The North Wind and the Sun(北風と太陽)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The North Wind and the Sun

北風と太陽

  • 📖 575 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:07
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ「どちらが強いか」で言い争う北風と太陽。道を歩く旅人のコートを先にぬがせたほうが勝ち、という勝負をすることになりました。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • argument言い争い
  • contest勝負
  • breezeそよ風
  • buttonedボタンをとめた
  • wrapped巻きつけた
  • sweat汗をかく
  • foreheadひたい
  • force力ずく
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Orus)

High above the earth, the North Wind and the Sun were having an argument. It was an old argument, and they had it every year.

地上のはるか上空で、北風と太陽が言い争いをしていました。昔からの言い争いで、ふたりは毎年同じことをくり返していたのです。

"I am the strongest power in the world," said the North Wind. "When I blow, the trees fall down and the waves rise as high as mountains. Ships are thrown onto the rocks, and even the tallest towers are afraid of me."

「わたしこそ、世界でいちばん強い」と、北風が言いました。「わたしが吹けば、木々は倒れ、波は山のように高くなる。船は岩に打ちつけられ、どんなに高い塔もわたしをおそれるのだ」

"You are strong," said the Sun calmly, "but strength is not everything. I think that I am more powerful than you."

「たしかにきみは強い」と、太陽は落ち着いて言いました。「でも、力がすべてではないよ。わたしは、自分のほうがきみより上だと思うね」

The North Wind laughed so hard that a storm started in the sea below. "You? You just sit there and shine all day. What can you do?"

北風があまりに大笑いしたので、下の海で嵐が起こりました。「きみが? きみは一日じゅうそこにいて、照っているだけじゃないか。何ができるっていうんだい?」

The Sun looked down at the earth. On a long road between the hills, a traveler was walking in a thick wool coat. "Let us have a contest," said the Sun. "Do you see that man? Whoever can make him take off his coat is the stronger one."

太陽は地上を見下ろしました。丘のあいだの長い道を、厚いウールのコートを着た旅人がひとり歩いていました。「勝負をしよう」と、太陽は言いました。「あの男が見えるかい? あの男にコートを脱がせたほうが強い、ということにしよう」

"That is easy," said the North Wind. "I will have his coat off in a minute. Watch me."

「そんなのかんたんさ」と、北風は言いました。「一分であいつのコートをはぎ取ってやるよ。見ていたまえ」

The Sun went behind a cloud, and the North Wind began to blow. At first, it was only a cold breeze. The traveler felt it on his face and pulled his coat a little tighter. "Hmm," said the North Wind. "He is stronger than I thought."

太陽は雲のかげにかくれ、北風が吹きはじめました。はじめは、ただの冷たいそよ風でした。旅人は顔に風を感じて、コートの前を少しかき合わせました。「ふむ」と、北風は言いました。「思ったよりしぶといな」

He took a deep breath and blew harder, until the grass bent flat on the ground and leaves flew off the trees. The traveler's hat was blown away down the road, but he only buttoned his coat up to his chin.

北風は深く息を吸いこみ、さらに強く吹きました。草は地面にぺたりとなびき、木々から葉が飛び散りました。旅人の帽子は道の向こうへ吹き飛ばされましたが、旅人はコートのボタンをあごまでとめただけでした。

Now the North Wind was angry, and he blew with all his strength. The wind screamed through the hills, branches broke, and dust filled the air. Ice began to fall from the sky, and the poor traveler could hardly stand. But the harder the wind blew, the more tightly he held his coat. He wrapped it tightly around himself and held it closed with both hands.

北風はかっとなって、力いっぱい吹きました。風は丘のあいだをうなりを上げて吹きぬけ、枝は折れ、土ぼこりがあたりにたちこめました。空から氷が降りはじめ、かわいそうな旅人は立っているのもやっとです。けれども風が強く吹けば吹くほど、旅人はますますしっかりとコートを押さえました。コートを体にぴったりと巻きつけ、両手で前を閉じあわせました。

"What terrible weather," the traveler said through his teeth. "I am glad that I wore my warmest coat today."

「なんてひどい天気だ」と、旅人は歯をくいしばりながら言いました。「今日はいちばん暖かいコートを着てきてよかった」

At last the North Wind had to stop, because he was completely out of breath. "It is impossible," he said. "Nobody could get that coat off him. Go on, then. Let us see you try."

とうとう北風は、吹くのをやめるしかありませんでした。すっかり息が切れてしまったのです。「無理だ」と、北風は言いました。「だれにもあいつのコートを脱がせることなんかできやしない。さあ、それなら、きみがやってみせてくれよ」

The Sun came out from behind the cloud. He did not shout, and he did not push. He simply began to shine, gently and warmly, on the traveler's head and shoulders.

太陽が雲のかげから出てきました。太陽はどなりもしなければ、力ずくで何かをしようともしませんでした。ただ、旅人の頭と肩を、やさしく暖かく照らしはじめただけでした。

The traveler looked up in surprise. "Well, that is much better," he said. He let go of his coat and unbuttoned it. The Sun shone a little more warmly, and the traveler took off his scarf. The Sun shone more warmly still, and the traveler began to sweat.

