The Monkey and the Dolphin(サルとイルカ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Monkey and the Dolphin

サルとイルカ

  • 📖 551 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:03
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ嵐で船がしずみ、海に投げ出されたサル。人間が好きなイルカは、サルを人間だと思って背中に乗せ、岸へと運びます……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • sailor船乗り
  • coast海岸
  • drownおぼれる
  • dolphinイルカ
  • human beings人間
  • Athensアテネ(ギリシャの都市)
  • impressed感心した
  • harbor港
  • creature生き物
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Charon)

Long ago, a sailor set out on a long journey across the sea. To keep himself company, he took a pet monkey with him. The monkey was clever and funny. He climbed up the ropes, made faces at the sailors and copied everything that people did. Everyone on the ship laughed at his tricks.

昔々、ひとりの船乗りが海を越える長い旅に出ました。寂しくないように、ペットのサルを連れていきました。サルは賢くて、おもしろいやつでした。ロープをよじ登ったり、船乗りたちに変な顔をしてみせたり、人がすることを何でも真似したりしました。船の上のだれもが、サルの芸を見て笑いました。

For many days the sea was calm. But one night, as the ship was sailing near the coast of Greece, a terrible storm began. The wind roared, and huge waves crashed over the ship. At last, with a great crack, the ship broke apart. The sailors jumped into the dark water and swam for their lives, and the monkey jumped in with them.

何日ものあいだ、海は穏やかでした。ところがある夜、船がギリシャの沿岸近くを進んでいたとき、恐ろしい嵐が始まりました。風がうなり、大波が船の上に打ちつけます。ついに、バリッという大きな音とともに、船はばらばらに壊れてしまいました。船乗りたちは暗い海に飛び込み、命がけで泳ぎました。サルも一緒に飛び込みました。

The monkey could not swim well. He kicked his legs and waved his arms, but the waves kept pushing him under. He was sure that he was going to drown.

サルはあまり上手に泳げませんでした。足をばたつかせ、腕を振りまわしましたが、波は何度もサルを水の中へ押しこみます。サルは、自分はおぼれ死ぬにちがいないと思いました。

Then something large and smooth came up under him and lifted him out of the water. It was a dolphin. In those days, people said that dolphins loved human beings and often saved them from the sea. In the darkness and the storm, the dolphin had seen the monkey's face and hands, and he thought that the monkey was a man.

そのとき、何か大きくてなめらかなものが下から浮かび上がってきて、サルを水の上へ持ち上げました。イルカです。そのころ、イルカは人間が大好きで、海でおぼれる人をよく助けると言われていました。暗闇と嵐の中で、イルカはサルの顔と手を見て、サルを人間だと思いこんだのです。

"Hold on," said the dolphin kindly. "I will carry you to land."

「しっかりつかまっていなさい」と、イルカはやさしく言いました。「陸まで運んであげよう」

The monkey held on tightly, and the dolphin swam through the waves all night. In the morning, the storm had passed, and the sea was blue and calm. Far ahead, they could see the white buildings of a great city on the shore.

サルはしっかりとしがみつき、イルカはひと晩じゅう波の中を泳ぎました。朝になると嵐は去り、海は青く穏やかになっていました。はるか前方の岸辺に、大きな都市の白い建物が見えました。

"That is Athens," said the dolphin. "Are you from Athens, my friend?"

「あれはアテネだ」と、イルカは言いました。「きみはアテネの人かい?」

The monkey wanted the dolphin to think that he was important. "Yes, I am," he said proudly. "In fact, I come from one of the oldest and most famous families in the city."

サルは、自分が偉い者だとイルカに思わせたくなりました。「ええ、そうですとも」と、サルは得意げに答えました。「じつを言うと、わたしはあの町でいちばん古くて有名な家柄の出なんです」

The dolphin was impressed. "Then you must know the Piraeus," he said. He was talking about the famous harbor of Athens, where all the ships came in.

イルカは感心しました。「それなら、ピレウスのことは知っているだろうね」と、イルカは言いました。ピレウスというのは、すべての船が入ってくる、アテネの有名な港のことです。

But the monkey had never heard of the Piraeus. He thought it was the name of a person. He did not want to look foolish, so he answered quickly. "The Piraeus? Of course I know him! He is one of my best friends. We have dinner together almost every week."

ところがサルは、ピレウスなど聞いたこともありませんでした。人の名前だと思ったのです。ばかだと思われたくなかったので、サルはすぐに答えました。「ピレウス? もちろん知っていますよ! わたしの親友のひとりです。ほとんど毎週一緒に夕食を食べていますよ」

The dolphin stopped swimming. He turned his head and looked carefully at the creature on his back. In the bright morning light, he saw the long tail, the hairy arms and the funny little face. This was not a man at all. It was a monkey, and a monkey who told lies.

