The Two Enemies on the Ship(かたきどうし)の挿絵
Level 2 Elementaryイソップ物語

The Two Enemies on the Ship

かたきどうし

  • 📖 454 words
  • ⏱ 約6分
  • 🔊 2:40
  • YL 1.0–1.4
  • 英検3級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじたがいに大きらいな二人の男が、同じ船に乗りあわせました。一人は船の前のはしに、もう一人は後ろのはしにすわります。そこへ嵐が来て……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(7語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • enemies敵どうし
  • ship船
  • front前、先頭
  • back後ろ
  • storm嵐
  • sink沈む
  • captain船長
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Zephyr)

Mr. Red and Mr. Blue were enemies. Nobody knew why anymore. Maybe it started with a fight about a fence. Maybe it started with a fight about a cow. But for twenty years, the two men hated each other. They never spoke. When one walked into a room, the other walked out.

レッドさんとブルーさんは、かたき同士でした。なぜなのかは、もうだれにもわかりません。もしかすると、さくのことでけんかしたのが始まりだったのかもしれません。もしかすると、牛のことでけんかしたのが始まりだったのかもしれません。とにかく二十年間、ふたりはお互いを憎み合っていました。一度も口をきいたことがありません。片方が部屋に入ってくると、もう片方は部屋から出ていきました。

One day, both of them needed to travel to the same city across the sea. And, by bad luck, there was only one ship. When Mr. Red got on the ship, he saw Mr. Blue. When Mr. Blue saw Mr. Red, his face became dark.

ある日、ふたりとも、海の向こうの同じ町へ行かなくてはならなくなりました。そして運の悪いことに、船は一そうしかありませんでした。レッドさんは船に乗り込むと、ブルーさんがいるのに気づきました。ブルーさんもレッドさんを見ると、顔をくもらせました。

"I am not going to sit near him," said Mr. Red. So he went to the very back of the ship and sat down there.

「あいつの近くには座らないぞ」と、レッドさんは言いました。そして船のいちばん後ろへ行って、そこに座りました。

"I am not going to sit near him," said Mr. Blue. So he went to the very front of the ship and sat down there. Now they were as far apart as possible.

「あいつの近くには座らないぞ」と、ブルーさんも言いました。そして船のいちばん前へ行って、そこに座りました。これでふたりは、できるかぎり離れたことになりました。

For the first day, the sea was calm. But on the second day, the sky turned black. A terrible storm came. The wind was screaming, and huge waves were crashing over the ship. Water was coming in everywhere. "We are going to sink!" shouted the sailors. Everyone was running around and crying.

最初の日、海は穏やかでした。ところが二日目、空が真っ暗になりました。ひどい嵐がやって来たのです。風はうなり声を上げ、巨大な波が船の上に打ち寄せました。あちこちから水が入ってきます。「沈むぞ!」と、船乗りたちが叫びました。みんなが走り回り、泣きさけんでいました。

Mr. Red was holding onto the back of the ship. He saw the captain running past. He took hold of the captain's arm.

レッドさんは、船の後ろにしがみついていました。そこへ船長が走ってきたので、その腕をつかみました。

"Captain!" he shouted over the wind. "Tell me one thing! Is the ship going to sink?"

「船長!」と、レッドさんは風に負けない大声で叫びました。「ひとつだけ教えてくれ! 船は沈むのか?」

"I am afraid so!" shouted the captain.

「残念ながら、そうだ!」と、船長は叫びました。

"Then tell me," said Mr. Red, "which end of the ship will go down first? The front or the back?"

「それなら教えてくれ」と、レッドさんは言いました。「船のどっちの端が先に沈むんだ? 前か、後ろか?」

The captain looked at him strangely. "The front, I think!" he said. "The front is lower in the water!"

船長は、けげんな顔でレッドさんを見ました。「前だと思う!」と、船長は言いました。「前のほうが、深く水につかっているからな!」

Then a strange thing happened. Mr. Red smiled. "Ah, good," he said. "Then I am not afraid to die. My enemy will die before me. I will have the pleasure of watching him go down first!"

そのとき、おかしなことが起こりました。レッドさんが、にっこりしたのです。「ああ、よかった」と、レッドさんは言いました。「それなら、死ぬのは怖くない。かたきのほうが、わたしより先に死ぬんだ。あいつが先に沈んでいくのを、見物できるぞ!」

The captain could not believe his ears. "You foolish man!" he shouted. "The whole ship is going down! Both of you are going to drown! Stop thinking about your enemy and help us throw out the water!"

