The Fox Who Had Lost His Tail(しっぽをなくしたキツネ)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Fox Who Had Lost His Tail

しっぽをなくしたキツネ

  • 📖 534 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 3:07
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ自慢のしっぽをわなで失ってしまったキツネのレッド。笑われるのがいやな彼は、仲間を集めてある「すばらしい提案」をします。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • trapわな
  • fainted気を失った
  • stump切れ残り
  • den巣穴
  • wickedいじわるな
  • giggleくすくす笑う
  • respected尊敬した
  • seen through見破られた
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Kore)

Of all the foxes in the valley, Red was the proudest. He had a long, thick, beautiful tail, which was the color of autumn leaves. Every morning he spent an hour brushing it. "A fox without a fine tail," he often said, "is hardly a fox at all."

谷に住むキツネたちの中で、いちばんうぬぼれが強いのはレッドでした。レッドのしっぽは長くてふさふさしていて、秋の木の葉のような色をした、それは美しいしっぽでした。レッドは毎朝、一時間かけてしっぽの手入れをしました。「りっぱなしっぽのないキツネなんて」と、レッドはよく言っていました。「とてもキツネとは言えないね」

One night, Red was hunting near a farm when he stepped into a trap. Snap! The metal teeth closed on his tail. Red pulled and pulled. The pain was terrible, but at last he broke free and ran into the dark woods. When he finally stopped and looked behind him, he almost fainted.

ある夜、レッドは農場の近くで狩りをしていて、わなを踏んでしまいました。バチン! 金属の歯がしっぽにかみつきました。レッドは引っぱりに引っぱりました。ひどい痛みでしたが、ようやく抜け出して、暗い森の中へ逃げこみました。やっと立ち止まって後ろをふり返ったとき、レッドはもう少しで気を失うところでした。

His beautiful tail was gone. There was only a short, ugly stump.

美しいしっぽがなくなっていたのです。残っていたのは、短くてみっともないしっぽの根元だけでした。

For several days, Red hid in his den, because he did not want anyone to see him. "They will laugh at me," he thought. "I have laughed at so many foxes whose tails were thinner than mine, and now it is my turn." But he could not hide forever. He was getting hungry, and sooner or later the others would find out.

何日ものあいだ、レッドは巣穴にかくれていました。だれにも見られたくなかったのです。「みんなに笑われる」と、レッドは思いました。「おれは、しっぽの細いキツネたちをさんざん笑ってきた。今度はおれが笑われる番だ」けれども、いつまでもかくれているわけにはいきません。おなかはすいてくるし、遅かれ早かれ、ほかのキツネたちに知られてしまうでしょう。

Then Red had an idea. It was a clever idea, he thought, and a little bit wicked. "If I cannot get my tail back," he said to himself, "then I will make everyone else lose theirs. If nobody has a tail, nobody can laugh at me."

そのとき、レッドはひとつ思いつきました。我ながら賢い考えだと思いました。少しばかり意地の悪い考えでもありました。「しっぽを取り戻せないのなら」と、レッドはひとりごとを言いました。「ほかのみんなにもしっぽをなくさせてやればいい。だれにもしっぽがなければ、おれを笑える者はいないからな」

So he called a big meeting of all the foxes in the valley. They gathered in the moonlight on top of the hill, and Red stood on a rock in front of them. Some of the young foxes began to giggle when they saw him, but Red held up his paw for silence.

そこでレッドは、谷じゅうのキツネを集めて大きな集会を開きました。キツネたちは月明かりの中、丘のてっぺんに集まりました。レッドはみんなの前の岩の上に立ちました。若いキツネの何匹かはレッドを見てくすくす笑いはじめましたが、レッドは前足を上げて静かにさせました。

"My friends," he began in a serious voice, "I have made a wonderful discovery. As you can see, I no longer have a tail. And I have never felt better in my life!"

「諸君」と、レッドはまじめな声で話しはじめました。「わたしはすばらしい発見をした。見てのとおり、わたしにはもうしっぽがない。そして、生まれてこのかた、こんなに気分がいいことはないのだ!」

The foxes looked at each other in surprise.

キツネたちはおどろいて顔を見合わせました。

"Think about it," Red continued. "What is a tail good for? Nothing at all! It is heavy, and it gets dirty and wet. It catches on bushes when you are running away from dogs, and in winter it is covered in ice."

「考えてもみたまえ」と、レッドは続けました。「しっぽが何の役に立つというのだ? 何の役にも立ちはしない! 重いし、汚れるし、ぬれる。イヌから逃げるときには茂みに引っかかるし、冬には氷だらけになる」

"I have been free of mine for a week now, and I can run faster and jump higher than ever before. I also look much more modern. So I suggest that we all cut off our tails today. Who will be first?"

「しっぽがなくなってもう一週間になるが、前よりも速く走れるし、高く跳べる。それに、ずっと今ふうに見える。そこで提案だ。今日、みんなでしっぽを切り落とそうではないか。だれが最初にやるかね?」

Nobody moved. A few of the younger foxes looked at their own tails as if they were not sure anymore. Red's speech had been very good. Then an old gray fox at the back stood up slowly. She was the oldest fox in the valley, and everyone respected her.

