The Ballad of Mulan(木蘭の詩(ムーラン))の挿絵
Level 4 Intermediate世界の民話

The Ballad of Mulan

木蘭の詩(ムーラン)

  • 📖 865 words
  • ⏱ 約8分
  • YL 2.5–3.4
  • 英検2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ機を織りながら、ため息をつく娘・木蘭(ムーラン)。皇帝が兵を集める名簿に、年老いた父の名前があったのです。弟はまだ小さく、ほかに戦える男はいません。木蘭が決めたこととは……。

中国の古い民謡(『木蘭詩』6世紀ごろ)

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • ballad民謡;物語詩
  • loom機(はた)
  • sighため息(をつく)
  • Khan皇帝(ハーン)
  • saddle鞍(くら)
  • bridle馬のおもがい(くつわ)
  • frontier国境地帯
  • armorよろい
  • rank位;階級

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This story comes from an old Chinese song. It was first sung about fifteen hundred years ago, and children in China still learn it today. It begins with the sound of a loom.

この物語は、中国の古い歌から生まれたものです。今から千五百年ほど前に初めて歌われ、中国の子どもたちは今でもこの歌を習います。歌は、機織りの音から始まります。

Click, clack, click, clack. Mulan sat at her loom by the door, weaving cloth. But that day, the sound of the loom stopped, and all that could be heard was the sound of Mulan's sighs.

カタン、コトン、カタン、コトン。木蘭(ムーラン)は戸口のそばの機に向かい、布を織っていました。ところがその日、機の音がやみ、聞こえてくるのは木蘭のため息ばかりでした。

"What are you thinking about, my daughter?" her mother asked. "What is troubling you?"

「何を考えているの、娘や」と、母がたずねました。「何を悩んでいるの」

"I am not thinking of anything special," Mulan answered. "But last night, I saw the army notices. The Khan is calling soldiers for a great war in the north. There are twelve scrolls of names, and on every scroll, I saw my father's name."

「別に何も考えてはいないわ」と、木蘭は答えました。「でも、ゆうべ軍のお触れ書きを見たの。可汗(カガン)さまが、北での大きな戦のために兵を集めているのよ。名簿の巻物が十二巻あって、どの巻物にも父さんの名前があったわ」

Her father was old and weak. He had fought in wars when he was young, but now he could not ride a horse into battle. Mulan had no older brother, only a little brother who was still a child. If no man from the family went, there would be serious trouble.

父は年老いて弱っていました。若いころは戦で戦いましたが、今では馬に乗って戦場へ行くことはできませんでした。木蘭には兄がおらず、まだ子どもの弟がいるだけでした。家から男がだれも行かなければ、大変なことになってしまうのでした。

Mulan thought about it all night. In the morning, she made up her mind. "I will buy a horse and a saddle," she said, "and I will go to war in my father's place."

木蘭はひと晩じゅうそのことを考えました。朝になると、心を決めました。「馬と鞍を買うわ」と、木蘭は言いました。「そして父さんのかわりに戦に行くわ」

Her family was shocked, but Mulan would not change her mind. She went to the east market and bought a fine horse. In the west market, she bought a saddle. In the south market, she bought a bridle, and in the north market, she bought a long whip. She cut her hair and put on her father's armor. Then, early one morning, she said goodbye to her mother and father and rode away.

家族はおどろきあわてましたが、木蘭の決心は変わりませんでした。木蘭は東の市でりっぱな馬を買いました。西の市で鞍を買いました。南の市でくつわを買い、北の市で長いむちを買いました。髪を切り、父のよろいを身につけました。そしてある朝早く、母と父に別れを告げて、馬で去っていきました。

In the morning, she left her parents. In the evening, she camped by the Yellow River. She could not hear her mother and father calling her name. She heard only the sound of the river water, rushing past in the dark.

朝には父母のもとを発ち、夕べには黄河のほとりで野営しました。父と母が自分の名をよぶ声は、もう聞こえません。聞こえるのはただ、暗やみの中を流れていく黄河の水音だけでした。

In the morning, she left the Yellow River. In the evening, she reached the Black Mountains. She could not hear her mother and father calling her name. She heard only the cry of the horses of the enemy, far away in the northern mountains.

朝には黄河を発ち、夕べには黒山に着きました。父と母が自分の名をよぶ声は、もう聞こえません。聞こえるのはただ、遠く北の山々にいる敵の馬のいななきだけでした。

She rode ten thousand miles to the war. Over mountains and through passes, she flew like a bird. The cold north wind carried the sound of the soldiers' night drums. The moonlight shone cold on her iron armor.

木蘭は一万里の道を戦場へとかけました。山をこえ、関所をぬけ、鳥のように飛んでいきました。冷たい北風が、兵士たちの夜の太鼓の音を運んできました。月の光が、鉄のよろいを冷たく照らしていました。

The war was long and hard. Generals fell in a hundred battles. Many of her companions did not return. Year after year, Mulan fought bravely side by side with the other soldiers. She ate with them, marched with them, and slept in the same camps. No one ever guessed her secret.

