The Wolf and the Lamb(オオカミと子羊)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Wolf and the Lamb

オオカミと子羊

  • 📖 565 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:52
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ群れからはぐれて小川の水を飲んでいた子羊の前に、腹ぺこのオオカミが現れます。オオカミは「食べる理由」を探して、次々に言いがかりをつけますが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • flock(羊の)群れ
  • wanderedさまよった
  • froze固まった
  • insulted侮辱した
  • cleared his throatせきばらいをした
  • thiefどろぼう
  • ashamed恥ずかしく思って
  • shepherd羊飼い
音声に合わせて文が光ります0:00 / 2:52

Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Orus)

On a quiet morning in spring, a young lamb wandered away from his flock. He had been born only a few weeks before, and everything in the world was new to him. He followed a yellow butterfly across the field, and then another one. When he finally looked up, the other sheep were gone.

春の静かな朝、一匹の子ヒツジが群れからはぐれてしまいました。生まれてまだほんの数週間で、目に入るものは何もかも初めてのものばかりです。子ヒツジは黄色いチョウを追いかけて野原を横切り、それからまた別のチョウを追いかけました。ようやく顔を上げたときには、ほかのヒツジたちはどこにもいませんでした。

At first the lamb was not afraid, because he had never met a dangerous animal before. He found a little stream at the bottom of a hill, and the water was bright and clear. He bent down his head and began to drink. He did not know that a pair of hungry eyes was watching him from the trees.

はじめのうち、子ヒツジはこわくありませんでした。危ない動物に一度も会ったことがなかったからです。丘のふもとに小川を見つけると、水はきらきらと澄んでいました。子ヒツジは頭を下げて水を飲みはじめました。木々のあいだから、おなかをすかせた二つの目がこちらを見ていることなど、知りもしませんでした。

The eyes belonged to a gray wolf who had not eaten for three days. He was thin, and his stomach was making loud noises. "What luck," he thought. "A fat little lamb, all alone." But this wolf was proud of himself. He liked to think that he was a fair animal, not a common killer.

それは、三日間何も食べていない灰色のオオカミの目でした。オオカミはやせこけていて、おなかがぐうぐう鳴っていました。「なんて運がいいんだ」と、オオカミは思いました。「太った子ヒツジが、ひとりぼっちでいるぞ」けれども、このオオカミはプライドの高いオオカミでした。自分はそこらの殺し屋とは違う、筋の通った動物なのだと思いたかったのです。

"I will not simply jump on him," he decided. "First, I will find a good reason. Then nobody can say that I was wrong."

「いきなり飛びかかるのはやめておこう」と、オオカミは決めました。「まず、もっともな理由を見つけるんだ。そうすれば、だれにも文句は言わせない」

The wolf stepped out of the shadows and walked slowly down to the stream. When the lamb saw him, he froze, and his little legs began to shake.

オオカミは物かげから出て、ゆっくりと小川へ下りていきました。子ヒツジはオオカミを見ると、その場に凍りつき、小さな足がふるえはじめました。

"You there!" the wolf said in a deep voice. "I know who you are. Last year, you said terrible things about me. You insulted me in front of the whole forest."

「おい、そこのおまえ!」と、オオカミは低い声で言いました。「おまえのことは知っているぞ。去年、おまえはおれの悪口をさんざん言った。森じゅうのみんなの前で、おれに恥をかかせたんだ」

The lamb blinked in surprise. "I am very sorry, sir," he said softly, "but that cannot be true. Last year I was not even born. I have only been alive for six weeks."

子ヒツジはおどろいて目をぱちぱちさせました。「本当に申しわけありません」と、子ヒツジは小さな声で言いました。「でも、そんなはずはありません。去年はぼく、まだ生まれてもいませんでした。生まれてから、まだ六週間しかたっていないんです」

The wolf had not expected this answer. He cleared his throat and tried again. "Well, then, you have been eating the grass in my field. That field belongs to me, and you are a thief."

オオカミは、こんな答えが返ってくるとは思っていませんでした。せきばらいをして、言い方を変えました。「それなら、おまえはおれの野原の草を食べているな。あの野原はおれのものだ。おまえはどろぼうだ」

"But sir," said the lamb, "I have never eaten grass in my life. I am too young for grass, and my teeth are still very small."

「でも、オオカミさん」と、子ヒツジは言いました。「ぼくは生まれてから一度も草を食べたことがありません。草を食べるにはまだ小さすぎるし、歯もまだとても小さいんです」

The wolf's ears turned red, because this was more difficult than he had thought. He looked around, and then his eyes fell on the stream. "Aha!" he cried. "You are drinking from my stream. You are making my water dirty, and now I cannot drink it."

オオカミの耳が赤くなりました。思っていたよりもむずかしいのです。あたりを見まわすと、小川が目にとまりました。「そうだ!」と、オオカミは叫びました。「おまえはおれの小川の水を飲んでいるな。おまえのせいで水がにごって、おれが飲めなくなったじゃないか」

The lamb looked at the water, and then he looked at the wolf. "Excuse me, sir, but the water runs from you to me, not from me to you. Besides, I have never really drunk water before today. My mother's milk has always been my food and my drink."

子ヒツジは水を見て、それからオオカミを見ました。「失礼ですが、水はあなたのほうからぼくのほうへ流れています。ぼくのほうからあなたのほうへではありません。それに、ぼくは今日まで、水をほとんど飲んだことがないんです。ぼくの食べ物も飲み物も、いつもお母さんのお乳でしたから」

For a moment the forest was so silent that even the birds stopped singing. The lamb had answered everything the wolf said, and every answer was true. A better animal would have felt ashamed. But the wolf only showed his long white teeth.