だれも動きませんでした。若いキツネの何匹かは、自分のしっぽをながめて、迷っているようでした。レッドの演説は、それほどうまかったのです。そのとき、後ろのほうにいた年老いた灰色のキツネが、ゆっくりと立ち上がりました。谷でいちばん年をとったキツネで、だれからも尊敬されていました。

"That was a fine speech, Red," she said. "But let me ask you one question. If you had not lost your own tail in that trap, would you be giving us this advice tonight?"

「りっぱな演説だったよ、レッド」と、年老いたキツネは言いました。「でも、ひとつだけ聞かせておくれ。もしおまえがあのわなでしっぽをなくしていなかったら、今夜わたしたちにこんなことをすすめていたかい?」

Red opened his mouth, but no words came out. His ears went flat.

レッドは口を開きましたが、言葉は出てきませんでした。耳はぺたんと伏せてしまいました。

All around the hill, the foxes began to laugh. One by one they went home, waving their long, beautiful tails behind them. And Red went back to his den alone. His clever plan had been seen through by everyone.

丘じゅうで、キツネたちが笑いだしました。そして長く美しいしっぽを振りながら、ひとり、またひとりと家へ帰っていきました。レッドは、ひとりぼっちで巣穴へ戻りました。うまいと思った計画は、みんなにすっかり見抜かれてしまったのです。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

谷に住むキツネたちの中で、いちばんうぬぼれが強いのはレッドでした。レッドのしっぽは長くてふさふさしていて、秋の木の葉のような色をした、それは美しいしっぽでした。レッドは毎朝、一時間かけてしっぽの手入れをしました。「りっぱなしっぽのないキツネなんて」と、レッドはよく言っていました。「とてもキツネとは言えないね」

ある夜、レッドは農場の近くで狩りをしていて、わなを踏んでしまいました。バチン! 金属の歯がしっぽにかみつきました。レッドは引っぱりに引っぱりました。ひどい痛みでしたが、ようやく抜け出して、暗い森の中へ逃げこみました。やっと立ち止まって後ろをふり返ったとき、レッドはもう少しで気を失うところでした。

美しいしっぽがなくなっていたのです。残っていたのは、短くてみっともないしっぽの根元だけでした。

何日ものあいだ、レッドは巣穴にかくれていました。だれにも見られたくなかったのです。「みんなに笑われる」と、レッドは思いました。「おれは、しっぽの細いキツネたちをさんざん笑ってきた。今度はおれが笑われる番だ」けれども、いつまでもかくれているわけにはいきません。おなかはすいてくるし、遅かれ早かれ、ほかのキツネたちに知られてしまうでしょう。

そのとき、レッドはひとつ思いつきました。我ながら賢い考えだと思いました。少しばかり意地の悪い考えでもありました。「しっぽを取り戻せないのなら」と、レッドはひとりごとを言いました。「ほかのみんなにもしっぽをなくさせてやればいい。だれにもしっぽがなければ、おれを笑える者はいないからな」

そこでレッドは、谷じゅうのキツネを集めて大きな集会を開きました。キツネたちは月明かりの中、丘のてっぺんに集まりました。レッドはみんなの前の岩の上に立ちました。若いキツネの何匹かはレッドを見てくすくす笑いはじめましたが、レッドは前足を上げて静かにさせました。

「諸君」と、レッドはまじめな声で話しはじめました。「わたしはすばらしい発見をした。見てのとおり、わたしにはもうしっぽがない。そして、生まれてこのかた、こんなに気分がいいことはないのだ!」

キツネたちはおどろいて顔を見合わせました。

「考えてもみたまえ」と、レッドは続けました。「しっぽが何の役に立つというのだ? 何の役にも立ちはしない! 重いし、汚れるし、ぬれる。イヌから逃げるときには茂みに引っかかるし、冬には氷だらけになる」

「しっぽがなくなってもう一週間になるが、前よりも速く走れるし、高く跳べる。それに、ずっと今ふうに見える。そこで提案だ。今日、みんなでしっぽを切り落とそうではないか。だれが最初にやるかね?」

だれも動きませんでした。若いキツネの何匹かは、自分のしっぽをながめて、迷っているようでした。レッドの演説は、それほどうまかったのです。そのとき、後ろのほうにいた年老いた灰色のキツネが、ゆっくりと立ち上がりました。谷でいちばん年をとったキツネで、だれからも尊敬されていました。

「りっぱな演説だったよ、レッド」と、年老いたキツネは言いました。「でも、ひとつだけ聞かせておくれ。もしおまえがあのわなでしっぽをなくしていなかったら、今夜わたしたちにこんなことをすすめていたかい?」

レッドは口を開きましたが、言葉は出てきませんでした。耳はぺたんと伏せてしまいました。

丘じゅうで、キツネたちが笑いだしました。そして長く美しいしっぽを振りながら、ひとり、またひとりと家へ帰っていきました。レッドは、ひとりぼっちで巣穴へ戻りました。うまいと思った計画は、みんなにすっかり見抜かれてしまったのです。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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Do not trust advice from someone who will gain from it.

その忠告で得をする者の言うことは、うのみにしてはいけない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. How did Red lose his tail?

Q2. Why did Red want the other foxes to cut off their tails?

Q3. What did the old fox ask Red?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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