The Miser(けちんぼと金のかたまり)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Miser

けちんぼと金のかたまり

  • 📖 533 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:51
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ持ち物をすべて売って大きな金のかたまりを買い、古い石垣のそばに埋めたけちな男。毎日それをながめに通っていましたが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • lumpかたまり
  • treasure宝
  • twistedねじれた
  • dug掘った(dig の過去形)
  • miserけちんぼ
  • shovelシャベル
  • staredじっと見つめた
  • pretendふりをする
音声に合わせて文が光ります0:00 / 2:51

Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Zephyr)

There was once a man who loved gold more than anything else in the world. He did not love his friends, because friends wanted dinners and presents. He did not love good food or warm clothes, because they cost money. He only loved gold.

昔、この世の何よりも金(きん)を愛する男がいました。友だちは愛しませんでした。友だちはごちそうやおくりものをほしがるからです。おいしい食べ物も暖かい服も愛しませんでした。お金がかかるからです。男が愛していたのは、金だけでした。

One day he made a big decision. He sold his house, his furniture, his horse and even his winter coat. With all the money, he bought one large, heavy lump of gold. It shone in his hands like a little sun. "Now my treasure is safe in one piece," he thought happily. "Nobody can spend it, and nobody can steal it."

ある日、男は大きな決心をしました。家も家具も馬も、冬のコートさえも売り払ったのです。そして、そのお金を全部使って、大きくて重い金のかたまりをひとつ買いました。金は男の手の中で、小さな太陽のように輝きました。「これでわしの宝はひとかたまりになって安全だ」と、男はうれしそうに思いました。「だれも使えないし、だれも盗めない」

But where could he keep it? Banks could not be trusted, he decided, and a box under the bed was the first place that a thief would look. So late one night, he walked out to an old stone wall at the edge of a field. There, under the roots of a twisted tree, he dug a deep hole. He put the gold inside, covered it with earth and placed a flat stone on top.

でも、それをどこにしまっておけばいいでしょう? 銀行は信用できない、と男は考えました。ベッドの下の箱は、どろぼうがまっさきにさがす場所です。そこで、ある夜おそく、男は野原のはずれの古い石垣まで歩いていきました。そして、ねじれた木の根もとに深い穴を掘りました。金をその中に入れ、土をかぶせ、上に平たい石を置きました。

After that, the miser visited his gold every single day. Sometimes he went twice a day. He would sit next to the wall, lift the stone, dig a little and look at the shining gold. He never took it out, and he never spent any of it. He just looked at it, smiled, and covered it up again.

それからというもの、けちんぼうは毎日欠かさず金を見に行きました。一日に二回行くこともありました。石垣のそばに座り、石を持ち上げ、少し掘って、輝く金をながめるのです。取り出すことは決してなく、少しも使いませんでした。ただながめて、にっこりして、また埋めもどすだけでした。

Now, a young man worked on the farm near the field. He had noticed the old man who came to the wall so often. "Why does he sit by that old wall every day?" the young man wondered. "What is so interesting about a pile of stones?" One evening, he hid behind a bush and watched. When he saw the gold flash in the miser's hands, his eyes became very wide.

さて、その野原の近くの農場で、ひとりの若者が働いていました。若者は、しょっちゅう石垣にやってくる老人に気づいていました。「あのじいさんは、どうして毎日あの古い石垣のそばに座っているんだろう?」と、若者はふしぎに思いました。「石の山の何がそんなにおもしろいんだ?」ある晩、若者は茂みのかげにかくれて見張っていました。けちんぼうの手の中で金がきらりと光るのを見ると、若者の目はまんまるになりました。

That night, the young man came back with a shovel. In ten minutes, the gold was gone, and so was he.

その夜、若者はシャベルを持って戻ってきました。十分後には、金も若者も消えていました。

The next morning the miser arrived at the wall as usual. He lifted the stone. He dug. He dug more. The hole was empty.

次の朝、けちんぼうはいつものように石垣にやってきました。石を持ち上げました。掘りました。もっと掘りました。穴はからっぽでした。

The old man screamed. He pulled at his hair and fell on the ground. "My gold!" he cried. "My beautiful gold has been stolen, and everything I had is gone!" He cried so loudly that a neighbor came running across the field to see what had happened.

老人は悲鳴をあげました。髪をかきむしり、地面に倒れこみました。「わしの金が!」と、老人は叫びました。「わしの美しい金が盗まれた。わしの財産が何もかもなくなってしまった!」あまりにも大声で泣き叫んだので、近所の人が何ごとかと野原をかけてきました。

When the neighbor heard the whole story, he scratched his head. "I am sorry," he said, "but I do not understand. You never used this gold, did you?"

