The Miller, His Son, and Their Donkey(ロバを売りに行く親子)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Miller, His Son, and Their Donkey

ロバを売りに行く親子

  • 📖 706 words
  • ⏱ 約6分
  • 🔊 3:57
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじロバを売りに町へ向かう粉屋の親子。道で出会う人たちに言われるたびに、乗り方を変えていきますが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(9語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • miller粉屋(粉ひき)
  • millstone石うす
  • elders年上の人たち
  • ashamed恥ずかしく思って
  • cruelひどい、残酷な
  • load荷物、重さ
  • pole長い棒
  • upside downさかさまに
  • splashばしゃんという音
音声に合わせて文が光ります0:00 / 3:57

Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Leda)

Early one morning, an old miller and his son left their small village. They were taking their donkey to the market in the next town. The donkey was getting old, and the miller needed money for a new millstone. "If we sell him for a good price," the miller said, "we can buy everything we need for the winter."

ある朝早く、年老いた粉屋とその息子が、小さな村を出発しました。ロバを隣町の市場へ連れていくところです。ロバは年を取ってきていましたし、粉屋は新しいひき臼を買うお金が必要でした。「こいつがいい値段で売れれば」と、粉屋は言いました。「冬に必要なものが全部買えるぞ」

The road was long and dusty, so they walked slowly beside the donkey. The son, whose name was Ben, was humming a song. The sun was warm, and the birds were singing in the trees. It seemed like a perfect day.

道は長く、ほこりっぽかったので、ふたりはロバのそばをゆっくりと歩いていきました。息子はベンという名前で、歌を口ずさんでいました。日ざしは暖かく、木々では鳥がさえずっています。申し分のない一日になりそうでした。

Soon they came to a well, where a group of young women were washing clothes. When the women saw the miller and his son, they began to laugh.

まもなく、ふたりは井戸のところにさしかかりました。そこでは若い女の人たちが洗濯をしていました。女の人たちは粉屋と息子を見ると、笑い出しました。

"Look at those two!" one of them cried. "They have a donkey, but they are walking in the dust. Have you ever seen anyone so silly?"

「あのふたりを見てごらんよ!」と、ひとりが叫びました。「ロバがいるのに、ほこりの中を歩いているよ。あんな間抜けな人たち、見たことある?」

The miller's face turned red. "Perhaps she is right," he thought. "Why are we walking when we have a donkey?" So he lifted Ben onto the donkey's back, and they continued on their way.

粉屋の顔が赤くなりました。「あの娘の言う通りかもしれない」と、粉屋は思いました。「ロバがいるのに、どうして歩いているんだろう?」そこで粉屋はベンをロバの背中に乗せてやり、ふたりはまた歩きだしました。

A little later, they passed a group of old men who were sitting under a tree. The old men stopped talking and stared at Ben.

少し行くと、木の下に座っている老人たちのそばを通りかかりました。老人たちはおしゃべりをやめて、じっとベンを見つめました。

"This is exactly what I have always said," one old man said loudly. "Young people today have no respect for their elders. That lazy boy is riding, while his poor old father has to walk! Get down, boy, and let your father rest his tired legs."

「わしがいつも言っているとおりだ」と、ひとりの老人が大声で言いました。「近ごろの若い者は、年寄りを敬う気持ちがない。あの怠け者の小僧は乗っているのに、気の毒な年寄りの父親は歩かなきゃならんとは! 下りろ、小僧。おやじさんの疲れた足を休ませてやれ」

Ben felt ashamed and jumped down at once. The miller climbed onto the donkey instead. "Well," he said to himself, "nobody can complain now."

ベンは恥ずかしくなって、すぐに飛び下りました。かわりに粉屋がロバに乗りました。「よし」と、粉屋はひとりごとを言いました。「これでもう、誰も文句は言えまい」

But he was wrong. After a mile or so, they met some women who were walking with their children.

ところが、そうはいきませんでした。一マイルほど行くと、子どもを連れて歩いている女の人たちに出会いました。

"Shame on you!" cried one of the mothers. "How can you sit up there like a king while that little boy runs beside you? His legs are much shorter than yours. Look, he can hardly keep up!"

「なんてひどい!」と、母親のひとりが叫びました。「その小さな子をそばで走らせておいて、よくもまあ王さまみたいにふんぞり返って乗っていられるものね。その子の足はあなたの足よりずっと短いのよ。ほら、ついていくのがやっとじゃないの!」

The miller sighed. He did not want people to think that he was a cruel father. So he pulled Ben up behind him, and the two of them rode the donkey together. The poor donkey's legs began to shake under the heavy load, but he kept walking.