一瞬、森はしんと静まりかえり、鳥たちまでが歌うのをやめました。子ヒツジはオオカミの言いがかりにひとつ残らず答え、その答えはどれも本当でした。まともな動物なら、恥ずかしくなったことでしょう。けれどもオオカミは、長くて白い歯をむき出しにしただけでした。

"You are a very clever little lamb," he said. "You have an answer for everything. But I have an answer too. I am hungry, and I am not going to miss my dinner just because you are good at talking."

「おまえはずいぶん賢い子ヒツジだな」と、オオカミは言いました。「何を言っても、ちゃんと答えが返ってくる。だが、おれにも答えがあるんだ。おれは腹がへっている。おまえの口が達者だからといって、夕食をのがすつもりはないんだよ」

Before the lamb could run, the wolf jumped. That evening, the shepherd searched the hills and called again and again, but his lamb never came home. And the wolf, lying in his dark cave, told himself that he had done nothing wrong.

子ヒツジが逃げるより早く、オオカミは飛びかかりました。その晩、羊飼いは丘じゅうをさがし、何度も何度も呼びましたが、子ヒツジは二度と帰ってきませんでした。そしてオオカミは暗いほら穴に寝そべりながら、自分は何も悪いことはしていないと、自分に言い聞かせていました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

春の静かな朝、一匹の子ヒツジが群れからはぐれてしまいました。生まれてまだほんの数週間で、目に入るものは何もかも初めてのものばかりです。子ヒツジは黄色いチョウを追いかけて野原を横切り、それからまた別のチョウを追いかけました。ようやく顔を上げたときには、ほかのヒツジたちはどこにもいませんでした。

はじめのうち、子ヒツジはこわくありませんでした。危ない動物に一度も会ったことがなかったからです。丘のふもとに小川を見つけると、水はきらきらと澄んでいました。子ヒツジは頭を下げて水を飲みはじめました。木々のあいだから、おなかをすかせた二つの目がこちらを見ていることなど、知りもしませんでした。

それは、三日間何も食べていない灰色のオオカミの目でした。オオカミはやせこけていて、おなかがぐうぐう鳴っていました。「なんて運がいいんだ」と、オオカミは思いました。「太った子ヒツジが、ひとりぼっちでいるぞ」けれども、このオオカミはプライドの高いオオカミでした。自分はそこらの殺し屋とは違う、筋の通った動物なのだと思いたかったのです。

「いきなり飛びかかるのはやめておこう」と、オオカミは決めました。「まず、もっともな理由を見つけるんだ。そうすれば、だれにも文句は言わせない」

オオカミは物かげから出て、ゆっくりと小川へ下りていきました。子ヒツジはオオカミを見ると、その場に凍りつき、小さな足がふるえはじめました。

「おい、そこのおまえ!」と、オオカミは低い声で言いました。「おまえのことは知っているぞ。去年、おまえはおれの悪口をさんざん言った。森じゅうのみんなの前で、おれに恥をかかせたんだ」

子ヒツジはおどろいて目をぱちぱちさせました。「本当に申しわけありません」と、子ヒツジは小さな声で言いました。「でも、そんなはずはありません。去年はぼく、まだ生まれてもいませんでした。生まれてから、まだ六週間しかたっていないんです」

オオカミは、こんな答えが返ってくるとは思っていませんでした。せきばらいをして、言い方を変えました。「それなら、おまえはおれの野原の草を食べているな。あの野原はおれのものだ。おまえはどろぼうだ」

「でも、オオカミさん」と、子ヒツジは言いました。「ぼくは生まれてから一度も草を食べたことがありません。草を食べるにはまだ小さすぎるし、歯もまだとても小さいんです」

オオカミの耳が赤くなりました。思っていたよりもむずかしいのです。あたりを見まわすと、小川が目にとまりました。「そうだ!」と、オオカミは叫びました。「おまえはおれの小川の水を飲んでいるな。おまえのせいで水がにごって、おれが飲めなくなったじゃないか」

子ヒツジは水を見て、それからオオカミを見ました。「失礼ですが、水はあなたのほうからぼくのほうへ流れています。ぼくのほうからあなたのほうへではありません。それに、ぼくは今日まで、水をほとんど飲んだことがないんです。ぼくの食べ物も飲み物も、いつもお母さんのお乳でしたから」

一瞬、森はしんと静まりかえり、鳥たちまでが歌うのをやめました。子ヒツジはオオカミの言いがかりにひとつ残らず答え、その答えはどれも本当でした。まともな動物なら、恥ずかしくなったことでしょう。けれどもオオカミは、長くて白い歯をむき出しにしただけでした。

「おまえはずいぶん賢い子ヒツジだな」と、オオカミは言いました。「何を言っても、ちゃんと答えが返ってくる。だが、おれにも答えがあるんだ。おれは腹がへっている。おまえの口が達者だからといって、夕食をのがすつもりはないんだよ」

子ヒツジが逃げるより早く、オオカミは飛びかかりました。その晩、羊飼いは丘じゅうをさがし、何度も何度も呼びましたが、子ヒツジは二度と帰ってきませんでした。そしてオオカミは暗いほら穴に寝そべりながら、自分は何も悪いことはしていないと、自分に言い聞かせていました。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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A bully will always find an excuse.

力で押し通す者は、いつでも言いわけを見つけ出す。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why didn't the wolf jump on the lamb at once?

Q2. Why could the lamb not have insulted the wolf last year?

Q3. What did the wolf finally do?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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