The Man and His Two Sweethearts(白髪まじりの男と二人の恋人)の挿絵
Level 3 Pre-Intermediateイソップ物語

The Man and His Two Sweethearts

白髪まじりの男と二人の恋人

  • 📖 540 words
  • ⏱ 約5分
  • 🔊 2:55
  • YL 1.5–2.4
  • 英検準2級目安
  • 📝 全訳つき

あらすじ髪に白いものがまじり始めた中年のマーカスは、若い女性と年上の女性、二人と同時に付き合い始めます。二人とも、彼の髪をやさしくなでてくれるのですが……。

イソップ寓話(タウンゼンド英訳 1867年)をもとに再話

キーワード(8語)本文の点線の語はタップで意味が出ます
  • middle-aged中年の
  • lively元気な
  • elegant上品な
  • charming魅力的な
  • strokedなでた
  • looserよりゆるい
  • baldはげた
  • neitherどちらも〜ない
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Google Cloud TTS(Chirp 3 HD・アメリカ英語・Leda)

Marcus was a middle-aged man who lived in a busy town by the sea. He was kind, and he had a good job, but he was lonely. He had never married, and now his hair was beginning to turn gray. Half of it was still black, and half of it was silver.

マルクスは、海辺のにぎやかな町に住む中年の男でした。やさしい人で、よい仕事にもついていましたが、さびしい思いをしていました。一度も結婚したことがなく、今では髪が白くなりはじめていたのです。半分はまだ黒く、半分は銀色でした。

"It is time for me to find a wife," he decided one day.

「そろそろ妻を見つけなければ」と、ある日、マルクスは心を決めました。

Very soon, Marcus met two women whom he liked very much. The first was Julia, a lively young woman of twenty who laughed at all his jokes. The second was Helena, an elegant woman who was a few years older than Marcus himself. Both of them seemed to like him too. Marcus could not decide between them, so he began to visit them both.

まもなく、マルクスは、とても気に入ったふたりの女の人に出会いました。ひとりはユリアです。二十歳の明るい娘で、マルクスの冗談には何でも笑ってくれました。もうひとりはヘレナです。マルクスより数歳年上の、上品な女の人でした。ふたりとも、マルクスのことを好いているようでした。マルクスはどちらにするか決められなかったので、ふたりのもとに通うようになりました。

On Mondays and Wednesdays, he had dinner at Julia's house. Julia was lovely, but she had one worry. "Marcus is very nice," she thought, "but I do not want my friends to think that I am marrying an old man." So every evening, while he was telling her about his day, she played with his hair. And whenever she found a gray hair, she quietly pulled it out.

月曜日と水曜日には、ユリアの家で夕食をとりました。ユリアはすてきな娘でしたが、ひとつ気がかりなことがありました。「マルクスはとてもいい人だけど」と、ユリアは思いました。「友だちに、わたしがおじいさんと結婚するなんて思われたくないわ」そこで毎晩、マルクスがその日の出来事を話しているあいだ、ユリアはマルクスの髪をいじっていました。そして白髪を見つけるたびに、こっそり引き抜きました。

"Ouch," said Marcus. "What was that?" "Oh, nothing," Julia said sweetly. "Just a little insect."

「いたっ」と、マルクスは言いました。「今のは何だい?」「あら、何でもないの」と、ユリアはかわいらしく答えました。「ちょっと小さな虫がいただけよ」

On Tuesdays and Thursdays, he visited Helena. Helena was charming, but she had a worry too. "Marcus is a fine man," she thought, "but he looks younger than I am. People will laugh and say that I have stolen a young husband." So whenever Marcus sat with her in her garden, she gently stroked his head. And whenever she found a black hair, she quietly pulled it out.