粉屋はため息をつきました。冷たい父親だと思われたくはありません。そこでベンを自分のうしろに引っ張り上げ、ふたり一緒にロバに乗りました。かわいそうなロバの脚は、重さに耐えかねてがくがくと震え始めましたが、それでもロバは歩き続けました。

By now they had almost reached the town. At the gate, a well-dressed man stopped them. "Excuse me, friend," he said. "Is that donkey yours?"

このころには、ふたりはもう町に着きかけていました。町の門のところで、身なりのいい男の人がふたりを呼び止めました。「ちょっと失礼、おまえさん」と、男の人は言いました。「そのロバはあんたのものかね?」

"Yes, sir, he is," said the miller.

「はい、そうです」と、粉屋は答えました。

"Really? I would never have guessed it from the way you treat him," the man said. "Two big people on one small donkey! You are much stronger than he is. You should carry him, not the other way around."

「本当かね? その扱い方を見ていたら、とてもそうは思えなかったよ」と、男の人は言いました。「小さなロバ一頭に大きな人間がふたりとは! あんたたちのほうがロバよりずっと力が強い。ロバがあんたたちを運ぶんじゃなくて、あんたたちがロバを運ぶべきだよ」

The miller looked at the tired donkey and then at Ben. "Anything to please you, sir," he said. "We can try."

粉屋は疲れたロバを見て、それからベンを見ました。「お気に召すことなら何でもいたしますよ、だんな」と、粉屋は言いました。「やってみましょう」

So the father and son got down. They tied the donkey's legs together, pushed a long pole between them, and lifted the pole onto their shoulders. Then they began to carry the donkey upside down across the bridge into town.

そこで父親と息子はロバから下りました。ロバの脚を縛り合わせ、そのあいだに長い棒を通して、棒を肩に担ぎました。そしてロバを逆さまにつるしたまま、橋を渡って町へ入っていきました。

It was the strangest sight that the town had ever seen. People came running out of their houses and shops to watch. They pointed, shouted and laughed until tears ran down their faces. Children followed behind them, making donkey noises.

それは、町の人たちがそれまでに見たこともないほど奇妙な眺めでした。人々が家や店から飛び出してきて、見物しました。みんな指さして叫び、涙が出るほど笑い転げました。子どもたちはロバの鳴きまねをしながら、ふたりのうしろについてきました。

The donkey did not like this at all. He hated the noise, and he hated hanging upside down. He kicked and kicked until the ropes broke. Then he fell off the pole, over the side of the bridge and into the river with a great splash. The water was fast and deep, and the donkey was carried away.

ロバはこれがまったく気に入りませんでした。騒がしい音もいやでしたし、逆さまにぶら下げられるのもいやでした。ロバは縄が切れるまで、けってけってけりまくりました。そして棒から落ちて、橋のふちを越え、ザブンと大きな水しぶきを上げて川に落ちてしまいました。川の流れは速くて深く、ロバは流されていきました。

The miller and his son stood on the bridge and watched the river in silence. The crowd slowly went away, still laughing.

粉屋と息子は橋の上に立ち尽くし、黙って川を見つめていました。人だかりは、まだ笑いながら、少しずつ去っていきました。

At last Ben spoke. "Father, what should we have done?"

とうとうベンが口を開きました。「父さん、ぼくたちはどうすればよかったの?」

The old miller thought for a long time. "We should have done what we ourselves thought was right," he said sadly. "Today I tried to please everyone, and in the end I pleased no one. And I have lost our donkey, too."

年老いた粉屋は長いあいだ考えていました。「自分たちで正しいと思うことをすればよかったんだ」と、粉屋は悲しそうに言いました。「今日、わしはみんなを喜ばせようとして、結局誰ひとり喜ばせることができなかった。おまけに、うちのロバまで失ってしまった」

Then the two of them turned around and walked home, with empty hands and heavy hearts.