イルカは泳ぐのをやめました。首を回して、背中に乗っている生き物をじっくりと見ました。明るい朝の光の中で、長いしっぽと、毛むくじゃらの腕と、おかしな小さい顔が見えました。これは人間などではまったくありません。サルでした。しかも、嘘をつくサルだったのです。

"You are not a man from Athens," said the dolphin coldly. "You are a liar. I have carried you all night because I wanted to help a human being. I will not carry a liar a single wave farther."

「きみはアテネの人間なんかじゃない」と、イルカは冷たく言いました。「嘘つきだ。わたしがひと晩じゅうきみを運んできたのは、人間を助けたかったからだ。嘘つきを乗せて、あと波ひとつ分だって進むつもりはない」

And with these words, the dolphin dived deep under the water and swam away. The monkey was left alone in the middle of the sea, far from the shore that he had almost reached. He was never seen again.

そう言うと、イルカは海の深くにもぐって泳ぎ去ってしまいました。サルは、もう少しでたどり着くところだった岸から遠く離れた海のまん中に、ひとり取り残されました。そのあと、サルの姿を見た者はいません。

On the beach, some of the sailors who had swum to safety looked out over the sea. They wondered what had happened to their funny little monkey. Only the dolphin knew, and he never told anyone.

浜辺では、泳いで助かった船乗りたちの何人かが海を見わたしていました。あのおもしろい小さなサルはどうなったのだろうと、みんなは思いました。それを知っていたのはイルカだけでしたが、イルカはだれにも話しませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

昔々、ひとりの船乗りが海を越える長い旅に出ました。寂しくないように、ペットのサルを連れていきました。サルは賢くて、おもしろいやつでした。ロープをよじ登ったり、船乗りたちに変な顔をしてみせたり、人がすることを何でも真似したりしました。船の上のだれもが、サルの芸を見て笑いました。

何日ものあいだ、海は穏やかでした。ところがある夜、船がギリシャの沿岸近くを進んでいたとき、恐ろしい嵐が始まりました。風がうなり、大波が船の上に打ちつけます。ついに、バリッという大きな音とともに、船はばらばらに壊れてしまいました。船乗りたちは暗い海に飛び込み、命がけで泳ぎました。サルも一緒に飛び込みました。

サルはあまり上手に泳げませんでした。足をばたつかせ、腕を振りまわしましたが、波は何度もサルを水の中へ押しこみます。サルは、自分はおぼれ死ぬにちがいないと思いました。

そのとき、何か大きくてなめらかなものが下から浮かび上がってきて、サルを水の上へ持ち上げました。イルカです。そのころ、イルカは人間が大好きで、海でおぼれる人をよく助けると言われていました。暗闇と嵐の中で、イルカはサルの顔と手を見て、サルを人間だと思いこんだのです。

「しっかりつかまっていなさい」と、イルカはやさしく言いました。「陸まで運んであげよう」

サルはしっかりとしがみつき、イルカはひと晩じゅう波の中を泳ぎました。朝になると嵐は去り、海は青く穏やかになっていました。はるか前方の岸辺に、大きな都市の白い建物が見えました。

「あれはアテネだ」と、イルカは言いました。「きみはアテネの人かい?」

サルは、自分が偉い者だとイルカに思わせたくなりました。「ええ、そうですとも」と、サルは得意げに答えました。「じつを言うと、わたしはあの町でいちばん古くて有名な家柄の出なんです」

イルカは感心しました。「それなら、ピレウスのことは知っているだろうね」と、イルカは言いました。ピレウスというのは、すべての船が入ってくる、アテネの有名な港のことです。

ところがサルは、ピレウスなど聞いたこともありませんでした。人の名前だと思ったのです。ばかだと思われたくなかったので、サルはすぐに答えました。「ピレウス? もちろん知っていますよ! わたしの親友のひとりです。ほとんど毎週一緒に夕食を食べていますよ」

イルカは泳ぐのをやめました。首を回して、背中に乗っている生き物をじっくりと見ました。明るい朝の光の中で、長いしっぽと、毛むくじゃらの腕と、おかしな小さい顔が見えました。これは人間などではまったくありません。サルでした。しかも、嘘をつくサルだったのです。

「きみはアテネの人間なんかじゃない」と、イルカは冷たく言いました。「嘘つきだ。わたしがひと晩じゅうきみを運んできたのは、人間を助けたかったからだ。嘘つきを乗せて、あと波ひとつ分だって進むつもりはない」

そう言うと、イルカは海の深くにもぐって泳ぎ去ってしまいました。サルは、もう少しでたどり着くところだった岸から遠く離れた海のまん中に、ひとり取り残されました。そのあと、サルの姿を見た者はいません。

浜辺では、泳いで助かった船乗りたちの何人かが海を見わたしていました。あのおもしろい小さなサルはどうなったのだろうと、みんなは思いました。それを知っていたのはイルカだけでしたが、イルカはだれにも話しませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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A lie may get you far, but it will not take you all the way.

うそはしばらく役に立っても、最後まではあなたを運んでくれない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the dolphin save the monkey?

Q2. What was the Piraeus?

Q3. How did the dolphin learn the truth?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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