The Prince and the Painted Lion(王子と絵のライオン)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Prince and the Painted Lion

王子と絵のライオン

  • 📖 543 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:51
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ「王子はライオンに殺される」という夢を見た王さまは、王子を宮殿に閉じこめてしまいます。壁にはライオンの絵がかかっていて……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(10語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • prince王子
  • warrior戦士
  • palace宮殿
  • fountains噴水
  • decorateかざる
  • life-sized実物大の
  • thornsとげ
  • swollenはれた
  • fever高い熱
  • wept泣いた(weepの過去形)
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Fenrir)

There was once a king who had only one son. The young prince was strong and brave, and he loved hunting, riding and practicing with his sword. He dreamed of one day becoming a great warrior.

昔、ひとり息子しかいない王さまがいました。若い王子は強くて勇敢で、狩りや乗馬や剣の稽古が大好きでした。王子はいつか偉大な戦士になることを夢見ていました。

One night, the king had a terrible dream. In the dream, a voice told him that his son would be killed by a lion. The king woke up shaking, with his face wet with tears. "It was only a dream," he told himself. But he could not forget it.

ある夜、王さまは恐ろしい夢を見ました。夢の中で、ある声が、王子はライオンに殺されるだろうと告げたのです。王さまはふるえながら目を覚ましました。顔は涙でぬれていました。「ただの夢だ」と、王さまは自分に言い聞かせました。けれども、その夢を忘れることができませんでした。

The next morning, the king made a decision. "My son will not go hunting any more," he said. "I will build him a beautiful palace, and he will stay inside it, where no lion can ever reach him."

次の朝、王さまはある決心をしました。「王子にはもう狩りには行かせない」と、王さまは言いました。「王子のために美しい宮殿を建てて、その中にいさせるのだ。そこならライオンは決して近づけない」

Soon a new palace was built. It had lovely gardens, fountains and high walls all around it. To make his son happy, the king asked the best painters in the land to decorate the walls. They painted life-sized pictures of all kinds of animals. There were horses and deer, bears and wolves, and on one wall there was a huge golden lion. It looked so real that it almost seemed to breathe.

まもなく新しい宮殿が建てられました。そこにはすてきな庭や噴水があり、まわりはぐるりと高い壁で囲まれていました。王子を喜ばせるため、王さまは国でいちばんの画家たちに、壁を飾るように頼みました。画家たちは、あらゆる種類の動物を実物大で描きました。馬やシカ、クマやオオカミがいて、ひとつの壁には巨大な金色のライオンが描かれていました。それはあまりに本物そっくりで、今にも息をしそうに見えました。

The prince was moved into the palace, and the doors were locked behind him. At first he tried to be patient. But the days were long and empty. He could not ride, he could not hunt, and he could not see his friends. He walked around and around the gardens until he knew every stone.

王子は宮殿に移され、外から鍵をかけられてしまいました。はじめのうち、王子は我慢しようとしました。けれども毎日は長く、むなしいものでした。馬にも乗れず、狩りもできず、友だちにも会えませんでした。王子は庭をぐるぐると歩き回り、とうとう石のひとつひとつまで覚えてしまいました。

One afternoon, he stopped in front of the painted lion. He looked at its proud face and its sharp teeth, and all his anger burst out.

ある日の午後、王子は描かれたライオンの前で立ち止まりました。そのほこらしげな顔と鋭い歯を見ているうちに、怒りがいっぺんに爆発しました。

"You!" he shouted. "You are the worst animal in the world! Because of you, and because of my father's foolish dream, I am locked up in this palace like a bird in a cage. What shall I do to you?"

「おまえめ!」と、王子は叫びました。「おまえは世界でいちばん悪い動物だ! おまえのせいで、そして父上のばかげた夢のせいで、ぼくはかごの鳥みたいにこの宮殿に閉じこめられているんだ。おまえをどうしてくれようか?」

He looked around for something to hit the lion with. Near the wall there was a small tree covered with sharp thorns. The prince reached out to break off a branch, so that he could beat the picture with it. But as he grabbed the branch, a long thorn went deep into his finger.

王子はライオンをたたくものはないかと、あたりを見回しました。壁の近くに、鋭いとげにおおわれた小さな木がありました。王子はその枝を折って絵をたたいてやろうと、手をのばしました。ところが枝をつかんだとき、長いとげが一本、指の奥深くに刺さってしまいました。

"Ow!" he cried, and he pulled his hand away. A drop of blood ran down his finger. "It is nothing," he said, and he went back inside.

「いたっ!」と叫んで、王子は手を引っこめました。血がひとしずく、指をつたって流れました。「たいしたことはない」と言って、王子は中にもどっていきました。

But it was not nothing. By evening, his finger had become red and swollen. By the next morning, his whole hand was hot and painful. Then a terrible fever came over him. The best doctors in the kingdom were called, and the king sat by his son's bed day and night. But nothing could be done. A few days later, the young prince closed his eyes for the last time.