船長は、自分の耳が信じられませんでした。「この大ばか者!」と、船長は叫びました。「船ごと沈むんだぞ! あんたたちは、ふたりともおぼれ死ぬんだ! かたきのことなんか考えるのはやめて、水をかい出すのを手伝え!」

Mr. Red looked at the captain. Then he looked at the water around his feet. Suddenly, he understood. He picked up a bucket and started to work. At the front of the ship, Mr. Blue picked up a bucket too.

レッドさんは船長を見ました。それから、足もとの水を見ました。突然、わかったのです。レッドさんはバケツを手に取って、水をかい出しはじめました。船の前のほうでは、ブルーさんもバケツを手に取っていました。

All night, the two men worked side by side with the sailors. In the morning, the storm was over, and the ship was still floating. Mr. Red and Mr. Blue looked at each other, tired and wet. And for the first time in twenty years, they said, "Good morning."

ひと晩じゅう、ふたりは船乗りたちと一緒に、並んで働きました。朝になると嵐は収まり、船はまだ浮かんでいました。レッドさんとブルーさんは、疲れ果てて、びしょぬれのまま、お互いの顔を見ました。そして二十年ぶりに、ふたりは「おはよう」と言いました。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

レッドさんとブルーさんは、かたき同士でした。なぜなのかは、もうだれにもわかりません。もしかすると、さくのことでけんかしたのが始まりだったのかもしれません。もしかすると、牛のことでけんかしたのが始まりだったのかもしれません。とにかく二十年間、ふたりはお互いを憎み合っていました。一度も口をきいたことがありません。片方が部屋に入ってくると、もう片方は部屋から出ていきました。

ある日、ふたりとも、海の向こうの同じ町へ行かなくてはならなくなりました。そして運の悪いことに、船は一そうしかありませんでした。レッドさんは船に乗り込むと、ブルーさんがいるのに気づきました。ブルーさんもレッドさんを見ると、顔をくもらせました。

「あいつの近くには座らないぞ」と、レッドさんは言いました。そして船のいちばん後ろへ行って、そこに座りました。

「あいつの近くには座らないぞ」と、ブルーさんも言いました。そして船のいちばん前へ行って、そこに座りました。これでふたりは、できるかぎり離れたことになりました。

最初の日、海は穏やかでした。ところが二日目、空が真っ暗になりました。ひどい嵐がやって来たのです。風はうなり声を上げ、巨大な波が船の上に打ち寄せました。あちこちから水が入ってきます。「沈むぞ!」と、船乗りたちが叫びました。みんなが走り回り、泣きさけんでいました。

レッドさんは、船の後ろにしがみついていました。そこへ船長が走ってきたので、その腕をつかみました。

「船長!」と、レッドさんは風に負けない大声で叫びました。「ひとつだけ教えてくれ! 船は沈むのか?」

「残念ながら、そうだ!」と、船長は叫びました。

「それなら教えてくれ」と、レッドさんは言いました。「船のどっちの端が先に沈むんだ? 前か、後ろか?」

船長は、けげんな顔でレッドさんを見ました。「前だと思う!」と、船長は言いました。「前のほうが、深く水につかっているからな!」

そのとき、おかしなことが起こりました。レッドさんが、にっこりしたのです。「ああ、よかった」と、レッドさんは言いました。「それなら、死ぬのは怖くない。かたきのほうが、わたしより先に死ぬんだ。あいつが先に沈んでいくのを、見物できるぞ!」

船長は、自分の耳が信じられませんでした。「この大ばか者!」と、船長は叫びました。「船ごと沈むんだぞ! あんたたちは、ふたりともおぼれ死ぬんだ! かたきのことなんか考えるのはやめて、水をかい出すのを手伝え!」

レッドさんは船長を見ました。それから、足もとの水を見ました。突然、わかったのです。レッドさんはバケツを手に取って、水をかい出しはじめました。船の前のほうでは、ブルーさんもバケツを手に取っていました。

ひと晩じゅう、ふたりは船乗りたちと一緒に、並んで働きました。朝になると嵐は収まり、船はまだ浮かんでいました。レッドさんとブルーさんは、疲れ果てて、びしょぬれのまま、お互いの顔を見ました。そして二十年ぶりに、ふたりは「おはよう」と言いました。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Hate can make people forget what is really important.

憎しみは、本当に大切なものを見えなくする。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the two men sit far apart?

Q2. What did the man at the back ask the captain?

Q3. Why was the man at the back happy?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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