戦は長くつらいものでした。百の戦いで将軍たちがたおれました。仲間の多くは帰りませんでした。来る年も来る年も、木蘭はほかの兵士たちと肩を並べて勇敢に戦いました。一緒に食べ、一緒に行軍し、同じ陣営で眠りました。だれも木蘭の秘密に気づきませんでした。

Sometimes, on quiet nights by the campfire, the other soldiers talked about their wives and children at home. Mulan listened and smiled. She thought of her old father and mother, of her sister and little brother, and of the loom standing silent by the door. But she never said a word about who she really was, and she never complained about the cold or the long marches.

静かな夜、たき火のそばで、ほかの兵士たちが故郷の妻や子どもの話をすることがありました。木蘭は耳をかたむけ、ほほえみました。そして、年老いた父と母のこと、姉と幼い弟のこと、戸口のそばで音もなく立っている機のことを思いました。けれども、自分が本当はだれなのか、ひとことも話しませんでした。寒さや長い行軍に不平を言うこともありませんでした。

At last, after twelve long years, the war was over. The soldiers who were still alive returned home. Mulan and her companions were called to the capital to see the Son of Heaven, the Khan, who sat in his great hall.

とうとう、長い十二年が過ぎて、戦は終わりました。生き残った兵士たちは故郷へ帰りました。木蘭と仲間たちは都へよばれました。大広間にすわる天子、可汗にお目通りするためです。

The Khan was very pleased with the brave soldier. He gave Mulan the highest rank and many gifts, and he offered her an important position in his court.

可汗はこの勇敢な兵士を、たいそう気に入りました。木蘭にいちばん高い位とたくさんのほうびをあたえ、朝廷での大切な役目も授けようと申し出ました。

But Mulan bowed and said, "I do not want a high position. I only ask for a camel that can run a thousand miles a day, to carry me back to my home."

けれども木蘭はおじぎをして言いました。「高い位はいりません。ただ、一日に千里をかけるラクダを一頭いただきとうございます。それに乗って故郷へ帰りたいのです」

When her parents heard that their daughter was coming home, they came out to the edge of the town to meet her, holding each other's arms. When her older sister heard the news, she put on her best clothes and her makeup and stood waiting at the door. When her little brother heard, he was a little brother no longer. He was a young man now, and he sharpened his knife to prepare a great feast with pigs and sheep.

娘が帰ってくると聞いて、両親はたがいに腕をささえ合いながら、町はずれまでむかえに出ました。姉はその知らせを聞くと、いちばんよい着物を着てお化粧をし、戸口に立って待ちました。幼い弟もその知らせを聞きましたが、もう幼い弟ではありませんでした。今ではりっぱな若者になっていて、豚や羊のごちそうを用意しようと、包丁をとぎました。

Mulan entered her old home. She opened the door of her room in the east wing and sat down on her bed in the west wing. She took off her soldier's armor and put on the clothes she had worn long ago. By the window, she arranged her hair like a cloud. In front of the mirror, she put a yellow flower decoration on her forehead.

木蘭はなつかしいわが家に入りました。東の棟にある自分の部屋の戸を開け、西の棟の寝台に腰を下ろしました。兵士のよろいをぬぎ、むかし着ていた着物に着がえました。窓辺で雲のように髪を結い上げ、鏡の前で額に黄色い花のかざりをつけました。

Then she went out to greet her army companions, who had traveled home with her. When they saw her, they could not believe their eyes. They were completely amazed. "We traveled together for twelve years," they said, "and we never knew that Mulan was a girl!"

それから木蘭は、一緒に故郷まで旅してきた軍の仲間たちに会いに出ていきました。仲間たちは木蘭を見て、自分の目が信じられませんでした。みんなすっかり仰天してしまいました。「十二年も一緒に旅をしてきたのに」と、仲間たちは言いました。「木蘭が娘だなんて、ちっとも知らなかった!」

The old song ends with a riddle. The male rabbit kicks his feet, and the female rabbit half closes her eyes. But when two rabbits run side by side across the field, who can tell which one is the male and which one is the female?