火曜日と木曜日には、ヘレナを訪ねました。ヘレナは魅力的な人でしたが、やはり気がかりなことがありました。「マルクスはりっぱな人だけど」と、ヘレナは思いました。「わたしより若く見えるわ。みんなに、若い夫をつかまえたと笑われてしまう」そこで、ふたりで庭に座るたびに、ヘレナはやさしくマルクスの頭をなでました。そして黒い髪を見つけるたびに、こっそり引き抜きました。

"Ouch," said Marcus. "Did something bite me?" "Only a fly, my dear," Helena said with a smile.

「いたっ」と、マルクスは言いました。「何かにかまれたかな?」「ただのハエですわ、あなた」と、ヘレナはほほえみながら答えました。

Weeks passed, and then months. Marcus was happier than he had been in years. He was loved by two women, and both of them were so gentle with him. He did not notice that his hat was becoming looser and looser. He did not notice that he felt the wind on his head more often. He was too busy to look in the mirror.

何週間かがたち、やがて何か月かがたちました。マルクスは、ここ何年もなかったほど幸せでした。ふたりの女の人に愛され、しかもふたりとも、とてもやさしくしてくれるのです。帽子がだんだんゆるくなっていくことに、マルクスは気づきませんでした。頭に風を感じることが増えたことにも、気づきませんでした。忙しすぎて、鏡を見るひまもなかったのです。

Then one morning, as he was getting ready for a dinner party, he finally looked at himself in the mirror. He screamed so loudly that his neighbors came running.

そんなある朝、夕食会に出かける支度をしていたとき、マルクスはようやく鏡に映った自分を見ました。そして、近所の人たちがかけつけてくるほど大きな悲鳴をあげました。

His head was as smooth and shiny as an egg. There was not a single hair left on it, gray or black.

マルクスの頭は、卵のようにつるつるぴかぴかでした。白いのも黒いのも、髪の毛は一本も残っていなかったのです。

That evening he went to Julia's house. When she saw him, she put her hand over her mouth. "Oh, Marcus," she said, "you look so old!" The next evening he went to Helena's house. She looked at him sadly. "Oh, Marcus," she said, "you look like a baby!"

その晩、マルクスはユリアの家へ行きました。ユリアはマルクスを見ると、手で口をおおいました。「まあ、マルクス」と、ユリアは言いました。「ずいぶんおじいさんに見えるわ!」次の晩、マルクスはヘレナの家へ行きました。ヘレナは悲しそうにマルクスを見ました。「まあ、マルクス」と、ヘレナは言いました。「まるで赤ちゃんみたいね!」

Marcus walked home alone along the beach. The sea wind was cold on his bald head. "I tried to make both of them happy," he said to himself, "and in the end, I have made neither of them happy. And I have lost all my hair as well."

マルクスはひとりで浜辺を歩いて家へ帰りました。海風が、はげた頭に冷たくしみました。「ふたりとも喜ばせようとしたのに」と、マルクスはひとりごとを言いました。「結局、どちらも喜ばせることができなかった。おまけに髪の毛までなくしてしまった」

He bought a warm hat the next day. And when he finally married, many years later, he chose a woman who did not care at all about the color of his hair.

次の日、マルクスは暖かい帽子を買いました。そして何年もたってから、ようやく結婚したとき、マルクスが選んだのは、髪の色などまったく気にしない女の人でした。

📖 全訳をまとめて読む 読み終わってからの答え合わせに

マルクスは、海辺のにぎやかな町に住む中年の男でした。やさしい人で、よい仕事にもついていましたが、さびしい思いをしていました。一度も結婚したことがなく、今では髪が白くなりはじめていたのです。半分はまだ黒く、半分は銀色でした。

「そろそろ妻を見つけなければ」と、ある日、マルクスは心を決めました。

まもなく、マルクスは、とても気に入ったふたりの女の人に出会いました。ひとりはユリアです。二十歳の明るい娘で、マルクスの冗談には何でも笑ってくれました。もうひとりはヘレナです。マルクスより数歳年上の、上品な女の人でした。ふたりとも、マルクスのことを好いているようでした。マルクスはどちらにするか決められなかったので、ふたりのもとに通うようになりました。

