The Bee and Jupiter(ミツバチとユピテル)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Bee and Jupiter

ミツバチとユピテル

  • 📖 518 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:47
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ世界一おいしいはちみつを神ユピテルに届けた女王バチ。喜んだユピテルは「何でも願いをかなえよう」と約束します。女王バチの願いとは……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • hiveミツバチの巣
  • bowedおじぎをした
  • nectar神々の飲み物
  • sting(ハチの)針、刺す
  • grantedかなえられた
  • price代償
  • wound傷
  • trembledふるえた
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Fenrir)

High on a mountain in Greece, there was a hive where the finest honey in the world was made. The queen of the hive was very proud of it. "Our honey is so sweet," she often said, "that it is good enough for the gods themselves."

ギリシャのある山の高いところに、ミツバチの巣がありました。そこでは、世界でいちばん上等なはちみつが作られていました。巣の女王バチは、それがとても自慢でした。「わたしたちのはちみつはとても甘いから」と、女王はよく言っていました。「神さまたちだって、きっと気に入るわ」

One day she decided to prove it. She filled a little golden cup with her freshest honey and flew up, up, up, past the clouds, until she reached Mount Olympus, where the gods lived. She flew into the great hall and bowed before Jupiter, the king of the gods.

ある日、女王はそれを確かめてみることにしました。小さな金の杯にいちばん新しいはちみつを満たすと、雲を越えて上へ上へと飛んでいき、神々の住むオリュンポス山にたどり着きました。そして大広間に飛びこみ、神々の王ユピテルの前でおじぎをしました。

"Great Jupiter," she said, "I have brought you a gift from my hive."

「偉大なるユピテルさま」と、女王は言いました。「わたしの巣から、おくりものをお持ちしました」

Jupiter tasted the honey, and his eyes grew wide. "This is wonderful!" he said. "It is even sweeter than the nectar that we drink here on Olympus. Little queen, you have made me very happy. Ask me for anything you like, and I promise that I will give it to you."

ユピテルははちみつを味わうと、目を大きく見開きました。「これはすばらしい!」と、ユピテルは言いました。「われらがここオリュンポスで飲んでいるネクタルよりも、さらに甘いではないか。小さな女王よ、おまえはわたしをとても喜ばせてくれた。何でも好きなものを願うがよい。必ずかなえてやると約束しよう」

This was exactly what the queen bee had hoped for. She had been thinking about her wish for a long time.

これこそ、女王バチが待っていた言葉でした。女王は長いあいだ、何を願うか考えていたのです。

"Thank you, great Jupiter," she said. "Here is my wish. Every summer, human beings come to our hive. They break it open and steal the honey which we have worked so hard to make. Please give me a sting, a powerful sting. Then, whenever a human tries to take our honey, I can sting him and kill him."

「ありがとうございます、偉大なるユピテルさま」と、女王は言いました。「わたしの願いはこうです。毎年夏になると、人間たちがわたしたちの巣にやってきます。巣をこわして、わたしたちが一生けんめい作ったはちみつを盗んでいくのです。どうか、わたしに針をください。強い針を。そうすれば、人間がはちみつを取ろうとするたびに、刺して殺してやれます」

The hall became very quiet, and Jupiter's smile disappeared. He loved human beings, and he did not want them to be killed for a little honey. He was angry with the bee for having such a cruel wish. But he had made a promise, and a god must always keep his promises.

大広間はしんと静まりかえり、ユピテルの笑みは消えました。ユピテルは人間を愛していました。わずかなはちみつのために人間が殺されるなど、望んでいません。そんな残酷な願いをするハチに、腹が立ちました。けれども、約束をしてしまったのです。神というものは、約束を必ず守らなければなりません。

He thought for a long time. Then he spoke in a deep, slow voice.

ユピテルは長いあいだ考えました。それから、低くゆっくりとした声で言いました。

"Very well," he said. "You will have your sting, and from today every bee will carry one. But listen carefully, little queen. Your wish has been granted, but it has a price. When you use your sting, it will stay in the wound that you have made. And when you lose your sting, you will die."

「よかろう」と、ユピテルは言いました。「おまえに針をさずけよう。今日から、すべてのハチが針を持つことになる。だが、よく聞くのだ、小さな女王よ。願いはかなえたが、それには代わりに払うものがある。針を使えば、針は相手の傷の中に残る。そして針を失えば、おまえは死ぬのだ」

The queen bee's wings trembled. "Die?" she whispered. "But that is not what I asked for."

女王バチの羽がふるえました。「死ぬ、ですって?」と、女王はささやきました。「でも、わたしはそんなことはお願いしていません」

"No," said Jupiter. "You asked for the power to hurt others, and I have given it to you. But a wish to hurt others often hurts the one who makes it."