近所の人は話をすっかり聞くと、頭をかきました。「お気の毒に」と、近所の人は言いました。「でも、よくわからないんですがね。あなたはこの金を一度も使ったことがなかったんでしょう?」

"Used it?" cried the miser. "Of course not! I would never spend it!"

「使うだって?」と、けちんぼうは叫びました。「とんでもない! 使うものか!」

"Then here is my advice," said the neighbor. He picked up a large gray stone from the wall and dropped it into the empty hole. "Come here every day and look at this stone. Pretend that it is your gold. It will be just as useful to you as the gold was."

「それなら、ひとつ忠告しましょう」と、近所の人は言いました。そして石垣から大きな灰色の石を拾い上げ、からっぽの穴の中に落としました。「毎日ここへ来て、この石をながめるんですよ。これが自分の金だと思えばいい。この石だって、あの金と同じくらい、あなたの役に立ってくれますよ」

"When the gold was here, you did nothing with it. So, really, what have you lost?"

「金がここにあったとき、あなたはそれで何もしなかった。だとしたら、いったい何を失ったというんです?」

The miser stared at the stone in the hole. For the first time in many years, he did not know what to say.

けちんぼうは、穴の中の石をじっと見つめました。何年ぶりかで、何と言えばいいのかわかりませんでした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

昔、この世の何よりも金(きん)を愛する男がいました。友だちは愛しませんでした。友だちはごちそうやおくりものをほしがるからです。おいしい食べ物も暖かい服も愛しませんでした。お金がかかるからです。男が愛していたのは、金だけでした。

ある日、男は大きな決心をしました。家も家具も馬も、冬のコートさえも売り払ったのです。そして、そのお金を全部使って、大きくて重い金のかたまりをひとつ買いました。金は男の手の中で、小さな太陽のように輝きました。「これでわしの宝はひとかたまりになって安全だ」と、男はうれしそうに思いました。「だれも使えないし、だれも盗めない」

でも、それをどこにしまっておけばいいでしょう? 銀行は信用できない、と男は考えました。ベッドの下の箱は、どろぼうがまっさきにさがす場所です。そこで、ある夜おそく、男は野原のはずれの古い石垣まで歩いていきました。そして、ねじれた木の根もとに深い穴を掘りました。金をその中に入れ、土をかぶせ、上に平たい石を置きました。

それからというもの、けちんぼうは毎日欠かさず金を見に行きました。一日に二回行くこともありました。石垣のそばに座り、石を持ち上げ、少し掘って、輝く金をながめるのです。取り出すことは決してなく、少しも使いませんでした。ただながめて、にっこりして、また埋めもどすだけでした。

さて、その野原の近くの農場で、ひとりの若者が働いていました。若者は、しょっちゅう石垣にやってくる老人に気づいていました。「あのじいさんは、どうして毎日あの古い石垣のそばに座っているんだろう?」と、若者はふしぎに思いました。「石の山の何がそんなにおもしろいんだ?」ある晩、若者は茂みのかげにかくれて見張っていました。けちんぼうの手の中で金がきらりと光るのを見ると、若者の目はまんまるになりました。

その夜、若者はシャベルを持って戻ってきました。十分後には、金も若者も消えていました。

次の朝、けちんぼうはいつものように石垣にやってきました。石を持ち上げました。掘りました。もっと掘りました。穴はからっぽでした。

老人は悲鳴をあげました。髪をかきむしり、地面に倒れこみました。「わしの金が!」と、老人は叫びました。「わしの美しい金が盗まれた。わしの財産が何もかもなくなってしまった!」あまりにも大声で泣き叫んだので、近所の人が何ごとかと野原をかけてきました。

近所の人は話をすっかり聞くと、頭をかきました。「お気の毒に」と、近所の人は言いました。「でも、よくわからないんですがね。あなたはこの金を一度も使ったことがなかったんでしょう?」

「使うだって?」と、けちんぼうは叫びました。「とんでもない! 使うものか!」

「それなら、ひとつ忠告しましょう」と、近所の人は言いました。そして石垣から大きな灰色の石を拾い上げ、からっぽの穴の中に落としました。「毎日ここへ来て、この石をながめるんですよ。これが自分の金だと思えばいい。この石だって、あの金と同じくらい、あなたの役に立ってくれますよ」

「金がここにあったとき、あなたはそれで何もしなかった。だとしたら、いったい何を失ったというんです?」

けちんぼうは、穴の中の石をじっと見つめました。何年ぶりかで、何と言えばいいのかわかりませんでした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Money is worth nothing if it is never used.

使わないお金には、何の値打ちもない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. What did the miser buy with all his money?

Q2. How did the young man find the gold?

Q3. What did the neighbor put in the hole?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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