ところが、たいしたことがないどころではありませんでした。夕方には、指は赤くはれ上がっていました。次の朝には、手全体が熱をもって痛んでいました。それから、王子はひどい熱を出しました。王国じゅうでいちばんの医者たちが呼ばれ、王さまは昼も夜も息子の枕もとに付きそいました。けれども、どうすることもできませんでした。数日後、若い王子は永遠に目を閉じました。

The king sat alone in the silent palace. He looked up at the painted lion on the wall, and he wept.

王さまはひっそりと静まりかえった宮殿に、ひとりで座っていました。そして壁に描かれたライオンを見上げて、泣きました。

"I tried so hard to keep him safe," he whispered. "I locked him away from every danger in the world. And still the dream came true."

「あの子を守ろうと、あれほど手をつくしたのに」と、王さまはささやきました。「世界じゅうのあらゆる危険から遠ざけて閉じこめたのに。それでも夢は本当になってしまった」

He understood too late that no one can escape every danger by hiding from life. It is better to face our troubles bravely than to run away from them.

王さまは手遅れになってから悟りました。生きることから隠れていても、あらゆる危険から逃れられる者はいないのです。困難からは逃げるより、勇気をもって立ち向かうほうがよいのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

昔、ひとり息子しかいない王さまがいました。若い王子は強くて勇敢で、狩りや乗馬や剣の稽古が大好きでした。王子はいつか偉大な戦士になることを夢見ていました。

ある夜、王さまは恐ろしい夢を見ました。夢の中で、ある声が、王子はライオンに殺されるだろうと告げたのです。王さまはふるえながら目を覚ましました。顔は涙でぬれていました。「ただの夢だ」と、王さまは自分に言い聞かせました。けれども、その夢を忘れることができませんでした。

次の朝、王さまはある決心をしました。「王子にはもう狩りには行かせない」と、王さまは言いました。「王子のために美しい宮殿を建てて、その中にいさせるのだ。そこならライオンは決して近づけない」

まもなく新しい宮殿が建てられました。そこにはすてきな庭や噴水があり、まわりはぐるりと高い壁で囲まれていました。王子を喜ばせるため、王さまは国でいちばんの画家たちに、壁を飾るように頼みました。画家たちは、あらゆる種類の動物を実物大で描きました。馬やシカ、クマやオオカミがいて、ひとつの壁には巨大な金色のライオンが描かれていました。それはあまりに本物そっくりで、今にも息をしそうに見えました。

王子は宮殿に移され、外から鍵をかけられてしまいました。はじめのうち、王子は我慢しようとしました。けれども毎日は長く、むなしいものでした。馬にも乗れず、狩りもできず、友だちにも会えませんでした。王子は庭をぐるぐると歩き回り、とうとう石のひとつひとつまで覚えてしまいました。

ある日の午後、王子は描かれたライオンの前で立ち止まりました。そのほこらしげな顔と鋭い歯を見ているうちに、怒りがいっぺんに爆発しました。

「おまえめ!」と、王子は叫びました。「おまえは世界でいちばん悪い動物だ! おまえのせいで、そして父上のばかげた夢のせいで、ぼくはかごの鳥みたいにこの宮殿に閉じこめられているんだ。おまえをどうしてくれようか?」

王子はライオンをたたくものはないかと、あたりを見回しました。壁の近くに、鋭いとげにおおわれた小さな木がありました。王子はその枝を折って絵をたたいてやろうと、手をのばしました。ところが枝をつかんだとき、長いとげが一本、指の奥深くに刺さってしまいました。

「いたっ!」と叫んで、王子は手を引っこめました。血がひとしずく、指をつたって流れました。「たいしたことはない」と言って、王子は中にもどっていきました。

ところが、たいしたことがないどころではありませんでした。夕方には、指は赤くはれ上がっていました。次の朝には、手全体が熱をもって痛んでいました。それから、王子はひどい熱を出しました。王国じゅうでいちばんの医者たちが呼ばれ、王さまは昼も夜も息子の枕もとに付きそいました。けれども、どうすることもできませんでした。数日後、若い王子は永遠に目を閉じました。

王さまはひっそりと静まりかえった宮殿に、ひとりで座っていました。そして壁に描かれたライオンを見上げて、泣きました。

「あの子を守ろうと、あれほど手をつくしたのに」と、王さまはささやきました。「世界じゅうのあらゆる危険から遠ざけて閉じこめたのに。それでも夢は本当になってしまった」

王さまは手遅れになってから悟りました。生きることから隠れていても、あらゆる危険から逃れられる者はいないのです。困難からは逃げるより、勇気をもって立ち向かうほうがよいのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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It is better to face our troubles bravely than to try to escape them.

困難からにげようとするより、勇気をもって立ち向かうほうがよい。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the king lock his son in a palace?

Q2. What did the prince want to do to the painted lion?

Q3. What hurt the prince?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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