旅人はおどろいて空を見上げました。「おや、ずいぶんよくなったな」と、旅人は言いました。そしてコートから手をはなし、ボタンをはずしました。太陽がもう少し暖かく照ると、旅人はマフラーをはずしました。太陽がさらに暖かく照ると、旅人は汗をかきはじめました。

"My goodness," he said, wiping his forehead. "How quickly the weather changes!" He took off his heavy coat and put it over his arm.

「やれやれ」と、旅人はひたいをぬぐいながら言いました。「なんて天気の変わりやすいことだ!」旅人は重いコートを脱いで、腕にかけました。

And still the Sun shone, warmer and warmer, until the road was hot under the traveler's feet. Not far ahead, there was a cool, clear river. The traveler ran to it, took off the rest of his clothes and jumped into the water with a shout of joy.

それでも太陽は照りつづけ、どんどん暖かくなって、とうとう足もとの道が熱くなるほどになりました。少し先に、冷たく澄んだ川が流れていました。旅人はそこへかけていき、残りの服を脱ぐと、歓声をあげて水の中に飛びこみました。

The North Wind said nothing for a long time. Then he quietly blew away to the north. The Sun smiled and went on shining, because he had won the contest without using any force at all.

北風は長いあいだ何も言いませんでした。それから、そっと北のほうへ吹き去っていきました。太陽はほほえんで、照りつづけました。力ずくのことは何ひとつせずに、勝負に勝ったのですから。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

地上のはるか上空で、北風と太陽が言い争いをしていました。昔からの言い争いで、ふたりは毎年同じことをくり返していたのです。

「わたしこそ、世界でいちばん強い」と、北風が言いました。「わたしが吹けば、木々は倒れ、波は山のように高くなる。船は岩に打ちつけられ、どんなに高い塔もわたしをおそれるのだ」

「たしかにきみは強い」と、太陽は落ち着いて言いました。「でも、力がすべてではないよ。わたしは、自分のほうがきみより上だと思うね」

北風があまりに大笑いしたので、下の海で嵐が起こりました。「きみが? きみは一日じゅうそこにいて、照っているだけじゃないか。何ができるっていうんだい?」

太陽は地上を見下ろしました。丘のあいだの長い道を、厚いウールのコートを着た旅人がひとり歩いていました。「勝負をしよう」と、太陽は言いました。「あの男が見えるかい? あの男にコートを脱がせたほうが強い、ということにしよう」

「そんなのかんたんさ」と、北風は言いました。「一分であいつのコートをはぎ取ってやるよ。見ていたまえ」

太陽は雲のかげにかくれ、北風が吹きはじめました。はじめは、ただの冷たいそよ風でした。旅人は顔に風を感じて、コートの前を少しかき合わせました。「ふむ」と、北風は言いました。「思ったよりしぶといな」

北風は深く息を吸いこみ、さらに強く吹きました。草は地面にぺたりとなびき、木々から葉が飛び散りました。旅人の帽子は道の向こうへ吹き飛ばされましたが、旅人はコートのボタンをあごまでとめただけでした。

北風はかっとなって、力いっぱい吹きました。風は丘のあいだをうなりを上げて吹きぬけ、枝は折れ、土ぼこりがあたりにたちこめました。空から氷が降りはじめ、かわいそうな旅人は立っているのもやっとです。けれども風が強く吹けば吹くほど、旅人はますますしっかりとコートを押さえました。コートを体にぴったりと巻きつけ、両手で前を閉じあわせました。

「なんてひどい天気だ」と、旅人は歯をくいしばりながら言いました。「今日はいちばん暖かいコートを着てきてよかった」

とうとう北風は、吹くのをやめるしかありませんでした。すっかり息が切れてしまったのです。「無理だ」と、北風は言いました。「だれにもあいつのコートを脱がせることなんかできやしない。さあ、それなら、きみがやってみせてくれよ」

太陽が雲のかげから出てきました。太陽はどなりもしなければ、力ずくで何かをしようともしませんでした。ただ、旅人の頭と肩を、やさしく暖かく照らしはじめただけでした。

旅人はおどろいて空を見上げました。「おや、ずいぶんよくなったな」と、旅人は言いました。そしてコートから手をはなし、ボタンをはずしました。太陽がもう少し暖かく照ると、旅人はマフラーをはずしました。太陽がさらに暖かく照ると、旅人は汗をかきはじめました。

「やれやれ」と、旅人はひたいをぬぐいながら言いました。「なんて天気の変わりやすいことだ!」旅人は重いコートを脱いで、腕にかけました。

それでも太陽は照りつづけ、どんどん暖かくなって、とうとう足もとの道が熱くなるほどになりました。少し先に、冷たく澄んだ川が流れていました。旅人はそこへかけていき、残りの服を脱ぐと、歓声をあげて水の中に飛びこみました。

北風は長いあいだ何も言いませんでした。それから、そっと北のほうへ吹き去っていきました。太陽はほほえんで、照りつづけました。力ずくのことは何ひとつせずに、勝負に勝ったのですから。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Kindness and gentleness are stronger than force.

力ずくより、やさしさのほうが人を動かす。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What was the contest?

Q2. What did the traveler do when the wind blew harder?

Q3. How did the Sun win?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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