月曜日と水曜日には、ユリアの家で夕食をとりました。ユリアはすてきな娘でしたが、ひとつ気がかりなことがありました。「マルクスはとてもいい人だけど」と、ユリアは思いました。「友だちに、わたしがおじいさんと結婚するなんて思われたくないわ」そこで毎晩、マルクスがその日の出来事を話しているあいだ、ユリアはマルクスの髪をいじっていました。そして白髪を見つけるたびに、こっそり引き抜きました。

「いたっ」と、マルクスは言いました。「今のは何だい?」「あら、何でもないの」と、ユリアはかわいらしく答えました。「ちょっと小さな虫がいただけよ」

火曜日と木曜日には、ヘレナを訪ねました。ヘレナは魅力的な人でしたが、やはり気がかりなことがありました。「マルクスはりっぱな人だけど」と、ヘレナは思いました。「わたしより若く見えるわ。みんなに、若い夫をつかまえたと笑われてしまう」そこで、ふたりで庭に座るたびに、ヘレナはやさしくマルクスの頭をなでました。そして黒い髪を見つけるたびに、こっそり引き抜きました。

「いたっ」と、マルクスは言いました。「何かにかまれたかな?」「ただのハエですわ、あなた」と、ヘレナはほほえみながら答えました。

何週間かがたち、やがて何か月かがたちました。マルクスは、ここ何年もなかったほど幸せでした。ふたりの女の人に愛され、しかもふたりとも、とてもやさしくしてくれるのです。帽子がだんだんゆるくなっていくことに、マルクスは気づきませんでした。頭に風を感じることが増えたことにも、気づきませんでした。忙しすぎて、鏡を見るひまもなかったのです。

そんなある朝、夕食会に出かける支度をしていたとき、マルクスはようやく鏡に映った自分を見ました。そして、近所の人たちがかけつけてくるほど大きな悲鳴をあげました。

マルクスの頭は、卵のようにつるつるぴかぴかでした。白いのも黒いのも、髪の毛は一本も残っていなかったのです。

その晩、マルクスはユリアの家へ行きました。ユリアはマルクスを見ると、手で口をおおいました。「まあ、マルクス」と、ユリアは言いました。「ずいぶんおじいさんに見えるわ!」次の晩、マルクスはヘレナの家へ行きました。ヘレナは悲しそうにマルクスを見ました。「まあ、マルクス」と、ヘレナは言いました。「まるで赤ちゃんみたいね!」

マルクスはひとりで浜辺を歩いて家へ帰りました。海風が、はげた頭に冷たくしみました。「ふたりとも喜ばせようとしたのに」と、マルクスはひとりごとを言いました。「結局、どちらも喜ばせることができなかった。おまけに髪の毛までなくしてしまった」

次の日、マルクスは暖かい帽子を買いました。そして何年もたってから、ようやく結婚したとき、マルクスが選んだのは、髪の色などまったく気にしない女の人でした。

日本語訳:多読ベスト

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このお話の教訓 Moral

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If you try to please everyone, you will please no one.

みんなに気に入られようとすると、だれにも気に入られない。

理解度チェック Quick Quiz

読み終わったら、3問だけ。間違えても大丈夫。多読は「だいたいわかる」で十分です。

Q1. Why did Julia pull out Marcus's gray hairs?

Q2. Which hairs did Helena pull out?

Q3. What did Marcus see in the mirror?

この読み物の使い方 3ステップ

  1. 聞きながら読む 音声に合わせて光る文を目で追う(聞き読み)。わからない語は飛ばしてOK。
  2. 音声なしで読む ⏱計測ボタンで読む速さ(WPM)を測ってみる。
  3. 耳だけで聞く 🎧聞くだけモードで、文字を見ずに内容がわかるか試す。🔁1文リピートで音読・シャドーイングも。

聞き読みの効果とやり方/多読三原則

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