「そうだな」と、ユピテルは言いました。「おまえはほかの者を傷つける力を願い、わたしはそれをさずけた。だが、ほかの者を傷つけたいという願いは、しばしば願った者自身を傷つけるものなのだ」

The queen bee flew slowly back down the mountain. She was not as happy as she had expected to be. That summer, when a farmer came to take honey from the hive, a young bee flew at him angrily. The farmer cried out and ran away with a red, painful spot on his hand. But the young bee fell to the ground, and she never flew again.

女王バチはゆっくりと山を下りて帰っていきました。思っていたほどうれしくはありませんでした。その夏、ひとりの農夫が巣からはちみつを取りに来ると、一匹の若いハチが怒って農夫に向かっていきました。農夫は叫び声をあげて逃げていきました。手が赤くはれて、ずきずきと痛んでいました。けれども若いハチは地面に落ち、二度と飛ぶことはありませんでした。

Since that day, honeybees have always had stings, but they do not use them easily. They have learned that a sting can cost them their life. That is why, even today, a bee will usually fly away from you if you leave it alone.

その日から、ミツバチはずっと針を持っていますが、かんたんには使いません。針を使えば命を失うこともあると知ったからです。だから今でも、ハチはたいてい、こちらが手を出さなければ、そのまま飛んでいってしまうのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

ギリシャのある山の高いところに、ミツバチの巣がありました。そこでは、世界でいちばん上等なはちみつが作られていました。巣の女王バチは、それがとても自慢でした。「わたしたちのはちみつはとても甘いから」と、女王はよく言っていました。「神さまたちだって、きっと気に入るわ」

ある日、女王はそれを確かめてみることにしました。小さな金の杯にいちばん新しいはちみつを満たすと、雲を越えて上へ上へと飛んでいき、神々の住むオリュンポス山にたどり着きました。そして大広間に飛びこみ、神々の王ユピテルの前でおじぎをしました。

「偉大なるユピテルさま」と、女王は言いました。「わたしの巣から、おくりものをお持ちしました」

ユピテルははちみつを味わうと、目を大きく見開きました。「これはすばらしい!」と、ユピテルは言いました。「われらがここオリュンポスで飲んでいるネクタルよりも、さらに甘いではないか。小さな女王よ、おまえはわたしをとても喜ばせてくれた。何でも好きなものを願うがよい。必ずかなえてやると約束しよう」

これこそ、女王バチが待っていた言葉でした。女王は長いあいだ、何を願うか考えていたのです。

「ありがとうございます、偉大なるユピテルさま」と、女王は言いました。「わたしの願いはこうです。毎年夏になると、人間たちがわたしたちの巣にやってきます。巣をこわして、わたしたちが一生けんめい作ったはちみつを盗んでいくのです。どうか、わたしに針をください。強い針を。そうすれば、人間がはちみつを取ろうとするたびに、刺して殺してやれます」

大広間はしんと静まりかえり、ユピテルの笑みは消えました。ユピテルは人間を愛していました。わずかなはちみつのために人間が殺されるなど、望んでいません。そんな残酷な願いをするハチに、腹が立ちました。けれども、約束をしてしまったのです。神というものは、約束を必ず守らなければなりません。

ユピテルは長いあいだ考えました。それから、低くゆっくりとした声で言いました。

「よかろう」と、ユピテルは言いました。「おまえに針をさずけよう。今日から、すべてのハチが針を持つことになる。だが、よく聞くのだ、小さな女王よ。願いはかなえたが、それには代わりに払うものがある。針を使えば、針は相手の傷の中に残る。そして針を失えば、おまえは死ぬのだ」

女王バチの羽がふるえました。「死ぬ、ですって?」と、女王はささやきました。「でも、わたしはそんなことはお願いしていません」

「そうだな」と、ユピテルは言いました。「おまえはほかの者を傷つける力を願い、わたしはそれをさずけた。だが、ほかの者を傷つけたいという願いは、しばしば願った者自身を傷つけるものなのだ」

女王バチはゆっくりと山を下りて帰っていきました。思っていたほどうれしくはありませんでした。その夏、ひとりの農夫が巣からはちみつを取りに来ると、一匹の若いハチが怒って農夫に向かっていきました。農夫は叫び声をあげて逃げていきました。手が赤くはれて、ずきずきと痛んでいました。けれども若いハチは地面に落ち、二度と飛ぶことはありませんでした。

その日から、ミツバチはずっと針を持っていますが、かんたんには使いません。針を使えば命を失うこともあると知ったからです。だから今でも、ハチはたいてい、こちらが手を出さなければ、そのまま飛んでいってしまうのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Wishing harm on others can bring harm to yourself.

人に悪いことを願うと、それは自分にはね返ってくる。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did the queen bee visit Jupiter?

Q2. Why was Jupiter unhappy with her wish?

Q3. What happens to a bee when it uses its sting?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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