古い歌は、なぞなぞで終わります。雄のウサギは足をばたつかせ、雌のウサギは目を細めている。けれども二羽のウサギが並んで野原をかけていくとき、どちらが雄でどちらが雌か、だれに見分けがつくでしょう。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

この物語は、中国の古い歌から生まれたものです。今から千五百年ほど前に初めて歌われ、中国の子どもたちは今でもこの歌を習います。歌は、機織りの音から始まります。

カタン、コトン、カタン、コトン。木蘭(ムーラン)は戸口のそばの機に向かい、布を織っていました。ところがその日、機の音がやみ、聞こえてくるのは木蘭のため息ばかりでした。

「何を考えているの、娘や」と、母がたずねました。「何を悩んでいるの」

「別に何も考えてはいないわ」と、木蘭は答えました。「でも、ゆうべ軍のお触れ書きを見たの。可汗(カガン)さまが、北での大きな戦のために兵を集めているのよ。名簿の巻物が十二巻あって、どの巻物にも父さんの名前があったわ」

父は年老いて弱っていました。若いころは戦で戦いましたが、今では馬に乗って戦場へ行くことはできませんでした。木蘭には兄がおらず、まだ子どもの弟がいるだけでした。家から男がだれも行かなければ、大変なことになってしまうのでした。

木蘭はひと晩じゅうそのことを考えました。朝になると、心を決めました。「馬と鞍を買うわ」と、木蘭は言いました。「そして父さんのかわりに戦に行くわ」

家族はおどろきあわてましたが、木蘭の決心は変わりませんでした。木蘭は東の市でりっぱな馬を買いました。西の市で鞍を買いました。南の市でくつわを買い、北の市で長いむちを買いました。髪を切り、父のよろいを身につけました。そしてある朝早く、母と父に別れを告げて、馬で去っていきました。

朝には父母のもとを発ち、夕べには黄河のほとりで野営しました。父と母が自分の名をよぶ声は、もう聞こえません。聞こえるのはただ、暗やみの中を流れていく黄河の水音だけでした。

朝には黄河を発ち、夕べには黒山に着きました。父と母が自分の名をよぶ声は、もう聞こえません。聞こえるのはただ、遠く北の山々にいる敵の馬のいななきだけでした。

木蘭は一万里の道を戦場へとかけました。山をこえ、関所をぬけ、鳥のように飛んでいきました。冷たい北風が、兵士たちの夜の太鼓の音を運んできました。月の光が、鉄のよろいを冷たく照らしていました。

戦は長くつらいものでした。百の戦いで将軍たちがたおれました。仲間の多くは帰りませんでした。来る年も来る年も、木蘭はほかの兵士たちと肩を並べて勇敢に戦いました。一緒に食べ、一緒に行軍し、同じ陣営で眠りました。だれも木蘭の秘密に気づきませんでした。

静かな夜、たき火のそばで、ほかの兵士たちが故郷の妻や子どもの話をすることがありました。木蘭は耳をかたむけ、ほほえみました。そして、年老いた父と母のこと、姉と幼い弟のこと、戸口のそばで音もなく立っている機のことを思いました。けれども、自分が本当はだれなのか、ひとことも話しませんでした。寒さや長い行軍に不平を言うこともありませんでした。

とうとう、長い十二年が過ぎて、戦は終わりました。生き残った兵士たちは故郷へ帰りました。木蘭と仲間たちは都へよばれました。大広間にすわる天子、可汗にお目通りするためです。

可汗はこの勇敢な兵士を、たいそう気に入りました。木蘭にいちばん高い位とたくさんのほうびをあたえ、朝廷での大切な役目も授けようと申し出ました。

けれども木蘭はおじぎをして言いました。「高い位はいりません。ただ、一日に千里をかけるラクダを一頭いただきとうございます。それに乗って故郷へ帰りたいのです」

娘が帰ってくると聞いて、両親はたがいに腕をささえ合いながら、町はずれまでむかえに出ました。姉はその知らせを聞くと、いちばんよい着物を着てお化粧をし、戸口に立って待ちました。幼い弟もその知らせを聞きましたが、もう幼い弟ではありませんでした。今ではりっぱな若者になっていて、豚や羊のごちそうを用意しようと、包丁をとぎました。

木蘭はなつかしいわが家に入りました。東の棟にある自分の部屋の戸を開け、西の棟の寝台に腰を下ろしました。兵士のよろいをぬぎ、むかし着ていた着物に着がえました。窓辺で雲のように髪を結い上げ、鏡の前で額に黄色い花のかざりをつけました。

それから木蘭は、一緒に故郷まで旅してきた軍の仲間たちに会いに出ていきました。仲間たちは木蘭を見て、自分の目が信じられませんでした。みんなすっかり仰天してしまいました。「十二年も一緒に旅をしてきたのに」と、仲間たちは言いました。「木蘭が娘だなんて、ちっとも知らなかった!」

古い歌は、なぞなぞで終わります。雄のウサギは足をばたつかせ、雌のウサギは目を細めている。けれども二羽のウサギが並んで野原をかけていくとき、どちらが雄でどちらが雌か、だれに見分けがつくでしょう。

日本語訳:多読ベスト

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理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Mulan decide to go to war?

Q2. What did Mulan ask the Khan for after the war?

Q3. Why were Mulan's friends from the army so surprised?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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