それからふたりは向きを変え、手ぶらで、重い心をかかえて家へ帰っていきました。

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ある朝早く、年老いた粉屋とその息子が、小さな村を出発しました。ロバを隣町の市場へ連れていくところです。ロバは年を取ってきていましたし、粉屋は新しいひき臼を買うお金が必要でした。「こいつがいい値段で売れれば」と、粉屋は言いました。「冬に必要なものが全部買えるぞ」

道は長く、ほこりっぽかったので、ふたりはロバのそばをゆっくりと歩いていきました。息子はベンという名前で、歌を口ずさんでいました。日ざしは暖かく、木々では鳥がさえずっています。申し分のない一日になりそうでした。

まもなく、ふたりは井戸のところにさしかかりました。そこでは若い女の人たちが洗濯をしていました。女の人たちは粉屋と息子を見ると、笑い出しました。

「あのふたりを見てごらんよ!」と、ひとりが叫びました。「ロバがいるのに、ほこりの中を歩いているよ。あんな間抜けな人たち、見たことある?」

粉屋の顔が赤くなりました。「あの娘の言う通りかもしれない」と、粉屋は思いました。「ロバがいるのに、どうして歩いているんだろう?」そこで粉屋はベンをロバの背中に乗せてやり、ふたりはまた歩きだしました。

少し行くと、木の下に座っている老人たちのそばを通りかかりました。老人たちはおしゃべりをやめて、じっとベンを見つめました。

「わしがいつも言っているとおりだ」と、ひとりの老人が大声で言いました。「近ごろの若い者は、年寄りを敬う気持ちがない。あの怠け者の小僧は乗っているのに、気の毒な年寄りの父親は歩かなきゃならんとは! 下りろ、小僧。おやじさんの疲れた足を休ませてやれ」

ベンは恥ずかしくなって、すぐに飛び下りました。かわりに粉屋がロバに乗りました。「よし」と、粉屋はひとりごとを言いました。「これでもう、誰も文句は言えまい」

ところが、そうはいきませんでした。一マイルほど行くと、子どもを連れて歩いている女の人たちに出会いました。

「なんてひどい!」と、母親のひとりが叫びました。「その小さな子をそばで走らせておいて、よくもまあ王さまみたいにふんぞり返って乗っていられるものね。その子の足はあなたの足よりずっと短いのよ。ほら、ついていくのがやっとじゃないの!」

粉屋はため息をつきました。冷たい父親だと思われたくはありません。そこでベンを自分のうしろに引っ張り上げ、ふたり一緒にロバに乗りました。かわいそうなロバの脚は、重さに耐えかねてがくがくと震え始めましたが、それでもロバは歩き続けました。

このころには、ふたりはもう町に着きかけていました。町の門のところで、身なりのいい男の人がふたりを呼び止めました。「ちょっと失礼、おまえさん」と、男の人は言いました。「そのロバはあんたのものかね?」

「はい、そうです」と、粉屋は答えました。

「本当かね? その扱い方を見ていたら、とてもそうは思えなかったよ」と、男の人は言いました。「小さなロバ一頭に大きな人間がふたりとは! あんたたちのほうがロバよりずっと力が強い。ロバがあんたたちを運ぶんじゃなくて、あんたたちがロバを運ぶべきだよ」

粉屋は疲れたロバを見て、それからベンを見ました。「お気に召すことなら何でもいたしますよ、だんな」と、粉屋は言いました。「やってみましょう」

そこで父親と息子はロバから下りました。ロバの脚を縛り合わせ、そのあいだに長い棒を通して、棒を肩に担ぎました。そしてロバを逆さまにつるしたまま、橋を渡って町へ入っていきました。

それは、町の人たちがそれまでに見たこともないほど奇妙な眺めでした。人々が家や店から飛び出してきて、見物しました。みんな指さして叫び、涙が出るほど笑い転げました。子どもたちはロバの鳴きまねをしながら、ふたりのうしろについてきました。

ロバはこれがまったく気に入りませんでした。騒がしい音もいやでしたし、逆さまにぶら下げられるのもいやでした。ロバは縄が切れるまで、けってけってけりまくりました。そして棒から落ちて、橋のふちを越え、ザブンと大きな水しぶきを上げて川に落ちてしまいました。川の流れは速くて深く、ロバは流されていきました。

粉屋と息子は橋の上に立ち尽くし、黙って川を見つめていました。人だかりは、まだ笑いながら、少しずつ去っていきました。

とうとうベンが口を開きました。「父さん、ぼくたちはどうすればよかったの?」

年老いた粉屋は長いあいだ考えていました。「自分たちで正しいと思うことをすればよかったんだ」と、粉屋は悲しそうに言いました。「今日、わしはみんなを喜ばせようとして、結局誰ひとり喜ばせることができなかった。おまけに、うちのロバまで失ってしまった」

それからふたりは向きを変え、手ぶらで、重い心をかかえて家へ帰っていきました。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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If you try to please everyone, you will please no one.

みんなを喜ばせようとすると、だれも喜ばせられない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why were the miller and his son going to town?

Q2. What did the old men under the tree say?

Q3. What happened to the donkey at the end?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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