて、さらにまた次がやってきます。けれども、よいことは空から、ひとつずつ下りてきます。よいことは悪いことよりも静かなので、見逃しやすいのです。

So when a good thing comes to you, even a small one, open your eyes and notice it. It has come a long way to find you.

ですから、よいことがあなたのところにやってきたら、それがどんなに小さなことでも、目を開いて気づいてあげてください。それは、あなたを見つけるために、はるばる遠くからやってきたのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

遠い遠い昔、世界がまだできたばかりのころ、「よいもの」たちと「悪いもの」たちは、地上で人間と一緒に暮らしていました。「喜び」「平和」「健康」「親切」「希望」などが「よいもの」でした。「悲しみ」「病気」「怒り」「恐れ」「飢え」などが「悪いもの」でした。

はじめのうち、「よいもの」たちと「悪いもの」たちは、世界を平等に分け合っていました。どの家にも、それぞれが少しずついました。「よいもの」のほうが強い日もあれば、「悪いもの」のほうが強い日もありました。人々には、次の日に何がやってくるのか、まったくわかりませんでした。

けれども、ひとつ大きな問題がありました。「悪いもの」たちは「よいもの」たちよりも、数がずっと多かったのです。年ごとに、「悪いもの」たちはますます騒がしく、ずうずうしくなっていきました。「よいもの」たちをいちばんよい場所から押し出し、ばかにしました。「出ていけ!」と、「悪いもの」たちはどなりました。「ここにおまえたちの居場所なんかない。世界はおれたちのものだ」

「よいもの」たちは負けずに戦おうとしましたが、あまりにも数が少なすぎました。ひとり、またひとりと、家から、町から、そしてとうとう地上そのものから追い出されてしまいました。「よいもの」たちは悲しみながら空へと飛び上がり、高く高くのぼっていって、ついに神々の王ユピテルの宮殿にたどり着きました。

「よいもの」たちは、ユピテルの大きな黄金の玉座の前に立ちました。「偉大なるユピテルさま」と、みんなを代表して「平和」が言いました。「どうかわたしたちをお助けください。『悪いもの』たちが、わたしたちを地上から追い払ってしまったのです。わたしたちと『悪いもの』たちとは何ひとつ共通するものがなく、一緒に仲よく暮らすことなど決してできません。いつも争ってばかりいるのです。どうか、わたしたちを『悪いもの』たちから永遠に守ってくださる掟を作ってください」

ユピテルは注意深く耳をかたむけました。そして地上を見下ろし、その言葉が本当だとわかりました。「悪いもの」たちがいたるところで暴れまわり、人々は苦しんでいました。

「助けてやろう」と、ユピテルはついに言いました。「これからは、おまえたち『よいもの』は、ここ天上でわたしと一緒に暮らすがよい。ここなら安全で、『悪いもの』たちが二度とおまえたちに手を出すことはできないだろう」

「よいもの」たちは喜びでいっぱいになりました。けれどもそのとき、「希望」が静かに口を開きました。「偉大なるユピテルさま」と、「希望」は言いました。「もしわたしたちがみんなここにとどまったら、地上の人間たちはどうなるのでしょう? 人間のそばには『悪いもの』しかいなくなってしまいます。わたしたちがいたことさえ、忘れてしまうでしょう」

ユピテルは長いあいだ考えました。それから、今日まで続いているひとつの掟を作りました。

ユピテルは言いました。「『悪いもの』たちは、地上で、人間のすぐ近くにとどまるがよい。やつらは大勢でかたまって一緒に旅をし、たびたび人間を訪れるだろう。だが、おまえたち『よいもの』は、ここでわたしと一緒に暮らすのだ。時が来たら、わたしがおまえたちをひとりずつ人間のもとへ送り出そう。だれにでも同じように訪れるのではない。ひとりずつ下りていき、おまえたちを見つけることのできる者を訪れるのだ」

そして、それ以来ずっと、世の中はそうなっています。悪いことはわたしたちの近くに住んでいて、しばしばまとめてやってきます。ひとつ困ったことが起きると、すぐに次がやってきて、さらにまた次がやってきます。けれども、よいことは空から、ひとつずつ下りてきます。よいことは悪いことよりも静かなので、見逃しやすいのです。

ですから、よいことがあなたのところにやってきたら、それがどんなに小さなことでも、目を開いて気づいてあげてください。それは、あなたを見つけるために、はるばる遠くからやってきたのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Troubles often come together, but good things come one by one to those who notice them.

悪いことは群れをなしてやって来るが、よいことは一つずつ、気づく人のもとにやって来る。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why were the Good Things pushed off the earth?

Q2. Who worried about the people on the earth?

Q3. How do Good Things come to people now?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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